ハイスクールD×D~九尾の少年~   作:toruyuki

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少し読みづらいところがあると思いますがご了承ください。


第9話

早朝。おれとイッセーとギャスパーは旧校舎周囲にある森の開けた場所で時間停止の修行をしていた。

 

「ぐふぅぅぅぅ……。イ、イッセー先輩……つ、疲れましたよぉぉぉぉ」

 

両目をこするギャスパー。しかし、イッセーはボールを投げる手を止めない。

 

「弱音を吐くなよ。そんなんじゃ近衛にイタズラ出来ないぞ」

 

「いや、そんなの目標にされても困るんですけど」

 

「イッセーさん、ボールです!」

 

「おう、ありがとうアーシア」

 

「無視か!このやろう!」

 

早朝から付き合ってくれてるアーシアさんが、イッセーにボールを手渡ししている。え?おれは何してるかって?愚痴言いながら後ろに行ったボールを拾ってイッセーの近くに投げるのと、ギャスパーが逃げ出した時に捕まえる役だ。まぁギャスパーが逃げ出すなんてことはほとんど無くなったから暇なんだけどな。

 

相変わらずボールをギャスパーに放り、それを宙で停める修業だ。二十回に一度ぐらいは成功するようになってきた。継続は力なり。最初の頃に比べたら大した進歩だ。うんうん。

 

一人勝手に頷いてるとイッセーの動きが不自然になる。よく見てみると、右腕ごとボールを停められたようだ。始めた頃のおれと同じ状況だな。停めた張本人のギャスパーくんは地面に屈んで縮こまってた。

 

「ひ、ひぃ、ゴ、ゴメンなさいぃぃぃ!」

 

「だから、俺を停めても気にするなって言ってんだろう?修行中で、お前は未熟なんだからいいんだよ。まぁ、全身停められたら困るけどな。その回数も減ってきたじゃないか。この調子だ」

 

イッセーは敢えて叱らず、フォローしていた。数日前に悩んでた姿とは別人のようだ。様子を見る感じでは部長との仲も戻ったようで、普通に会話をしていた。しかし、イッセーの中で答えはまだ出ていない模様。単純な話だとは思うけどなぁ。

 

「……ぼ、僕は神器を持つ人間としても、ヴァンパイアとしても半端者だから、皆に迷惑ばかり……。も、もっと自分の力を使いこなせれば……。な、なんて中途半端な存在なんでしょうか……グスッ」

 

複雑そうな表情しながら言ってギャスパーは泣いた。あらあらまたですか。この泣き虫も治してかないといけないな。

 

……でも、今の言葉には共感出来るところがあるな。おれもこいつと同じ異種族のハーフだから、中途半端だと思ったことは何度もある。そのたびに泣いていた。今のこいつのように。そんな時は母さんや今は亡き父さんが声をかけてくれて、元気になれた。だけどこいつにはそんなことをしてくれる人たちがいない。だから、昔からずっと泣き続けて来たのだろう。でもこれからは違う。部長が、イッセーが、おれたちが、こいつを大切に思ってる人たちがいる。

 

イッセーもそれがわかっているようで優しく語りかけた。

 

「ギャスパー、俺はお前が好きだぞ。気にすんな。くよくよする前にまず俺にぶつかってこい。考えるのはその後だ。同じ部員同士で、リアス部長の眷属で仲間だ。ドンとこい!」

 

自分の本音を胸を張って堂々と言い切る。部長の時もそれくらい言ってやれば、部長だって不安になることもないのに……。

 

ギャスパーはそれを見て涙を拭い立ち上がった。

 

「イッセー先輩、ぼ、僕、がんばります……っ!」

 

「あぁ!学校が始まるまであと百球いくからな!」

 

「頑張ってください!イッセーさん、ギャスパーくん!」

 

「ギャスパー、美少女のアーシア先輩も応援してくれてるんだから気張れよ!」

 

「は、はいぃぃぃぃ!ありがとうございます、アーシア先輩ぃぃぃぃ!」

 

こうして練習は再開された。その後はマジで百球を投げては停めてをやった。朝から元気だな。

 

 

 

 

 

「いよいよ今日ですね、部長」

 

「えぇ」

 

イッセーが部長に話しかけるが、部長は言葉少な目に返す。それだけ緊張しているのだろう。他のみんなも同様だ。でもそれも仕方ないか。だって今日は三大勢力のトップ会談の日だ。会場となるのは、駒王学園の新校舎にある職員会議室だ。すでに各陣営のトップたちは来ていて、新校舎の休憩室で待機しているらしい。そして、何よりもこの学園全体が強力な結界に囲まれ、誰も中へ入れなくなっていた。もちろん、会談が終わるまで外にも出られない。

 

結界の外には、天使、堕天使、悪魔の軍勢がぐるりと囲んでいる。一触即発の空気だと様子を見てきた木場が言っていた。もし、今日の会談で何かあったり、協議が決裂したら、この場で戦に……ブルッ!考えただけで怖くなってきた!サーゼクスさまたちの警護なんだからそれ相応の力の持ち主だろうな。俺、生きて帰れっかな……。

 

そんなことを考えてると部長たちが部屋を出ていこうとしていた。

 

「行ってらっしゃいです、部長」

 

「えぇ行ってくるわ。留守番お願いね、近衛。でも申し訳ないわね。ギャスパー一人だと心配だからしょうがないのだけど」

 

「おれのことなら気にしないでください。おれの方こそ申し訳ないんですから。部長の力になれなくて」

 

おれは部長の言う通り、ギャスパーと部室に残ってお留守番だ。まだ神器を使いこなせていないギャスパーは何かのショックで会談中に発動されては困るということで留守番。そのギャスパーが一人だと寂しいし、部長も心配だと言うことで教育係のおれも一緒に残ることになった。

 

「ふふふ、気持ちだけで嬉しいわ。ギャスパーも待っててちょうだいね」

 

「は、はいぃぃぃぃ。こ、こ近衛さんと待ってますぅぅ!」

 

「じゃあ皆、行くわよ」

 

『はい、部長』

 

そう言って皆は部室を出ていった。さて、これから会談が終わるまでギャスパーと二人だけだ。何をして時間を潰そうか。

 

「せ、先輩……あのぉ、ちょっと……」

 

「ん?何だギャスパー?」

 

どうしようか考えてたらギャスパーがおずおずと聞いてきた。

 

「イッセー先輩が、『俺の携帯ゲーム機置いてくから、それで近衛と遊んでろ』……って言ってまして」

 

「おー流石イッセーだな、気が利く。じゃ早速やるか。ソフトも結構あるんだな。おっ、これはおれもやったことあるやつじゃん。これなんておれたちが生まれる前のやつだぜ。よく持ってんなイッセーの奴。ギャスパーは何かやりたいやつとかあるか?」

 

「ぼ、僕はですね……これをちょっと、やってみたいです」

 

そう言って手に取ったのは自分が狩人の主人公となって色んなモンスターを狩るという大ヒットした某ハンターゲームだ。これには四人まで通信プレイが出来るようになっていて、よくイッセーと松田、元浜、おれの四人でやっていた。

 

「これか。それならちょっと待ってくれ。確かここに……あったあった。いつでも出来るように鞄にいれてあるんだよ。よし、おれの分も確保できたしやりますか」

 

「は、はい!」

 

そうしておれたちは一時間ほどモンスターを狩りまくった。

 

 

 

「お、危ねぇ。ここは…こうして……よし!ギャスパー!そっちに行ったぞ」

 

「は、はいぃ!よーし……やっぱダメですぅぅぅぅ!怖いですぅぅぅぅ」

 

「またかよ!そんなんじゃ上手くなれないぞギャスパー」

 

「うぅぅ……そうなんですけど、やっぱり怖いんです」

 

さっきからこの繰り返しだ。初めは弱いものを狩っていたからか楽しくやっていたギャスパーだったが、慣れてきたので大きめのモンスターを狩りにいったら流石に怖いようで全然攻撃が出来ていない。それでも怖がりを克服したいから何度も挑戦したが結果は変わらず。そろそろ泣きそうになって可哀想なので助け船を出す。

 

「人間誰しも苦手なものはあるもんだ。克服しようとする姿勢は応援するが、それで楽しくなくなったら意味がないぞ。他のゲームやろうぜ。そうだな……これならいいと思うぞ。レースゲームだから対戦で楽しめるしさ」

 

「は、はい。ぼ、僕も無理してたとこが……あったと思います」

 

「あぁ、時間はたっぷりあるんだ。これから少しずつ克服していけばいいんだよ」

 

「はい!」

 

いい笑顔で返事をするギャスパー。おれも吊られて笑う。が、すぐに異変に気づいて顔を引き締めた。

 

「先輩……?」

 

「……誰かがこの旧校舎の中に入ってきた」

 

「え!?で、でも今は会談中で誰も学園の中に入れないんじゃ……」

 

「あぁそうだ、普通はな。考えられるとしたら結界を張る前に学園に侵入するかもしくは…………ここに集まった連中の中に裏切り者がいるか」

 

「!?」

 

ギャスパーが驚愕の表情を浮かべる。おれも内心驚きまくってるよ。だって今日集まったのは各陣営のトップ、それを護る上級以上の者たち。その中にいるなんて考えたくもない。でも現実に誰かがここに入ってきたんだ。考えざるえないだろ。

 

「とにかく、敵の可能性が高いからギャスパーは何処かに隠れてろ。おれが迎え討つ」

 

「き、危険です……!せ、先輩も一緒に……」

 

「大丈夫だ。おれだって修行して強くなってるんだ。そんじょそこらの奴には負けやしねぇよ」

 

安心させるために笑う。そして時間も無いんでギャスパーをソファの後ろに隠れさせて、おれは扉の近くに潜む。しばらくすると、廊下から足音が聞こえる。数は……六人ってとこか。数では不利だが先手を取れれば『疾風』でいけるかもしれないな。お、足音が止まった。てことはこの扉の先に……。

 

バンッ

 

躊躇いなく扉を開け放って入ってきたのは、長いローブを着ていて頭にフードを被ったいかにも魔法使いって奴が六人。俺は予想が当たったことに軽く安堵して、『疾風』を発動し敵に突っ込む。相手も攻撃してくることを予想していたのか反撃体勢に入ってた。しかし、その速さは予想外だったようで驚いて一瞬固まった。その隙を逃さず全員を思いっきり一発ずつ殴って吹っ飛ばす。

 

「はぁ……はぁ……取り合えず開幕戦はこっちの優勢ってことで」

 

「くっ……!何だ貴様は!」

 

一番先頭にいた奴が聞いてきた。声からすると女のようだ。うわーおれ女性殴り飛ばしたのかよ。敵とはいえやり過ぎたかな?

 

「そっちこそ何だ。どうみてもおれたちの仲間じゃないし、天使や堕天使でも無いな。ここに来た目的は何だ?」

 

「はっ!下級悪魔如きに教える筋合いは無いが、どうせこれから死にゆくのだからな。特別に教えてあげる。ここにいるハーフヴァンパイアの神器の力を暴走させて、この学園にいる者たち全員を停止させるのさ」

 

おれは魔法使いもとい魔女の言葉を聞きながら呆れていた。いや、まぁ、おれから何しに来たとは聞いたけどさ、そんな簡単にペラペラ喋っちゃう?機密事項とか無いの?ってギャスパーの神器を暴走させてここにいる奴ら全員停めるって?

 

「そんなことして何になるんだよ」

 

「会談の邪魔をするのさ」

 

「ッ!?……お前がどこまで知ってるかはこの際どうでもいいが、そんなことはさせねぇよ。今回の会談はこれからについて話し合う大切なものだ。部長たちが一生懸命セッティングして今日を迎えてるんだ。その邪魔をするってんなら、おれがそれを邪魔する」

 

「ならやってみな!」

 

そう言って奴らは火の玉を作り出しておれに打ち込んできた。おれはそれをとっさに避けたが、後ろにあったテーブルに当り燃えた。それに驚いたギャスパーがソファの後ろから出てきてしまった。

 

「ひっ!?」

 

「見つけた!あんたら!あいつを捕まえに行け!」

 

「わかってるわよ!」

 

「何あんたが指図してんのよ!」

 

「ギャスパー!!」

 

おれは敵が言い争ってる間に無理矢理体を百八十度回転させてギャスパーの方に向かう。何とか敵より早く辿り着けたが、それを見てまた火の玉を放ってきた。今度は後ろにギャスパーがいるから避けることも出来ず、『堅牢』も発動出来ずもろに食らった。

 

「ぐあっ……!」

 

『疾風』は防御力も速さに変えてしまうので、おれはダメージに耐えきれずその場に倒れた。

 

「先輩!」

 

ギャスパーが泣きそうな顔で寄ってきた。

 

「ご…ごめんな……ギャスパー。さっき……あんなにカッコつけたなに……こんな姿見せて…。こんな…ことなら……『九尾化』…しとくんだったぜ」

 

気力を絞って笑いかけるがギャスパーは泣いた。そして何かを言おうとしたが、二人の魔女に組伏せられてしまった。おれもさっきの先頭にいた奴に頭を踏まれる。

 

「ふん、今さら何を言っても後の祭りよ。それより、さっきはよくも顔を殴ってくれたわね。そこのヴァンパイアより先にあんたで試してあげる」

 

「な…何を……だ」

 

「対象者に嫌な記憶を思い出させて、その時の負の感情を何倍にも増幅させる術よ。これは力が何倍にもなるかわりに、理性を失うっていうリスクがあるのだけど。これをそこのヴァンパイアにかける予定だったけど、あんたで最終テストを行ってあげるわ」

 

そう言って手に魔方陣を展開していく。それは今まで見てきたやつとは違っていて、何やらたくさんの数字や記号から成り立っていた。これが魔法使いたちが使う魔術と呼ばれるものか。そんなことを考えながら抵抗するが無意味でおれは術をかけられ、目の前が真っ暗になった。

 

………………。

 

次におれの視界に写ってきたのは八年前のあの日、父さんが死んだ日の光景だった。

 

突然家にやってきた実家の者たちと何やら話をしている父さん。しかし、次第に話し合いは口論にまで発展して最後には戦い始めた。相手は五人に対してこっちは一人。しかも実力にそれほど差はなく、少し父さんの方が強いだけ。誰が見ても父さんの負けだと思ったはずだ。それでも父さんはおれたち家族、というよりおれを守るために必死に戦った。そして何とか全員追い返したが、傷が深すぎて死んだ。その光景が流れるとおれは思っていた。

 

しかし、違った。途中まではおれの記憶と同じだが、父さんは傷のせいで死ぬのではなく家の者たちに殺された。父さんを殺した奴らは次に母さんを殺して、遥香、健二と殺していった。

 

な、何だこれは。何の冗談だよ……あの時父さんは殺されていないし母さんたちも死んでない!現に今朝だっておれは会ってきた!これは嘘だ!

 

何に向かって叫んでいるのか自分でもわからないが、否定していないとどうにかなりそうだった。それだけおれにとってこれは嫌なものだ。

 

おれが叫んでいると何処からか声が聞こえてくる。

 

『本当に嘘か?』

 

何だと?嘘かだと?当たり前だろ!父さんはあの時文字通り命をかけておれたちを守ってくれた!それ以外の真実なんて無い!!

 

『それはお前が勝手想像したことでは無いのか?』

 

違う!!だったら何でおれは今朝も母さんたちに会えてるんだよ!?

 

『現実を受け止めきれずに作り出したお前の妄想だ』

 

そんなわけない!そんなわけ!そんな……わけ……ないだろ。

 

『よく思い出してみろ。あんなに強かった父が深い傷を負ったからって死ぬのか?同等の力を持った相手五人に勝てると思うか?たった一回失敗したからと諦めるのか?それこそ、そんなわけないだろ』

 

……確かに父さんはどんな傷を負ってもすぐに癒していた。だったらあの傷も癒せるはず。それに五人相手に勝てるか?いや、勝てるわけがない。現におれもさっき六人相手に負けている。一回失敗した程度で諦めるわけもない。でもだったらどうしておれは生きてるんだ?

 

『家族を全員殺すことでお前に生き地獄を味わせてやろうと考えたんだろ。実際、お前は今家族の死を見て絶望しかけた』

 

……そうだ、おれはさっき絶望しそうになってたんだ。だから必死に叫んだりして気を紛らわしていた。だとしたらこの声が言ってることは全部本当か……?

 

『さらに言うと、兵藤一誠やリアス・グレモリーもお前が作り出した幻だ。もちろん塔城小猫もな』

 

そう……か。イッセーも部長も小猫ちゃんも。みんなおれが作り出した幻か。絶望から少しでも逃れるために……。つまり―――。

 

『今までの人生は全て偽りだったのだ』

 

あぁ……やっぱりか。父さんを殺した張本人がぬくぬくと生きていけるわけが無かったんだ。おれは生きていてはいけなかったんだ。それでも無理矢理、生にかじり付いてたんだな……おれは死ぬべき存在だったんだ。

 

『ならばその命、我に預けよ』

 

…………。

 

『人間に、世界に絶望したのもの同士手を取り合って、この世界を破壊しよう』

 

世界を破壊だって?はっ、バカらしいな。……でも死ぬんだったらその前にこの理不尽な世界に一矢報いてやるか。

 

そう思うと何処からか異形の形をした狐と思われる生物が現れ、話しかける。

 

『我と共に来い』

 

あぁいいぜ。おれの命、お前に預けてやるよ。

 

そしてそいつに触れるとおれの意識は途切れた。

 

 

 

「どうなった?術は成功したの?」

 

「わからないわよ。かけたらこいつ意識失ったんだもん」

 

魔女たちが話し合う中ギャスパーは自分の弱さを悔やんでいた。

 

(僕が……僕がもっと強ければ……近衛先輩は傷も負うこともなかったし、変な術をかけられることもなかった。僕が……僕がいなければ!)

 

ギャスパーは今まで自分が弱かったことで起きていたことを思い出していた。

 

ドクンッ!

 

すると、心臓が一際大きく脈動するのを感じる。

 

(これは……時間停止が勝手に発動する時の感覚だ。いつもなら嫌だけど今は!)

 

そして魔女たちの方に目を向け……ようとしたが、彼女らは用意周到だったようで瞬間的にギャスパーの目を覆った。

 

「きゃっ!」

 

「危ないわね。今こいつ私たちを停めようとしたわ」

 

「なら、早いとこ術をかけちゃいましょう。白龍皇から連絡が入ってきて『和平』とのことなんですから」

 

(この人たちが何を言っているのかはよくわからないけど、近衛先輩が必死に守った会談は無事にいい方向へと向かったようだ)

 

そう考えた次の瞬間、ギャスパーは変な感覚に陥る。見えはしなかっが、自分もあの術をかけられたのだろう。そう思うと変な感覚はさらに強くなった。そして全身を支配した時、絶叫をあげ神器が勝手に発動した。

 

「あ、あ、ああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

ドクンッ! ピタッ

 

魔女たちはその様子に満足げに頷いた。

 

「これでここにいる奴らは全員が停まった」

 

「さぁ、テロの開始よ」

 

「『それは面白いな』」

 

『ッ!?』

 

突然の声に驚き当りを見回す魔女たち。

 

「『だが、テロだけではつまらん。さらにその先、我らのしようとすることまでやらんとな』」

 

「な、何なのこいつ!?さっきまでとは雰囲気が違うわ!」

 

「そんなことはいいわよ!それより何かされる前に殺すわよ!」

 

「『邪魔をするな』」

 

立ち上がった人物―近衛が手をかざすとそこから六本の光が飛び出して、魔女たちを貫いた。

 

「かはっ!」

 

「ぐっ……ここで……死ぬわけには」

 

たったその攻撃だけで魔女たちは死んだ。それには目もくれず近衛は両手を広げて宣言した。

 

「『さぁ、世界を破壊しに行こう!!』」

 

そして近衛は『九尾化』を発動する。しかし、それはいつもの姿ではなく、九本の尾を持つ巨大な狐の姿だった。

 

「クォォォォォォォォン!!!!」

 

旧校舎を破壊した九尾の雄叫びが夜空へと響き渡った……。




今回出てきた九尾の姿はGOD EATER2に出てくるキュウビを想像してください。
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