バーサーカーのヒーローアカデミア   作:残月

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八百万家での勉強会

 

 

 

勉強会の為に八百万邸に来た狂夜、上鳴、瀬呂、尾白、耳郎、芦戸。案内された住所に来た狂夜達だが八百万邸を見上げ、口を開けてポカーンとしていた。何故ならば八百万邸はTVでしか見た事が無い様な大豪邸だったからだ。

 

 

「な、なあ間桐?……本当に此処で合ってるんだよな?」

「教えてもらった住所は間違い無く此処だ。敷地が広過ぎて地図が役に立たなかったけどな」

「ある程度の豪邸は予想してたけど、飛び抜け過ぎでしょ」

 

 

上鳴が確認の為に狂夜に話しかけ、狂夜は間違い無く八百万の家が此処だと答えた。学校で八百万から住所と地図を受け取った狂夜だが屋敷の敷地が広過ぎて玄関……と言うか入り口を探すのにすら一苦労だった。それは耳郎も同じだったらしく豪邸は予想していたが予想を遥かに超えた豪邸に驚いていた。

 

 

「インターホン鳴らすのも緊張するな……だが押さない訳にもいかん」

『まあ、皆さん!お待ちしておりました!中へどうぞ!』

 

 

狂夜がインターホンを鳴らすと八百万の嬉しそうな声が聞こえてくる。相当、待ち侘びていたのだろう。インターホンが切れると同時に豪邸の正門の柵がゆっくりと開き始める。

 

 

「私達、別世界にでも迷い込んだ?」

「今更ながら八百万のお嬢様っぷりを再認識させられた感じだな」

 

 

中へ入ったものの庭も豪華でリゾート地の庭園の様だった。少々気後れしながらも狂夜達は本邸へと招かれる。芦戸の言い分も尤もであり皆が狂夜の発言に頷いた。そして中に入ってから狂夜達は更に恐縮させられた。

 

通された部屋はドラマでしか見た事が無いような豪華な部屋で高級感溢れる調度品やデザインの良い椅子やテーブル。ハッキリ言って世界が違いすぎたのだ。

 

 

「なんか……場違いすぎて緊張してきた」

「お、俺も……」

「……見た感じだけど、この椅子もアンティークで多分相当高価な品だぞ」

 

 

尾白の呟きに瀬呂も同意する。狂夜は自身の知識から自分達が座っている椅子が高級なものであると告げると上鳴、耳郎、芦戸が緊張して身を硬らせた。

 

 

「皆さん、お待たせしました。お紅茶の準備も済んでおりますので」

 

 

台車付きのトレーに紅茶を乗せて運んできた八百万に皆が笑顔を出した。しかし、狂夜の表情は優れなかった。

狂夜はその絶大な知識から八百万の持ってきた紅茶用のカップやソーサーも値打ち物だと即座に理解していたのだ。その空気を察したのか上鳴達も少々表情が硬くなる。

 

 

「まあ、皆さん……お紅茶はお嫌いでしたか?」

「ああ、いや……このカップやソーサーが値打ち物の様な気がして緊張してたんだよ。それにその紅茶も最高級の奴じゃないか?」

 

 

狂夜達の浮かない表情に不安そうになった八百万。その場の全員を代表して狂夜が答えた。尤も上鳴達は固まっているので答えられるのが狂夜だけだったと言うのも理由ではあるが。

 

 

「高価なカップだし高級そうな紅茶とかで作法も詳しくないから皆、緊張して割ってしまわないか心配だったんだよ、な?」

「まあ、そうだったのですか!?でも、ご安心ください。普通のお客様用のカップですので」

 

 

狂夜が上鳴達に同意を求めると全員が首を縦に振った。その仕草に八百万も納得したのかクスクスと笑みを溢しながら来客用のカップだと説明し、上鳴達も安心して紅茶を飲み始めていた。

 

 

(来客用のカップとは言ったが……そもそも八百万の家に来る来客ならセレブとかの貴賓なんじゃないか?)

 

 

八百万家の交友関係を考えれば来客のグレードも違うだろうと狂夜は察していたが口にはしなかった。それを口にしたら上鳴達の表情は間違いなく固まるだろうと判断したからだ。

 

緊張の解けた狂夜達は八百万を先生として勉強を開始していた。尾白や瀬呂、耳郎は兎も角、狂夜、上鳴、芦戸は成績が悪いので苦戦はしていたが八百万が丁寧に教えこんで着実に解決していった。日も暮れる頃になると流石に疲れからか少々ダラケ気味になっていた狂夜達は疲れを隠そうともせずに帰路に着いていた。

八百万からは夕食の提案もあったが狂夜は自宅で自炊しなければならないし、そこまで世話になる訳にはいかないと断り、上鳴達もそれに習って今回は帰る事にしたのだ。

しょんぼりとした八百万に「今度、機会を見て皆で夕食を」とフォローを入れた狂夜達だったが、帰路に着いた皆の気持ちは「紅茶であれだけの物が出てくるんだから夕食に招かれたら間違いなくテーブルマナーが必要な物が出てくる。俺達にそんなキャパねーよ」と言った次第である。

 

 

今回の勉強会を経て狂夜達は危なげながらも筆記試験を無事に突破したのであった。

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