三人称サイド
ガッキイイィィィィィイン!!
刹那とノワールの得物同士による衝突音が木霊する。刹那の手に持つ《何か》、ノワールの手にある大剣。二つの武器が時にはリズムよく、時には不定期にぶつかり合う。
もう今の二人には会話をする余裕は無かった。お互いに無言でひたすら自分の今できる最高の動きをする。
ノワールが刹那を斬り付け、刹那も怯みながら斬り返す。殴られれば殴り返し、蹴られれば蹴り返す。
そんな泥仕合が始まって数分後、ノワールの蹴りが刹那の空いた左腕に直撃した。刹那は一瞬顔を歪めるが動きを止めずにノワールの額に頭突きを叩き込む。不意打ちを喰らったノワールはクラクラと後退しながら焦点の合っていない目で必死に刹那を睨み、刹那も左腕をダランと下げ、口から血を流しながらノワールから決して視線を逸らさない。
そして、
「「ハアアアアアアアアアアア!!」」
二人は同時に走り出し、同時に腕の得物で斬り付ける。だが、獲物は相手を捉える事無くお互いにぶつかり合い、使い手の腕を離れる。
それでも二人は止まらない。拳を握り、相手の顔面目掛けて振りかざす。
その拳は、
「グッ・・・!」
「クッ・・・!」
お互いの頬を捉える。所謂クロスカウンターだ。そして二人はヨロヨロと数歩下がってから再び殴り合う。これがまた五分程続き、もう一度とお互いに拳を振りかざすが・・・
「うぅ・・・」
振り下ろす前にノワールが膝を着き、そして倒れる。
その場を再び静寂が支配する。ネプテューヌ達は目の前で起こった事が信じられない目をしている。
刹那はそんな三人に気力を振り絞り、声を掛ける。
「・・・審判・・・判定・・・」
「あ!せ、刹那の勝ち!それまで!それまで!」
一番最初にフリーズ状態から回復したユニが判定を言う。勝者の判定を聞き、満足そうな表情をしながら刹那も前のめりに倒れる。
「刹那!しっかりして下さい!刹那!」
「マスター!目を覚まして下さい!」
「落ち着けお前ら!コイツは気絶しているだけだ。そこのそいつと同じでな・・・。今は寝かせてやれ・・・」
気絶した事により強制的にセットアップとユニゾンが解除され、セイバーとアウトロール状態のセシアが刹那の様子に駆け寄り、パニックなっていたが実体化したC.C.がそれを止める。
改めて刹那とノワールを見ると二人共幸せそうにスヤスヤと寝息を立てている。それを見たデバイス,Sは安心した表情を浮かべる。C.C.もそれを優しい表情で見守る。
だが心が落ち着いた三人は重大な事に気付き、ギギギと横に首を動かす。そこには・・・
「「「(゜д゜)」」」
突如出現したセシア達に唖然としているネプテューヌ達がいた。セシア達は面倒事が増えたと思いながら同時に刹那に対して罪悪感を感じずにはいられなかった。
「(すみませんマスター・・・!)」
「(申し訳ない・・・!)」
「(待機状態とか目の中で念話すればよかったな・・・坊や・・・強く生きろ・・・!)」
セシア達はこの後、何とかネプテューヌ達を再起動させ、刹那達を教会内へ運んだ。
三人称サイド終了
刹那サイド
目を覚ますと目の前に白い天井が映っていた。
「・・・知らない天井だ・・・」
・・・何か言わないといけない気がした・・・。
まだキリキリと痛む体を起こしながら辺りを見回す。よく見ればそこは前にうたた寝をした時に寝かせてもらっていた部屋だった。今は夜の様で暗い。
能力を使って全ての傷を治した僕はベッドから出て部屋の扉を開けた。夜なだけあって誰も居なく不気味な廊下が広がっている。腕はに点滴の様な物が付いており、邪魔に感じる。うう、それにまだクラクラする・・・。
すると廊下の先からいい匂いが広がってくる。それと同時に腹の音と途轍も無い空腹感が襲ってきた。
「(・・・お腹・・・空いた・・・)」
空腹のあまり思考が働かない僕ははふらふらと点滴の着いた滑車に掴まりながらその匂いに向かって歩き出した。
刹那サイド終了
ノワールサイド
刹那との模擬戦から一週間が経った。刹那は未だに目を覚まさない。
あの後目を覚ました私はいくら強かったといえど女神とは違う人間に本気で戦って負けた事に悔しさを感じた。でも彼との勝負には今までに無い楽しさを感じた。
・・・私ってこんなに戦闘好きだったっけ?
そして刹那が目を覚まさなくなって二日が経ち、彼のパートナー達が心配し始めた。二日位なら眠っていた事は修行中に有ったらしいがそれ以上は無かったらしい。と言うより何よデバイスって、ユニゾンって、そんなのチートじゃない!魔眼なんて聞いた時には私以外も唖然としたわ!取り敢えず下手に動かす訳にも行かないから彼はこの大陸で目を覚ますまで預かる事になり、ネプテューヌとネプギアには目を覚ましたら連絡すると言って帰ってもらった。彼のデバイス達は知り合いに連絡しないといけないという事でネプテューヌ達と一緒に刹那を頼みますと言って悔しそうに帰っていった。
・・・それにしても一番びっくりなのは彼が一つ屋根の下でこんな美少女三人と同居している事ね・・・。あんな人畜無害そうな容姿して中身は肉食系って事?ハーレム囲んでウハウハって事?少しはこっちにも目を向けなさいよ!私がいるのよ!?って何でこんな事言ってるんだ私!
何で嫉妬してるんだろう・・・・・・・イヤ・・・イヤイヤイヤイヤイヤイヤ・・・無い、それは無い!そう、彼は友達よ!友達だからよ!友達として非常識な事は注意しないと・・・・・・・でも・・・・・・・本当にそれだけ・・・・・・・?
違う。私の中で嫉妬でも友達としてでも無い別の感情の炎が大きく燻っている。でも分からない。本当にこの気持ちがそうなのか・・・多分それは彼と話せば分かるだろう。
そんな事を思い出しながら私はデスクワークの合間に小腹が空いたので夜食を作っていた。
やっぱり夜だしヘルシーに行きたいわよね・・・。
「ん〜。材料も有るし・・・卵雑炊にしようかしら・・・」
私は作るメニューを決め、材料を刻んで鍋の中へ入れる。その後、ご飯なども足して卵を入れて完成する。
できたので食べようと思ったのだがある物が目に止まった。それは・・・
「・・・・・・・」
無言でキッチンの外から此方を覗いてくる少女の様な見た目の寝たきりの筈だった少年、如月刹那が食べたいと言う目で此方を見ていたからだ。試しに雑炊を少し近づけるとくれるの?と言った目で見てくる。それを遠ざけるとシュンとなって悲しそうな目で此方を見てくる。
何この可愛い生き物・・・。
この日私の中で可愛いものランキングが一気に変わった。もう全ての順位が彼です・・・。
ノワールサイド終了
なんて言うか・・・主人公達を軽く戦闘狂にしてしまった気がする・・・。
と、とりあえずまた次回!さよならー!(逃)