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目覚めたら、汗だくだった。…夢オチかよ。助かったけど──
「──おはようございます。藤尭さん。」
「──ウワァァァァァッ!?」
目の前に緒川さんが居た。滅茶苦茶びっくりした。…もうこの人に目を合わせられない。怖すぎる。
「…だ、大丈夫ですか?酷く魘されていましたけど…。もしかして、小夜さんの夢でも見ましたか?」
…さっきの夢が正夢として、ここがリスポーン地点か。何が正解なのかわからないけど、取り敢えず迂闊な行動は避けよう。
ゲーム脳なおかげで、こういう展開には慣れっこだ。…いや、今もさっきのこと思い出したら寒気するけど。
「…あ、…大丈夫デス…。」
「…喋り方が切歌さんみたいになってますよ。…本当に大丈夫には見えないんですが。」
今のところ、黒いのは出てない。…さっきのはもしかしたら本当に夢で、何事もなく仕事に戻れるかもしれない。
…えっと、この時は何をしようとしたんだっけな。
「ところで藤尭さん。友里さんを探さなくて結構なんですか?」
思い出した。
♢
走る走る。俺ーたーち。…古いな。うん。
そして曲がり角に差し掛かり──
「──バックステッポッ!」
「!?」
華麗に着地すると、調ちゃんはキョトンとしていた。いや、そりゃそうなるわな。…いやしかし、この子は意外と危険だ。気を付けなければ。
──というか、今のは迂闊な行動にカウントされないよね?
「ど、どうしたの?」
「…悪いけど、先を急いでるから。」
厄介ごとはとにかくスルー。ドラクエでもレベル上げサボって、ボスで詰んだら漸くレベル上げしだすこの俺に隙は無かった。
──死んでからじゃ遅いんだよなぁ。つーかここまで夢通りなんですけど?
「…ま、待って!…まだ小夜が来てな──あッ!」
「…聞かなかったことにするから、それじゃ。」
やっぱりおびき寄せてたのかよ。…卑怯だな。流石幼女卑怯。
再び走り出し、前には無かった2つ目の曲がり角に差し掛かる。──豊満なボデーが顔面に激突する。
「…何をそんなに急いでいるのかしら?藤尭。…その目は飾りなの?」
「…お、おうふ…マリアさん…。」
忘れてた。調ちゃんイベント回避の喜びですっかり忘れてた。てか柔らかっ。
「…それより、…その。これ作ったんだけど、食べてくれないかしら?あ、要らないならいいから、ええ。全然気にしないから。」
渡されたのは小包。ほのかに芳しい、そして油っこい香りが、鼻に流れ込む。…この匂いは──
「──唐揚げですか?…焦げ臭さもないし、マリアさん料理上手いんですね。」
「…え、どうしてそれが…って、失礼じゃないかしら。それ。」
ジト目で睨んでくるマリアさん。不覚にも可愛いと思ってしまった。…だが、油断はしない。迂闊な行動は既にしているが、重ねなければ問題ない(暴論)
「あ、すみません。…俺料理とかよくするんで、調味料とか食材の匂いはよく分かるんですよ。」
休みの日はゲームか料理しかしない男なので、漸くその真価が発揮されて、誇らしげに話してしまう。それを聞いて、マリアさんは関心していた。
「…へぇ、意外と家庭的なのね。…今度私にも教えてくれないかしら?」
…今度。この言葉は死ぬほど聞いた。…死んだけど。というか、よくよく考えればマリアさんがあのヤンデレ集団の中で1番マトモだったな。…あの状況で唐揚げを口に突っ込むのは流石にイカれてるとは思ったが。
…あ、もしかしてアレって、この唐揚げ?やだ萌える。感動の再開だよ唐揚げくん。
「…良いですよ。開けてもいいですか?」
「…ど、どうぞご自由に。」
頬を染めながら、指を弄るマリアさん。口ではこう言っているが、不安もあるだろう。が、女心など全く分からんし、わかる気も無い。
「…お、おお。」
見た目は普通の唐揚げ弁当。正方形に盛られたお米には、小さい梅干しが。そして、あの緑のギザギザに囲まれた唐揚げ。
「…あ、箸が無かったわね。…これ使いなさい。」
「…え、でも両手塞がってて…。」
この弁当箱。二段弁当だった。…見事に両手が塞がり、箸すら持てない。
「…!…し、仕方にゃいわね。私が食べさせてあげるわ。」
…あれ、マリアさんってこんな可愛かったっけ?ピンクの短い箸を拙く使い、唐揚げをプルプル震えながら持ち上げる。
「…あ、あーん…?」
「…あ。」
アカンやつや。これあかんやつや。俺はバカか。何で似たような事を繰り返すんだ。
…いや、男なら最後まで見届けろ。この恥じらいに満ちたトップアーティストの姿を。この目で──
「…美味しいです。」
「…!!そ、そうッ!?なら、もう1つ…。」
そんなウキウキでされたら断れるわけないやろ。何で俺エセ関西弁なんや。
2つ目を頬張っても、小夜ちゃんは現れなかった。
…これは、歴史が変わったのか…?
調ちゃんルート書こうとしたらマリアさんになってた。何を言っているのか分からねぇと思うが(ry
こんな感じで、ちょいちょい変えていきます。つーか藤尭さん自覚ありすぎだろ…。