ショッピングモールに到着した爆豪、轟の両名を除いたA組。皆が揃って買い物をする一大イベントの筈だが、皆の視線はA組ではない者に向けられていた。
「は、初めまして間桐桜です。本日は皆さんとお買い物をご一緒させて頂きます!」
「「「可愛い〜っ!!」」」
A組全員が狂夜と共に来た妹の桜に興味津々であり、緊張しながら挨拶をした桜に芦戸、葉隠、麗日が桜に抱き着いた。
「マジで可愛いな、間桐の妹」
「おっぱいもこれから大きなっ……へぶっ!?」
「最低ね峰田ちゃん」
「自慢の妹だよ。それとありがと梅雨ちゃん」
上鳴が桜を誉めたのはまだ良いが峰田は邪な目を向けて最低な発言をしたので蛙吹の舌が峰田の頬を叩いた。桜を誉められたのは純粋に嬉しいが峰田の発言は許せなかった狂夜は蛙吹に礼を言いながら峰田にアイアンクローを極めていた。
「それで間桐……その……」
「ああ、俺も桜が血が繋がってない話だろ?因みに親父とも繋がってねーよ。俺は元々捨て子だったのを親父が引き取ってくれて、桜はある家から間桐の家に養子に出されたんだよ。その頃は爺さんが存命で遠縁の家と交流があったかららしいが」
「この間も言ったけどサラッと言う話題じゃないからな!?」
尾白が聞きにくそうに狂夜に家族の話題を振ると狂夜は何事も無かった様に答え、上鳴がツッコミを入れた。
「正直、桜の自意識が芽生えるかどうかくらい小さい時の話だからな。俺もガキの頃の事でよく覚えてないし、桜の元の家との交流もないしな。なんでも、その家は家訓が『常に優雅たれ』らしいんだが代々『うっかり』が酷いらしくて没落したとかなんとか」
「物凄く重要な事が凄く曖昧になってない?」
「兄さんの言うとおり、私の元の家の事は分からないんです。でも私は兄さんやお父さんと一緒に暮らせて幸せですから」
狂夜の説明に耳郎がツッコミを入れる。芦戸達に絡まれていた桜が会話に加わり、今が幸せである事を告げると涙脆い切島を筆頭に全員が目頭を抑えるか目眩を起こしたかの様なリアクションになる。
「良い子だ……凄い良い子だよ」
「桜さん……」
「ケロッ……」
先程は桜に抱き付かなかった耳郎、八百万、蛙吹も桜を甘やかしに入った。八百万に至っては目の端に涙を溜めて力強く桜を抱き締めていた。
「桜のそう言う所に俺も親父も救われてるんだよ。尤も俺や桜の存在が親父の負担になってないか心配だけどな」
「そういや体育祭の時にスタンドに居たな間桐の親父さん」
「轟の所とは違った意味で家庭に問題あんな間桐の家って」
女子達が桜を離しそうにないので男子グループは会話を続ける。狂夜の発言に上鳴が思い出した様に呟き、砂藤がクラス内の家庭環境に微妙に闇がある事にタラリと汗を流したら、
結局、桜の事に感涙した女子達と男泣きをしてる切島が落ち着いてから各自、買いたい物のグループに分かれて行動する事になった。