[安価]転生したらバスの中に居たんだけどどうしよう   作:原作未読マン

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教員はモブです
○○視点の横の数字が掲示板の話数と対応します


教員視点 1&2

「どなたか先生はいらっしゃいませんか!校舎入り口に不審者が!」

 

新入生だと思われる声が聞こえてくる。

本当だとすれば、対応しなければならない。

学生は声を張り上げながら遠くへ走っていってしまった。

とりあえず、校舎入り口を見なければならない。

警備員は何をやっているのか。

 

私は校舎入り口に向かっている途中で警備員に出くわした。

 

「どうなっている」

 

「いえ、こちらも不審者がいるという情報が、先程入り口を担当する警備の者から入ってきたところでして、あ、失礼」

 

警備員が無線で話を聴きながら頷いている。そして、通信を切るとこちらを見て説明し始めた。

 

「どうやら、不審者が居るのは間違いないらしいです。ただ、意味不明な行動を取っています。校舎入り口を占拠していますが、その意味不明な行動により学生が付近に近寄ることが無いため、学生の安全は確保出来ているようです。

確実な身柄の拘束のため、複数人で制圧を行いたいと考えており、警備員の人数が揃うまでは待機するとのことです。妥当な判断だと思われます」

 

「うむ、時間に余裕があるのなら確実な方法を取った方が良い。ただし、これが陽動の可能性もある。他の警備員にも警戒を呼びかけておくといい」

 

「はい、呼びかけておきます」

 

少し走ると人だかりが見えてきた。

そして、校舎入り口には目出し帽その他を着け、五体投地している人間が見える。

行動も服装も完全に不審者だ。

本校の学生服を着ているが、まさか新入生なのか。

嘘だろ、信じたくない。

頼むからコスプレしたテロリストであってくれ。

学生に指導するのが教師の仕事である。だが、いくらなんでもこんな頭のネジどころか頭そのものが弾け飛んだような奴に指導をしたくないし、出来る自信もない。

誰が採用担当なんだ。そいつに全力で抗議してやる。

 

そして、五体投地しているのはなぜだ?

礼拝か?しかし、時間的にも方向的にもおかしい。

大体、いくら日本の文化を知らなくても建物の入り口なんていう考えなくても邪魔な場所ではしないだろう。

 

とにかく、私が教師である以上、この場を収めなければならない。特別手当をつけてほしいものだ。

 

「危険な武器は持ってなさそうだが、とりあえず話が通じるか試した後、身柄の拘束と武装解除だな」

 

「そうですね、警備員の人数も揃いました。いつでも突入出来ます」

 

「うむ、まずは私と君の2人で近付こう。いきなり多人数で囲むと無駄な刺激を与えかねない」

 

私は警備員1人を引き連れて不審者へと慎重に近付いていく。

 

「君は新入生なのかね。だとすれば、顔に着けてある諸々を外してから自分のクラスに行きたまえ」

 

しかし、この不審者は五体投地を止めようとしない。

 

「もしかしたら、君が今行っている行為と君がここから動かないことに関係があるのかね」

 

「俺はうっかりしていたんです。まさか、五体投地の回数を決めずに五体投地を始めるなんて……俺はあと何回地に伏せればいいんです?」

 

不審者が初めて言葉を発した。しかし、意味が分からない。警備員と顔を見合せると警備員も首を振った。どうやら、彼も理解が出来なかったらしい。まぁ、そうだよな。

どうしようか。ここまで頭を働かせるのは、この学校への採用試験時以来かもしれない。

 

さっきの不審者の発言から意味を読み取るんだ。

無理だ。

とりあえず情報を引き出していこう。

 

「君のその行動は、君の本意ではないのか」

 

「建物に入る時は、五体投地する。それが、何よりも尊いルールですよね?もしかして、あなたは、五体投地を何回するのが正しい作法なのか知っているのですか!教えてください。頼みます、この通りです!」

 

さらに、激しく五体投地し始めた。警備員の首振りも激しさを増す。情報は増えたのに理解がより難しくなった。日本語って難しい。

 

「そんなルールは少なくとも日本には存在しない」

 

「は?そんなはずはない!一般的に入室時、部屋の扉を3回ノックする。それと同じ様に建物に入る時、五体投地するのも当然のルールだよな?」

 

意味不明なことを言うのはやめてくれ。

 

「とにかく、そんなルールは存在しない。一体誰がそんなことを言ったんだ?」

 

「スレ民だ。安価スレ民がそんなことを言ったんだ」

 

「あんかすれみん?なんだそれは?誰かのニックネームか?」

 

「安価スレ民は安価スレ民だ。安価スレに常駐している民だ。全て安価スレ民が悪い。俺は悪くない。俺は安価スレ民に苛められているんだ」

 

「あんかすれみん……」

 

私が横を向くと警備員の首が千切れんばかりに振るわれていた。

私は理解を諦めた。とりあえず、あんかすれみんという名前もしくはニックネームを持つ人間がこの不審者に嘘を教えたのだろう。意味不明な格好もそのあんかすれみんという奴のせいに違いない。不審者の幻覚幻聴の可能性もあるが……

おのれ、あんかすれみんめ。

とにかく、この不審者は、あんかすれみんとやらに虐められているんだろう。

 

「とにかく、ここだと通行の妨げになる。一度生徒指導室に行き、そこで話を聞こう」

 

「だから、五体投地の回数を教えてくれ。教えてくれなければこうやって続けるしかないんだ」

 

「だから、そんなルールは無いと……」

 

いつまで経っても埒が明かない。

こうなったら実力行使である。

引き摺ってでも移動させよう。

まったく役に立たなかった警備員に不審者を生徒指導室へと連れていくよう指示する。

せめてこれくらいは役に立ってもらおう

 

警備員は他の警備員を持ち場に戻らせ、五体投地を続ける不審者を引き摺っていく。

 

生徒指導室まで連行すると流石に諦めたのか五体投地をやめた。状況変わったらセーフだよねという意味不明な台詞は聞こえなかったことにする。

 

指導室でも話をしたが、やはり会話にならない。

学生証を確認し、新入生であることは判明したが、成果はそれだけである。

虐めにより精神状態が悪くなっているのだろう。

私よりカウンセリングの専門家の方がいいかもしれない。

決して生徒の指導を放棄するわけではない。

より適切な人員が対応した方が合理的なだけだ。

これまでの出来事に疲労した私は、不審者、いや、Dクラスの山田君?を解放した。

 

帰宅後、目出し帽などを外すように言うのを忘れたことに気付いたが、あまり近付きたくないので考えないことにした。

もう、会いたくないな。

 

私の希望は、翌日の放課後、あっさり潰えることになる。

なぜかトイレで食事をしようとする彼を無理矢理保健室に連行し、後はカウンセラーの先生に任せた。

その間ずっと山田君は意味不明な言葉を発していたが、すべて無視して引き摺っていった。

どうせ、理解不能だ。

やはり、虐めなのだろう。

おのれ、あんかすれみんめ。

 

カウンセラーならきっと何とかしてくれる。

カウンセラーでも何とか出来ないなら、一教師の対応能力を超えている。

山田君の言葉を引用するとすれば、

 

「俺は悪くない」




おのれ、あんかすれみんめ
純粋な山田君を弄びやがって


本編では1日目時点で山田の名前は決まっていませんが、名無しでは入学出来ないので、因果律がねじ曲がってます


前の話の補則にもなるのですが、>>1は安価内容を否定されると語調が強くなります
>>1に対しての安価の否定は、狂信者に対してその狂信者の信じる神を否定するのと同じ行為です
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