ハイスクールD×D~九尾の少年~   作:toruyuki

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第6話

あの後、気を取り直して風呂に入り部屋に戻ろうとしたら、

 

「今から夜の部の修行を始めるわよ」

 

って部長が言いましてただ今絶賛修行中でございます。

 

おれは主に木場と小猫ちゃんとの格闘訓練をしている。戦い方と駒の特性上、近接勝負がメインになるからそれための訓練だ。

 

だいたいは反射神経の訓練とか格闘技の訓練、『騎士』『戦車』との戦い方をやっている。

 

やっぱり二人ともおれより断然強いから全然歯が立たない。木場のスピードには追い付けないし、小猫ちゃんには何度も吹っ飛ばされる。

 

これでも空手とか柔道とか習ってるからすげぇショックだった。おれがやってきたことが通じない。

 

他にはイッセーと一緒に昼間同様、大きな岩を背負って倍の数往復したり、朱乃先輩のもとで魔力の修行をしている。

 

でおれは今イッセーと一緒に山道を全力で駆け降りている。もちろん岩を背負って。

 

確かに体力鍛えるには大きな負荷や全力疾走はとても良いだろう。

 

「とは言っても……さ」

 

「流石にこれは……な」

 

「「ありえねぇよぉぉぉぉぉぉ!」」

 

ゴロゴロゴロゴロ

 

「「うおぉぉぉぉおお!」」

 

何故だ!何でだ!どうして岩に追いかけられてんのおれたち!?死ぬよ!?マジで死ぬよ!

 

「ほら~頑張りなさい~早く走らないと潰されるわよ~」

 

部長が横を飛びながら激を飛ばしてくる。そんなこと言われなくても分かってますよ!

 

それから三回ほど同じことを繰り返した。

 

 

 

 

「や、やっと終わった……」

 

「マ、マジで……死ぬ」

 

部長から解放されて部屋に戻ったときには、もう全身悲鳴をあげていた。

 

「やっぱり部長は鬼だ」

 

「それには同感だ」

 

「ははは……」

 

愚痴を溢しながら布団に入り眠りにつく。昼と夜の疲れから泥のように眠った。

 

 

 

次の日

 

 

 

朝起きたら筋肉痛で動かすのが辛かった。これから朝食作りに行かないといけないのに。

 

「これは本当にヤバい。おれ生きて帰れるかな……?」

 

命の心配をしながらキッチンに向かう。

 

キッチンについて中に入ると、朱乃先輩がすでにいた。

 

「おはようございます、朱乃先輩。早いですね」

 

「あらあら、おはようございます。近衛くんこそ早いですね。昨日は夜遅くまで頑張っていたのですから、もう少し寝てても良いと思うのに」

 

「いえいえ、そうはいきませんよ。おれの信条は『頼まれたらやり遂げる』ですから」

 

「うふふ、そうですか。ではお手伝いよろしくお願いします」

 

「わかりました」

 

とはいっても朝早くから重いものは食べれないと思うので、サンドイッチとサラダ、スクランブルエッグ、コーヒーを作るだけだ。

 

「ふぅー出来ましたね」

 

「はい。では冷めてしまう前に食べちゃいましょう」

 

「わかりました。じゃあイッセーと木場、起こしてきますね」

 

「お願いします」

 

そう言って、それぞれ同室の人たちを起こしに行く。

 

「おーい、イッセーく~ん、木場く~ん朝ですよ~。朝ごはん出来てますよ~」

 

フゥ

 

「うおっ!?」

 

「うわぁ!?」

 

耳元で猫なで声を出して起こす。ついでに息を吹き掛けた。

 

効果は抜群で二人ともすぐに目を覚ました。

 

「起きたか。朝食出来てるぞ」

 

「何だ近衛か。変な起こし方すんな」

 

「本当だよ。部長が起こしに来たのかと思ったよ」

 

「ん?部長ってこんなことすんの?」

 

「うん。朱乃さんや小猫ちゃんもやられたことがあるよ」

 

う~ん想像しただけでゾクゾクワクワクするな。てか小猫ちゃんにやられてぇ!ボタボタ おっと鼻血が。

 

着替え始めたイッセーたちを置いて、先に戻りテーブルの上にサンドイッチとかを並べる。

 

並べ終わると朱乃先輩が入ってきた。

 

「あらあら、流石ですね」

 

「いや~それほどでも~」

 

照れるおれ。些細なことでも褒められると嬉しいな!

そうこうしてると部長たちが入ってきた。

 

「おはよう、朱乃、近衛。悪いわね、朝早くから頼み事して」

 

「いえいえ、当たり前の事です」

 

「はい。おれもいつもの事ですし」

 

イッセーと木場も来てみんなで食べ始める。

 

「今日は修行を始める前に午前中、三人に悪魔について詳しく教えるわ。その後、アーシアに悪魔払いについて話してもらうわ。いいかしら?アーシア」

 

「は、はい!私なんかでよければ……」

 

「ありがとう。じゃそういうことだから、みんな準備お願いね」

 

『はい』

 

体を鍛えるだけじゃなくて頭も使うのか。改めて思ったけど悪魔って大変なんだなぁ。

 

勉強会はおれとイッセーが木場に教えてもらい、アーシアさんは朱乃先輩に教えてもらった。

 

覚えることが意外と多くて久々に勉強が大変だと感じたよ。

 

アーシアさんからはおれたちの天敵・悪魔払いについてと聖水の作り方や聖書について教えてもらった。

 

その後はまたあの地獄の修行の再開さ。

 

 

 

その夜

 

 

 

「疲れた~。今日はもう寝る。てなわけでお休み」

 

「「お休み」」

 

イッセーたちに挨拶して深い眠りにつく。グーグー

 

この日は珍しく夢を見た。

 

森の中を一人で歩いている。道は何処かに繋がっているらしく、しっかり舗装されていた。

 

どれ程歩いた頃だろうか、前に神社が見えてきた。門をくぐり進むと、狐の像が二つ道の端に建っている。てことはここは稲荷神社か。

 

そのまま進み、神社の引き戸を躊躇い無く開ける。その中には、九本の尻尾を持つ狐がいた。

 

おれはそいつを初めて見たのに、何故かそいつが何なのか知っていた。

 

『よぉ、頑張ってるみてぇじゃねぇか』

 

「……おまえは誰だ?」

 

『そんなこと分かってるくせに。まぁせっかくだ、教えてやる。俺は九尾、名は九十九と言う。そして俺はお前、お前は俺だ』

 

「はぁ?どういう意味だ?お前が何者なのか分かった。でもどうしておれがお前で、お前がおれなんだ?」

 

『そんなこと簡単だろ。俺はお前の中にある九尾の力が具現化したもの。てことは俺とお前は一心同体だろ?』

 

「マジか!?」

 

『マジだ。嘘を言ってどうする』

 

「じゃあ何で今頃出てきたんだ?」

 

『今頃じゃない、今だからだ。お前が仲間たちと修行をして少しは強くなり、俺の力の一部を扱えるようになったからさ』

 

「おれの秘められし力ってそれか」

 

『まぁ今回は挨拶に来ただけだがな。それにしても奇妙なことだ』

 

「何がだ?」

 

『お前らの一族は代々一子相伝で、力を受け継いでいる。しかし、お前の母親は受け継いでいない。しかも、力を継げるのは女だけだ。……これも人間の血がなせることか?』

 

「人間の血……。父さんの血か」

 

『あぁ、お前の父親は知っての通り、陰陽師だ。相容れてはならぬもの同士が交わった結果か……。何にせよこれからよろしくな。俺と話したいときは心の中で呼べ』

 

「あぁ、わかった。こちらこそよろしくな!」

 

互いに挨拶して、九十九の姿は消えおれは目を覚ました。辺りはまだ暗く、時刻は夜中の一時だった。

 

「……夢か?それにしてはどうも生々しかったな。…………血に存在か」

 

その言葉を頭の中で何度も繰り返す。

 

おれは自分が憎い。おれみたいな存在が居なければ、父さんが死ぬことは無かったからだ。つまり、三人からあの人を奪ったのは他でもないおれだ。

 

あの日、父さんが死んだ日。今まで無関係を装ってきた父さんの家の人たちがやって来た。理由はその家最高の予言者とやらが、将来おれが内に秘める力を暴走させ大暴れする、という予言をした。だから、おれを殺しにやって来たんだ。

 

しかし、当然そんなことさせるわけがなく、父さんが彼らに立ち向かった。何とか全員を倒した父さんだが、傷を負いすぎ治療の意味もなくそのまま死んだ。

 

その時からおれは自分が憎いし、二度とこんなことが起きないように力も求めた。

 

だから、この夢が本当であれば複雑なんだよなぁ。

 

そんな風に物思いにふけているとイッセーが目を覚ました。

 

「……ん?近衛どうした?こんな真夜中に。しかも暗い顔してるじゃねぇか」

 

「いやな、変な夢を見て少し昔のことを思い出してたんだよ」

 

「昔のことって、親父さんのことか?」

 

「うん」

 

「……気にするなよ。お前が悪いわけじゃないんだから」

 

「……それは母さんにも言われた。でもな、やっぱり考えるんだ。おれが居なかったらって」

 

「それはもうお前の問題だから俺は何も言えないが、今までで一度たりとも近衛にいなくなって欲しいなんて思ったことはない。近衛の家族だってそうだろ」

 

「……ありがとな、イッセー。……そうだよな、おれの周りの人は誰一人そんなこと言ってないよな。……よし!自分を憎むのやめる!今すぐには無理だがいつかは!」

 

くよくよしてても始まらん!大切な人たちを守れる力を手にいれたんだ!使いこなしてみせるぜ!そして、部長を勝たせてみせる!

 

「イッセー!もっと修行して強くなって、そして部長を勝たせるぞ!」

 

「あぁ!あんな奴に部長は渡さねぇ」

 

「二人だけでズルいな。僕も交ぜてよ」

 

いつの間にか起きていた木場が苦笑混じりでそう言った。

 

「おれたち男子部員で部長たちを守って」

 

「ライザーとその下僕たちを倒して」

 

「勝ってみんなで笑おう!」

 

『おう!』

 

決意を新たに再度、眠りにつく。

 

 

 

 

 

 

……予定より一時間も早く起きてしまった。今日は朝食作らなくていいからどうしよう?

 

「あ、そうだ」

 

昨日の夢が本当なら呼び掛ければ応えるかな?

 

(おーい、九十九。聞こえてんなら返事してくれ)

 

『何だ、なにか用か?』

 

うおっ!マジで返事した!あれって夢じゃなかったのか。

 

(お前の力について教えてほしい)

 

『なんだそのことか。それなら大歓迎だ』

 

お!やった!これでもっと強くなれるぜ!

 

教えてもらうため誰もいない森の空き地に向かった。

 

「よし!着いた!」

 

『じゃあ教えやすいようにするからちょっと待ってろ』

 

九十九がそう言うと目の前の空間が光始めた。光が収まるとそこには純白の毛並みをした、九本の尻尾の狐がいた。

 

「?クロか?いやでも、あいつは尻尾二本だし、毛並みも漆黒だから違うか」

 

『俺だ俺、九十九だ。お前の使い魔に体借りてきたんだ』

 

「あーそれでクロに似てんのか」

 

『そういうこと。謎が解けたところで早速始めるぞ』

 

「よろしくお願いします!」

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