先日の敵ヴィラン襲撃で今日、学校は臨時休校になった。USJ内の修復とセキュリティの大幅強化を予定していて、警察の捜査で学校を隅々まで見回る必要があるみたいだ。
臨時休校となった事で狂夜はゆっくりと昼過ぎまで寝ていた。
「ふ、くわぁぁぁぁぁぁ……」
眠りから覚め、ベッドから這い出た狂夜は大きなアクビをしながら自分の部屋を出る。
寝惚けた頭で朝食兼昼食を取る為にリビングに入ると、良い香りが漂ってくる。
「おはよう狂夜君。ご飯出来てるよ」
「あ、すんません先輩」
狂夜はテーブルに着くと並べられた料理に手をつける。その料理は非常に美味しく、寝起きの狂夜は次々に食べていく。
「ところで先輩……なんで家にいるんスか?」
「今日は休校でしょ。知ってた?桜ちゃんは普通に学校だから私が来たの」
散々料理を食べてから狂夜はねじれが何故、我が家に居る事を問う。ねじれは雄英が休校となった事で狂夜の家に来たらしい。
「どうやって入ったんスか……鍵かかってたでしょ」
「オジ様入れてくれたよ?お仕事に行く所だったみたいで丁度会ったの」
つまり雁夜が出勤の時に間桐家を訪れた、ねじれは雁夜と出会い中に招き入れられたと言う事だった。
「何してんだよ親父……」
「不思議。狂夜君の事、お願いしますって言われたよ」
それ絶対勘違いされてます、と狂夜は言いたくなったが言葉を飲み込んだ。
「休校になったからって俺んち来るとは予想外でした」
「……心配……したんだよ」
ねじれは狂夜を後ろから抱き締めた。顔は伺えなかったが、その声は震えていた。
「中学生の時みたいに……君を助けたかった……」
「……すんません」
中学生の時に、ねじれに助けられた経験のある狂夜はそれを思い出しながら謝る。その言葉に、ねじれの狂夜を抱き締める力が少し強くなった。
かつて狂夜は『狂化』を暴走させた。その際に様々な人達を傷付けた狂夜だったが、ねじれが狂夜の暴走を止めた。
「桜ちゃん心配してたんだよ?」
「そっすね……でも今の俺には、先輩が俺を止めてくれた時みたいに止めてくれる奴がいるんです」
桜も狂夜を心配しているとねじれが告げると、狂夜は申し訳なさそうにする。今は自身の暴走を止めてくれる奴が居ると言うと、ねじれの力が更に強くなった。抱き締めると言うよりは締め付ける感じに。
「………女の子?」
「いえ、男ですけど?熱と氷の個性を持ってる奴で、文字通り頭を冷やされました」
何処か凄みを増した、ねじれの言葉に少しばかり背筋に冷たい物が走った狂夜だったが説明をすると、ねじれの力も緩む。
「そっか……うんうん、そっかそっか」
「先輩?」
その後、機嫌の良くなった、ねじれと共に過ごした狂夜だが、学校から帰って来た桜の機嫌が急降下するのだった。