たぶん、すぐに次の話あげます。
「………をスタンド!!そしてアタック!!」
「ッ……!アビスヒーラーとカロンでガード!」
……まずいな。俺の手札をフルで使ってもガード値がキツイ。ヤツのパワーは23000、トリガーが出たら、一発KOだ。
「ツインドライブ……、1枚目、トリガー無し。2枚目………」
トシキがめくったカードは……
『槍の化身 ター』
クリティカルトリガーだ。
「効果は全てヴァンガードに!!」
***
「……おい、起きろレン……!!」
俺は移動しているタクシーの中でレンを起こそうとしていた。てか、そもそも
「……ん………ここは………?はると……?」
「やっと起きたかレン。」
「ふふっ……、ハルトの匂い………♡」
「……嗅ぐなや。」
目が覚めたかと思ったらいきなり顔を埋めてきやがった。
「トシキがお前さんに用があるってさ。だからちょうどフーファイター本部に帰るところなんだよ。」
「……あれ、なんでボクはタクシーに乗ってるんです?ボクの部屋で寝てたはずなのに……。」
「…覚えてないのか?お前、俺の家まで押しかけてきやがったんだぞ?」
「うーん……、全然記憶にないですね。いつの間にハルトの家に行ってたんでしょう……。夢遊病ですかね……?」
参ったな……、ガチで記憶残らないパターンじゃないですか……。そんなしょっちゅう記憶飛んでたらいつか本人の方が壊れてしまいそうだな、なんとかしないと………。
「はい、到着しましたよ。お代は………3240円です。」
……たっか。フーファイター本部までタクシーで来たがまさかここまでお金がかかるとは……!念のため聞いとくか。
「……レン。」
「手ぶらですよ?」
「…クソが。」
俺は舌打ちをしつつ、運転手さんに5000円札を渡した。あとでテツにフーファイターの予算の方から運賃くらい下りないか聞いてみるか。
***
ビルの中に入って、廊下を進んでいると、周りは皆血眼になってファイトをしている。流石、ヴァンガードの頂点を目指すフーファイターといったところか、良くも悪くも熱意は本物のようだ。
そして、エレベーターでひたすらビルの上の方へ上っていく。最上階である15階、エレベーターをでて直ぐ左側に小さなファイトスペースがあった。そして、そこに見慣れた顔もあった。
「……レン。」
「……櫂、やはり来ていましたか。」
何がやはりだよ、さっきまで俺の家に押しかけてたクセに。
「俺が何故ここに来たのかわかるか……?」
「えぇ、私を屈服させに来たのでしょう?あの
………コッチミンナ。
「ハルト、お前もなんでここにいるんだ?」
「あー……、こいつさっきまで俺の家にいたんだよ。」
「な……………っ!?」
「だからさ、わざわざタクシー呼んだ送って来たんだよ。」
俺は奥にいるテツの方を向く。
「……テツ。」
「なんだ。」
「タクシー代って予算から下りないのか?結構かかったんだが。」
テツはごほんと軽く咳をして言った。
「お前はフーファイターに所属しているファイターでも無ければ、関係があるわけでもない、そんなヤツに何故わざわざ予算から捻出して運賃を渡さなければならないのだ?」
「○ね(即答)」
ど畜生だったわフーファイター。○ねばいいのに。
「……可哀想に。君が可笑しな考えを吹き込んだせいで、彼はチカラを使わないという選択をしてしまった。」
別に間違いではないと思うけどね。人それぞれだし。
「愚かですね、これほどのチカラを否定してしまった。」
そう言い、レンは一瞬チカラを発現させる。
「櫂……、君はわかっていないのですよ。このチカラの素晴らしさをね。」
「……あのチカラはお前を変えてしまった。チカラに頼りすぎることはヴァンガード本来の楽しさを忘れさせ、ただ相手を倒すことにしか目が向かなくなる。」
それはわかる。このチカラを使ったファイトは本当のカードファイトなんかじゃない。そういう考えはトシキと同じだ。
「……それに、お前は木崎ハルトに負けたらしいな。思い知ったんじゃないのか?あのチカラは完璧じゃないってことに。」
「ええ、私はたしかにハルトとのファイトに敗れました。でも、これはきっと運命だったんです。………ふふっ。」
そう言って俺の前に来たレンは俺の服の裾をぎゅっと握る。
「……おい。」
「さっぱりお前の言ってることが理解できないが、俺は決めた。あの3人で競い合っていたあの頃に戻ると……!」
「ええ……、覚えていますよ?楽しかったですよね……。」
レンは懐かしむように微笑む。
「でも、それを裏切ったのは、櫂………、お前だ。」
「……ッ。」
しかし、レンはまるでこの世の悪を憎むかのような顔でトシキを睨みつけた。
「……ファイトだ、レン。」
トシキはデッキを取り出す。
「………そのファイト、私たちも見届けさせてもらうわ。」
突然後ろから声がしたので振り向くと、そこにはよくテレビで見かけるあの3人がいた。
「……ウルトラレア……。」
「久しぶりね、ハルト。」
「……ども。」
そこには勿論コーリンさんもいた。とりあえず軽く返事だけしておく。
「なんで連絡してくれないのよ……、心配したんだから……。」
「いや、なんの心配すか……、コーリンさん忙しそうでしたし、連絡するのも迷惑かなって……。」
「迷惑ならそもそも連絡先教えたりしないわよ……、いい?これから毎日電話かメールをよこしなさい。しないならこっちの方からするから。」
「えぇ……。」
【悲報】毎日連絡取れる(義務)相手が出来ました。
すると、更に後ろから自動ドアの開く音が聞こえた。
「……来たようね。」
そこにいたのは準決勝で光定ケンジを下した青髪の少年、『先導 アイチ』だった。
「あっ、あの僕……、コーリンさんに呼ばれて……って、櫂くん!?それに、レンさん……!?」
驚いてる様子の先導クン、多分何も聞かされてねえなこれは。
「……どういうことだ?」
トシキが神妙な顔で尋ねる。
「彼にはこのファイトを見守る資格があるわ。」
「資格………、って木崎さんも来てたんですね!」
「よっす、まぁ、俺はレンを送ってきただけだけどな。」
………もう俺必要なくね?俺ってチカラに関係してそうで今回の騒動に関してはほとんど関係が無いんだよね。
「ふふっ、これでこのチカラに関係する人が全員揃いましたね。」
「アイチ、よく見ているんだ。俺たちのファイトを……!」
「櫂くん………。」
うん、雰囲気もそれっぽくなってきたしもう俺は必要ないな。
「じゃあ、俺はもう用が済んだんで帰りますね。」
別に見届けなくても今のトシキなら勝てると思うしいいよね?夕飯何作ろうかなと考えながらここを立ち去ろうとした瞬間だった。
「……ハルト、どこに行くんです?」
「……ッ!?」
背後から突然聞こえてきたひどく底冷えした声。恐る恐る振り向くとそこには虚ろな目をしたレンがいた。てか、いつの間に俺の後ろにいたんだよ。
「なんで、帰っちゃうんですか?これからファイトするっていうのに。ハルトは
「……見てやりたいのは山々だが俺はこれからスーパーに寄ったりなんやらで夕飯の支度があってだな…。」
あ、その前にATMで金下ろさねえと……。
「むぅ………、いやです、帰しません。来てください。」
「……って、おい…!」
俺はレンに無理やり引っ張られてトシキのいるファイトテーブルまで連れてこられてしまった。
「これ付けてください。」
そしてレンが不意に差し出してきたのはVFグローブだった。
「いや、俺帰りt「付けろ。」………はい。」
***
「トシキガンバレー」
結局、トシキとレンのファイトを一番近い場所で見る羽目になってしまった。なんとその場所はファイトテーブルの側っていうね!!しかも鎖付きの手ぶくろだから逃げられねえし!!
「むぅ……、ボクの応援はしてくれないんですか?」
「あぁ、櫂の勝利を心の底から願ってるからな。」
「ひどいですよーハルトー」
「うるせー、俺はとっとと帰って夕飯の支度がしたかったんだよォ!」
「今日の夕飯はなんですかハルト?」
「あー、今日はだなあ……、ってなんで聞くんだよ!!」
「ハルトのご飯美味しいですしー、これ終わったら泊まりに行こうかなーって
。」
「来るな。てかいいからとっととはじめろや。」
もうトシキが完全に空気と化してるんだよな、雰囲気ぶち壊してごめん、ごめんよ……。
「はーい、始めますよー、櫂。」
「……あぁ。」
……気を取り直してお互いにFVを裏向きに置き、構える。
「「スタンドアップ、ザ!!ヴァンガード!!」
***
PSYクオリアに対抗する方法、それは常に最悪の状態を想定し、対処することだという。ヴァンガードにおいてそれは当たり前のことだが、PSYクオリア相手だと最悪の想定なんて毎回と言っていいほど起こる。だから、少しの狂いも許されない。そのためには手札の使い方、これが勝負の明暗を分けると言っても過言ではない。
俺はハルトにそれを教えられ、どう凌ぐか、それを考え日々デッキを組み直し、最善手を探し続けた。
「ドラゴニックオーバーロードでブラスターダークにアタック!!」
「…ノーガードです。」
「チェックザドライブトリガー。……ドロートリガー。パワーはバーニングホーンへ、そしてドロー。2枚目、ドロートリガー、さらにドロー。これもパワーはバーニングホーン。」
それが、対PSYクオリア用トリガー構成。
***
『さて、ここでトシキくんに質問です。デッキ構築において、対PSYクオリアとなると、トリガー構成も見直さなければなりません。そこで、引と☆、醒トリガーの割合はどうなるでしょーか?』
『……長引けば長引くほど不利になるから、☆と
『そうだねぇ………とりあえず不正解と言っておこうか。それはPSYクオリアを持ってる人がやることだ。悔しいが、力無き者は
『ある時……?』
『あぁ、そこを畳み掛ければ勝率はかなり上がるはずだぜ。』
***
「……ファントムブラスタードラゴンでオーバーロードにアタック!」
ファントムブラスターはスキルでパワーは21000、それに加えてアポカリプスパッドのブーストも込みで31000まで上がっている。しかもクリティカル2だ。最低でもガード値は25000要求される。俺のダメージ2で十分受けられるとはいえ、ここで☆トリガーを引かれるとダメージ5、下手したら6で勝負を決められかねない。………ここは…!
「ワイバーンガードバリィで完全ガード!!」
「ふふっ、いいでしょう。チェックザドライブトリガー。1枚目………、2枚目、ゲット、クリティカルトリガー。効果は全てファタリテートへ。そのファタリテートでアタック!」
「ノーガード!……ダメージチェック。」
「ターンエンドです。」
ダメージは4対3で押されているが、ここまでは順調に展開を運べている。……後は。
「ーーー終わりなき探求の果て、たどり着きし最終進化。荒ぶる魂を昇華させ、今こそ真の姿を現せ!! クロスライド!!」
「ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド!!」
***
「……ターンエンドだ。」
で、トシキの秘密兵器にして最強のユニットであるジ・エンドが登場したわけだが、特に効果を発動するわけでもなく終わった。
両サイドのリアを潰し、攻撃を通したのはヴァンガードの攻撃のみ。先攻はどうしても先手で強いユニットを呼べるから一気にたたみかけてしまいたくなるが、PSYクオリア使い相手にそれは良い手とはいえない。何故なら、このファイトの結末がそいつには見えている。たしかに予想外な手を打つことで相手の勝利のイメージを覆すことも可能だ。だが、先攻の場合はそれは悪手だ。その予想外の手も踏まえた上での勝利が見えていることがあるのだ。ヴァンガードにおいて、蹴りがつく場面はお互いにG3にライドした次のターン、7ターン目以降の場合が多い。そこを狙って集中攻撃をしかけるのだが、レンの手札をまだ削りきれていなかった。あの枚数だと
『このドライブチェックで
その予想が立ったことで、レンはジ・エンドの登場も視野に入っていた可能性もかなり高くなった。
ーーーそして、迎える第8ターン。
来るぞ……、トシキ……!
***
「ファイナルターン……!!」
レンが不気味な笑みを浮かべる。その瞬間俺は察した。
「ーー混沌なる静寂に叫びし絶望。幻すら見られぬ闇より、暗き闇の力を我にッ!! クロスライド!!」
「ファントム・ブラスター・オーバーロード!!」
……絶対、凌ぎ切ってみせる……!!
「……ソウルにファントムブラスタードラゴンがいるので常にパワーは13000です。更に……ブラスターダーク、ファントムブラスタードラゴン、アポカリプスバットをコール。」
「……ッ…!」
レンは盤面をほぼ全て埋めてきた。レンの残り手札は一枚のみ。
「お、リアガードにブラスターが3体………、ふふっ、壮観ですね。」
そう、ブラスターが前列にいる。そして、後列のアポカリプスバットはブーストしたとき、そのブーストしたユニットがブラスターのつくユニットならソウルブラスト1でパワーを+6000、実質10000ブーストしたことになるという厄介なユニットだ。ブラスターダークとオーバーロードの後ろにいるため、スキルは当然発動できる。お陰で俺のガードの要求値が確実に上がってしまうのだ。
「…バトルです。アポカリプスのブースト、ブラスターダークでアタック!!」
パワーは19000、ここは………。
「…ノーガードだ。ダメージチェック。」
引いたカードはネハーレン、トリガーではない。これでダメージ5、あとが無くなった。
「ファントムブラスターオーバーロードの攻撃、………この瞬間スキル発動。」
そして、レンは手札の最後の一枚をこちらに向けた。
「ーーー自らの影を落とし、更なるチカラを…………ペルソナブラスト。」
それはヴァンガードと同じカード、『ファントムブラスターオーバーロード』だった。
それをドロップゾーンに置く。ハルトのブラスターダークも持っているスキルだ。
「パワー+10000、クリティカル+1を得る……!」
これでファントムブラスターオーバーロードのパワーは合計33000となった。
「さぁ、ファントムブラスターオーバーロード、ジ・エンドにトドメの一撃をッ!!」
***
「ファイナルターン!!」
「……ッ!」
「行けッ!!ブラスターダーク、オーバーロードに攻撃だ!!」
(くそっ……、ガードが足りない……ッ!!)
「くくく……ッ!やっとだ……!ついに私は、あの櫂を……ッ!!櫂トシキを………ッ!!」
『完敗』
その2文字が脳裏をよぎった。俺はヤツに手も足も出なかったんだ。
「……くっ、ダメージチェック………………。」
俺は、何もできなかった。俺は6枚目のダメージチェック、これに賭けるしかなくなってしまっていたんだ。
「ぐっ………ァ………!?」
「レン!!!」
ーーーレンは頭を抑え、崩れ落ちた。
「おい……ッ!!レン!!!」
「……櫂。」
「大丈夫か、レン……!」
「ふふ……、私………、強くなったでしょう…?」
「………ッ。」
レンは、弱々しく、だが、その目は全く死んでおらず、俺を捉えていた。……俺はレンのその目に初めて恐怖を覚えたんだ。
「……行くのか。」
「……あぁ。」
「………俺はあいつのそばにいてやらないといけない。」
「……そうか。」
俺はテツと短く言葉を交わし、そこを後にした。……いや、逃げ出したんだ。あの未知の恐ろしいチカラ、あれに為す術もなかった俺は逃げ出すしかなかった。
***
………だが、今の俺は違う。木崎ハルトと出会い、あいつからファイトの見方、デッキ構成、ファイトの展開、そして、『PSYクオリア』とは何か、そして、その対処の仕方。アイツのおかげでヴァンガードをさらにより深く知ることができたし、強くなれた。
このアタック、この一撃を凌ぎ、勝利を掴むためにこれまで努力してきた。……そのための手札は揃ってる。
「ーーーーこれが俺の、答えだッ!!」
***
「な…………ッ!!?」
レンは驚きの表情を隠せなかった。
『槍の化身 ター』
『ドラゴンモンク ゲンジョウ』
『ガトリングクロードラゴン』×2
『鎧の化身 バー』
シールド値は合計35000、これがなにを意味するのか。
「……櫂、キサマ………ッ!!」
「…お前のことだ。ここでガードの手を抜くとダブルトリガーで抜かれかねない。そのために、これを止めるために手札を揃えてきた。」
トシキに抜かりはなかった。守りきるための手札をきっちり用意してきたんだ。………これは。
「………チェックザドライブトリガー。ドロートリガー、効果は全てファントムブラスターへ。………2枚目、クリティカルトリガー。これもファントムブラスターへ。」
「………トシキ。」
「ファントムブラスターでジ・エンドにアタック!!」
「ゴジョウでガード、そして、ネハーレンのインターセプト!!」
「………っぐ………ッ!!」
ーーーお前の勝ちだよ、トシキ。
「ファイナルターン!!」
ジ・エンドに華を持たせたかった。
話が長すぎて二つに割った話の最初の部分なので、次の話もすぐ上がりますたぶん。
ファントムブラスターオーバーロードくんの簡単な説明。
*ソウルにファントムブラスタードラゴンがいると常にパワー13000。
*アタックした時に手札のファントムブラスターオーバーロードを捨ててCB3払えばパワー+10000、☆+1だよ。
カラパレの中で一番誰が好きですか? 番外編の参考程度にさせていただこうかなと()
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キャロ
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セレナ
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ソナタ
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フィナ
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カノン