遅くなって申し訳なく御座いませんでした
これからちょくちょく更新していくのでまたよろしくお願いします!
「ほら、走れ。デイウォーカーなら日中でも走れるはずだよ」
「ヒィィィィッ!デュランダルを振り回しながら追いかけてこないでぇぇぇぇぇッ!」
夕方に差し掛かった時間帯、旧校舎近くでギャスパーはゼノヴィアに追いかけられていた。
傍目から見たら完全に吸血鬼狩りだよなこれ。デュランダルも「ブゥゥゥゥンッ!」って危険な音立てながら聖なるオーラ放ってるし。
ギャスパーも逃げるのに必死だ。まぁ、追い付かれたら一瞬であの世行きだもんな。おれたちだって即死だよ。
なんでもゼノヴィア曰く、「健全な精神は健全な肉体から」らしくて、ギャスパーの体力を鍛えることに決めたらしい。
「相変わらず豪快過ぎるよ。伝説の武器を振り回しながら追いかけてるのが楽しそうだな」
「そうですね。そう言えば前にこっちに住むようになって、やることなすことすべて楽しいって言っていましたよ」
「へぇ、それは良かった。もし、周りに馴染めなかったらどうしようって思ってたんだよ」
イッセーとアーシアさんが隣でそんな会話をしていた。
「それにしても、どうやってギャスパーを教育していったらいいものか。単純にあの極度の人見知りを治したらいいのか、それとも神器を扱えるようにしたらいいのか……」
おれの言葉にアーシアさんが若干涙目になった。
「ど、どうしたアーシア?」
「……いえ、せっかく私と同じ『僧侶』さんにお会いして光栄でしたのに、目も合わせてもらえなかったのを思い出したら涙が……」
「あー、アーシア家でもよく『もう一人の『僧侶』さんに会いたいです』って心待ちにしてたもんな」
「はい……」
「まぁ、それもあいつの人見知りが治ったら解決する話じゃねぇか。なら頑張る理由が一つ増えて良かったじゃないか」
「それもそうだな。じゃあギャスパーの人見知りを治すのと神器を扱えるようにするのを目標にするか」
「おう」
一応目標が決まり改めてギャスパーたちを見てみると、何と小猫ちゃんもニンニクを持ってゼノヴィアと一緒に追いかけていた。
「……ギャーくん、ニンニク食べれば健康になれる」
「いやぁぁぁぁん!小猫ちゃんが僕をいじめるぅぅぅぅ!」
「一年生同士仲が良い……のか?何か悪意が有る感じがするんだが」
「ま、まぁ仲が良いんだよ。小猫ちゃんがいじれる唯一のキャラって言ってたじゃん」
「おーおー、やってるやってる」
おれたちが事の行く末を見守っていたら、生徒会メンバーの匙元士郎が現れた。
「おっ、匙か」
「よー兵藤、アーシアさん、桜。解禁された引きこもり眷属がいるとかって聞いてちょっと見に来たぜ」
「ああ、あそこだ。ゼノヴィアと小猫ちゃんに追いかけ回されてるのがそうだ」
「おいおい、ゼノヴィア嬢、伝説の聖剣豪快に振り回してるぞ?いいのか、あれ。おっ!てか、女の子か!しかも金髪!」
嬉しそうな匙。てかこいつ今おれにも挨拶してきた?今までは廊下で会うだけで思いっきり睨み付けてきてたのに。そう言えば参観日の日にあった時も普通だったっけ?こいつの心情に何があったのやら。
「残念、あれは女装大好き男の子です」
イッセーの口からそれを聞き、心底落胆した様子の匙。
「そりゃ詐欺だ。てか、女装って誰かに見せたいためにするものだろう?それで引きこもりって、矛盾すぎるぞ。難易度高いなぁ」
「ははは、そうだな。でも趣味なんてのは人それぞれだからさ。周りがどうこう言えるもんじゃないだろ。で、そういう匙は何やってるんだ?新しい趣味か?」
匙の格好はジャージだ。軍手をして、花壇用の小さなシャベルも持っていた。確かに新しい趣味を始めたように見えるな。
「ちげーよ。見ての通り花壇の手入れだよ。一週間前から会長の命令でな。ほら、ここ最近学園の行事が多かっただろう?それに今度魔王さま方もここへいらっしゃる。学園を綺麗に見せるのは生徒会の『兵士』たる俺の仕事だ」
えっへんと胸を張って堂々としている匙。それをイッセーは苦笑いしながら見ていた。おれも一緒に笑おうとした時だった。背後から得体の知れない悪寒を感じた。
ゾクッ! バッ!
「どうした近衛?突然振り返って」
「いや……さっき一瞬だが後ろからすげーオーラを感じた。んー今は感じないからなぁ、気のせいだったのかもな」
そう言って前を向こうとしたら、一本の木の影から浴衣を着たワイルドな男性が現れた。
「へぇー俺の存在に気づくか。完全に気配を消していたつもりだったんだがな。動物の勘ってやつか?妖怪ってのはわからないことが多いぜ」
「おまえは……!」
「イッセー知り合うか?何かこっち側に詳しそうなやつだが」
「……こいつはアザゼル。堕天使の総督さまだ」
『なっ!?』
「よー、赤龍帝。あの夜以来だ」
イッセーの言葉にこの場にいた全員が驚愕する。そしてすぐさま臨戦態勢をとる。ゼノヴィアは剣を構え、イッセーもブーステッド・ギアを発動させる。おれも『九尾化』はしないものいつでも発動させれるようにした。
しかし、堕天使の総督―アザゼルはおれたちの姿勢に苦笑した。奴からはさっき感じたものは感じられず、戦闘の意思は無いのかもしれない。そんなおれの考えを肯定するようにアザゼルが口を開いた。
「やる気はねぇよ。ほら、構えを解きな、下級悪魔たち。ここにいる連中が集まったところで俺には勝てないのはなんとなくわかるだろう?俺だって、下級悪魔相手にいじめなんてするつもりはない。ちょっと散歩がてら悪魔のところに見学だ」
「見学って言うわりには気配を消して近づいてきたんだな」
「そりゃそうだ。俺は別に構わねぇが、悪魔の子弟が集まるところに堕天使の総督が堂々と現れたら大変なことになるだろ。それより聖魔剣使いはいるか?ちょっと見に来たんだが」
アザゼルは木場に会いに来たみたいだ。だが、当然そんな簡単に木場には会わせない。言ってることが本当かわからないし、もしかしたらそのまま連れ去ってしまうかもしれないからな。
「木場ならいない。木場を狙ってるならそうはさせないぞ」
「……ったく、コカビエルにも勝てなかったくせに俺と勝負なんかできるわけねぇだろうにさ。―――そうか、聖魔剣使いはいないのかよ。つまんねぇな」
頭をポリポリかきながら、アザゼルは近寄ってくる。敵意はまったく感じられない。だからこそ恐怖を感じた。
おれはコカビエルと戦った時のことを思い出していた。圧倒的実力差でそれを感じ取れたからこそ、例え勝てないとわかっていても挑むことが出来た。しかし、今回は全然違う。今アザゼルからは何も感じられない。だから、奴がどれだけの実力なのかがはっきりわからない。総督と呼ばれてるから幹部のコカビエルより強いんだろうが、それでも実力が検討もつかなかった。
おれは無意識のうちに小猫ちゃんを守るように前に立っていた。それにはおれ自身少し驚いたけど、小猫ちゃんも驚いていたようだ。
「……近衛さん、どうしたんですか?」
「あー何て言えばいいかな。そのー……無意識のうち?に小猫ちゃんの前に立ってたからな。それだけ小猫ちゃんのことが大切なのかな」
若干照れながらそう言ったら、小猫ちゃんは恥ずかしそうにでも嬉しそうに少し笑った。おれはその姿を見たら、さっきまでの恐怖がどこかに飛んでいった。
「おい、イチャイチャするのは別に構わないが時と場所は考えてくれ」
「す、すまん」
イッセーに注意されちまった。こいつも部長といつでもイチャイチャしてるよな。それもみんなの前でさ。いや待てよ。それはおれたちも変わらないのか?……まぁどっちでもいいや。
そんなこんなしてたら、アザゼルは一本の木を指し声を出した。
「そこで隠れているヴァンパイア」
ビクッ
「ぼ、ぼぼぼ僕ですか?」
「『停止世界の邪眼』の持ち主なんだろう?そいつは使いこなせないと害悪になる代物だ。神器の補助具で不足している要素を補えばいいと思うが……。そういや、悪魔は神器の研究が進んでなかったな。五感から発動する神器は持ち主のキャパシティが足りないと自然に動きだして危険極まりない」
ギャスパーの顔―――というか、両目を覗き込むようにしているアザゼル。とうのギャスパーは堕天使のトップの顔が近づいてきてブルブル震えていた。
「……アザゼルからは悪意は感じられないな。むしろ、興味津々の様子だぞ。どうする?」
イッセーが小声でおれに話しかける。それはおれも察していた。たぶん他のみんなもそうだろう。だから、どう出ていいかわからないでいた。
「とりあえず、敵対する意思は見当たらないから様子だけでも見るか。もし何かあったらその時は全力で助けに入る」
「わかった」
話し合いが終わるとそれを見計らっていたかのように、アザゼルがこちらへ振り返り匙を指さした。驚きながらも身構える匙だったが、その必要はなかった。
「それ『黒い龍脈』か?練習をするなら、それを使ってみろ。このヴァンパイアに接続して神器の余分なパワーを吸い取りつつ発動すれば、暴走も少なく済むだろうさ」
アザゼルが指さす先、匙の右手にはデフォルメ化したようなトカゲの頭がある。今までに何度か使っているところを見たことはあるが、まさかそんな使い方があったとは。匙も驚いた表情をしていた。
「……お、俺の神器、相手の神器の力も吸えるのか?ただ単に敵のパワーを吸い取って弱らせるだけかと……」
それを聞いたアザゼルは呆れた様子だった。
「ったく、これだから最近の神器所有者は自分の力をろくに知ろうとしない。『黒い龍脈』は伝説の五大龍王の一匹、『黒邪の龍王』ヴリトラの力を宿している。まぁ、これは最近の研究で発覚したことだがな。そいつはどんな物体にも接続することができて、その力を散らせるんだよ。短時間なら、持ち主側のラインを引き離して他の物や者に接続させることも可能だ」
「じゃ、じゃあ、俺側のラインを……例えば兵藤とかに繋げられるのか?それで兵藤の方にパワーが流れると?」
「あぁ、成長すればラインの本数も増える。そうすりゃ吸い取る出力も倍々だ」
「…………」
匙が黙った。確かにアザゼルの話が本当なら匙の神器はすごいぞ。でもそれを信じられる根拠が無い。嘘をついている可能性だってある。が、アザゼルは先の大戦終了後神器を集めだし、研究を重ねている話だ。そう考えると話に信憑性が増してくる。
「神器上達で一番てっとり早いのは、赤龍帝を宿した者の血を飲むことだ。ヴァンパイアには血でも飲ませておけば力がつくさ。ま、あとは自分たちでやってみろ」
アザゼルはそれだけ言うと、一瞥してこの場をあとにしようとする。しかし、一度だけ立ち止まり、イッセーの方へ顔を向けた。
「ヴァーリ―――うちの白龍皇が勝手に接触して悪かったな。さぞ驚いただろう?なーに、あいつは変わった奴だが、今すぐ赤白ライバルの完全決着をしようなんて思っちゃいないさ」
「正体も語らず俺へたびたび接触してきたあんたの方は謝らないのか?」
アザゼルに対してイッセーは文句を言った。しかし、アザゼルはイタズラの笑みを見せて一言だけ言った。
「そりゃ、俺の趣味だ。謝らねぇよ」
それだけ言い残してこの場から去っていった。
みんな顔を見合わせて反応に困っていた。さて、どうしたものか。部長に報告に行った方が良いんだろうけど、今はトップ会談について大事な会議中だもんな。
すると、匙が息をついたあとに動き出した。花壇の手入れにでも戻るのか?などとバカなことを考えていたが、当然違った。
「……とりあえず、そこの新顔くんに俺の神器を取り付けてみるか。その状態で、神器を使ってもらって練習でもしようぜ。その代わり今度お前らに俺の花壇を手伝ってもらうからな」
匙の提案にみんなうなずき、ギャスパーの神器修業が開始された。
匙が『黒い龍脈』の舌をギャスパーに接続し、余分な力を吸い取る。しっかりできているかギャスパーに聞いてみると、
「は、はいぃぃぃ。何か変な感じがしますぅぅぅぅ」
「匙の方はどうだ?」
「あぁ。確かにラインを通して力が流れてくるのが感じられる」
「アザゼルが言っていたことは本当だったのか……。おかげでギャスパーの特訓も出来るけど何か釈然としないな」
「まぁまぁいいじゃないか。使えるものは何でも使おうぜ」
不満な様子のイッセーを宥めるように言う。その隣ではゼノヴィアが残念そうに肩を落としていた。
「……健全な精神は健全な肉体から……はぁ」
「ゼノヴィアさん、そんなに落ち込まないでください。今は匙さんの力を借りて頑張りましょう。その後に体を鍛えるために一緒に走ってあげればいいじゃないですか」
デュランダルを振り回して追いかけるのが出来なくなって落ち込んでいるゼノヴィアを、アーシアさんが優しく励ましていた。そんなにあれ楽しかったの?ならおれも今度やってみようかな……。
「……近衛さん、ギャーくんをいじめたら駄目です。もしそんなことしたら……私がいじめますからね」
「き、気を付けさせていただきます……」
小猫ちゃんに考えていることを読まれて釘を刺された。おれってそんなに考えてることわかりやすい?何か自信無くすなぁ。
「……ふてくされてる近衛さんも可愛いです」
「小猫ちゃん……そう言ってくれるのは嬉しいけど、おれは可愛いよりカッコいいがいいよ」
「……わかりました。じゃあ、考えてることわかりやすくて自信無くすって思ってる近衛さんカッコいいです」
「それ全然カッコ良くないよね!?しかもさらりと人の心読んで口に出さないで!」
「……冗談です。近衛さんはいつでもカッコいいですよ」
「……小猫ちゃんだっていつでも一番可愛いさ」
そのままイチャイチャしようと思って小猫ちゃんに近づいたら、後ろから服を捕まれて元の位置に戻された。あまりの理不尽な行為に反抗する。
「おいイッセー!邪魔するんじゃねぇよ!せっかくいい雰囲気になれていい感じにキス出来そうだったのに……。あの日以来お預けくらってんだからな!」
「そんなこと知るか。さっきも言ったがイチャイチャするのは構わない。だけど時と場所は考えろ。俺だって部長とまだ一回しか……ゴホン。とにかく、今はギャスパーの方が先だ」
「はぁ……わかったよ。よし!ギャスパー、今からボールを投げるからそれを停止させていくれ」
「わ、わかりました」
それからしばらくの間、おれたちは特訓を続けた。
停止された物体は、だいたい数分間だけ動きを完全に停められる。ボールだったら、放たれた状態のまま宙で停止した。生物なら、その動き、格好のまま停められる。
停められた者は、その間、完全に意識まで停止させられるため、停められている間の記憶がない。おれは経験したことないが、おれが気絶している時にギャスパーを引き剥がそうとしたら神器が発動したらしい。だから、イッセーたちからこの話を聞いた。
「視界に映らなければ問題はないが、強力な神器には違いないな。視界に映るのが近ければ近いほど停止させられる時間は長く、遠ければ遠いほど範囲は広がるが、停めていられる時間は短くなる、か」
「だけど、ギャスパーは使いこなせていないから、視界に映した特定のものだけを停止させることはできないと。で、これっていうわけね。ふぅ」
自分の右腕を見ながら息を吐く。おれの右腕は今、ボールを投げようとした状態で停められていた。
「ゴメンなさいぃぃぃぃぃ!」
ダダダダダッ!
「あ!待て、ギャスパー!」
ギャスパーはおれの腕を停めたことに対し謝ってこの場から走り出した。てか逃げ出した。それをイッセーが追いかける。さっきからこれの繰り返しだ。
特定だけじゃなくて、発動もまだ自分の意思ですることが出来ない。だから、ギャスパーが誰かに視線を向けた瞬間に停めることもしばしば。
「これは時間がかかりそうだな」
「そうだな……」
「あ、おかえりイッセー。捕まえてきたか」
「あぁ、何とかな。こいつ引きこもりのくせに、逃げ足だけは速いんだよ。ったく、次からは逃げるなよ?」
「は、はい……気を付けますぅぅぅぅ」
イッセーもギャスパーも戻ってきたことだし再開しようとしたら、部長が現れた。手にはバスケットを持っている。
「どう?練習ははかどっているかしら?」
「あ、部長。一応やってますがどうですかねぇ」
「あらそう?じゃあサンドイッチを作ってきたから休憩でもしない?」
「お、いいっすね。部長の手作りとか初めて食べるかも。イッセーは毎日食べてんだっけ?」
「あぁ。朝も昼も夜も三食な。今ではアーシアも作ってくれてるしな。二人とも料理が美味くて最高なんだよ」
部長が作ってきたサンドイッチを食べながらイッセーが教えたくれた。確かにイッセーの言う通り部長の料理は美味い。このサンドイッチも絶妙なスパイスが聞いていて、いくら食べても飽きてこない。ここら辺の繊細さはおれにはまだ出せないな。流石は部長!
「……私ももっと頑張らないと。近衛さんに食べてもらうためにも」
「ふふふ、小猫は一途ねぇ。私で良ければ今度教えるわよ」
「……ありがとうございます」
小猫ちゃんと部長がガールズトークをしていた。おれのために料理の勉強をしてくれるとは……可愛すぎるよ小猫ちゃん!
「部長、お伝えしないといけないことがあるんです」
「何かしら?イッセー」
「実は……」
そう言ってイッセーは、さっき会ったアザゼルのことを話始めた。そのことを聞いた部長は驚いていたが、
「アザゼルは神器について造詣が深いと聞くわ。神器についてのアドバイス……。知識を他者に助言するほど余裕ということかしら」
何やら考え込んでしまった。
「リアス先輩が帰ってきたし、俺はそろそろ花壇の作業に戻るよ」
匙が部長の作ってきたサンドイッチを二、三個口にしたあと、そう言う。
「匙くん。わざわざ私の下僕に付き合ってくれてありがとう。お礼を言うわ」
「い、いいッスよ。先輩は会長の大事なお友達ですし、神器についての新たな可能性も見えました。俺としても収穫ありってことで」
部長に礼を言われて顔を赤くしながら匙は言った。今まで互いに嫌っていたから見えてなかったけど、こいつ良い奴だよな。
「じゃ、兵藤。あとは頑張れや」
「あぁ、サンキューな」
イッセーからも礼を言われて、匙はこの場を後にした。匙を見送った部長は、今の今まで力を吸われていたギャスパーに向けて言った。
「ギャスパー、まだいけるわね?匙くんに吸われて、ちょうど力もいい感じに調整されたでしょうし、残りの時間は私も一緒に練習に付き合うわ」
「良かったなギャスパー」
「が、がんばりますぅぅぅぅ」
部長とイッセーの声にギャスパーもへろへろになりながらも立ち上がった。よし!おれも頑張りますか!
こうして夜になるまでギャスパーの神器練習は続いた。