ハイスクールD×D~九尾の少年~   作:toruyuki

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第2話

 放課後

 

 オレはイッセーと一緒に帰っていた。二人して用事が在ったため、それぞれの用事に付き合っていた。そしたら以外と遅くなり時刻は夜の9時を示していた。

 

「いやー遅くなっちまったな」

 

「そうだな。悪い、俺のせいで遅くなって」

 

「気にすんなよ、イッセー。オレだってお前に付き合ってもらったんだから」

 

 そんな会話をしながら歩いていたら、前からスーツを着た男が歩いてきた。そいつはオレとイッセーに気づくと声をかけてきた。

 

「ほほう、これは面白いな。こんな地方の街で貴様のような存在に会えるとは。もう一人の男も違う存在だが、奇妙なやつだ」

 

「はい?」

 

「何言ってんだこの人」

 

 オレとイッセーはそれぞれ思い思いに答えた。そして男はイッセーを見ながら、

 

「貴様、主は誰だ?」

 

 背中から黒い翼を生やし、全身から気味の悪いオーラを出した。

 

「「!!!」」

 

 また黒い翼かよ!昨日の今日で会うとか、これ絶対何かあるだろ!

 

 そう思いながらもオレは、イッセーと直ぐに来た道を全速力で戻った。

 

 15分ぐらい走ったオレたちは、見覚えのある場所に来ていた。

 

「ここは……」

 

「夢の中に出てきた公園だ」

 

 そうだ。そこは昨日イッセーが刺されて、先輩と会った公園だった。まさかここに来るとはな……。そう思っていたら、

 

 ゾクっ!

 

 背後に先程の気味の悪いオーラを感じ取り振り返って見れば、先程の男が黒い翼で空に浮かんでいた。わぁおファンタジー。って違うわ!しっかりしろオレ!

 

「逃がすと思うか?」

 

 そう言って男は、手に光の槍のようなものを出現させた。これも昨日と同じ。どうなんてんだ?

 

「さぁ、お前の主の名を言え。お前たちのような存在に邪魔されると困るのでな。こちらもそれなりに…………もしかして『はぐれ』か?それならば、その困惑ぶりも納得できる」

 

 そういいながら奴はブツブツ一人言を始めた。

 

「そうか……それなら殺しても……問題無いな」

 

「な、なぁこの人ヤバくね?」

 

「あぁヤバい。どうする?逃げるか?」

 

 逃げるかって言ってもさっき逃がさないとか言ってたし……。

 

 イッセーとどうするか迷っていたら奴は考えが纏まったようだ。それも最悪な結果で。

 

「ふむ、主の気配も仲間の気配もなし。転移するそぶりもない。やはり貴様は『はぐれ』か。なら、殺しても問題はないな」

 

 そんなことを言って奴は手の中の槍を投げた。当然オレたちは反応することも出来なく槍はまたしてもイッセーに突き刺さった。

 

「がッ!イテぇ……」

 

「イッセー!!」

 

 槍に体を貫かれ激しい痛みを感じながらイッセーは槍を抜こうとする。しかし槍は抜けずイッセーの手からは煙が出てきた。

 

「な、なんだ……これ。抜けねぇし触れると超イテぇ……!」

 

「お、おい!大丈夫かっ!?」

 

 倒れるイッセーを支えながら俺は声をかけた。しかしイッセーから返事はなく代わりに苦悶の声が聞こえてくるだけ。すると足音が聞こえた。そちらを見ると先程の男が近づいてきていた。

 

「痛かろう?光はおまえらにとって猛毒だものな。体に受ければ大ダメージとなる。そこそこの光で作ったが死なないとは、以外と頑丈だな。安心しろ、俺は痛ぶる趣味はないからな。次で確実に殺してやる」

 

 そう言いながら男は不気味な笑みを浮かべ、また手に光の槍を出現させた。

 

「ではさらばだ。そちらの男は使えそうだから連れて帰るか」

 

 そんなことを言って手を降り下ろそうとした。

 

 ヤバい!どうする!?このままじゃ昨日と一緒だぞ!どうすれば……!

 

 ヒュっ! ボンッ!

 

「な、何事!?」

 

 風切り音が聞こえたと思ったら、男の手が爆発した。当然手からは血が流れ出る。突然の痛みに顔を歪ませながらも男は叫んだ。

 

「誰だ!」

 

「その子たちに手を出さないでくれるかしら?」

 

 それに答える声がオレたちの後ろの方から聞こえてきた。現れたのは紅い髪の綺麗な女性だった。

 

「……紅い髪……グレモリー家の者か」

 

「先輩!」

 

 男は憎々しげに紅い髪の女性を睨み付けた。女性はその視線を軽く受け流しながら返す。

 

「リアス・グレモリーよ。ごきげんよう、堕ちた天使さん。この子たちに手を出したら許さないわ」

 

「…………ふふ、これはこれは。そちらの者は貴女の眷属でしたか。詫びを申し上げましょう。しかしもう一人の男は貴女の眷属ではないでしょう?」

 

「彼はこの子の親友よ。私のかわいい下僕の親友なら、私が助けないわけがないわ」

 

「そうですか。それなら今日の所は引き上げましょう。あぁそうだ、眷属は放し飼いにしない方がいいですよ?散歩がてらに私みたいなものが殺しますからね」

 

「ご忠告痛み入るわ。この街は私の管轄なの。邪魔をしたら容赦なくやらせてもらうわ」

 

「その言葉、そのまま返そう、グレモリー家の次期当主よ。我が名はドーナシーク。再び会わないことを願おう」

 

 捨て台詞よろしくを吐いて奴―ドーナシークは飛んでいった。……え?何が起こってこうなったの?あまりの急展開に頭が着いていかないのですが……。

 

 オレが勝手にテンパってるとイッセーは先輩に気づき一言。

 

「て……天使……?」

 

 そう言って気絶した。天使か。確かに今のお前から見たらそうかもしれないな。でも天使じゃなくてグレモリー先輩だ。

 

「あら?気絶しちゃった?しょうがない子ね。でも、お腹の傷はちょっと危ないかも。これは私が治療して…………あなた」

 

「は、はい」

 

「この子の家まで連れて行ってくれるかしら?お腹の傷を治療したいから」

 

「あ、はい。わかりました」

 

 オレはイッセーを背負い、先輩を連れてこいつの家に向かった。その間にオレは少しでも状況を理解しようと考えた。

 

(えーと、今日は黒い翼を生やした男に襲われてまたイッセーは死にかける。そしてまたしてもそんな時にグレモリー先輩が現れ助けてくれた。……うん、わからん!)

 

 結局、何一つ理解出来ず考えるのを諦めた。そうこうしてるとイッセーの家に着いた。すると先輩はオレからイッセーを受け取った。

 

「ありがとう。後は、私一人で大丈夫よ」

 

 何が大丈夫なのでしょう。若くて綺麗な女性が血気盛んな男子高校生の家に訪問です。しかも時刻はそろそろ夜の10時を指しそうです。親友として彼の今後が心配になりました。それはともかく!

 

「あ、あの先輩」

 

「ん?何かしら?」

 

「イッセーは助かりますか?それと……先輩とさっきの奴って―――」

 

「助かるわ。それとそのことは明日この子も含めて説明するわ。放課後、使いを出すからこの子と一緒にその子に付いてきてちょうだい」

 

「は、はぁ。わかりました」

 

「じゃ夜も遅いから今日はもう帰りなさい」

 

 先輩は優しくそう言った。納得いかない事は多いけど先輩の言う通り時間も時間だ。家族には遅くなることは連絡してるけどそれでも心配するだろう。オレはおとなしく先輩の言葉に従って家へと帰った。

 

 

 

 次の日

 

 

 オレはいつも通りに学校へ向かった。イッセーのことは心配だったが、先輩が大丈夫と言っていたのでそれを信じた。

 

 クラスに着いたオレはイッセーを探す。しかしあいつはまだ来ていなかった。仕方ない、あいつが来るまで座って待つか。

 

 携帯を弄りながら待ってるとクラスの中が突然騒がしくなった。それどころか廊下からも人の話し声が聞こえてきた。

 

「なんだ?」

 

 周りを見てみると全員窓の方に移動していた。オレも気になり窓の方に移動する。周りと同じように外を見てみた。そこには衝撃の光景が広がっていた。

 

「なッ!」

 

 イッセーがグレモリー先輩と一緒に登校していたのだ。

 

「あ、あ、あいつ……!」

 

 オレはクラスのみんな同様驚きを隠せなかった。それと同時に怒りを感じた。

 

 何故オレが怒りを感じたかと言うと、理由は二つある。

 

 一つは女子―さらに美女と一緒に登校という羨ましいシチュエーションであったこと。

 

 もう一つは、グレモリー先輩が『二大お姉さま』であるということ。

 

 何故お姉さまなんて呼ばれているかといえば、『頭脳明晰』『スポーツ万能』他者を簡単に従わせてしまう程の『カリスマ性』そして何よりあの『美貌』。

 

 女子生徒が圧倒的に多いこの学園だが、グレモリー先輩の人気は絶大だった。女性で三年生ということもあって、女子生徒からお姉さまと呼ばれていたが、それがいつの間にか学園全体に広まった。

 

 他にもう一人、グレモリー先輩に負けず劣らずの三年生がいてその人と共に『二大お姉さま』と呼ばれている。

 

 これが理由だ。まぁ簡単に言えば羨ましいだけだけどね。

 

 とそんなことを考えてるとき、昨日のことを思い出した。

 

(先輩はイッセーの家に行き、あいつを治療すると言っていたな。そのまま家に泊まり、一緒に登校するのは当たり前か)

 

 などと自分で勝手に解釈し、納得した。一方、イッセーはそんな人と登校しているから注目の的となっている。しかし、どちらもそのような状況に慣れているのか平然と会話を続けていた。

 

「くそっ!羨ましいぞイッセー!」

 

「リアス先輩とは親しくないと言っていたのに!」

 

 こんな見苦しいことを言っているのはクラスメートで友達の坊主頭でどこから見てもスポーツ少年な松田とメガネをかけたインテリっぽい元浜だ。

 

 至極普通そうな姿をした奴らだがこの二人は真の姿は―――ただの変態だ。

 

 松田は見た目通りスポーツ万能で中学時代、数々の記録を塗り替えてきたが、今ではその才能を女子のあられもない姿を撮るためだけに使う変態だ。あだ名は『セクハラパパラッチ』。

 

 元浜はキザ男でいつもカッコつけているが、メガネを通して女子のスリーサイズを知ることができる変態だ。あだ名は『スリーサイズスカウター』。

 

そんな二人に、

 

「そうだよな!松田!元浜!」

 

 理由を理解したが面白そうだから同調するオレ。べ、別にグレモリー先輩と登校羨ましすぎて死ね!何て思って無いんだからね!

 

「近衛!これは奴に裁きを与えねば!」

 

「我らの恨みは恐ろしいぞ!」

 

「そうだそうだ!」

 

 松田、元浜、オレの順番でこんなことをしていた。暫くするとイッセーがクラスに入ってきた。

 

「やいやい、イッセー!」

 

「さっきのはどういうことだ!」

 

「教えやがれ!」

 

「んお!?な、何だ?あぁ松田と元浜と近衛か。どうした?さっきのって何だ?」

 

 詰め寄る松田、元浜、オレ。驚くイッセー。

 

「惚けんな!」

 

「この裏切り者!」

 

「リアス先輩と登校してきたことだよ!」

 

「そのことか。登校中に偶然会って先輩が一緒に登校しようって言ってくれたから来ただけだよ」

 

「んな!」

 

「な……!」

 

「何!?」

 

 三者三様驚くオレたち。

 

「嘘だ!」

 

「そんな羨ましいことあるわけない!」

 

「本当のことを教えやがれ!」

 

「いやいや、嘘じゃないし事実だよ」

 

「「「くそー!!!!!!」」」

 

 そんなやり取りをしていていたらHRを告げる鐘が鳴った。仕方なくオレたち(てか松田と元浜)はイッセーから離れ席に着いた。イッセーも同様に席に着く。

 

「近衛」

 

「ん?」

 

「朝のことについて話がある。登校のことはもちろんその前も。だから昼休み屋上に来てくれ」

 

「!わかった。昼休み屋上だな?了解した」

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