刹那サイド
あの空間から消えた僕はソファーの上で未だにセシアに抱きしめられていた。
離れようと思ってもセシアは僕をガッチリとホールドした状態で寝ている。起こそうかと思ったのだが、
「えへへ〜マスタ〜。」
このような寝言を言いながら幸せそうな顔をしているので何か起こしにくい。
どうするかと僕が悩んでいるとリビングの影からこちらを覗いている者がいた。
その人は緑色の髪をした女性ということはわかった。
・・・・どう見てもさっき話してたあの人ですよね・・・・。
そう思っていると、その女性はこちらに近づいてきて僕の目の前まできた。
「やあ、また会ったな坊や。」
C.C.さんはまたも面白いものを見たような顔をする。
「・・・・何で・・・・ここにいるの・・・・?」
「何だ?私がここにいてはいけないのか?そいつは家族なのに私は無しか、この鬼畜坊やめ・・・・。」
C.C.はわざとらしい泣き真似をする。
「・・・・そういうことじゃ・・・・無い・・・・C.C.も・・・・家族・・・・。」
僕はC.C.の誤解を解こうと内心慌て気味に話す。
するとC.C.はクックックと笑い始める。
「冗談だ。お前の考えは大体わかる。大方精神世界にいた私がなぜ現実にいるのか・・・・といったところだろう。」
最初から真面目に話して欲しかった・・・・。
というか・・・・
「・・・・心読めるの・・・・忘れてた・・・・。」
そうだったよ、この人の前じゃプライバシーもクソも無いよ。
僕がそう言うとC.C.は惜しそうな声で
「実はな、現実の方へ出ている時はお前の心は読めないんだ。」
と悔やんでいた。とりあえず僕のプライバシーは守られた。
するとC.C.は突然「おお、思い出した。」と手をポンと叩き、僕に話を始めた。
「そういえば一つ思い出したぞ。お前、顔の傷は治さんのか?確か能力の使い方は「〜な能力が欲しい!」と祈ればできる!とアテナの奴が言っていたぞ。」
おお、そうだった。じゃあ早速・・・・・・・・・・・・どういう能力を想像すればいいんだろうか?
「・・・・どんな能力だと・・・・いいかな・・・・?」
「そんなもの自分で考えろ。何もかも私に聞くな。・・・・分かった、分かったから私の袖を掴むな、この服しか持ってないんだ。そうだな・・・・・・・・シンプルに《傷が全て癒える》とでも思っておけばいいのではないか?うん、そうだな、それがいい。」
C.C.はうんうんと頷きながら意見を述べる。そっか、そんな簡単に僕の顔は戻るのか・・・・。安心した。うん、すごく安心した。
「・・・・C.C.・・・・ありがとう・・・・早速やってみる・・・・。」
「ああ、その代わりお前の顔は一番最初に見せてもらうぞ。」
「・・・・うん・・・・でも・・・・こんな怪我したの6歳からだから・・・・どんな顔か分からないし・・・・あんまり期待しないで・・・・。」
「分かった。だが少しは自信を持ってもいいと思うぞ。お前の顔は分からないが、声はいいからな。女っぽくて。」
「・・・・僕は・・・・男・・・・。」
「ああ、悪かった。お前は男だ。さ、始めよう。」
「・・・・ん・・・・分かった・・・・。」
C.C.に言われ、僕はイメージを開始する。・・・・《傷が全て癒える能力》・・・・。かなり難しいが僕はイメージを続ける。すると僕の周りを金色の光が包み始めた。とても温かい光だと思った。そしてその光は1分程経つと消えてしまった。
僕は失敗したのかと思いどうしようとC.C.を見ると、C.C.が驚愕した表情で僕を見る。
何ですかその目は・・・・ん・・・・?・・・・目・・・・。僕は視力が悪いのに何でそこまでわかるのだろうか。よくよく見るといつもより視界が広くなっている。見えなくなっていた右目の部分だ。左目もよく見えるようになっている。もしかして成功した?でも何でC.C.はそんな目で僕を見るのだろうか・・・・。
「・・・・何で・・・・驚いてるの・・・・?・・・・僕の顔・・・・そんなに変・・・・。」
「え、い、いや、そういうわけではないのだが・・・・なんというか、お前本当に男か・・・・?」
C.C.はどこからともなく出した手鏡を僕に向ける。そこには傷が一つも無い、僕の顔が写っていた。・・・・僕ってこんな顔になってたんだ。どう見ても女の子だ・・・・。自分の顔に驚いていると僕を抱きしめていたセシアが目を覚ました。
「ん〜マスタ〜おはようございます〜。」
まだ若干眠いのだろう、目をこすっているセシアに笑いかけながら
「・・・・おはよう・・・・セシア・・・・。」
と挨拶をした。するとセシアは僕の顔を見て、固まった。そして僕の顔を見ながら、聞いてくる。そして、
「マスターですか・・・・。」
「・・・・うん・・・・能力で治した・・・・。」
「・・・・・か・・・・・いい・・・・。」
「・・・・セシア・・・・?・・・・どうs「マスター可愛いです!!」・・・・あう・・・・。」
突然凄い勢いで抱きしめられた。セシアは僕を抱きしめながら頬ずりをしている。
「やっぱりマスターは可愛いです!怪我をしていた顔でもこれは可愛い元だなと分かりました!マスターはルックスと声、性格共に最高です!そんなマスターのパートナーで家族になれるなんて・・・・ハッハッハー!我が世の春が来たーーーーーーー!!」
セシアが暴走し始め僕はワケが分からなくなってきた。するとC.C.がセシアに近づいていき手鏡を振り上げ、セシアの頭目掛けて
「落ち着けこの駄バイス。」
「痛たーーーーーーー!!」
振り下ろされた。脳天に直撃したセシアは頭を抑え床を転げまわっている。
C.C.はそれを見ながら馬鹿めと言っていた。そしてセシアが初めて叩いた相手の存在に気づき、喰らい付く。
「ちょっ、痛いじゃないですか!この魔女!」
「少し落ち着け。あのままだと坊やの頬がお前のせいで擦り切れるところだったぞ駄バイス。」
「だから駄バイスって言わないでください!この目!目の女!ガンQ!」
「誰がウルトラ怪獣か!誰が!」
二人はそのまま大舌戦を始めてしまった。どうしたらいいのかと悩んでいると僕達全員のお腹から大きな音が鳴り、全員が動きを止めた。そしてセシアが
「そろそろご飯にしましょうか?もう晩御飯の時間ですし。」
時計を見ながら言った。時計の針は6時15分頃を指しており、窓からは夕日の日差しが入ってきている。
セシアはキッチンの方へ歩いていき、C.C.はソファーで寝転がり、再びどこからともなく携帯ゲーム機を取り出しゲームを始めた。僕はセシアを手伝おうと思いキッチンに行こうとするとキッチンからセシアが顔を出し、
「マスターはそこでガンQと待っててください。すぐ作りますから。」
と言いながらキッチンへ戻っていった。セシア・・・・根に持ちすぎ・・・・。C.C.の持ってたゲーム機から嫌な音がしたよ。バキッて・・・・。しかもボソっと殺すって聞こえたし。
C.C.を見るとゲーム機が新しくなってまたゲームをやっていた。こっちはこっちで切り替え早いな。
僕はC.C.がやっているゲームを隣から見ることにした。ゲーム機の画面では子供達がサッカーをやっていて、何か人間業じゃ無いシュートやキーパーをやっていた。何か、すごくかっこいいと思いじーっと見てしまう。
僕の視線に気づいたのかC.C.はこのゲームの事を教えてくれた。
「そんなにこのゲームが気になるか?これは《イナズマイレブン》というゲームでな・・・・・。」
C.C.にこのゲームの事を色々教えてもらった。最後にこの必殺技を魔法で再現できるかもと言われ、少しワクワクした。期待に胸をふくらませていると、セシアがキッチンから出てきて
「二人共、ご飯ができましたよ!さあ、手を洗ってこちらへ!」
と呼びに来た。その瞬間C.C.が目を輝かせ、
「ピザは!?ピザはあるのか!?」
と叫びながらキッチンへ走っていく。僕もその後を追うように歩き始めた・・・・。
刹那サイド終了
以上第5話でした。次回から恐らく修行に入ります。