ハイスクールD×D~九尾の少年~   作:toruyuki

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番外編1

「……美味しいです」

 

「マジ?良かった~喜んでもらえて。探した甲斐があったよ」

 

突然だが、おれは今小猫ちゃんと一緒にケーキ屋に来ている。

 

なぜかというと、アーシアさんを助けに行く前パニックになったおれに葛を入れてくれたお礼として。

 

「……探した?わざわざですか?」

 

「うん。小猫ちゃんに何かお礼をしたいとは思ったけど、おれの腕前じゃまだ食べてもらえるようなお菓子は作れないし、かといって普通にご飯食べてもらうのは気が引けてね」

 

「……そうですか、わざわざ……」

 

そう言う小猫ちゃんの顔は少し嬉しそうだった。

 

よしっ!自分の為だけに何かをしてあげる男性にときめく作戦成功!ありがとう木場!お前のおかげだ!これで少しは小猫ちゃんとの距離が短くなったかな?

 

「……どうかしましたか?」

 

おれの行動が不審だったらしく、軽く警戒しながら尋ねてきた。

 

「い、いや何でもないよ!それより、どんどん食べていいよ!」

 

「……そうですか、では遠慮なく」

 

それから小猫ちゃんは尋常じゃない量のケーキを平らげた。

 

「……ごちそうさまでした」

 

「お、おそまつさまでした」

 

その結果おれの財布は寂しくなったけどね。

 

そんなある日のできごと。 終わり

 

 

 

 

 

「「「使い魔?」」」

 

「えぇ、そろそろあなたたちにも持ってもらおうかと思ってね」

 

ある日の部活中、部長がそんなことを言ってきた。

 

「今、アーシアがやっているチラシ配り本当は、使い魔にやらせることなの」

 

「そうなんすか。じゃあおれたちって使い魔レベル?」

 

「そうじゃないわ。悪魔に成り立ての頃から、依頼をこなすのは難しいからチラシ配りで慣れてもらおうと思ったのよ」

 

冗談でそんなことを言ったら、少し本気で怒られた。

 

「す、すみません。冗談です」ガクブル

 

「そ、分かればよろしいのよ。で話の続きだけど、悪魔は大抵一人一体使い魔を持っているものなの。私はこの子よ」

 

ポンッ

 

部長の近くに魔方陣が現れたと思ったら、そこからコウモリのような生物が出現した。

 

「このように、生物と使い魔の契約を結ぶと何時でも何処でも呼び出すことができるの。さらに特定の使い魔は人に化けることもできるわ」

 

ポンッ

 

コウモリが突然大人の女性に変わった。

 

「あ、この人、俺会ったことあります」

 

「そうね、イッセーが私を呼び出した紙を配っていたのはこの子だからね」

 

へぇ意外なとこで意外な関係が有るもんだな。

 

「私のはこの子たちですわ」

 

ポンッ ポンッ ポンッ

 

朱乃先輩は三人(匹?)の小鬼を召喚した。

 

「……私のはこの子です」

 

ポンッ

 

小猫ちゃんは可愛い白猫を召喚した。そいつと小猫ちゃんのコンボは可愛すぎて、おれは鼻血を出してぶっ倒れた。

 

「ブハッ!」

 

「こ、近衛?」

 

イッセーが心配するがおれは、

 

「余は、満足じゃ……」

 

「大丈夫かこいつ?」

 

「あはは、僕はこの子だよ」

 

ポンッ

 

木場は肩に小鳥を召喚していた。

 

「このように、眷属のみんなも持っているから……って近衛ホントに大丈夫?」

 

鼻血が止まらないおれを流石に心配した部長。

 

「あぁ多分大丈夫っす。続けてください」

 

「そ、そう?」

 

「部長、準備が出来ました」

 

納得のいかない部長に朱乃先輩がそう伝えた。

 

「わかったわ、朱乃。じゃみんな今からイッセーたちの使い魔をゲットしに行くわよ!」

 

 

 

 

 

「どこだここは?」

 

魔方陣で転移した先は、薄暗くお化けとか普通にいそうな森だった。

 

「ここは使い魔の森よ。いろんな悪魔がここで使い魔をゲットしていったわ」

 

「へぇー」

 

感心しながら周りを見ていると、

 

「ゲットだぜ!」

 

「きゃっ」

 

突然声が聞こえて、アーシアさんが驚いてイッセーに抱きついていた。

 

「だ、誰ですかあなたは?」

 

「俺か?俺の名はマダラタウンのザトゥージ!使い魔マスターを目指して修行中の悪魔だ!」

 

答えたのは、半袖短パン、キャップを前後ろ逆に被ったいかにも怪しそうな男性だった。

 

「ザトゥージさん、今日はよろしくお願いね。今回はこの子たち三人よ」

 

「お、リアスの嬢ちゃんじゃあねぇか!任せろ!この俺にかかれば使い魔の一匹や二匹簡単さ!」

 

部長と男性―ザトゥージは知り合いらしく挨拶を交わしていた。

 

「じゃ早速始めますか!そこの三人。使い魔の希望はどんなのだ?火を吹くやつか?それとも毒持ちかい?」

 

「お!そんなやつらがいるのか?」

 

「わ、私は可愛いのが良いです」

 

「俺は使いやすいやつが良いです」

 

三者三様で返す。

 

「そうかい、んじゃここにいても始まらねぇ。森の中の探索といきましょうかい!」

 

こうしておれたちの使い魔ゲットの冒険が始まった。

 

 

 

まず始めに来たのは、少し大きめの泉だった。

 

「この泉にはウンディーネが住んでいるんだぜ」

 

ウンディーネ!?あの水の精霊の!?伝説じゃあこの世のものとは思えないくらいの姿をしているとかなんとか。

 

「へぇそれは珍しいわね。ウンディーネは綺麗な水にしか住まないと言われているのよ?」

 

「じゃあこの水は綺麗なんですね。そんなとこに住んでいるんだ、さぞかし美しいお姿をしているんだろうなぁ」

 

「あんまり期待しない方がいいぞ」

 

興奮しているおれにイッセーが冷めたことを言う。

 

「お!お前ら運がいいな!ウンディーネのお帰りだぞ!」

 

ザトゥージさんの言う通り、泉の真ん中が光だした。

 

そして現れたのは、

 

「え?」

 

美しい水色の半透明な服(ここまではいい)を纏った筋肉だった。いや間違えた、あり得ないほどの筋肉をした女性だった。

 

「え?あれがウンディーネ?」

 

「おうそうだ!ウンディーネの世界は常に争いが絶えないからな。体を鍛えないとすぐ負けちまうんだ」

 

なんだよそれ!水の精霊っていうからてっきり……確かにこの世のものとは思えないくらいの姿をしているけどさ、そっちじゃないじゃん!

 

ウンディーネの姿にショックを受けるおれにイッセーが、

 

「次がある。行こうじゃねぇか」

 

「うん。グスッ」

 

こうしておれの中の夢が壊れていった。

 

 

 

 

森の中を歩いているとザトゥージさんが、

 

「お、あれは……!蒼雷龍じゃねぇか!まだ子供だがありゃレアだぞ!」

 

ザトゥージさんが指差す方向を見てみると、確かに巨木の枝に蒼い鱗をした小さなドラゴンが止まっていた。

 

「可愛い!」

 

「確かに可愛い」

 

アーシアさんにもイッセーにも大好評なようだ。

 

「よし決めたわ!三人のうちの誰か一人あのドラゴンを使い魔にしなさい!」

 

突然部長がそんなことを言い出した。

 

「ええ!?本気ですか?」

 

「それはいい考えだぜ!ドラゴンってのは成熟すると、ほとんど手がつけられなくなるからな。ゲットするなら今がチャンスだぜ!」

 

反対の意見を唱えたが、ザトゥージさんからの後押しもあり、部長の無理を実行することになった。

 

てことで全員でドラゴンに近づく。すると、あいつはこちらに気付き、品定めをするかのような素振りを見せる。そしたら突然イッセー以外の男性に雷を落とした。

 

「あばばばば!」

 

「あ、言い忘れてたがドラゴンの雄は気に入った雌がいると、どんな種族だろうと雄に対し攻撃するんだったぜ!」

 

遅いわ!もう攻撃を食らった後だよ!

 

「?そしたら何で俺は食らわなかったんですか?」

 

「敵と見なさなかったんじゃないか?多分そこの嬢ちゃんのことを気に入ったと思うが、やつはお前さんを嬢ちゃんの敵と判断しなかったってことだな!」

 

じゃあおれたちはあいつから見たらアーシアさんの敵ってことか?なんだそれ!

 

あまりに理不尽な仕打ちに頭にきて、ドラゴンに飛びかかるが、ひらり、とかわされた。

 

かわしたあいつはそのままアーシアさんの胸の中へと飛んでいった。

 

「きゃっ」

 

「クゥン」

 

「蒼雷龍は心の清いものにしか心を開かないと聞く。となると完全にその子に心を開いてるな」

 

「じゃあ今回の勝負はアーシアの勝ちってことで」

 

「いつの間に勝負になってたんすか。まぁイッセーならまだしもアーシアさんなら異論無いです」

 

「おい、俺ならってなんだ。俺も賛成です」

 

「決まりね。アーシア、早速使い魔の契約をしなさい」

 

「は、はい!」

 

 

 

 

 

「……ア、アーシア・アルジェントの名において命ず!な、汝、我が使い魔として、契約に応じよ!」

 

広い空き地に移動したおれたち。

 

無事アーシアさんの使い魔契約も終わり、一段落ついた。

 

「そうだ。ザトゥージさん、この森って狐いますか?」

 

「狐か?いるにはいるけどそれがどうした?」

 

「いや、さっき雷食らったとき、おれ狐と相性がいいの思い出しまして」

 

「ああ、そういえばお前九尾のハーフだったな」

 

「そういうこと。だから使い魔も狐がいいかなと思ってさ」

 

「よし!それならとびっきり最高のやつを紹介してやるぜ!ついてきな!」

 

「はい!」

 

こうして、おれの使い魔も決まった。

 

残念ながらイッセーの使い魔は決まらなかった。

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