超次元ゲイムネプテューヌ 魔法と鋼を使いし者   作:猫舌

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第54話

刹那サイド

 

 

僕はチビとロックを連れ、地図に載っていた桃の栽培所、《桃源郷》にやって来た。

 

 

「流石天界なだけあって凄いね・・・」

 

「おい刹那、言い忘れてたが彼処にある桃は食べるなよ」

 

「え?分かったけど・・・何で?」

 

「お前はまだ神に成り立てな上に今此処にいるお前は意識だけの存在だ。本来此処にいる事が出来ない状態のお前をアテナが留まらせてくれてるんだ。下手にあの桃を口にするとゲイムギョウ界に戻れなくなるぞ」

 

「何それ怖!?」

 

 

絶対食べない様にしないと・・・。暫く歩いていると向こうから人影が現れる。段々お互いの距離が近づくと人影の正体が分かって行った。その人は男性で黒い着物を着て巨大な金棒を持っている。其処にも驚いたが何より一番の驚きはその人の額に生えている角である。大事だからもう一度言う。角である。男性は僕の視線に気付いた様で、僕の前まで歩いて止まり、挨拶をして来た。

 

 

「おや、その気配・・・女神様でしたか。申し訳ありません、私は地獄の閻魔大王補佐官の《鬼灯》と申します。以後、お見知りおきを・・・」

 

「えっと・・・余りなった自覚が無いので普通に話してもらえますか?僕は如月刹那、男です」

 

「これはとんだ失礼を・・・所で何処かをお探しの様ですが・・・」

 

「あ、はい。此処の近くにある桃の栽培場を探してるんですけど・・・知りませんか?」

 

「それなら丁度私も行く所でしたので良かったら案内しましょうか?」

 

「お願いします!やったー!ロック、チビ、やっとたどり着けるよ〜!」

 

「ハイ!これまでの道中を考えると涙が止まりません!」

 

「まさかセットアップする羽目になるとはな・・・」

 

「・・・貴方達に何があったんですか・・・?」

 

 

僕達の言葉に鬼灯さんが疑問の声を挙げた。此処に来る途中に寄った村で落石事故があったのでセットアップして掘削してから進んできたのだ。それも自分の真上に岩が降って来たから驚いた。

 

 

「まあ・・・色々あったんです・・・」

 

「そうですか。では、此方です」

 

 

鬼灯さんに案内されて僕達は目的地へと進んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜数分後〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着きました。では、私は用事があるのでこれで・・・」

 

「はい!鬼灯さん、ありがとうございます!」

 

「いえ、また何かあれば時間があれば力になります」

 

「なら今回のお礼に何かあったら呼んでください!何とかして行きますので!」

 

「いや、気合で私の仕事場の地獄まで来られても・・・」

 

「ああ、確か地獄で二番目に偉いお方なんですよね?」

 

 

つまりは鬼灯さんはかなりの有名人という事だ。鬼灯さんから道中で色々聞いたが普段とても忙しく、今日も注文していた漢方を取りに来たらしい。

 

 

「それでは私のメアドを渡しておきます。まあ、その内地獄観光ツアーとかやりますんでその連絡でもしますよ。その時にお会いしましょう」

 

「ありがとうございます。それじゃあ僕達も行こうか」

 

「おう(ハイ)!」

 

 

鬼灯さんと別れ、僕達は桃の木の中を進んで行く。暫くすると開けた場所に出ることができ、其処では沢山の兎が草を食べていた。間違いなく前世で僕が世話をしていた兎達だ。僕の気配に気づき、兎達が全員僕を見た瞬間、飛び掛ってきた。チビの時と同じ様に僕の体に自分の体を擦りつけて来る。何か全員息が荒いんだけど・・・大丈夫かな?

 

 

「・・・良かったですね刹那様・・・」

 

「チビ?何で怒ってるの?」

 

「別に怒ってません!所でマスターは全員の性別分かってるのですか?」

 

「いや・・・分からない・・・」

 

「・・・全員がメスです・・・」

 

「そうなの!?だからあれ以上増えなかったんだ・・・」

 

「はあ・・・ほら、皆一旦離れなさい!刹那様が困ってるじゃ無いですか!(しかも全員発情してるってどう言う事ですか!?アテナ様から話は聞いていましたがまさか女神どころか動物まで手篭めにするって・・・もう誑かしのレベルじゃ無いですよ・・・)」

 

「刹那・・・お前結構鈍感って言われねえか?」

 

「う〜ん・・・偶に言われるかな?」

 

 

別に僕は鈍感じゃ無いと思うんだけどな・・・。そんな事を考えていると背後から足音がし、振り向くと其処には小太りした籠を背負った男性が居た。

 

 

「ああ、君がさっき鬼灯さんが言っていた如月君・・・だよね?俺は此処の桃の栽培をしている《桃太郎》だ。よろしくな」

 

「えっ!?桃太郎!?あの鬼退治で有名な!?」

 

「よしてくれ・・・あんなの退治なんて言えないよ。今は只の就職者さ。それよりも君はどうして此処へ?」

 

「はい、僕の前世で友達だったこの子達に会いに来たんです。皆色がカラフルになっているのもいますけど全員の見た目や癖が分かっているので直ぐに見分けが着きました」

 

「そうか・・・君の目から察するに色々あったんだな・・・」

 

 

・・・僕って表情に出やすいのだろうか?そう思っていると兎達が再び僕に飛び込んで来て僕は地面に倒れ込んだ。その瞬間、兎達が全員光を発して人の形になっていく。チビの時と一緒だ。やがて全員で三羽居た兎は金髪、銀髪、水色の髪の女性三人に姿を変えた。(イメージはイナイレの《中目 栞》、ISの《ラウラ・ボーデヴィッヒ》、エレメンタルジェレイドの《レン》)

勿論・・・ウサ耳付きで・・・。

 

 

「え、皆人になれたのか!?」

 

「桃太郎さん知らなかったんですkってわあ!?」

 

 

桃太郎さんに驚いていると行き成り顔を掴まれて三羽、いや、三人に睨まれる。その内の一人、銀髪の女性が口を開いた。その片目には眼帯がされていた。この子は前世ではチビの次に小さかった兎で毛はチビと同じで、虐めっ子に殺された時は片眼を抉られていたのだ。

 

 

「おい、私達との再開なのにお前はその男に話しかけるのか?私達は二の次なのか?」

 

「別にそんな訳じゃないよ。君の・・・《チーニ》の事で聞きたい事があったから聞いただけだよ」

 

「それなら私達に聞け。直ぐに答える」

 

「じゃあ・・・何で桃太郎さんの前で人にならなかったの?」

 

「それは・・・私はソイツとソイツの主が嫌いだからだ」

 

「それは私も一緒だよ」

 

「・・・私も・・・その人・・・怖い・・・」

 

 

金髪の女性《キラリ》と水色の髪の女性《プル》が同意する。因みにこの子達の名前は僕が付けた。其々の名前の由来はチーニはチビの二番目に小さいから少し捻ってチーニ。キラリは何か光る物を集める癖があり、何時も周りが光っていたからキラリ。プルはよく震えていたからプルプルという事でプル。別にキュベレイに載っていた女の子では無い。桃太郎さんは嫌いと言われてショックを受けている。

 

 

「嫌い・・・怖い・・・」

 

「桃太郎さん気をしっかり!・・・コラ!三人共!」

 

「「「ヒッ!?」」」

 

「今すぐ桃太郎さんに謝りなさい」

 

「いや、しかし私たt「謝れ」・・・すまなかった・・・」

 

「うう・・・ごめんなさい」

 

「・・・ごめんなさい・・・」

 

 

彼女達の謝罪に桃太郎さんは僅かながらに回復した。僕はよくできましたと彼女達の頭を順番に撫でていく。

 

 

「はい、よくできました」

 

「うむ、もっと撫でていいぞ////」

 

「やっぱり君の手は暖かいね////」

 

「・・・もっと・・・////」

 

 

三人は気持ち良さそうに目を細める。するとチビが不機嫌そうな目で僕を見てくる。

 

 

「良かったですね美少女三人に囲まれて!どうせチビは除け者ですよ〜だ!」

 

「別にそんなつもりは無かったんだけど・・・。それにチビだって凄く可愛いじゃないか」

 

「ふえっ!?な、何を言ってるんですか!そんな言葉で誤魔化そうとしたって無駄ですよ!」

 

「いや、嘘じゃ無いよ。チビはもう少し自分の容姿を自覚しようよ。絶対に可愛いって」

 

「そ、そうですか?う、嘘じゃ無いですよね!?」

 

「だから嘘じゃないって。ほら、おいで」

 

 

そう言って僕はチビを傍に寄らせる。僕が動きたくても目の前の三人にホールドされているので動けない。チビは僕の横に来て其処に座り、僕はチビの頭を撫でた。

 

 

「大丈夫、チビは可愛いよ。僕が保証する」

 

「なら・・・信じます・・・。それと・・・黒ウサギです・・・」

 

「え?黒ウサギ?」

 

「チビは一回転生して黒ウサギって名前である世界を生きました。少し変な喋り方を強調させられましたけど・・・だから今はチビじゃ無くて黒ウサギです。もう小ちゃくありませんよ私は!さっきは感動の余り言いませんでしたが今こそ言わせてもらいます、私をもうチビと呼ぶのは無しです!」

 

「え〜、でも黒ウサギかあ・・・。じゃあ《クロ》って呼んでも良いかな?」

 

「まあ、チビじゃないし悪くも無いので良いですよ・・・」

 

「ありがとう。よろしくねクロ」

 

「ッ!?////」

 

 

僕はクロの頭を撫でながら微笑んだ。クロは顔を伏せてしまい、どんな表情か分からない。嫌なのかなと思い、手を離すと絶望した様な顔で此方を見てくるので暫く撫で続けた。そう・・・

 

 

「「「(・・・)む〜(・・・)」」」

 

 

三人のプレッシャーを受けながら・・・。何故だ・・・。

 

 

『刹那・・・頑張れよ』

 

『見てないで助けて欲しいな・・・』

 

 

ロックからはあまり嬉しくない念話が飛んでくる。いや、本気で助けてください。そろそろ腕が限界なんですけど・・・。

 

 

刹那サイド終了

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