起きて、虚退治についていく隊の名簿を見た………四番隊でも着いていくことはある。虚退治で負傷した兵を癒すのが仕事……もし旋回中に対処できない。強力な虚が現れた場合の連絡も行う。
結論は鬼道がそれなりに出来るものが隊の中に一人でもいれば便利となる。
「おっお前か!」
隊員に急に声をかけられた……思わず背筋が伸びて、斬魄刀に手を添えていた。突然の声かけは敵襲と勘違いするから辞めてほしい。
「はい、午後からの見回りにつかせてもらいます。」
「そっかーでも、何も無いところで斬魄刀に手かけるなよ……」
そうやって、少しあきれて言われてしまった。で午前中はどうしようか……十一番隊に混ざって訓練させてもらうか、また鬼道を誰かに教えてもらうか。
「アハハ、少し癖で……」
愛想笑いを浮かべた、斬魄刀を持つと少し安心するような気がするのだ。これは変えられない。
「じゃあまた、午後な。」
と隊員の一人は走り去っていく……多分、午前も午後も見回りとなっているのだろう。
「……霊圧使いたくないし。十一番隊で木刀か竹刀持って、訓練混じらせて貰うかな……」
十一番隊はやたらと、怪我人が出ること以外。嫌いではない。むしろ地元の懐かしさを少し感じる、究極的に戦闘での能力がない自分の斬魄刀の性質故に、剣術は力になると思ってるし。
四番隊は後方支援中心部隊ではあるが、戦闘が行えるに越したことは無い……何時でも抗争で狙われるのは支援班と相場が決まってる。
「じゃあ、いくかな……」
そうやって、十一番隊へと向かっていった。
*
「訓練中、すみません混ざってもいいですか?」
荒くれ者の怒号が鳴り響く訓練場の扉を叩いた、ビックリとかはしないもう……直す為に何回も通って慣れた。扱い方も大体分かったし。
「アァっ!四番隊が混ざるだと!?ここは十一番隊だ、お前のようなモヤシ部隊が来ると頃じゃねぇんだよぉ!」
開口一番、扉を開けられて言われてしまった………仕方がない。一番いい扱い方を実践をしよう念のために、木刀をすぐ引き抜けるように……ってもしかしてこれで癖がついちゃってるのかな。
「えっと………貴方は、骨折11回霊圧混沌20回打撲5回突き指7回……」
今まで記録された、怪我の名前と回数を言って行く。応急処置等は含まれていない。全て四番隊で直していった物だ。四番隊を侮る者は……今までの怪我を公開処刑してやるっ!
「やめろろぉぉぉ」
そうやって、木刀を持って向かってくる。実際に注意ではなく煽る目的でやっているので仕方がない、いつも通りに木刀を引き抜き打つ。
パァンと弾ける音が響いた。
「だったら、最初から参加させろぉぉやっ。脳筋部隊がぁぁぁ!!!それなりに来て、直してるけどなぁぁぁ疲れるんだよ!どんだけ怪我してるんだよ!!霊圧すっからかんになるんだからなっわかってんのか!?」
そして、自らの精神にも発破をかけるように後半本音を含んで叫んだ。前半は支援部隊ゆえに致し方ないと思っているが………普通に変だしね。
上から来る力を抑えるように、力む。
「なんだと!このモヤシ。ぶっ潰す!」
「潰せるもんなら、ドウゾッ!!」
俺は剣を斜めにずらし、攻勢を逆転させようとする。だが流石は十一番隊の隊員と言ったところか……体勢を崩さず、すぐさま後ろに飛び構えを直した。
構えを直されるのは正直、向かう側としてはかなり面倒かつきつい……こちらも構えを取った。木刀を顔の横に構えすぐ喉元を突ける体勢だ。
「突っ込まねぇのか、びびりだな……」
「そっちこそ、向かってきたらどうです?後方支援部隊相手に怯んでるんですか?」
お互い挑発が始まる、どちらが先に向かうかの思考戦。十一番隊と言っても只力があって打つだけではない。一瞬が大切となる戦闘においての駆け引き、作戦というには盛大すぎるがそれにも長けた者が多い印象だ。
「……ならこっちから参りましょう…3で向かいますよ、1……2っ」
どちらとも動かないなら………こちらからっ。そうやってタイミングをずらして、動けば相手がもう予想していたように反応して。
喉元にかかった、木刀を弾きお互いの鍔迫り合いへとまた変化した。
「何で!3で向かってこえねぇんだよ!打ちそびれたじゃねえか!?」
「お前こそ、何で2で打とうと動いてやがる!3で向かうって言っただろうが!!」
「バーカバーカ、そんなこと聞くかよ!ここは戦場の為の訓練だぜ?」
「知っとるわ、そんなもんバーカ。」
そんな、バカな会話をしながらやっているがパァンパァンと激しい音が鳴り響く。お互いの一歩も譲らぬ攻防……
後はお互いの体力勝負だろうと、なったその時………………
重圧を受けるほどの莫大な霊圧を感じると共に脳に言葉が走る。
《全部隊に、通達!ユーハバッハと名乗るものから襲撃警戒せよっ!》
「………八界勝負は悔しいが一旦お預けだ、これは大物。四番隊へ急げ。」
と木刀を捨て、十一番隊へ多くの部員が向かっていく。それを見て一つ吐いた。
「生きろ、生きるのが無理なら息してろ。戦って傷つく馬鹿どもを地獄の底から引っ張り出すのが、四番隊だ!」
そうやってすぐに、瞬歩で戻る……きっと負傷者がすぐにごろごろ出てくるだろう……それも十一番隊の訓練での負傷とは比にならないほどに。
「何言ってる、この戦いで生き残ってお前をぼこぼこにしてやるよ。あぁもう行っちまったか。」
そう、少し遅くまで残った人は吐いた。
*
「………コレはなんですか?」
急いで四番隊に帰った時に見たのは、複数人の遺体と思われるものだった。そこには見知った顔もいた数人いる、特にさっきまで朝話していた奴だ。
頭を砕かれ、体はバラバラにされて憎らしいほどに一人一人砕かれた斬魄刀ごと、丁寧に箱ずめされている。
普通ならば……遺体は少しずつ霊子へと変換されるはずだがその様子が全くなかった。
「ユーハバッハから送られてきた、開戦の合図。全くいい趣味をお相手さんはしているようだ。」
と同僚が舌打ちをひとつした、多分この遺体は敵側に細工をされているのだろう……霊子となり消えずに残り続けるように……
「えぇ……今日の朝まで、午後の見回りと話をしてたんですよ。本当にお相手さんがたはいい趣味を持っている。」
奥歯を噛み締めた、口内を少し噛んでしまったのか血の錆びた味が広がる。だがずっと死を引きずってはいられない、四番隊として少しでも死傷者を減らさなければ。
「負傷者はここに全て来る訳じゃない……お前は、戦場へ行くか……死ぬ危険性は遥かに高いぞ。こっちは残る、確実に人数が必要だからな……」
「………分かった、そっちは任せる……」
四番隊の隊員は医療拠点として待機するものと、戦場に出て応急救護班として行動するものに別れていた。
もちろん戦場に直接でる、応急救護班の方が危険性は高いだがそっちの方にある程度人が出ている事からも……この出来事の緊急性が伺えた……
この戦いに負けたら、もうお仕舞いなのだと言う……事実が。
戦場に出た、霊圧いくつも出たり……消えたり。混沌としていた、初めて足がすくむ。だが来てはいけないと鳴り響く警報を無視し、足を進める。体の全てが悲鳴をあげて壊れてしまいそうだった。
「…………戦っている、人がいる……」
斬魄刀に手をかけて、引き抜く……戦う前で言うより予め準備はしておいた方がいい。こんな混沌とした空間だ、殆ど探知なんて出来ないだろう。
「咲け 彼岸花」
そう唱えれば、浅打から真っ赤な液体が垂れ始める………
切り結んだ相手の霊圧を奪い取る。コレなら少し倒されていればその相手から奪い取れば味方を回復できる採算が取れるであろう。
それは、現実から見ればはちみつのように、甘すぎる見透しであった。
戦闘後の後を見たとき、そこは死屍累々。同士が倒れていた……そこは一人も倒した後はない…
すぐに、放置しても良い者とすぐに手当てした方がよい者………そして俺が手当てしても無駄な手遅れな者と分けた。
「………大丈夫ですか?」
回道を負傷部分に使いながら声をかけた……ここでは完全な治療は出来ない、いきなり戦闘は求めない。動ければよい。
「あっあぁ。」
声は出てる……とりあえず、戦場からの移動……回復したら出てもらおう。そうやって意識が戻った負傷者を移動させようとすると……足を引っ張られた。
「……俺は、治してくれねぇのか?もう手遅れなのか、辛いんだよ。
もうダメなら、早く楽にしてくれないか…刀振るえるのお前だけしかここに居ないんだ。」
それは悲痛な叫びだった、もう俺の力では直しようがなかったもしかしたらがあるもしかしたら……
「四番隊本部に向かえば助かるかもしれないのに!何で今諦めるんですか!」
ほぼダメな状態だが、もしかしたら助かるかもしれない。生きてある限り可能性はあるのに。叫んでいた、敵がまだ近くにいるかもしれないのに叫んでいた。
「…………もう、向かえる状態じゃねぇよ。それとお前の斬魄刀の力知ってるんだぜ?霊圧取れるんだよな…だったら俺が生きるより他の奴が生き残る可能性にかけたい。
だから……殺してくれ、頼む。」
俺は斬魄刀を握った、そして首に添えた。
力を込める、虚を切るのとは違う肉の感触が伝わった……
「……ありがとう。」
斬魄刀に新しく、霊圧が貯まった。朱い彼岸花が一つ花開いた。