ハイスクールD×D~九尾の少年~   作:toruyuki

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第10話

 教会に向かっている最中オレたちはイッセーから、堕天使どもがアーシアさんを利用して何かの儀式を執り行うことを聞いた。

 

「儀式ってのはなんだろうな」

 

「わからん。だが決して良いことではないだろうな」

 

 それは当たり前だ。堕天使みたいな奴らが行うんだからな。

 

「みんな見えてきたよ」

 

 先頭を走っていた木場が教えてくれた。確かに前方には依然イッセーとアーシアさんと来た教会が見えてきた。

 

「この気配は……兵藤くん堕天使は中にいるよ」

 

「そうか」

 

 堕天使がいると聞いても、予想していたのか驚かないイッセー。

 

「これはこの教会の図面だよ」

 

 そう言って何処からか図面を取り出した木場。

 

「聖堂と宿舎があるけど、聖堂の方が怪しいね」

 

「そうだな、聖堂の方が地下やら何やらで色んな事が出来るからな」

 

「うんそうだね。彼らは信仰していた場所で神への否定の行動をして喜ぶところがあるからね」

 

「じゃあ静かに窓から浸入するか?」

 

「うーん、それも良いけど中にどれだけいるか分からないからね。それにあの神父もいるだろうし」

 

「あぁ、あいつか」

 

「だったら正面から突破するか」

 

 イッセーの提案に全員賛成する。教会に近付きドアを開け一気に聖堂まで走る。幸運なことに聖堂まで誰にも会わなかった。

 

 しかし、聖堂に入り奥へ進むと、

 

「おやおや?これはこれは、招かれざる客って奴ですか~?しかも悪魔さんではアーリませんか!うっひょひょ~い、てめぇらにまた会えるとは僕ちんついてる!」

 

 案の定神父―フリードがいた。しかも最悪な挨拶までしてくれて。

 

「あぁそうか。でもそんなことはどうでもいいから、アーシアが何処にいるか教えろ」

 

 珍しくキレているイッセー。それに対し奴は、

 

「え?なに?君たちアーシアたん助けに来たの?何それマジで面白いんですけど!うひゃひゃひゃ!」

 

 気持ち悪い笑い声をあげていた。はぐれ悪魔と言いはぐれものには気持ち悪いのしかいねぇのかよ。

 

「いいから教えろ駄神父」

 

 沸点ギリギリのイッセーが再度聞いた。悪口も込みで。こいつ今口悪いなー。ま、それも仕方ないか。

 

「ぶひゃひゃひゃ!悪魔に魅いられた時点であのクソシスターは死決定なのに、大層なこったねー。んーそこの祭壇から下に行けますぞ。ただ今大切な儀式中でございます」

 

 恭しく以外とあっさり教えるフリード。なに考えてんだろうかな。まぁ何にせよ場所はわかったんだ。さっさとこいつ倒して行けばいいだけの話。

 

 そう思ってるオレだが実際は、これから始まる闘いが怖くて足が震えていた。

 

「そうか。じゃあ行かせてもらうぞ」

 

 イッセーはそう言って祭壇の方に向かった。

 

「おいおい俺様のことは無視か?悪魔ごときがふざけんなよ!?誰が無視していいっていった?あぁ?」

 

 イッセーの行動がよほどムカついたのか、金属の棒を取り出してイッセーに飛びかかる。

 

 すると、棒の先端から光が現れて剣の形を形成し、そのまま斬りつける。が、

 

ガキィ!

 

 これを予測していた木場が受け止める。流石は騎士だな。

 

「なんですと!?」

 

「前にも言ったろ?彼は僕の仲間なんだ。殺させたりはしない」

 

「ありがとう木場」

 

 助けてくれた木場にイッセーがそう言い、奴を殴る。

 

「うおっと、危ねぇ危ねぇ。ま、その程度なら避けられますけどね~」

 

「……ではこれは?」

 

ビュッ ドガン!

 

 イッセーの攻撃を易々と避けた奴を、オレの横から何かが飛んでいき吹っ飛ばした。

 

「こ、小猫ちゃん……なんていう攻撃を……」

 

 飛んでいったものはなんと、教会に並べてある長椅子だった。怪力にも程があるでしょ……。でもこれで奴も……。などと考えていると、

 

ガン!ガラガラガラ……

 

「ひゃー今のは危なかった~。おいそこのチビロリペッタン少女!もう少しで怪我するとこだったでしょ!」

 

 当たる寸前で椅子を切り刻んだらしく、無傷な奴が現れた。

 

「よそ見は禁物だよ」

 

 木場が目に見えないスピードで奴に斬りかかる。しかし奴には見えているらしく、的確に木場の攻撃をさばいている。

 

「しゃらくせぇ!どいつもこいつも、黙って俺様に斬られてろ!」

 

「それはいやだな。代わりと言ってはあれだけどお前を殴り飛ばしてやるよ!プロモーション『戦車』!」

 

「んなっ!?お前、兵士だったのかよ!」

 

 木場とつばぜり合いしていたフリードにイッセーが殴りかかる。

 

ガキィ

 

 殴り付けた瞬間金属音が鳴り響いた。

 

「これでアーシアを殴った借りは返させてもらった」

 

 奴を殴り飛ばし軽くスッキリしたイッセーに対しフリードは、

 

「ざっけんなよ!何クソ悪魔ごときがチョーシこいてんだよぉ!殺す!絶対殺す!」

 

 怒りと殺意を露にするが奴の回りを俺たち四人で囲む。ってもオレは怖くてほとんど動いていないが。

 

「んんー?これってピンチってやつですか~?流石に4対1は厳しいですねー。てなわけでここらでおさらば!ちゃらば!」

 

 不利と分かったら奴の行動は早かった。懐から玉みたいなものを取り出したら、即座に床に投げつけ激しい光が襲う。

 

『っ!』

 

 全員がその光に目をやられ、見えてきた頃には奴は既にいなかった。

 

「逃げられたか」

 

 イッセーはそう言ったが対して気にせず、祭壇を動かして下に向かった。木場や小猫ちゃんはそれに続いたがオレは、

 

「……くそっ!さっき決意したばっかなのに何してんだおれは!」

 

 自分の不甲斐なさを悔いていた。しかし今悔やんでも意味がないので三人に続いて下に向かった。

 

 

 

地下

 

 

 

 地下についたオレたちは儀式をやっているとこを探していた。すると、

 

「ここだ」

 

 木場が一つの扉の前で立ち止まった。

 

「ここにアーシアが……よし行くぞ」

 

 イッセーが開けようとするが、

 

ギギィ

 

 扉が勝手に開いた。まるでオレたちを歓迎するかのように。

 

「あら、いらっしゃい」

 

 部屋の奥から女性が声をかけてきた。よく見るとそいつは、イッセーを殺した堕天使だった。

 

「レイナーレ……!」

 

 殺意の籠った声でイッセーが女の名前を呼ぶ。こいつがそうなのか。じゃあアーシアさんをさらったのもこいつか。

 

 今にもあいつを殺しに行きそうな感じのイッセーだったがその奥にいる人を見つけ留まる。

 

「アーシア!」

 

「イ……イッセーさん……?」

 

 イッセーの呼び声に弱々しく返事をするアーシアさん。

 

「助けに来たのは良いけど、少し遅かったわね。……儀式は完成したわ」

 

 堕天使―レイナーレがそう言うと、十字架に貼り付けられているアーシアさんの足下が光だした。

 

「あ、あ、いやあああああぁぁぁぁ!」

 

 それに伴って彼女の体が淡い緑色に光ったと思ったら、悲鳴をあげた。

 

「アーシア!?くそっ!今助けにいく!」

 

 駆け出すイッセーだが大勢のはぐれ神父が道を塞ぐ。

 

「ここは通さん!」

 

「レイナーレ様の悲願のために!」

 

「邪魔だ!どけ!」

 

 何人かは殴り飛ばすが、次から次へと現れるためきりがない。がしかし、

 

「うぎゃ!」

 

「どわっ!」

 

 木場と小猫ちゃんがイッセーの前の敵を倒していく。

 

「兵藤くん!今のうちに!」

 

「……兵藤先輩早く!」

 

「木場、小猫ちゃん……ありがとう!」

 

 礼を言って走り出すが、再び道を塞がれる。不意を突かれて一瞬止まってしまうイッセー。それを見てオレは、

 

「うおりゃぁぁ!」

 

 神父の群れに突撃する。

 

「近衛!」

 

「行け!イッセー!アーシアさんを助けてこい!」

 

「サンキュー!」

 

 再び走り出すイッセー。今度は無事走り抜けることができたようだ。

 

 さて、突っ込んだのは良いけど、どうしようメッチャ怖いんですけど!

 

「この、よくも!」

 

「うおっ!」

 

 神父が光の剣で斬りつけてくるが避ける。何とか避けれてるけど、このままじゃ全然倒せねぇ!木場や小猫ちゃんにも影響があるかもしれないから、使いたくなかったけどそんなこと言ってられねぇか!

 

 そう考え、俺は神器を出現させる。

 

「食らえ!『停止する異能』!」

 

 そう言って神器を発動する。すると、神父たちが持っている剣の光が徐々に弱くなっていき、最後には消えた。

 

「な!?」

 

「これはどういうことだ!?」

 

 突然のことなので驚く神父たち。その隙に、

 

「おりゃ!とりゃ!せいやっ!」

 

 殴って神父たちを倒していく。こう見えてオレ、格闘技を習っているから得物無しの相手なら簡単に倒せるのだ!やはは!

 

 しかし、影響は敵だけではなく、木場と小猫ちゃんにも出ていた。

 

「これは……!」

 

「……力が入りづらいです」

 

 やっぱりか!二人の実力と俺の実力は全然違うが、それでも影響はあるのか!く、どうすればいい!?

 

 そう考えていると、部長のイッセーに言ったあの言葉を思い出した。

 

『想いなさい。強く想うの。それが神器の力となるわ』

 

 そうだ。神器は所有者の想いで強くなるんだ。なら、応えてくれ!オレの想いに!

 

 すると、オレの右手―正確には指輪―が強く輝きだした。輝きが収まると頭の中に新しい力の使い方が流れ込む。これは、オレの想った以上に使いやすい!

 

 早速新しい力を使う。すると、

 

「力が……!」

 

「……戻ってくる!」

 

 そうオレの新しい力は、対象の相手に対し神器の効果を無効にするという力だ!但し効果範囲は10メートル以内。

 

 その為、木場と小猫ちゃんはいつも通りの状態になったということ。これにより敵だけ力を無くして、オレたちの有利になった。ふはははは!見たかこのやろう!

 

 などと調子に乗っていたら、

 

「レイナーレェェェェ!」

 

 これでもかというくらいの殺気の籠った怒鳴り声が聞こえた。

 

 そちらの方を見てみると、イッセーが堕天使に殴りかかろうとした。しかし、

 

「兵藤くん!その子を早く安全な場所へ!退路とここは僕たちに任せて!」

 

 木場がそう叫び、イッセーはそれに従いアーシアさんを連れてこの部屋から出ていった。

 

「あははははははは!彼女を助け出したらすぐ逃げ腰?弱い男ね」

 

 部屋を出ていくイッセーに対し、堕天使がそう言った。

 

 オレはそれに対してはらわたが煮え繰り返りそうになったが、何とか押さえ込んだ。

 

「言ってろ。ブチキレたあいつは何があってもお前を倒すからな」

 

「下級悪魔が私に話しかけてんじゃないわよ」

 

 堕天使はそう言って、イッセーを追いかけるように部屋を出ていくが、

 

「そうはさせないよ!」

 

 最後の神父を小猫ちゃんに頼んで木場が斬りかかる。

 

「くっ!」

 

 斬ることはできなかったが、歩みを止めることはできた。

 

「下級悪魔ごときが邪魔をするな!」

 

「そうはいかないね。彼は仲間なんだ、傷つけさせはしない!」

 

 レイナーレは光の槍を出現させ、木場は剣を握り直し同時に斬りかかる。

 

 最初は互角の戦いかと思ったが、徐々に木場が押していき、ついには一太刀浴びせることができた。

 

「ぐあぁぁ!……くっ覚えてなさい!」

 

 レイナーレはそう言って、木場の不意を突いて部屋を出る。

 

「やばっ!このままじゃイッセーとアーシアさんが……!」

 

 危ない!そう思って駆け出そうとしたが、

 

「大丈夫よ。あの子ならあの堕天使に勝てるわ」

 

 この場にはいないはずの人の声が聞こえて足を止める。声が聞こえた方を見ると、

 

「部長!」

 

 朱乃先輩とどこかに行っていた部長がいた。

 

「部長、用事はもう終わったのですか?」

 

「えぇつい先程ね。後片付けは朱乃に頼んでこっちに来たわ」

 

 木場が疲れを感じさせないで、(実際疲れて無さそうだけど)部長に聞いた。

 

「そうですか。それよりさっきの言葉は?」

 

「それを確かめるためにもここに来たわ。みんないくわよ」

 

 木場との会話を終えた部長は上にいくために部屋の出口に向かった。それに続くように着いていくオレたち。いったい部長はイッセーの何を見ようとしているのか?

 

 疑問を抱いたままイッセーのもと目指す。

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