ハイスクールD×D~九尾の少年~   作:toruyuki

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第11話

目が覚めるとそこは、医務室みたいなとこだった。

 

「何でおれはこんなとこにいるんだ?」

 

おれ―桜近衛は記憶を探る。確か、ライザーとのゲームが始まって、イッセーと小猫ちゃんと一緒に体育館に潜入して……そうだ!おれ、相手の『女王』にやられたんだ!そのあとは!?ゲームはまだ続いてんのか!?

 

キョロキョロと周りを見回すと、おれの他に三人ベッドに横たわっていた。

 

「朱乃先輩!木場!小猫ちゃん!」

 

全身ボロボロで所々火傷の後が見られた。あの後何があったんだ?部長たちは無事なのか?

 

ウィーン

 

何が開く音がして誰かが部屋に入ってきた。その人物とは、

 

「あら、近衛もう起きてて大丈夫なの?」

 

部長だった。制服はボロボロで表情も何処か暗い。

 

「部長、これはどうしたんですか?ゲームはどうなったんですか?」

 

「落ち着いて、今から説明するから」

 

混乱しているおれを落ち着けるため頭を撫でる部長。

 

「あなたがやられた後、イッセーの活躍でライザーの下僕のほとんどを倒したわ。相手の『女王』も朱乃が倒してくれた」

 

「そうですか、朱乃先輩は勝てたんですね」

 

「えぇ、おかげで相手はライザー残り一人。追い詰めたと思ったら、ライザーの術にかかって朱乃と祐斗、小猫がやられたわ。今彼らがここにいるのはそのせい」

 

な!?手負いとはいえあの三人を倒すなんて……。あいつ以外とスゴかったんだな。

 

「じゃあイッセーは?」

 

「あの子は何とか耐えて、私と一緒にライザーに立ち向かってくれたわ。けど……体は限界で……それでも立ち上がって、何度も殴り飛ばされて……。意識も無くなったのにそれでも頑張ってくれたわ」

 

部長はその時のことを思い出したようで、涙を流していた。それだけでどれだけ悲惨な状態なのか想像できた。

 

「そうですか……。イッセーは部長のために……。それで、ゲームの結果はどうなったんですか?」

 

「私たちの負けよ。あのまま続けていたら……イッセーは殺されていたわ」

 

「じゃあ部長はあいつの……」

 

「えぇ。それが今回のゲームの敗北の代償ですもの。二日後に私とライザーの婚約発表をするわ」

 

その時の部長はとても悲しそうで悔しそうだった。

 

 

 

二日後

 

 

 

「いよいよ、今日か」

 

「……はい。……部長の婚約発表」

 

あの後少ししたら朱乃先輩たちも目覚めて、事の顛末を話した。

 

イッセーは重傷だったらしく、集中治療室で治療を受けていた。二日たった今でも目覚めていないが、容態は安定したらしく自室のベッドに移された。今はアーシアさんが看病している。

 

おれたちはというと冥界行きの列車に乗っている。なんと、近場の駅のホームの下に広大な面積のホームかもう一つあった。そこは昔からあったらしいが全然気づかなかったよ。

 

そこから冥界行きの列車に乗り、発表会場に向かっている。部長は先に行っているらしくこの場には朱乃先輩、木場、小猫ちゃん、おれの四人がいる。しかもこの列車、グレモリー家所有の物らしくおれたちの貸切状態だ。どんだけすげぇのグレモリー家!?

 

「……部長、悔しいだろうな」

 

「そうだね。でもこれもゲームの結果だよ。それに……」

 

「あぁ。まだ終わりじゃねぇ」

 

そして、おれたちは会場に着いた。

 

 

 

「おおー!でかいな!」

 

そこはTドーム何個分だよ!ってくらいバカでかかった。そこに冥界中からこれでもかってくらい人が集まっていたからもう壮大だよ。

 

朱乃先輩がおれたちを連れて、部長と関わりのある人のもとに行き挨拶などをする。

 

その中に見知った顔の人がいた。

 

「?あれって……生徒会長?」

 

我が学園が誇る生徒会の会長である、支取蒼那先輩がいた。

 

「そっか、近衛くんたちは会長の本当の姿を知らないのか」

 

「あぁ……ってもしかしてあの人も悪魔なの?」

 

「うん。しかも部長と同じ上級悪魔でシトリー家の次期当主だよ」

 

なんですとぉぉぉぉぉぉ!うちの学園に部長と同じような人がもう一人ぃぃぃぃ!?どうなってんの、駒王学園!

 

「ごきげんよう、朱乃」

 

「お久しぶりです、会長」

 

そんなおれたちは無視して二人で会話を盛り上げる朱乃先輩と会長。

 

「―――ゲーム、拝見しましたわ」

 

「それはそれは、お見苦しいとこをお見せしまして」

 

「それで、あの人は?」

 

会長がおれたちを見回して聞いてきた。誰のことを言っているのかみんなすぐ理解して、

 

「後から来ますわ」

 

「ゲームは終わっても」

 

「……まだ終わってませんから」

 

みんな同じ考えのようだ。そうさ、イッセーがこのまま終わるわけがない!

 

それから二言、三言会話しておれたちはそこから離れた。しばらくして、奴が登場した。

 

「冥界に名だたる貴族のみなさま!本日は私、フェニックス家の三男ライザー・フェニックスとグレモリー家次期当主リアス・グレモリーの婚約発表に来ていただき誠にありがとうございます!」

 

真っ白でいかにも悪趣味なタキシードに身を包んだライザーが炎の中から現れた。

 

「そして本日の主役!リアス・グレモリー!」

 

魔方陣が現れ、おれたち眷属の象徴であるグレモリーの紋章が刻まれる。そして部長が現れ―――

 

バン!

 

「部長ォォォォォォォ!」

 

たと思ったら警備ごと扉を蹴っ飛ばして、イッセーが入ってきた。

 

「イッセー……!」

 

当の部長はイッセーの姿を見ると、涙をながした。

 

「ここにいる上級悪魔のみなさん!それに部長のお兄さんの魔王さま!俺は駒王学園オカルト研究部の兵藤一誠です!部長のリアス・グレモリーさまを取り戻しに来ました!」

 

高らかに宣言するイッセー。それを捕らえようと警備のものたちが集まる。しかし、

 

「がっ!」

 

「ぐほっ!」

 

「イッセーくん!ここは僕たちに任せて!」

 

「……遅いです」

 

「あらあら、やっときたんですね」

 

「行ってこい、イッセー!」

 

おれたちがそんなことはさせねぇ!集まってくる警備たちを吹っ飛ばしながら、イッセーに激を飛ばす。

 

「みんな……ありがとう!」

 

礼を行ってライザーと部長のもとに向かう。さて、ここから先は通行止めだ!

 

「邪魔をするな!」

 

「貴様らも引っ捕らえるぞ!」

 

警備のものたちがそんなことを言うが当然出来るわけもなく、どんどん倒されていく。

 

結構な数倒したがまだまだ出てくる。きりがねぇな!

 

すると、周りが騒がしくなった。何事かと見回すと、イッセーとライザーのもとに紅の髪をした二十代前半の男性が近づいていた。

 

「サーゼクスさま!」

 

「これはどういうことですか!?」

 

周りにいた上級悪魔の人が紅の男性に向かって聞いた。……マジか!あの人が部長のお兄さんでおれたちの魔王さま!?メッチャイケメン!

 

「ドラゴンの力が見たくて、グレイフィアに頼んだ余興ですよ」

 

「そんな勝手なことを!」

 

「いいではないか。この前の『レーティングゲーム』実に楽しかった。しかし、ゲーム経験のない妹相手に、フェニックス家の才児であるライザーくんでは少々分が悪かったかなと」

 

「……サーゼクスさまは、この間の戦いが解せないと?」

 

魔王さまの言葉に怪訝な様子のライザー。

 

「いやいや、魔王の私があれこれ言ってしまえば、レーティングゲーム存続が危ぶまれますまい」

 

「では、サーゼクス。お主はどうしたい?」

 

今度は同じ紅の髪をしたダンディな中年男性が現れた。もしかして……。

 

「父上。私は可愛い妹の婚約パーティーを派手にやりたいと思うのですよ。ドラゴン対フェニックス。伝説の生物同士の戦い、これ以上の催しはないと思います」

 

やっぱり!部長のお父さんだ!てことは隣にいる女性は部長のお母さん?何てことだ!グレモリー家全員集合じゃん!

 

なんておれがバカなことを考えていると魔王さまは、

 

「ドラゴン使いくん、お許しが出たよ。ライザー、もう一度リアスと私の前でその炎を披露してくれるかな?」

 

「……このライザー・フェニックス、身を固める前の最後の炎お見せしましょう!」

 

ライザーも承諾し、イッセーとライザーの決闘が実現した。

 

「ドラゴン使いくん、君が勝ったときの代価は何がいい?」

 

「サーゼクスさま!何てことを!」

 

「彼は下級悪魔ですぞ!?」

 

「黙れ」

 

魔王さまの申し出に身内の人たちが避難の声をあげるが、魔王さまの一声で静まり返る。

 

「下級だろうと彼も悪魔だ。こちらからお願いするならそれ相応の代価が必要だ。さぁ、キミ。なんでもあげるよ、好きなものをいいたまえ。上級悪魔の地位か?絶世の美女か?」

 

魔王さまの申し出にイッセーは当然、

 

「リアス・グレモリーさまを返してください」

 

迷いのない一言を告げる。それに魔王さまは満足したような笑みを浮かべた。

 

「よろしい。君が勝ったら、リアスを連れていけばいいよ」

 

「ありがとうございます」

 

奥に消えていく魔王さまにイッセーは頭を下げる。

 

 

 

 

「イッセー、よくこの場所がわかったな?」

 

あの後、部長を連れて戻ってきたイッセーに聞いた。

 

「あぁ、部屋で目を覚ましたらグレイフィアさんがいて、転移用の魔方陣が書かれた紙をもらったんだよ。ここに転移できるって説明と一緒に」

 

「そうだったのか、それでアーシアさんは?」

 

「家で待ってもらってる。部長と一緒に帰ってくる約束付きで」

 

「そっか……じゃあ何がなんでも守らねぇとな!」

 

「おう」

 

ゴン

 

お互いに拳を出し付き合わせる。すると、どこかの使用人がやって来て、

 

「兵藤一誠さま、会場の準備ができました。案内いたしますので着いてきてください」

 

「じゃあみんな、いってきます」

 

「絶対勝ってこいよ!」

 

「いってらっしゃいませ」

 

「待ってるよイッセーくん」

 

「……負けたら許しません」

 

「……イッセー」

 

部長が心配そうに声をかける。それに対しイッセーは、

 

「見ていてください。速攻でけりをつけて来ますから」

 

自信満々の笑顔で応えた。

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