バーサーカーのヒーローアカデミア   作:残月

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USJ襲撃③

 

 

「うおっ!?空中!?」

 

 

黒いヴィランの霧に飲み込まれた狂夜は空中を自由落下していた。突如、空中に投げ出された狂夜は驚愕しながらも周囲を見渡す。

 

 

「此処は……土砂ゾーンか!?」

 

 

本来、今日の訓練で使用する筈だったUSJの土砂ゾーン。狂夜は其処に強制的にワープさせられた。

 

 

「よっと……」

「痛い!?」

 

 

狂夜は個性発動中だった事もあり、土砂ゾーンに綺麗に着地したが隣から悲鳴が聞こえる。視線を移せば、宙に浮かぶグローブと砂の上のブーツ。

 

 

「もしかして葉隠か?」

「痛たた……お尻打っちゃったよ……あ、間桐君!」

 

 

狂夜が話し掛けると、宙に浮かぶグローブは腰の位置から少し下の丸みを帯びた一定の位置を往復してる。それは即ち、葉隠が自身の一部を擦っているという事で、葉隠の台詞から導き出される答えは……

 

 

「あー……うん、無事で何よりだ」

 

 

フルフェイスの兜越しだから相手から狂夜の視線は見えないのだが、狂夜はそれでも顔を背けながら無事である事を喜んだ。

 

 

「なんだったんだろう?急に土砂ゾーンに来ちゃったね」

「多分、あの黒いヴィランの個性だろうな。あの霧に触れた物をワープさせる力があるのかもしれないな。兎に角、さっきの場所に戻ろう」

 

 

突如、先程までいた場所から転移させられた事に驚きを隠せない葉隠に狂夜は自分なりの答えを出しながら先程の場所に戻ろうと提案した、その時だった。足下がピキピキと音を立てながら凍ってきたのだ。

 

 

「これって……!?」

「轟の個性か!葉隠、掴まれ!」

 

 

一度、凍らせられた葉隠は身を震わせ、戦闘訓練の際にモニターで見ていた狂夜はこれは轟の個性だと気付くと葉隠を抱き寄せ、跳躍した。

跳躍と同時に狂夜と葉隠が居た地点が一瞬で氷漬けにされる。後、一瞬遅かったら狂夜と葉隠も凍らせられていただろう。

 

 

「あっぶねぇ……広域範囲すぎるだろ」

「間桐君、彼処に轟君!」

 

 

後一歩遅かったらヤバかった……と狂夜が考えていると葉隠がある地点を指差した。其処には凍らせられたヴィラン達と轟が居た。狂夜は凍らせられてない地点に一度着地すると轟の場所へと走った。因みに足下が凍って危ないので葉隠は抱き上げたままである。

 

 

「子供一人に情けねえ……しっかりしろよ。大人だろ」

 

 

転移させられたほぼ同時に、敵を凍らせて一瞬で無力化した轟。狂夜達の居た場所は轟の居た地点から離れていたから、凍らせられるのが僅かに遅かった。だから狂夜は葉隠を連れて逃げる余地があったのだ。

 

 

一方の轟は狂夜と葉隠が居た事は当然知らない為に目の前の大量のヴィランを相手にする為に迷わず個性を使った。

オールマイトを殺す。初見じゃ精鋭揃えて数で圧倒するかと思ったが、予想とは違う。蓋を開けてみれば生徒用のコマのチンピラの寄せ集め。

 

明らかにヤバそうなヴィランは、ワープを使用した黒いヴィランと人の手を顔に張り付けたヴィランと脳みそが剥き出しのヴィラン。それ以外は十把一絡げだろうと考えていた。

 

 

「さて、このままじゃ、アンタ等じわじわと身体が壊死していくわけなんだが……俺もヒーロー志望。そんな酷ぇことはなるべく避けたい」

「出来りゃ仲間を巻き込む事も避けてくれヒーロー」

「スゴいね、轟君。瞬殺だ」

 

 

氷のように冷え切った表情で敵に尋問をする轟だったが、自身の背後に現れた狂夜と葉隠に目を丸くした。

 

 

「お前等……どうして……」

「ここから少し離れた位置に居たんだ。危うく巻き込まれる所だったぞ」

 

 

まさか、クラスメイトが居たとは露程も思っていなかった轟は狂夜の言葉に驚愕した。

 

 

「悪い……巻き込んだ」

「いいよ!間桐君に助けてもらったし、ヴィランもやっつけてくれたんだから!」

「そう言う事だ。さて、ヴィランのお兄さん方、聞きたいんだけど……オールマイトを殺れるって根拠……策って何だ?」

 

 

謝罪する轟に葉隠は明るく気にしないでと告げる。狂夜は抱き上げていた葉隠を下ろすと氷漬けにされたヴィラン達に話し掛けた。

 

 

「お、俺達は詳しい事は聞いちゃいない……ただ死柄木さんは……オールマイトを確実に殺せるって言ってたんだ……オールマイトさえ殺せば、後はヴィランの天下だからよ……」

 

 

ガチガチと震える唇で狂夜の質問に答えたヴィランの一人。流石に氷漬けで壊死の危険があれば強がりも出来ないらしい。

 

 

「オールマイトを確実に……か。余程の自信があるみたいだな」

「兎に角、戻ろう!皆が心配だよ!」

「そうだな、学校と連絡がつかない以上、俺達自身でどうにかしないとな」

 

 

狂夜、葉隠、轟はヴィランの話を聞いて、残りのクラスメイトが心配だと、先程の場所へと急ぐ事にした。

 

 

「おいおい、待ってくれ!俺達は!?」

「寒ぃ!凍える!」

「死にたくねぇよ!」

 

 

ヴィラン達は先程の轟の脅しが効いているのと寒さでガチガチと震えていた。

 

 

「どうするの?この人達を解放したら、また暴れるかも」

「殴って気絶でもさせるか?」

「いや、凍らせた物ってのは中身が砕けやすくなる。殴るのは少しヤバい」

 

 

葉隠の疑問に狂夜が提案を出すが、轟はそれは止めた方がよいと口を開く。

 

 

「そう言えば前にテレビで凍らせた花を叩いたら砕けるって実験やってた!」

「なるほど……つまり、今コイツ等を気絶させようと殴ったりすると……」

「そう言う事だな……」

 

「テメェ等、本当にヒーロー志望か!?」

「恐ろしい処刑法を考えるんじゃねぇっ!」

 

 

葉隠の無邪気な発言に狂夜と轟の発言がヴィラン達の恐怖を煽る。

狂夜は兜を被っているが個性発動中で瞳は赤く光っている。それが兜の目の部分を光らせてより一層の恐怖を与えていた。

轟はヴィラン達を凍らせた張本人にして、恐ろしく冷たい視線で淡々と告げる事で恐怖を倍増させていた。

 

 

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