狂夜が轟を庇って場外敗けをした事で決勝は轟と爆豪で行われる事になった。爆豪と轟の決勝は爆豪が氷結されるも氷を爆破で掘り進め、左側の髪の毛を掴んだりして回避し続ける。しかし、轟の動きは緑谷や狂夜と戦った時よりも明らかに精細を欠いていた。最後は爆豪のハウザーインパクトの直撃で轟は場外に吹っ飛ぶされ場外に。爆豪は戦いの結果に納得できなかったのか場外で気絶する轟に詰め寄り、胸ぐらを掴み上げるがミッドナイトに眠らされた。
雄英体育祭トーナメント戦結果発表
1位 爆豪勝己
2位 轟焦凍
3位 間桐狂夜、常闇踏陰
『それではこれより、表彰式に移ります!!』
「もはや、悪鬼羅刹」
「一位……って言うか晒し者だな、これは」
「んんんんんんんんんんんんん!!」
ミッドナイトのアナウンスに狂夜と常闇は若干引き気味に一位の爆豪を見ていた。拘束され、暴れる爆豪の姿はヴィランそのものだった。
爆豪は暴れ、轟は俯き、常闇は順位を悔やんでいた。そんな中、狂夜は「負けちまったな」とぼんやり考えていた。
『メダル授与よ!今年メダルを贈呈するのはもちろんこの人!』
「私が!!!」
「メダルを持って来『我らがヒーロー!オールマイトォ!』」
ミッドナイトとオールマイトの声が重なる。物凄い微妙な顔になっていた。
「まずは間桐少年、おめでとう!」
「ありがとうございます」
オールマイトにメダルを掛けられながら狂夜は頭を下げる。
「キミは負けてしまったが、相手を思う気持ちが強い、それは他の誰にも負けないくらいにね。次は勝負にも勝ち、相手を思える様になろうな」
「精進します」
事実、オールマイトの指摘は的を射ていた。狂夜があの時、轟を殴り飛ばす方向を決めていれば。又は蹴り戻す時に自分がリングから落ちないようにしていれば結果は違った物になっていただろう。
「次は常闇少年、おめでとう。強いなキミは」
「もったいない、お言葉」
狂夜への送る言葉を終えた後、オールマイトは常闇と向き合う。
「ただ……相性差を覆すには個性に頼りっきりじゃダメだ。もっと地力を鍛えれば取れる択が増すだろう」
「……御意」
オールマイトに指摘された事に自覚があるのか、常闇は渋い顔で頷いた。
「轟少年。決勝で左側を収めてしまったのには何か訳があるのかい?」
「緑谷戦で切っ掛けをもらって……間桐と戦ってわからなくなりました。あなたが緑谷に目をかけるのも少しわかった気がします」
二位の段に上がったオールマイトは轟に話し掛け、轟は俯き気味に答える。
「俺もあなたのようなヒーローになりたかった、ただ俺だけが吹っ切れてそれで終わりじゃダメだと思った。清算しないといけないものがまだある」
「顔が以前と全然違う!深くは聞くまいよ、今のキミならきっと清算できる」
オールマイトは轟を抱き締めながら慰める。そしてオールマイトが一位の壇上に上がり、苦笑いを浮かべた。
「さて爆豪少年!っとこりゃあんまりだ」
「オールマイト!こんな一番に……なんの価値もねぇんだよ!世間が認めても俺が認めなきゃゴミなんだよ!!」
今の爆豪の顔はヴィラン顔負けの表情をしていた。それを見ていたオールマイトも教師も生徒達も観客ですら『スゲェ顔してる』と思っていた。
「うむ!相対評価に晒され続けるこの世界で不変の絶対評価を持ち続けられる人間はそう多くない。受け取っとけよ!傷として!忘れぬよう!」
「要らねっつってんだろうが!」
オールマイトが無理やり首に掛けさせようとしているが爆豪が思いっきり抵抗する。するとオールマイトが少し力を抜き、爆豪の口にメダルを引っ掛ける。
「さぁ!今回は彼らだったが皆さん!この場の誰もがここに立つ可能性があったんだ!ご覧頂いた通り次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている!!てな感じで最後に一言!」
オールマイトが絞めの言葉に入り、会場全体が学校校訓である『プルスウルトラ』を叫ぶのだろうと身構えた。
「皆さん、ご唱和ください!せーのッ!」
「「プルス『お疲れ様でした!』ラッ!」」
会場全体はプルスウルトラと叫んだのにオールマイト1人の声にかき消される。
「そこはプルスウルトラでしょオールマイト!」
「あぁ……いや、疲れたろうなって思って……」
こうして、ちょっと締まらない形で雄英体育祭は幕を閉じた。