ハイスクールD×D~九尾の少年~   作:toruyuki

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第7話

次の日の夜、おれたちはいつも通り悪魔の仕事をしていた。三大勢力のトップ会談が近いがそれとこれは話が違うということなので、今日も元気に依頼者の元に向かう。

 

「いいかギャスパー。これはお前のために行うことなんだからな。途中で逃げ出すことはするなよ?」

 

「は、はい……頑張ります」

 

今日はいつもと違ってギャスパーが一緒だ。部長曰く、『色んな人たちとふれ合えばこの子の為になるかも』とのこと。そんなわけで取り合えずおれと一緒に向かうことになった。

 

知っての通り、ギャスパーは悪魔になってから先日までずっと封印されていた。だから依頼者の元に向かってする契約はしたことがない。まぁパソコンを介して特別な契約はしてたらしいんだけどな。

 

そんなわけで今回が初めてだ。そのせいか緊張しているように見える。おれは少しでもリラックス出来るよう声をかけた。

 

「そんなに緊張すんなって。今日の人はおれのお得意様の中でも優しい人だから」

 

「は、はい……」

 

それでも段ボールの中で震えているギャスパー。まぁこんなので良くなったら苦労はしないか。

 

「近衛、そろそろ向かいなさい」

 

「あ、はい。わかりました。じゃあ行くか、ギャスパー」

 

ギャスパーと話していたら部長から催促された。呼ばれてから少し時間経ってるもんな。段ボールに入ったままのギャスパーを連れて転移魔方陣に入る。いつもの感覚が体を襲うと目の前によくあるアパートの風景が広がった。

 

「お、来たね。待ってたよ近衛くん」

 

「一週間振りくらいですか、絵梨さん」

 

「そうかな?結構会ってるからわからないや。ははは」

 

はははと笑うこの女性は霧立絵梨さん。近くの美術大学に通う女子大生だ。初めて会ったのは五月の連休だ。連休中の絵の課題の題材に困っていたときに、例のチラシを見つけたらしい。試しに召喚してみると実際に現れて驚いたそうだ。その時のことはおれも覚えてる。目を丸くした女性が目の前にいて驚いたからな。その時から定期的に喚ばれるようになった。

 

「今日はどのようなご用件ですか?いつも通りですか?」

 

「うん。いつも通りおね……がいするけど、この段ボール何?」

 

おれの隣にある段ボールに気づいて聞いてきた。

 

「あーこれはですね……よいしょっと。おれの後輩が入ってます」

 

「ひっ……!」

 

突然蓋を開けられたギャスパーが悲鳴をあげた。その姿は着ている駒王学園の女子の服装に相まって可愛かった。……って待てやおれ!何男相手に可愛いとか思ってるんだよ。そうだよこいつは男だ。男なんだよ。……よし、落ち着いた。

 

落ち着いたところで詳しく説明しようと絵梨さんを見ると固まっていた。

 

「ん?絵梨さん?どうしました?」

 

「…………か」

 

「か?」

 

「可愛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!すごい可愛いんですけど!え?この子近衛くんの後輩?良いなぁ~私にも欲しいなぁ~。可愛いなぁ」

 

そう言って手をワキワキさせながらギャスパーに近寄っていく。それに対しギャスパーは怖いのか怯えていた。その光景はさながら人見知りの子犬が新しい飼い主から逃げる感じだった。

 

「ほらぁ~出てきておいで~。お姉さん怖くないから。さぁさぁ!」

 

「い、いやぁぁぁぁぁぁっっ!」

 

ギャスパーの悲鳴が聞こえると、おれの意識はそこで途切れた。

 

…………。

 

気づいたときには、隣の段ボールは消えていた。

 

「???」

 

「あちゃぁぁ」パン

 

絵梨さんは何が起きたからわからず疑問符を浮かべ、おれはやらかしたと思い額を叩いた。これはミスったなぁ。

 

おれたちの体に起きたのは時間の停止だ。ギャスパーが興奮して、神器を無意識に発動したんだろう。そのせいで記憶には一度途切れた感覚がある。全身に食らうのは初めてだな。

 

そんなことはさておき隣からいなくなったギャスパーを探してみると、部屋の隅に段ボールがあった。おれは近づいてギャスパーに謝る。

 

「ごめんなギャスパー。絵梨さん少し怖かったよな」

 

「ぐすっ……。ふぇぇぇぇん」

 

泣いちまった。

 

「また停めちゃった……。バカバカバカバカ……。僕のバカ。停めちゃダメなんだ……停めたくないのに……」

 

何してんだよおれ……。みんなから任されたのにこうさせたらダメだろうが。

 

何とかしようとしたが結局無駄で、一度怯えてしまったギャスパーには何も出来なかった。

 

 

 

 

 

「どうだ?様子は」

 

「いや、全然ダメだ。おれや部長が話しかけても何の反応も無いな」

 

ギャスパーの部屋の前でイッセーが声をかけてきた。部室に戻ったあとギャスパーはすぐにこの部屋に籠って出てこなくなった。初めは部長も一緒にいたのだが、サーゼクスさまたちと打ち合わせがあるからそちらに行ってもらった。部長はここに残っていたそうだったが、今回の会談はこれからの三大勢力の未来にとってとても大切だから部長にはそっちに集中してもらいたかったのだ。

 

「って言ってもなぁ、何の手もないんだよな」

 

「あぁ、あいつの過去の話をきくとな」

 

「「はぁ」」

 

イッセーと一緒にため息をつく。そして部長から聞いた話を思い出す。

 

ギャスパーは名門の吸血鬼を父に持つが、母が人間の妾だったため、純血ではなかった。悪魔以上に純血ではない者を軽視、侮蔑する吸血鬼たちは、たとえ親兄弟であっても扱い方は差別的だと聞いた。

 

ギャスパーは腹違いの兄弟たちに子供のころからいじめられ、人間界に行ってもバケモノとして扱われて居場所がなかったという。

 

しかし、ギャスパーは類稀なる吸血鬼の才能と、人間としての才能―――特殊な神器を両方兼ね備えて生まれてきてしまったため、望まなくてもその力は歳を取ると共に大きくなっていった。

 

仲良くしようとしても、ちょっとした拍子に時間停止の神器が発動してしまい、相手を停めてしまう。そのせいでギャスパーは周りから恐怖され、近寄られなくなった。

 

家からも追い出され、どちらの世界でも生きられないギャスパーは路頭に迷った。その時ヴァンパイアハンターに狙われ、一度命を落とした。そこを部長に拾われたらしい。

 

おれも妖怪と人間のハーフだが今までこんな扱いを受けたことはなかった。だから同じハーフでもここまで違うのかとおれはショックを受けた。でもギャスパーが今まで感じてきたものはこんなものではない。おれにはその気持ちはわからない。でも少しでも軽くしてやりたかった。

 

「……そうは思っても現実は上手くはいかないよな」

 

一人呟く。すると、今まで考え込んでいたイッセーが口を開いた。

 

「なぁ、近衛。一度俺に話をさせてくれないか?」

 

「別に構わないけど……何か秘策でもあんの?」

 

「ない」

 

「ないのかよ……。まぁいいや」

 

「サンキュー」

 

そう言ってイッセーはギャスパーに話しかける。

 

「なぁギャスパー。怖いか?神器と……俺たちが」

 

『…………』

 

「俺も最強のドラゴンが宿った神器を持ってる。でも、お前みたいにヴァンパイアとか、木場みたいにすごい生き方をしてきたわけでもない。普通の男子高校生だったんだよ」

 

隣で聞きながらイッセーと出会ってからのことを思い出してみた。そうだよな。成績優秀で運動神経抜群なだけでただの学生だったもんな。それが今や最強のドラゴン『赤い龍』を宿した赤龍帝だもんな。

 

「俺は……正直、怖い。ドラゴンの力を使うたび、体のどこかが違う何かになっていく感じがするんだ。悪魔のこともまだよくわからないし、ドラゴンってのがどういうものかわからない。だけど、前に進もうと思う」

 

『……どうしてですか?も、もしかしたら、大切な何かを失うかもしれないんですよ?せ、先輩はどうして、そこまで真っ直ぐ生きていられるんですか……?』

 

「……うーん。……すぐ近くにさ不器用で、変態で、ある意味バカで……でも真っ直ぐで正直な奴がいて、それを見てきたからかな。中学の時から何かに悩んでてもさ、いつも隣でバカみたいに元気に騒いでて、悩んでるこっちが阿呆らしくなってくるんだよ。おかげでこんな風になれたんだけどな」

 

軽く笑うイッセー。……何なんだろう、バカにされてるのか褒められてるのかよくわからん。……そっかお前はそんな風に思ってたんだな。でもおれは……そんな人間じゃない。あの日から後悔しないようにただ必死に生きてきただけだ。少しでも立ち止まると憎しみと悲しみで壊れそうだった。おれはそんな小さい人間だ。

 

自己嫌悪に陥っているとイッセーが話を続けた。

 

「……それとさ」

 

『それと?』

 

「―――部長の涙を二度と見たくない。レーティングゲームやったときさ、俺たち負けたじゃないか?俺なんて、やられた時の記憶が無いぐらいボコボコにやられてさ。情けないったらありゃしない。……なのに、部長が泣いてたところだけは覚えてる」

 

イッセーは拳を強く握りしめる。

 

「……あれは、キツいんだ。記憶の奥深く焼き付けられてさ。しかも仲間が次々と倒れていって、最後に俺だけ……。いまだに夢にも見る。俺だけが誰もいない戦場を走り回る夢だ。部長をやっと見つけるんだけど、泣いていて、俺は何も出来なくて……」

 

ギィ……。

 

鈍い音を立てながら、扉が少しだけ開かれた。

 

「……ぼ、僕はその時、いませんでした……」

 

扉の奥から姿を現したギャスパーは涙を懸命に堪えている様子だった。

 

「あぁわかってる、見ているだけだったな。俺はそれを責めやしない。でも、これからは違うだろう?」

 

「……ぼ、僕じゃ、ご、ご迷惑をかけるだけです……。引きこもりだし、人見知り激しいし……神器はまともに使えないし……」

 

イッセーはギャスパーの顔をおさえると、両目を覗き込んだ。ギャスパーはその行動に体をビクッとさせる。

 

「俺はお前のことを嫌わないぞ。先輩としてずっと面倒見てやる。……まぁ、悪魔としてはお前の方が先輩だろうけどさ。でも、実生活では俺が先輩だから、任せろ」

 

「―――っ」

 

「それに俺だけじゃない。近衛だって、部長だって、誰一人お前を嫌いにはならない。そうだろ?近衛」

 

「当たり前だろ。おれはギャスパーが例え何をしようとも絶対に見捨てない」

 

「…………」

 

目をパチクリさせているギャスパーにイッセーが続ける。

 

「力を貸してくれ。俺たちと一緒に部長を支えよう。お前が何かに怖がるなら、俺が吹っ飛ばしてやる。これでも伝説のドラゴンの力が宿っているんだぜ?」

 

ニッと笑いかけるイッセーだが、ギャスパーはコメントに困っている様子だった。

 

「俺の血、飲むか?アザゼルの奴が言っていたことが真実なら、俺の血を飲めば神器を扱えるかもしれない」

 

あの時、アザゼルはそう言っていたな。イッセーがそれでいいならいいんだけどさ。でもギャスパーは首を横に振る。

 

「……怖いんです。生きた者から直接血を吸うのが。ただでさえ、自分の力が怖いのに……。これ以上何かが高まったりしたら……僕は……僕は……」

 

「ふーん。神器に翻弄される自分が嫌か。でもおれはお前の能力が羨ましいけどな」

 

「―――え?」

 

おれの一言に心底驚いた表情をギャスパーは浮かべる。え?そんなに驚くことか?今の。イッセーもギャスパーの反応に驚いていた。

 

「え?だって考えてみようぜ。もし自分で時間を停めることが出来たら女の子にエロいことし放題だぜ?学校中の女子を停めて廊下を匍匐前進するんだ。するとどうだ?そこに広がる桃源郷!それだけじゃないぜ。クラスの男子どもに追いかけられた時に使えば、走らなくても逃げれるしな!」

 

「それはお前だけだろ」

 

「うるせぇ。おれにとっては重要だ!毎度毎度小猫ちゃんと楽しむだけで追いかけてきやがってあの野郎共……絶対落とし前つけてやる!でそういうお前はどうなんだ?」

 

「俺か?そうだなぁ……女の子を停めて裸に―――いや今のは無しだ。忘れてくれ」

 

「ははは!やっぱりお前も変態だな!女子を裸にしたいとかそうそう思い付かないぞ!はははははは!」

 

イッセーともしギャスパーの神器があったらっていう議題で話をしてたら、隣から笑い声が聞こえた。

 

「ふふふ。……先輩たちって、やさしいんですね」

 

極上の笑みでそう言われてしまう。うっ……落ち着け落ち着け。相手は男だ、男。ふー。

 

「そんな風に言われたのは初めてです。羨ましいなんて言われたことなかったです。しかも具体的な例まで……。先輩たちって、楽しい方々ですね」

 

楽しいか。おれたちって他の人たちからもそう思われてんのかな?まぁ何でもいいか。ギャスパーが心を開く切っ掛けになってくれれば。

 

「あ、そうだ。ギャスパー、お前は神器が怖いんだよな?」

 

「は、はいそうですけど……」

 

「だったら神器が楽しいものだと思えばいいんだよ!」

 

「ほーそれは面白そうだな。例えばどんな風に?」

 

おれの考えにイッセーが乗ってくる。うーん、例えばか。突然の思い付きだからな。うーん、うーん……おっ!良いこと考えたぞ!

 

「例えばな、イッセーの力を部長の豊満なあの部位に譲渡してみるとか?どうだ!」

 

自信満々で言い切るがイッセーとギャスパーは呆れた顔をしていた。

 

「近衛、それはさすがに無いな」

 

「僕もそう思います」

 

「う、うるせぇな!だったらお前らも考えてみろよ!」

 

「そうだなぁ……時間を停めてその間に近衛に落書きしまくるとか」

 

「それ楽しそうですね。ぼ、僕もやってみたいです!……でも停められた近衛先輩は……見たくないです」

 

暗くなるギャスパー。停めることに対してトラウマを持ってるからそう簡単には上手くいかないか。でもここでおれたちも暗くなったらダメだからな。元気にいこうか!

 

「だったら、やっぱり部長のおっぱいに力を譲渡だな!」

 

「今度ははっきりとおっぱいと言いやがったよこいつ……。後で小猫ちゃんに言っとかないと」

 

「ま、待てイッセー!小猫ちゃんに胸の話はタブーだぞ!何されるかわからないぞ!主におれが!」

 

「それはそれで面白いから良いじゃん」

 

「他人事だと思いやがって……!てめぇの悪事アーシアさんに教えてやるぞ!」

 

「それはやめろ!お前にアーシアを汚させてたまるか!」

 

その場で取っ組み合いを始めるおれとイッセー。ギャスパーはおろおろしながらも笑っていた。

 

 

 

「はー……はー……疲れた」

 

「お……おれも」

 

暴れまわったおれたち二人はギャスパーの部屋の床で大の字になっていた。すると、ギャスパーが質問をしてくる。

 

「そ、そういえば……イッセー先輩と近衛先輩はど、どうやって知り合ったんですか?」

 

「おれとイッセーの出会い?突然どうしたんだよ」

 

「……ふと、疑問に思ったんです。ケ、ケンカするほど仲が良い……ってよく聞くんで」

 

「ふむ、そういうことか。まぁ出会いっていっても最悪だったけどな」

 

「あぁそうだったな。あの時は本当に驚いたな」

 

「その話、僕も聞いていいかな?」

 

おれたち以外の声が聞こえてそちらを見てみると、木場が扉の隙間から顔を出していた。

 

「おっ木場か。別に構わないぞ」

 

「じゃあ、お邪魔します」

 

「ど、どうぞ!」

 

部屋の中に主に一礼して入ってくる。突然頭を下げられたからギャスパーは驚いていた。

 

「じゃ、早速話しますか。あれは四年前のことだな。丁度おれたちが中学校にあがった時のことだ」

 

~回想~

 

桜が咲き乱れる四月のある日。おれは真新しい制服に身を包んでその下を歩いていた。

 

「今日から中学生か。クラスにはどんな奴らがいるのかねぇ。やば、緊張してきた」

 

これから始まる中学生活に不安を抱きながら、おれは学校に向かっていた。

 

「それにしても、みんな色んな顔してるな」

 

周りを見回しながらそんな感想を抱く。今日は入学式だから周りにはおれと同じく新入生がたくさん歩いていた。ある人は満面の笑顔で友達と思われる人と話をしてるし、またある人は顔を青くさせ、隣にいる親に励まされたり、またまたある人は教科書を開いて読みながら歩いたりしていた。

 

そんな中、おれは一人の生徒に目が留まった。

 

そいつは一人で歩いていてただひたすらに学校に向かっていた。その顔はすました感じをしていて、イケメンフェイスに相まって無性に腹が立った。考えてみれば、おれのイケメン嫌いはここから始まったのかもしれない。

 

おれは喧嘩っ早いわけではないどころか、普段は人と争うこと自体しないのにこの時だけは何故か殴りたい衝動に駈られた。しかし、今日は中学生活初日である。いきなり問題を起こすのは相当まずい。てか人を殴るのは普通にまずい。何とかその衝動を抑えた。

 

学校に着いて真っ先に確認したのはクラスだ。新入生はまず最初に自分のクラスに行って、担任から今日のことについて説明を受けることになっている。自分のクラスを確認して向かい、期待と不安を抱きながら扉を開いた。

 

ガヤガヤガヤガヤ

 

「お、おー……結構みんな話してるんだな」

 

教室に入っての第一印象はこれだった。初めての空間だからみんな静かにしてるのかと思ってたからちょっと驚いた。そのままでも要られないので中に入って自分の席を確認する。おっ、一番後ろか。これはラッキーだな。

 

そう思ったのも束の間、おれはすぐにこの席に後悔する。何故なら今朝見かけた、いけ好かないイケメンくんが隣だったからだ。ついでに言うとそいつは今本を読んでいた。その姿に更に嫌気が差した。

 

(落ち着け落ち着け。こいつは何もしていない。おれがただイライラしてるだけだ。初日から問題はまずい)

 

そう言い聞かせて意を決して話しかけてみる。

 

「お、おはよう。おれは桜近衛。これから隣同士よろしくな」

 

そう言って握手を求めて手を差し出す。しかし、そいつは一瞥するだけで手を出したりはしなかった。

 

「兵藤一誠。よろしく」

 

顔も動かさずそれだけ言ってファーストコンタクトは終わった。この時おれの中でこいつに対する好感度が一気にマイナスまで言った。そしてやらかす。

 

「……放課後」

 

「ん?」

 

「放課後、屋上に来い」

 

それだけ言っておれは席に座ってすぐに机に突っ伏して寝る。

 

「……なに言ってんだこいつ。わけわかんね」

 

 

 

 

放課後、おれは朝言った通り屋上で待っていた。え?よく場所がわかったなって?それは校内案内図を見たからな!まぁ何で鍵まで開いてたのかは知らないけど。

 

「てかよく考えてみると、初めて会った奴の言うことなんて聞かねぇよな。おれだったら無視して帰るしな」

 

自分で言って落ち込む。はー。

 

「おい、なに落ち込んでんだよ。人がせっかく来てやったのに」

 

後ろから声をかけられ振り向くと、そこには兵藤一誠が立っていた。

 

「……マジかよ。こいつ来たよ」

 

「なんだ来なくてよかったのか?なら帰るぞ」

 

「待て待て待て待て。来たんなら帰るなよ。お前に言いたいことあるしな」

 

「はー。だったら早く済ませてくれるか?」

 

催促されてずっと考えていたことを口にする。

 

「おれさ、お前のことが気に食わないのよ」

 

「…………は?」

 

「だから、お前のことが嫌いなの。嫌い。わかった?てなわけで一発殴らせて」

 

「いや、それはわかるけどさ。俺たち今日会ったばかりだろ?それなのに―――ってうおっ!?」

 

ビュッ

 

「ちっ、空振ったか」

 

「お、お前突然何すんだよ!びっくりしただろうが!」

 

「いや、お前のことムカツクからさ一発殴ろうと思って……よ!」

 

「またか!……そっちがその気ならこっちだって容赦しねぇからな」

 

「上等。かかってこいよ」

 

「ぶっ飛ばす」

 

~回想終了~

 

「てな感じで、その後は結局決着はつかないで二人して屋上にぶっ倒れたんだよな。先生にも見つかってこっぴどく怒鳴られたし」

 

「そうだったな。『入学式初日から問題を起こしたのはあなたたちが初めてです!』って言われて学校中掃除させられたっけ」

 

「あったなーそんなことも。全部終わったのが一ヶ月後だっけ?いつも罪の擦り付けばっかやって全然進まなかったな」

 

「そうそう。まぁそれから、近衛とつるむようになったんだけどな」

 

話終えてイッセーと笑いあう。あの時は本当に何してたんだかな。まぁでも、そのおかげでかけがえのない親友が出来たから結果オーライか!

 

「……君たちって昔からそうだったんだね」

 

「……驚きすぎて言葉も出ません」

 

木場とギャスパーはそれぞれ呆れたり、唖然としていた。

 

「でも、イッセーくんと近衛くんらしいかな。僕もそんな風に一度ケンカしてみたいな」

 

「おっ!いいね木場。じゃあ今からおれとするか?」

 

「じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」

 

「やめとけ近衛。木場が相手だと瞬殺されて終わりだぞ」

 

「そういうことは思っても口にするなよイッセー!やる気がなくなるだろ……」

 

「ははは」

 

「ふふふ」

 

ギャスパーも笑っていた。でもおれは見逃さなかった。こいつの手が震えていることを。いつ神器が発動しておれたちを停めてしまうのが怖いのだろう。だったらその怖さがなくなるまでおれは騒ぐだけだけどな!

 

そこからは『第一回グレモリー男子のフェチ暴露大会』みたいなことをしたりして大いに盛り上がった。

 

ちなみに木場も結構な変態でした。ははは!




今回は半分オリジナルを書いてみました。
ほぼ思い付きですのでおかしいところが多いと思いますが、ご了承ください

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