バーサーカーのヒーローアカデミア   作:残月

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入学初日①

 

 

 

雄英入学の日。狂夜は準備を済ませて、雄英へ向かう為に玄関で靴を履いていた。

 

 

「兄さん、忘れ物はありませんか?」

「大丈夫だって。桜も今日からは俺と一緒じゃないんだから大丈夫か?」

 

 

桜は心配そうに狂夜に話し掛けるが、狂夜は昨夜の内に既に準備万端にしていたので、後は出発するだけである。逆に狂夜は、今まで自分と一緒に通学していた桜が一人で大丈夫なのかと心配になっていた。

 

 

「もう、兄さん!小学校の時も同じことを言いましたけど私は子供じゃありません!」

「はは、大丈夫そうだな。んじゃ行くか」

 

 

頬を膨らませて怒る桜に狂夜は笑みを浮かべると玄関の扉を開けた。今日からは雄英の生徒だ……そんな、狂夜の気持ちは……

 

 

「あ、おはよう!待ってたよ、ねえ知ってた?私が迎えに来るって!」

「ねじれ先輩!?」

「何してんスか、先輩……」

 

 

第一歩目から挫かれた。

玄関の扉を開けると、そこには見覚えのある先輩の姿が。

彼女の名は『波動ねじれ』

狂夜や桜とは同じ中学に在籍していて、狂夜は彼女に世話になっていた事があり今でも連絡を取り合う仲だった。桜も狂夜経由で、ねじれとは知り合っていた。

 

 

「先輩、どうして……」

「だって今日は狂夜君の初登校!同じ学校なんだから一緒に通おうかと思って!」

 

 

桜の疑問に、ねじれは楽しそうに答えた。

 

 

「すいません、気を使わせちゃったみたいで」

「いいよ、いいよ!行こう狂夜君!桜ちゃんも今度、遊ぼうね!」

「あ、はい!兄さん、行ってらっしゃい!」

 

 

わざわざ迎えに来てくれた先輩に狂夜はありがたいと思ったのだが、ねじれは気にしてないと明るく笑顔になって狂夜の手を取り、歩き始めてしまう。桜は戸惑いながらも狂夜を見送った。

 

 

「先輩……いいなぁ……」

 

 

見送りながらも狂夜と手を繋いでいる、ねじれを見て桜はポツリと呟いた。

 

狂夜はねじれと手を繋ぐのは満更でもない。だが、駅から雄英までの道のりを手を繋ぐのは流石に恥ずかしい。駅に到着すると然り気無く繋いだ手をほどくと、電車の中では持ってきていた小説を読みながら、ねじれと話して時間を潰し、ある程度読んだ所で駅に到着したので小説を鞄に仕舞うと学園に足を向けた。

 

 

「改めて……デカいッスね」

「そうだよ。ねぇねぇ知ってる?この門ってね秘密があるの!」

 

 

狂夜は目の前に聳え立つ雄英の校門に圧倒されていた。ねじれは自身の知っている雄英の門の事を話そうとした所で声を掛けられた。

 

 

「あ、入試の時の!」

「ん?……あ」

 

 

背後から掛けられた声に振り返る狂夜。そこには入試の時に出会ったオレンジ髪の女の子が立っていた。

 

 

「受かってたんだ」

「そりゃお互い様だな」

「誰々、友達?」

 

 

雄英高校に到着して狂夜は見知った顔があった事に安堵した。それとは対象的にねじれは狂夜の両肩に手を置いてオレンジ髪の女の子を見ていた。

 

 

「私は拳藤一佳。アンタ達は?」

「間桐狂夜だ。よろしく」

「私は波動ねじれ!三年生!」

 

 

簡単に自己紹介をすると拳藤は慌てて頭を下げた。

 

 

「ご、ごめんなさい!先輩だったんですね!」

「まあ、先輩には見えんわな」

「むー、狂夜君。どういう意味」

 

 

拳藤は頭を下げたが、狂夜はねじれの天真爛漫な感じは先輩に見えないよな、と呟き、ねじれは頬を膨らませと狂夜の背中をペチペチと叩く。

 

校門を潜り、昇降口で別校舎に行く、ねじれとは分かれ狂夜と拳藤は一年の教室を目指した。

 

 

「え、間桐はA組なの?」

「ああ、そういう拳藤はBか」

 

 

話をしている中で互いのクラスの話をした。狂夜はA組、拳藤はB組だった。

 

 

「知ってる奴がいるなら同じクラスが良かったんだがな」

「まあ、そうそう上手くはいかないって事だね」

 

 

互いに別クラスだった事に残念だったと話す二人。そんな話をしている間にヒーロー科の教室の前に到着していた。

 

 

「それじゃ、私こっちだから」

「おう、また今度な」

 

 

B組の教室の前で拳藤と別れ、狂夜は隣にあるA組の教室に向かう。

 

 

「よ、プレイボーイ!」

「おわっと!」

 

 

そして狂夜が歩を進めたと同時に背後から肩を組まれた。組まれた肩に視線を移すが、肩を組んだ人物は狂夜の知らない人物だった。

 

 

「お前、A組だろ?俺は上鳴電気、よろしく!」

「あ、ああ……俺は間桐狂夜。つか、プレイボーイって……」

 

 

ハイテンションで話しかけてきたのは金髪男子の上鳴電気だった。狂夜はいきなりプレイボーイ扱いされた事を疑問に思う。

 

 

「いやな……入学初日。しかも同中の奴が殆ど居ないようなこの状況でいきなり女子と仲良くなるとかプレイボーイだろ!」

「いや、拳藤とは入試の時に会ってたんだよ。名前を知ったのも、ついさっきだし」

 

 

狂夜と上鳴は並んでA組の教室を目指した。ノリの良さそうな奴だし友達になれて良かったと狂夜は思っていた。ついでに言うと、ねじれと共に登校した事は黙っていようと思った狂夜。

 

 

「しかし、早くに来すぎたかもな」

「あ、それは俺も思った。ヒーロー科なんて、ワクワクし過ぎてよ!」

 

 

時間を見れば入学式まで、まだまだ時間がある。狂夜は遅れるよりも早く行こうと思っていたのだが、上鳴は遠足の前の日の如くテンションが上がって逸る気持ちで早めに来てしまったらしい。

 

 

「まだ誰も居ないんじゃないか?」

「なら一番乗りか!」

 

 

一番乗りで教室に来たかな? と狂夜は妙にデカいヒーロー科の教室の扉を開けた。そして狂夜と上鳴の視界に教室の真ん中に浮く女子の制服が……

 

 

「おお、雄英高校ヒーロー科の教室に伝わる怪談話、宙に浮かぶ女子制服の怪」

「うおっ!独りでに制服が動いた!?」

「もう、お化けじゃないよ!」

 

 

狂夜は宙に浮かぶ女子の制服に思ったままを口にし、上鳴は狂夜のデッチ上げの怪談話を信じてビビった。そして浮かぶ女子の制服から抗議の声が上がる。

 

 

「私、葉隠透!個性は透明化!」

「なるほど、個性で体が透明なのか。俺は間桐狂夜、よろしく」

「俺は上鳴電気!流石、ヒーロー科!早速凄い生徒がいたな!」

 

 

制服の袖をピョコピョコと動かして身ぶり手振りで自己アピールをする葉隠。この手の行動に慣れてるんだなと狂夜は感じていた。

 

 

「間桐君、手を出して」

「ん、こうか?」

 

 

葉隠に促されるままに狂夜は右手を前に伸ばした。すると狂夜の差し出した右手にキュッと握られた様な感覚が伝わる。それは葉隠が狂夜の右手に握手をしたからだった。

 

 

「ヨロシクね!」

「ああ、よろしく葉隠」

「あ、俺も俺も!」

 

 

透明化してるので葉隠の顔は見えなかったが、多分笑っているのだろうと狂夜は考えていた。そして狂夜と葉隠が握手をしているのを見て、上鳴も俺も握手をすると騒ぎ、狂夜は細くて柔らかい手だったなと握手した右手の感覚を思い出していた。

そんな事をしている間にも、続々と他の生徒も登校して来たので挨拶と親睦を深める為に様々な話をする事となった。

 

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