ハイスクールD×D~九尾の少年~   作:toruyuki

17 / 53
第3話

「『レーティングゲーム』をしてはいかがでしょうか?」

 

グレイフィアさんの言葉に心底驚く部長。

 

レーティングゲーム?って言うと上級悪魔たちが行うあのゲーム?

 

確認の意味を込めて木場を見ると頷く。

 

でも成人した悪魔しか出来ない決まりになってたような。

 

「お嬢さまもご存じの通り、公式の『レーティングゲーム』は成熟した悪魔しか行えません。しかし非公式で純潔同士であれば、半人前でも出来ます」

 

「その多くが身内、または御家同士のいがみ合いよね」

 

グレイフィアさんの言葉に部長が続く。

 

「つまり、お父さま方はこれを見越して元々ゲームで決めようってハラなのね。……どれだけ掻き回せば気がすむのかしら……!」

 

部長の体から黒いオーラが見える。いやー!怖い!怖すぎる!今すぐ逃げたしたい!

 

「ではゲームは拒否されますか?」

 

「なにを、こんな好機逃す手はないわ。ライザー、ゲームで決着を着けましょう」

 

「へぇー受けちゃうのか、俺は構わないぜ。でもいいのかい?俺は既に成熟してて公式のゲームにも参加したことがある。勝ち星も今のところ多い。それでもやるかい?」

 

挑戦的な部長に更に挑戦的な態度で応えるライザー。

 

「もちろんよ。ライザー、あなたを消し飛ばしてあげる!」

 

「望むところだ」

 

睨み会う両者。激しくぶつかり合う眼光。周りの意見なんて聞きませんって感じだな。

 

「承知いたしました。お二人のご意見は私が確認いたしました。今回のゲームは私が指揮を執らせていただきます。よろしいですね?」

 

「ええ」

 

「ああ」

 

グレイフィアさんの問いに了承する二人。

 

「わかりました。両家には私からお伝えします」

 

なんだかこの十分くらいですごいことになってきたな。ゲームってことはおれたちも参加するんだよな。よーし!なんだか燃えてきた!

 

一段落着くとライザーがこっちを見てきて、

 

「リアス。一応聞いておくが、君の下僕はこれで全部かい?」

 

嘲笑を浮かべながら聞いてきた。それに部長は、

 

「だとしたらどうなの?」

 

「いやーこれじゃ話にならないと思ってね。ククク、君の『女王』しか俺の下僕に対抗できないじゃないか」

 

そう言って指をならすと、またしても部室の魔方陣が光だす。もちろん模様はフェニックス。

 

出てきた数に驚く。なんと総勢十五名いるではないか!

 

確か『悪魔の駒』はチェス同様、駒の数は十五個あるはず。てことは全員揃ってるってのか。

 

集まった下僕たちを示して、

 

「これが俺のかわいい下僕たちだ」

 

下僕十五名、主一名、総勢十六名。ここまでくると壮観だな。しかも全員美少女!なんて女たらしだ!

 

すると、ライザーは魔導士の女の子とディープなキスを始めた。

 

「あ、あふぅ……あ!」

 

感じる女の子。しかも今度は別の女の子ともキスを始めやがった!こうなれば紛れもない女たらしだな。

 

と、ライザーは何かを感じ取ったのかこちら側を見る。

 

「……リアス。お前の下僕の一人から猛烈な殺意を感じるんだが」

 

ん?誰のことをいってんだ?

 

思ったのも束の間、おれの隣から凄まじい程の圧力を感じる。

 

見てみるとイッセーがキレていた。

 

部長も含め、みんな唖然としていた。

 

「……おい。そこの奴、ライザーっていったか?……お前は部長と結婚してからもそんなことを続ける気か?」

 

ドスの籠った声でイッセーが問う。

 

「お前は何をキレてんだ?こんなの下僕とのスキンシップだろ。お前だってリアスに可愛がられてんだろ?」

 

ライザーが応えると、

 

ブチン!

 

部室にそんな音が響いた。と思う。

 

「……部長。ゲームなんていりません。こんな野郎今すぐここで殺せばいいんです」

 

『Boost!!』

 

あまりのライザーの屑っぷりにとうとう堪忍袋の緒が切れたイッセー。『赤龍帝の籠手』も出す。

 

「イ、イッセー?どうしたの急に?」

 

「俺はこいつが許せません。生涯にたった一人の相方を得るっていうのに……。ライザー、ここで俺と勝負しろ」

 

「は?下級悪魔ごときになぜ上級悪魔の俺が従わねばならん。ミラ、相手してやれ」

 

「はい」

 

ミラと呼ばれた小さな女の子が、前に出て得物を取りだしイッセーに駆け出す。それに伴いイッセーも駆け出す。

 

「お、おい!イッセー!止まれ!」

 

おれは止めに入るが意味がなかった。

 

ガキィン!

 

勝負は一瞬だった。二人が交差したと思ったら、女の子の得物は壊されて顔面スレスレに拳があった。いつの間にあいつあんなに強くなった!?

 

「退いてくれ。俺は女の子を傷つけたくない。お願いだ」

 

こんなときでも殺し文句を吐くイッセー。女の子はその場にへたり込む。

 

「ミラ!貴様ぁ!」

 

再び炎をまとい飛び出すライザー。構えるイッセー。そんな二人の間に影が現れる。

 

「おやめくださいお二人方。先程も言いました通り、これ以上は黙っておりません」

 

グレイフィアさんだ。今度は手に魔力を集めながら割り込んだ。

 

そのようすにライザーは立ち止まる。イッセーも動きが固まる。

 

「ご決着はゲームでお願いいたします。それと、お嬢さまとライザーさまの戦力の差を考えたところ、十日のハンデがあってよろしいかと。どうでしょうかお嬢さま、ライザーさま」

 

二人が止まったことを確認しハンデの提案をする。

 

「え、ええ。私はいいわ」

 

「……ちっ。今すぐ八つ裂きにしてやりたいが……。おい!そこのお前、名前は?」

 

「兵藤一誠。リアス・グレモリーさまの『兵士』だ」

 

「兵藤……一誠。今回は命拾いしたが次はそうもいかん。十日後!その時決着を着ける。その時までせいぜい実力をつけるんだな」

 

捨て台詞を吐きながら女の子、ミラを抱えて他の子たちと共に魔方陣で帰ってく。一応ハンデはくれるらしい。

 

「ではそういうことですので。お嬢さま、十日後また」

 

ペコリ

 

部長に頭を下げてグレイフィアさんも魔方陣で転移した。

 

後に残されたおれたちの間には微妙な空気が流れた。

 

 

 

 

 

「イッセー、さっきはどうしたの?あなたらしくなかったわよ」

 

「すみません、部長。何とか自制してたんですが抑えきれなくて……」

 

グレイフィアさんが帰った後、しばらくしてみんないつもの感じに戻った。

 

今は朱乃先輩の淹れてくれたお茶を飲んで一息ついてる。うーん、やっぱり旨い!

 

「あらあらうふふ、ありがとうございます」

 

いつも通りの朱乃先輩。やっぱりこうじゃないとな。

 

話は戻るがイッセーのあの態度について部長が聞いていた。

 

予想通り、イッセーはライザーが気に食わなかった。途中までは良かったが、最後の濃厚なキスには我慢できず爆発した。

 

「もしグレイフィアが割り込まなかったらどうしてたの?確実に殺されていたわよ」

 

「すみません。それはわかってます。でも俺、許せなかったんです。部長と結婚するってのに他の女の子と……部長と結婚出来るだけでうらやましいのに」

 

あーそれはおれも思った。どんなに眷属同士のスキンシップって言っても、仮にも婚約してんだぞ。少しは自重しろよ。

 

イッセーが言うと部長が顔を赤らめながら、

 

「 ま、まあ過ぎてしまったことはどうしようもないからね。取り合えずこれからのことを朱乃と話したいから、今日はこれで解散よ」

 

『はい』

 

 

 

 

 

 

「ただい……ま!?」

 

「あ、お兄ちゃんお帰りー」

 

「お帰りー」

 

「あら、近衛。今日は早かったのね」

 

家に帰るとなんと!母さんたちが料理をしているではないか!

 

「お、お母さま?何をしていらっしゃるのですか?」

 

「何って、見ての通りカレーライスを作ってるのよ」

 

「な、なして?」

 

「いつも近衛ばかりに負担かけてるからね、たまには私たちだけで料理を作ってみようと思って、ねー」

 

「「ねー」」

 

ねーってなんだよ!ま、まあ母さんが料理をしてくれるならおれも助かるけど……。

 

「……料理できんの?」

 

「できないわ」

 

ズコッ

 

衝撃の言葉に思わずコケる。

 

「できないわ、じゃねぇよ!ならやんなよ!いや、気持ちは嬉しいけどさ!」

 

「そうなのよ~、始めたわいいけど何からやっていいのやら。三人で相談してたら丁度あんたが帰ってきて助かったわ」

 

ついさっき料理を始めたらしい。よ、良かった!大事故は免れた。

 

「わ、わかった。後はおれがやっとくから、母さんたちは居間にでも行ってテレビ見てて」

 

「えーでも……私たちも手伝うわ」

 

「いいから!気持ちだけ受けとるから!」

 

「そ、そう?じゃあお言葉に甘えて。遥香、健二いくわよ」

 

「「はーい」」

 

残念そうに去る三人。でもこれでいい。あんなことがあった後だから、三人を監視しながら料理をするのは不可能だ。あーどっと疲れた。

 

そう考えて、部屋に行き着替えて料理を始める。何とも言えない疲れる一日だったな。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。