刹那サイド
現在僕は模擬戦用の特別ステージで模擬戦を行っている。本当は模擬戦は明日の予定なのだが僕があの紫っ子の挑発に見事に乗ってしまい、大人なリリカルメンバーに大口叩いてさあ、大変!となり、子供組よ神無は無参加で数年前なのはさん達がやっていた《機動六課》の元メンバーであるなのはさん、フェイトさん、スバルさん(さっき名前で呼んでと言われた)、ランスターさん、そして子供だが元六課と言う事で参戦したモンディアルさんとル・ルシエさんが相手で僕一人尚且つデバイス無しだ。理由はデバイスのモードに頼る事なく自分の力を見せつけると同時に試してみたい事があったからだ。僕はホログラムで作られた実体のあるビルに囲まれた中で準備体操を終える。
「準備完了です。初めてください」
僕がそう言った瞬間、模擬戦の合図の音が鳴り響いた。丁度良いから此処で模擬戦のルールについて説明しておこう。本来この模擬戦は数人で構成されたチーム同士が戦う物で、ポジションが存在する。《FA(フロントアタッカー)》、《GW(ガードウイング)》、《CG(センターガード)》、《WB(ウイングバック)》、《FB(フルバック)》である。詳しい事はあまり分からないが、少なくとも一人の僕には関係無い。だが、この模擬戦は其々のプレイヤーにライフポイントが備わっており、そのポジションによりライフポイントが違うのだ。説明すると
FA:3000
GW:2800
CG:2500
WB:2500
FB:2200
となっており、僕は一人と言う事でFAの倍である6000を貰っている。僕は1500あれば十分と言ったのだが、流石にそれは・・・と言われてこの数になった。・・・正直半分も減らない自信があるんだけど・・・。僕は自称《強くて弱い》だからね。今回相手のポジションは
FA:スバルさん
FA:フェイトさん
GW:モンディアルさん
GW:ランスターさん
CG:なのはさん
FB:ル・ルシエさん
である。各自が既に配置に着いて僕にはスバルさんとフェイトさんが迫って来ている。僕は其れを見ながら試そうと思っていた能力を発動する。まあ、この身長なら動き易いし年齢魔法は要らないかな。僕は魔力変換資質の《炎》を発動させる。そしてその炎を化身アームドと同じイメージで体に纏わせて行く。そして僕は感覚的にその目論見が成功している事を感じた。そして僕の周りを覆う炎を腕で軽く振り払う。すると払われた炎の下は赤いカンフー服へと変わっていて腕には赤と銀の籠手が取り付けられている。僕の髪も炎髪とも呼べる燃え盛る炎の様な色へと変わっていた。周りでは未だにチリチリと火の粉が飛び散っている。これがスキルメイカーで創った能力である《変換武装》だ。これがあればその魔力変換資質特有の能力を持ったバリアジャケットと武器をデバイス無しに構成できる。しかもこの変換武装は僕自身に掛けられたリミッターによって姿と力が変わると言う何処のヒーロー物だと言う素敵仕様である。僕は此方に向かってくるフェイトさん達を見て構える。
「さあ、《炎装[焔(ほむら)]》の初陣だ」
僕は一気に踏み出して戦いへと飛び込んで行った。
刹那サイド終了
三人称サイド
「フェイトさん!来ますよ!」
「うん!分かってる!」
現在、先手を打とうとしたフェイトとスバルは焦っていた。先程まで大した気配も感じなかった刹那から突然感じた事の無いプレッシャーが発され気が付けば魔力変換資質を使って武器と防具を装備して迫ってきたのだ。あっという間に距離は詰められフェイトとスバルは迎撃態勢を取る。フェイトは自分のデバイスの《バルディッシュ》を斧の形から刃が魔力刃となっている鎌の形に変えて刹那へと肉薄し、振り下ろした。だが、その攻撃は刹那に当たることは無かったのだ。何故なら攻撃は・・・
,刹那の体をすり抜けた,
のだ。
「・・・え?」
突然の出来事にフェイトは思考がフリーズする。その瞬間を刹那は逃さずフェイトの懐に入り込み炎渦の篭った拳を叩き込んだ。
「《炎神拳(えんじんけん)》!」
拳はフェイトの腹に直撃し、肺の空気を一気に押し出されながらフェイトは一気になのは達の所まで殴り飛ばされた。そしてフェイトはなのは達の居る真下のビルに直撃する。
「カハッ・・・!」
フェイト:3000⇒1200
フェイトのライフが急激に減らされた上にいとも簡単に管理局の実力者に一撃与えたと言う事実に元六課組だけではなく、外野も驚いていた。その中でもダントツなのが神無だ。神無は最初刹那のスターライト・スラッシュを見て思った事は魔力が多い。使い方が上手い。だけであり、他の技が此処まで高いとは思ってもいなかった。刹那は魔力量が多く、使い方が上手い事は合ってはいるが、他の者達と決定的に違う物がある。それは、自分の能力の《自動収束》である。常に魔力を集めるのだ。簡単に説明するとゲームセンター等であるシューティングゲームがいい見本だ。例えば弾数が5あるとする。其れが刹那の魔力量だ。何か技を出すごとに1消費される。シューティングゲームでは弾が減ると銃を画面外に撃つか足元のペダルを踏んでリロードする。刹那は1消費するごとにリロードされるのだ。しかも一度のリロード量が半端では無く、魔力をその場で全て消費してもこの能力で2分もあれば全回復である。最近では癖でその魔力で回復魔法を常時発動させている為、傷を負ったままと言う事がまず無い。アマテラスのリーダースキルよりも質が悪い。刹那はその調子でスバルも殴り飛ばす。なのは達もFAが居なくなった事に焦り、刹那に視線を戻した時にはもう遅く、刹那の右腕には魔力の炎が収束され、巨大な火の塊になっていた。恐らくなのはの全力全開な魔法でも相手できないだろう。そして刹那はその魔力の塊を投げつけた。
「《爆炎球(ばくえんきゅう)》!」
瞬間、フィールドをひたすら赤が包み込み、刹那の周りには何も出来ず只ヤムチャのポーズで倒れた元六課メンバーと其れを見て言葉が出ない外野のみだった。辺りは焼け野原になり、ホログラムの街は消えている。そして我に返った外野が試合終了の合図を出した。
「・・・疲れた」
そう呟きながら刹那は《ドッペルゲンガー》を使い複数に別れ、元六課メンバーに回復魔法を掛けて応急処置した後にフィールドの外へと抱えて運んで行った。
「はあ、やっぱり僕は《強くて弱い》」
そう、悔しげに呟きながら。
三人称サイド終了
次回予告
遂に始まった本当の模擬戦!
デバイス無しの刹那がひたすらに能力無双!
の前に!
前日の風呂でまさかの大事件!?
第68話とオマケの《名探偵かな!?刹那君!》をお送りします!
次回も見てください!by作者&刹那