バーサーカーのヒーローアカデミア   作:残月

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期末試験に向けて

 

 

期末テストまで後、一週間を切る頃。教室内では勉強出来る者と出来ない者の差がハッキリと分かれていた。

 

 

「まったく勉強してねー!」

「体育祭やら職場体験でまったく勉強してなーい!」

「確かに」

 

 

上鳴と芦戸が叫ぶ最中、常闇が同意する。

 

 

「中間はなー……入学したてでなんとかなった感じだけどなー。行事が重なりまくったからな……それに期末は中間と違って……」

「………」

 

 

砂藤の嘆きに口田が無言ながらも頷いていた。クラス内でも普段、声を出さない口田との会話が成立している辺り、これはもう慣れであろう。

 

 

「演習試験が辛いところだよなー」

 

 

砂藤の言葉を引き継いで峰田が余裕そうに頬杖を付きながら話す。かなりのドヤ顔で周囲がイラっとする程だ。

 

 

「アンタは同族だと思ってた!」

「お前みたいな奴はバカで初めて愛嬌が出るってもんだろ!?どこに需要があるんだよ!?」

「ふっ……『世界』かな……?」

 

 

芦戸と上鳴の叫びも意を介さずドヤ顔のまま言い切る峰田。

 

 

「芦戸さん、上鳴くん。が、頑張ろう?みんなで林間合宿行きたいもん!」

「うむ!」

「普通に授業を受けていれば赤点なんて取る事なんてないだろ」

「言葉には気を付けろー!」

「……皆がお前等と同じ頭だったら苦労は無いって」

 

 

緑谷、飯田、轟が順に発言するが成績上位の三人のコメントなので上鳴が凄まじい反発をし、狂夜も成績不振である為にヘコみ気味である。

 

 

「お三方……座学であるのでしたら、わたくしがお力添えできるかもしれません」

「ヤオモモーーー!!」

 

 

若干、元気ぐ無さそうに八百万が勉強を教えてくれると告げ、芦戸が抱き着いた。芦戸と上鳴には天から垂らされた救いの蜘蛛の糸の様に見えただろう。

 

 

「演習の方は……その、からっきしでしょうけども……」

「ああ、演習なら入試の時のロボと戦うそうだぞ。だから実技の演習は大丈夫だと思う。先輩から聞いたから間違いないだろう」

「よっしゃ!グッドインフォメーション!」

「ロボ相手なら楽勝!」

 

 

俯いた八百万に狂夜はねじれから教えられた実技の演習の内容を話す。上鳴と芦戸はロボ相手なら楽勝とテンションが爆上がりだった。実技がロボなら問題は勉強だけとなる。

 

 

「上鳴と芦戸じゃないけど、ウチもちょっと二次関数で詰まってるところがあるんだけど、いいかな?」

「俺も俺も。古文が分からないんだ」

「俺もお願いできるかな?」

 

 

耳郎、瀬呂、尾白の三人がそう言って頼ってきたので八百万も頼られている事に嬉しさを感じて震える。

 

 

「人数、増えたけど大丈夫?」

「勿論、良いデストモ!!」

 

 

狂夜からの問いかけに八百万は頼られて歓喜のフィーバー状態であった。

 

 

「これが人徳の差だよな」

「俺もあるわ!テメェ。教え殺したろか!?」

「おお、頼むわ」

 

 

切島が爆豪を見ながら呟き、爆豪は叫びながら切島に勉強を教えてやると告げ、切島は感謝を口にする。その会話を聞いていた狂夜は「教え殺すって何だろう……」と口には出さないものの疑問が湧き上がっていた。

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

お昼休みになり、狂夜は食堂で緑谷、飯田、轟、麗日、蛙吹、葉隠の六人と一緒に食事を摂っていた。

 

 

「普通の科目は授業の範囲内で出るから何とかなると思ってたし、実技が間桐君の話通りロボなら何とかなりそうだね」

「うむ。事前に実技演習の内容を知れたんだ。突飛な事はないだろう」

「体育祭の時みたいに凍らせりゃ終わりだな」

「普通の科目はなんとかなるんやね……実技も楽勝そうの雰囲気やし」

「頼るべきは先輩ってな。俺は普通科目の方が高い壁になりそーだ」

 

 

出久、飯田、轟の三人は狂夜から教えられた内容になんとかなるだろうと予想していたが、狂夜は逆で筆記試験の方が危なそうだった。麗日も余裕そうな緑谷、飯田、轟にちょっと羨ましそうな表情になる。

 

 

「一学期でやった事の総合的内容」

「とだけしか教えてくれないんだもの相澤先生」

「戦闘訓練に救助訓練……後はほぼ基礎トレだよね」

「まあ、実技の内容は知れた訳だし頑張ろうや」

「そうだね、万全に整えておけば……あイタッ!?」

 

 

葉隠、蛙吹、麗日が狂夜が教えなければ実技は謎のままだったと話す中、狂夜と緑谷が頑張ろうと言おうとした時、緑谷の頭にトレーを持った誰かがブツかる。緑谷が振り返ると其処には嫌味な笑みを浮かべた男子生徒が立っていた。

 

 

「ああ、ごめん。頭が大きくて当たっちゃったよ」

「キミはB組の……ええと、物間君!」

「明らかにわざとだろ。体育祭の時もだが喧嘩売りに来てんのか?」

 

 

トレーを持った物間が、わざと肘をブツけたのは明らかだった事に狂夜は怒りを覚える。爆豪みたいに直接悪口を言うのではなく、ネチネチと嫌がらせをするタイプの物間に苛立っていた。

 

 

「君達、ヒーロー殺しに接触したらしいじゃないか。体育祭に続いて注目ばかり集まる要素ばかり増えていくじゃないか、A組は……ただ、その注目って期待値とかじゃなくってトラブルとかに関しての方が度合いが強いよね?あぁ、怖い怖い!いつか君達のトラブルに巻き込まれて被害を受けるかもしれないと思うと……ふぐ!?」

「シャレにならん。飯田の一件を知ってんでしょ。ヒーロー以前に人として間違ってるからね」

 

 

物間の発言に苛立っていた狂夜は拳を握り立ち上がろうとした。しかし、物間が最後まで言いきる前に後から来た拳藤が首筋に手刀を食らわせる。

 

 

「ごめんね。コイツ、ちょっと心がアレなんだ」

「いや、助かったよ。拳藤が止めなけりゃ、俺が三日は飯を食えなくなる程のボディブローを叩き込むつもりだったから」

 

 

拳藤の謝罪に拳を握り締めていた狂夜は顔を緩めた。その仕草に狂夜は本気で物間の腹に拳を叩き込み、胃にダメージを与えるつもりだったのを確信した一同。

 

 

「それはそうと間桐達も期末の実技の演習の事を知ってたんだね」

「ああ、先輩から聞いたんだ。そっちもそうだろ?」

 

 

互いに先輩方から話を聞いたと笑いあっていると物間が再び動き始める。

 

 

「なんて事だ。情報に劣る憎きA組を出し抜くチャンスだった……がっ!?」

「憎くは無いっての。ごめんね、コイツ他に連れてくから」

「出来たらゴミ捨て場に捨てて二度と戻ってこない様にしてくれ」

 

 

再起動した物間が悪態を突こうとした所で拳藤が再度、手刀を落として物間を引き摺って行く。狂夜は割と本気で捨てて来てくれと思っていた。

 

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