愛されすぎて仕事が出来ない   作:最高のモルモット

9 / 11
星一評価を頂いたので初投稿です。

──スピードは兎も角訳を言えーッ!(本音)


黄鬼

視界が回る。足が覚束無い。

 

あたしは、どうなった?

 

次の瞬間、背中に温もりを感じた。なんだろう、すごく安心する。

 

「──いいのに。」

 

「──くれない?」

 

何か話しているけど、意識が薄れているせいか、殆ど聞こえなかった。

 

もう少しだけ、この温もりに委ねてしまってもいいだろうか。病にかかると人は弱くなる。心も体も。だからという訳では無いけど、ちょっとだけ。ちょっとだけ──

 

 

 

 

 

♢

 

 

 

 

「──はッ!あたしは何をやってるデスかッ!」

 

小一時間悶絶していた切歌。そして、やっと置き手紙を読む決心をする。冒頭は飛ばし──

 

『──これから映画を見に行くので、探さないでください。』以上。

 

「──嘘吐けデスッ!」

 

この1時間はなんだったのか。

 

 

 

 

 

♢

 

 

「これは、…寝ちゃってますね。」

 

「…マジすか。…疲れてたんだね…。」

 

まさか立ちながら寝るとは。普通は落ち着いてからじゃないと、寝られないものなんだが、よっぽど寝つきがいいんだなこの子。

 

「藤尭さん。…取り敢えずベッドに運びましょう。風邪をナメてたら最悪死に至りますよ。」

 

「…わかった。」

 

俺は風邪以下か。実際そうだけど。

 

小夜ちゃんにタオルで汗を拭いてもらい、俺は冷蔵庫にある賞味期限がギリギリセーフの物を選ぶ。

 

「──ちくわしか持ってねぇ!」

 

「…藤尭さん殆どここ使いませんからね。徹夜か自宅かで。」

 

ここを使った時と言ったら、精々俺の住んでるマンションの、隣の部屋がガス爆発した時ぐらいだ。…まぁ、先月なんだけど。

「…というか小夜ちゃん。俺の事知りすぎでしょ。人権って知ってる?」

 

「そりゃずっと見てれば分かりますよ。私に貴方のプライバシーで知らないことなんてありませんよ。…例えば先週に誰でヌ」

 

「それ以上いけない。」

 

初めて中学生にマジギレした。

 

すると──

 

 

 

 

 

 

「…あ。」

 

「ひッ!?」

 

何故ここに響ちゃんが。やばい前世の記憶ががが。変な汗出てきた…。

 

「…そんなに怯えなくてもいいじゃん。部屋間違っちゃっただけだから。」

 

「…あれ?もしかして──平行世界の?」

 

小夜ちゃんが言うと、その響ちゃんはコクリと頷く。…何故?

 

 

 

 

 

 

「…というわけで、こっちの私に呼ばれた。」

 

「パーティねぇ…。何を祝うとか、聞いてないの?」

 

というか、ギャラルホルンがただのタクシー。いや、ちょっと遠出するから飛行機かな。飛ぶらしいし。

 

「…いや、『その時になったら考える』って。」

 

「…無計画か。でも、今はあんまりウロウロしない方がいいかもしれない。」

 

目を逸らしながらそう言うと、首を可愛らしく傾げる。尚、表情は『は?』みたいな感じだが。

 

「…何で?」

 

「…話すと長くなるけど、聞く?」

 

念を押すと、心底イラついている様子を見せ

 

「…いいから話しなよ。何で私がここの人のパーティに呼ばれたのか、わからないんだから。」

 

…よく分かってないのに来ちゃうグレ響ちゃん可愛い。

 

 

 

 

 

「…それは、まあ。うん。オツカレサマ。」

 

「絶対信じてないでしょ。…気持ちは分かるけど。」

 

寝ているクリスちゃんを横に、必死に2人で説明する。が、流石にファンタジーが過ぎるのか、殆ど信じてもらえてないみたいだ。

 

「…信じられるわけないじゃん。…あの人達がそんな事する訳ない。…じゃあ私はもう行くから。」

 

「…あ、待って──」

 

止めても時すでに遅しだった。響ちゃん…紛らわしいか。響さんがドアを開く。

 

 

 

「───見つけたぁ。」

 

 

「………。」

 

無言で閉めた。更に、凄まじい速度で鍵を閉める。ガタガタ音を鳴らすドア。『あれー?』『どうしたのー?』とか言ってる。それを、遠い目で見つめながら、響さんはこういった。

 

「…ごめん。」

 

「…謝らないで。」

 

ちょっと泣いてた。

 

 

♢

 

 

「…コイツどうするの?」

 

ドアを指さす響さん。その向こうには、さっきと同様響ちゃんが居るのだろう。

 

「強行突破は?」

 

「…なるべく穏便にお願いします。」

 

4人に勝てるわけないだろ。と言いたいところだが、相手は7人。もっと勝てない。数の暴力は恐ろしい。というか、クリスちゃんを頭数に入れる訳にはいかない。

 

「…あのさ、こっちの私って──バカだよね?」

 

「あ、うん。そうだね。」

 

何せあだ名が『あのバカ』だからなぁ。俺は呼んでないけど。それクリスちゃんしか言わないけど。巷ではビッキーと呼ばれて…って、どうでもいいか。

 

「割と即答ですね。」

 

「…情報はなるべく渡しとかないと。」

 

暴論とも言える言い草で、小夜ちゃんを言いくるめる。

 

「…なら、アレが使えるんじゃないの?ほら───」

 

「────!?さ、流石にそれは馬鹿にしすぎでは…?」

 

なんと言う、間抜けな作戦だ。というか、平行世界の自分が引っかかると思って言い出したのだろうか。悲しすぎる。

 

それ以外策が無いわけではないが、どれも博打になる。だったら、折角考えてくれた案を採用すべきか…?

 

「…やってみよう、か?」

 

「……いや、ごめん。自信なくなってきた。」

 

それは自分に対する作戦だからとかいう高度なギャg

…いや、やっぱ何でもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




グレちゃん登場しましたが、今日から合↑宿↓に行ってきますので、(書いてる暇が)ないです。1泊2日なので、星一着いた不届き者の小説(笑)の続きを、どうかお待ちください。
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