刹那サイド
ドラゴン討伐調査三日目を迎え、再び洞窟へ入った僕達は前回同様二手に分かれる事になり、勝手に女神三人がジャンケンを始め、それをブランと遠目から眺めた後、勝者のノワールと洞窟をすすむ事になった。
なったはいいのだが・・・
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
この無言状態を誰か何とかしてください・・・。
くっ!この状況を何とかしなければ・・・。
「ね、ねえノワール。今日良かったら晩御飯僕が作ろうか?この前の好評みたいだったし・・・」
よし!この前ノワールも含めた周りから絶賛された料理の話題。これで会話を繋ぐ!頼む!持ってくれ!
「ええ、よろしく・・・」
「う、うん・・・」
(・3・) アルェー?
可笑しい、可笑しいぞ。確かこの前に本屋で読んだ《コミュ障脱出!これで貴方も友達の輪に!》の中に書いてあった《まずは何か話題を出そう!》を実行したのに・・・。何が行けなかったのだろうか・・・。
だが僕は諦めん!諦めんぞ!
「よーし!じゃあ頑張って作るぞ!あ、そういえばノワールは何が好きなの?僕知らないや」
これならどうだ!
「特にないわ。・・・メニューは好きに決めて頂戴」
ユニヴァーーーーーーーーーーーーーーーース!?
撃沈した!?何故だ!何故なんだあああああああああああ!
僕は新たな解決策を得る為、念話でのあ以外の家族に呼びかける。
『如月家、集合!』
『『『オー』』』
『皆、どうしてこうなった!?OO一期のティエリアでももうちょっと会話続くよコレ!?』
『まあ、大方一昨日のドラゴン戦であっという間に戦闘不能にされた事でも気にして周りの声が余り聞こえていないんだろう』
『私もそう思います。昨日皆さんが寝ている時にノワールさんだけ凄く悔しそうな表情でしたから・・・』
『刹那。此処は無理に話し掛けず少し時間を置いた方がいいのでは・・・』
『・・・うん、分かった。取り敢えずは下手に話すのは止めるよ。皆、協力してくれてありがとう』
そう言って僕は念話を切った。気が付けば最深部の前に着いていた。僕は慌ててセットアップをして年齢魔法を同時に使用、そしてセシアのモードチェンジで新しいモードを使う。
「セシア、モード《スカルハート》」
「了解、モード《スカルハート》!」
セシアの声でバリアジャケットが変わっていく。白のインナーを基調に黒色の中心に骸骨のマークが着いた胸部パーツ、肩、腕、腰、足の其々にもアーマーが装着されて、最後に額にVアンテナが装着される。
これが新しいモード《スカルハート》である。ノワールも女神化して武器を構えている。
準備のできた僕達は、目配せをして同時に最深部へと突入する。突入した僕達の目の前には、大量の岩とそれが密集した様な見た目の巨大な顎のドラゴンが2体居た。内一体は体色が違う。(イメージはウラガンキンとウラガンキン亜種)
刹那サイド終了
三人称サイド
ゴアアアアアアアアアアアア!×2
刹那達を目視したドラゴン達は咆哮を発して此方へと丸くなって転がってきた。刹那とノワールは二手に回避し、ドラゴン達も茶色のドラゴンは刹那へ、青みがかったドラゴンはノワールへと二手になって追撃してくる。
刹那は一定の距離を保ちながら右腰に装着された海賊が使うような形をした銃、《バスターガン》を取り出し、ドラゴンへと撃ち出す。
「ック!当たれええええ!」
ゴアアアアアアアアアアアア!
何度も撃つが、ドラゴンは無傷で刹那に転がりながら接近する。
「もう間に合わない!《ラウンドシーrガハア!?
防御しようとした瞬間、ドラゴンのスピードの方が速く、刹那は吹っ飛ばされて壁にめり込んだ。そしてその衝撃で刹那の意識は暗闇へと沈んだ。
「刹那!ック!邪魔よ!」
ゴアアアアアアアアアアアア!
ノワールが刹那を助けに行こうとするが、もう一体のドラゴンが邪魔をして先に進めない。
ドラゴンは尻尾を振り回してノワールを攻撃する。数発喰らったが、何とか防ぎながらノワールも攻撃を続ける。普段ならすぐに終わらせられるのだろうが、この前の敗戦で気が立っているノワールは何時もの動きが出来ないでいた。それでも攻撃を続け、やがてノワールの剣擊でドラゴンが怯む。
「これで終りよ!ハアアアア!」
ノワールはそのチャンスを逃さんと攻撃に向かう。だが彼女は自分の周りの変化に気付いていなかった。得物の大剣を振り下ろした瞬間、ドラゴンが突然咆哮を上げる。思わぬ行動にノワールの攻撃の軌道が逸れ、決めの一撃は空振りとなった。そのままノワールは受けたダメージの所為もあり、そのまま地面に落ちる。
急いで起き上がると自分の周りにドラゴンの尻尾から撒き散らされた岩に囲まれていた事に気が付く。だが、時すでに遅し。ドラゴンはその巨大な顎で岩の近くの地面を叩く。その衝撃で岩が突然爆発し、ノワールを熱風と衝撃が襲う。
「キャアアアアアア!」
爆風に囲まれて大ダメージを負ったノワールの体は宙を舞い、地面に叩きつけられた。気絶して女神化が解除されたノワールはその場に倒れ、動かなくなる。
それを一瞥したドラゴンはもう一度雄叫びを上げて刹那の咆哮へと向かう。その瞬間、刹那のいる方から金色の光が発生した。
三人称サイド終了
刹那サイド終了
「あれ?此処は・・・。それにこのカード・・・」
気が付くと真っ白な空間で、目の前には魔道書の中にある《剣士》のカードが浮いていた。僕はカードを手に取り、無意識に言葉を紡いだ。
「顕現《セイバー》」
瞬間、カードが光り輝き、アルトリアと瓜二つな女性が立っていた。だが、身長は僕と同じくらいで何方かと言えば少女であろうか?服は赤く、・・・その、ぱ、パンツが透けてるんですけど・・・。ッハ!あ、後大きな赤い大剣を持っている。
少女は此方を見つめ笑顔で話し始めた。
「問おう、そなたが余を招きし奏者か?」
奏者?マスターって事でいいのかな?取り敢えず僕は返事をする。
「うん。多分そうなるかな。僕は如月刹那、呼び方は君に任せるよ」
「うむ。余は至高の芸術にしてオリンピアの花!今風に言うなら・・・《赤セイバー》と呼ぶがよい!」
そう言うと僕の頭の中に彼女のステータスが入り込んでくる。これは・・・ハア!?
「ええ!?君があの《暴君ネロ》!?」
まさかあの有名な皇帝が女性だったとは・・・。まあ、アルトリアも似た様な物だしな・・・。歴史の人物って怖いな・・・。
ん?でも待てよ・・・
「思ったんだけど・・・何でセイバーなの?ネロだったらライダーが妥当でしょ?」
僕が聞くとセイバーは得意げな顔で言い出す。
「なに、余が封じられているカードの中でもセイバーが最優のクラスなのであろう?ならば余がセイバーでなければ道理に合わぬ。・・・それに・・・」
「それに?」
何だろう?そう思って聞くとセイバーは言った。
「戦車は尻が痛いのでな・・・」
「え、ええ〜・・・?」
そんなのでいいのか英霊よ?
そう思っていると赤セイバーが突然頭を抑えて苦しみ出した。顔色も悪い。
思い出した!ネロは幼い頃から毒を飲まされていたから頭痛持ちなんだ。頭の中にあるステータスにも頭痛持ちというスキルがある。
僕は赤セイバーに近づいて頭に触れる。そして能力でセイバーの頭痛、今だけでなくそのスキル自体を無くした。
するとセイバーの顔色が良くなっていき、頭を摩りながら「痛くない・・・」と呟いている。やがて此方を向き、聞いてきた。
「余の頭痛は普通の魔術では消せぬ筈だが・・・。奏者よ、何をしたのだ?」
「僕は能力、所謂スキルを創る事が可能なんだ。まあ、色々制限はあるけどね?少なくとも赤セイバーの頭痛持ち位ならこの能力で消す事は可能だよ。もう頭が痛む事は無いと思うけど・・・」
そう言うと赤セイバーは俯いてプルプルと震え始める。え!?失敗!?僕は動揺した。すると突然、
「素晴らしい!」
「・・・・・・・へ?」
「余はこの頭痛に何度も悩まされ続けてきたのだ。奏者よ、余はそなたを気に入った。私の嫁にする!」
・・・ホッ。よかったあ〜。喜んでくれたみたいだ。そっか・・・嫁にするのか〜・・・。
・・・・・・・ハイ?
「ちょ、ちょっと待ったーーーー!よ、嫁!?婿じゃなくて!?ていうか僕達出会って30分も経ってないよ!」
「なに、時間など関係無い。余はそなたに所謂一目惚れをしたのだ!性別も同じだが気にすることは無いぞ!」
「僕男だからね!?」
「何と!?これがアテナの言っていた男の娘と言う者か・・・」
「あの人何変な事教えちゃってるの!?」
何やってるのかなあの女神様!
え、ちょっとセイバーさん・・・?そのウエディングドレスといつの間にかあるベッドは何ですか?え、ちょ、まっt
ッアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?
刹那サイド終了