前回の終わりからオリ主には一度休んで貰おうと思ってイッセー主体で書いたら書きづらくて書きづらくて……。
何とか纏めたんでよろしくお願いします!
近衛とギャスパーが旧校舎で魔法使いの襲撃にあい、それぞれ力を暴走させられギャスパーは時を止め、近衛は九尾の狐の化物へとなっている一方、新校舎のトップ会談は大方話し合いが終わっていた。
様々な事を話し合って、先日のコカビエル襲撃事件についても話があったが、堕天使総督のアザゼルは終始ふざけた態度を崩さなかった。謝罪に関しても送った文書が全てだと言って、他の三人―サーゼクス、レヴィアタン、ミカエルを困らせた。
しかし、そんな彼の口から和平が提示された。それにはその場にいた殆ど人が驚愕していたが、サーゼクスもミカエルも元々その気であったため異論なく和平は決まった。
話し合いも殆どが終わった頃、ミカエルが以前イッセーから話があると言った。その内容は『アーシアをどうして追放したんですか?』。それに対してミカエルは、『システム』に悪影響を及ぼすからだと応えた。『システム』とは神が創り出した加護と慈悲と奇跡を司るモノだ。これによって悪魔払い、十字架などの聖具へ効果をもたらしている。
しかし、この『システム』は非常に繊細で『熾天使』四人で何とか起動させている状態である。だから、『システム』に影響を及ぼす可能性をあるものを教会から遠ざける必要がある。その一例として『赤龍帝の籠手』『白龍皇の光翼』、そして『聖母の微笑』。他にも神の不在を知る者が含まれる。ミカエルは自分たちの不甲斐なさでアーシアとゼノヴィアを異端とし追放した事を頭を下げ謝罪した。
これに対しアーシアとゼノヴィアは、悪魔になって戸惑う事もあるがそれより今の生活に満足している、楽しいと返した。これにはミカエルも安堵の表情を浮かべ感謝の言葉を述べた。
アザゼルも自身の部下の一人がアーシアとイッセーを死なせたという事実に多少なりとも責任を感じていたようで、『俺自身のやり方でお前たちを満足させてやろう』と言った後イッセーとヴァーリの、最強のドラゴンを宿す二人にこれから世界をどうしたいか聞いた。
ヴァーリは『強い奴と戦えればいい』と応えた。イッセーは『正直難しい事は言えないですけど』と前置きをしてから、グレモリー眷属を見回し、ここにはいない二人の仲間を思い浮かべて言った。
「ただ……大切な人たちとこれからもずっと一緒に要られればそれでいいです。平和で、争いもなく、誰もが傷付かない幸せな世界で」
俺はアザゼルの問いにそう答えた。そんな世界絶対不可能だ、と誰もが嘲笑うだろう。正直、俺自身もそう思う。だが、それでも願いたい。争いの嫌いな親友の為にも、争いの似合わない愛する女性の為にも、他愛もない生活を共に送りたい大切な仲間たちの為にも。
「はっ、それが赤龍帝の願いか」
「あぁそうだ。まだまだ全然弱いが、その為だったら俺は身体を張ってみんなを守る。それが力を持った者の宿命―――」
そこまで言って俺はあの感覚に襲われた。―――体の機能が一瞬停止する感覚。
「……ん?」
気が付いた時、職員会議室の室内は少しだけ変わっていた。ミカエルさまが窓から外を見ていて、サーゼクスさまとグライフィアさんが何やら真剣な面持ちで話し込んでいた。
「おっ、赤龍帝の復活だ」
「何があったんですか?」
俺は聞きながら周りを見渡すと、動いている者と止まっている者にわかれている。お偉いさま方は全員動いていた。他には「白い龍」も動いていた。
逆に停止しているのは、アーシア、朱乃さん、小猫ちゃん、会長さんだ。
動いている人たちの理由を推測するに、まずグレイフィアさんを含むお偉いさま方は実力差が有りすぎて停められない、もしくは停められても一瞬だったのだろう。
次に俺と白龍皇だが、天龍を封印した神器を宿しているから存在が特別で停止され続けなかったのだと思う。それに関連して部長は俺に触れていたから動ける。
最後に木場とゼノヴィアの二人だが、木場は聖魔剣なるイレギュラーな『禁手』を果たしたため、ゼノヴィアはデュランダルの聖なるオーラで跳ね返したようだ。その証拠に荒々しい聖なるオーラを放つデュランダルを空間の歪みに戻す所だ。
「それで、何があったんですか?」
「それは……」
「?」
部長に今の状況を聞いたが、どうも言いづらい様子だ。不思議に思いながらも言葉を待っているとアザゼルが教えてくれた。
「テロだよ」
「は!?」
「ただよく分からなくてな。詳しくは外見てみな」
テロだという事実に驚く。今は今後の世界情勢について話し合ってる大事な会談中だぞ?しかもよく分からない?何を言ってるのかが俺にはわからん。
だからアザゼルに促され外を見ると、校庭、空中に至るまで魔法使いらしき人影があった。そして、彼らからの攻撃で新校舎が微かに揺れている。確かにこれはテロだな。さしずめ『和平』が気に食わない奴らがこの会談を壊すためにテロでも仕掛けたのだろう。
しかし、彼ら魔法使いたちは半数しかこちらに攻撃出来ていない。残り半数は校庭にいるもう一つの存在によってされている攻撃を対処していた。その存在とは、
「九尾の……化け物?」
「あぁそうだ。時間が停止したのと同じくらいにあっちの森から現れた」
あっち、と言って旧校舎がある方指さす。
「ッ!てことは……あれは近衛か!」
「えぇ、そうだと思うわ。どうしてああなったかはわからないけど……」
「恐らくだが、何らかの方法で精神を崩壊させ、力を暴走させたんだろ。ハーフヴァンパイアの小僧も同じくな。それにしても視界に写したものじゃなくて、周囲の空間を停止させるとは……面白いな。ククク」
「―――ッ!?ギャスパーは!?ギャスパーはどうなったんですか?」
今の説明からすると、敵の魔法使いたちに旧校舎にいる近衛とギャスパーが襲われた。その際に何らかで力を暴走させられ近衛はああなり、ギャスパーはたぶん一時的に『禁手』に至ったのだろう。そこまでは理解した。だがその後は?暴走した近衛はあそこで魔法使い相手に戦っているがギャスパーの姿が見えない。
「落ち着きなさいイッセー。ギャスパーは無事よ。ほら、あそこを見なさい」
慌てる俺を宥めるように言う。そして校庭の近衛がいる方を指差す。そちらをよく見てみると……いた。近衛の背中に横たわるように寝ている。一先ず無事が確認できて安心した。だが、すぐに気を引き締める。今はまだ大丈夫だが、この先何が起こるか分からないから。
「外に出ることは出来ないのか?」
「出来ないことも無いが、この学園を囲う結界を解かないといけない。そうなれば学園だけじゃなく町に被害が出るかもしれないだろ」
「そうか……。だけどこのまま何もしないのは嫌だな。何かいい方法は……」
「このまま籠城を続けて敵の親玉が出てくるのを待つ手もあるぞ?」
アザゼルが自身の考えを言うが俺は首を横に振る。
「そんなに待ってられない。それに例え出てきても外に出ることは出来ないだろ」
「ふむ、それもそうか。だがお前は外に出て何をするつもりだ?」
「そんなの分かりきってる。ギャスパーを助け出して、近衛を元に戻すんだ」
「そうか。だが、果たしてあれを見てもまだ言えるか?」
アザゼルが再度窓の外を指差す。つられて見ると、近衛が今まさに魔法使いの大群に攻撃をしようとしていた。だがそれはいつものあいつの攻撃ではなく初めて見る禍々しいモノだった。
九つの尻尾の先にそれぞれ一つずつ球が出現する。すると、それぞれから無数の光が発射され、魔法使いたちを貫いた。たったそれだけの攻撃で彼らは絶命した。
「ッ!?な、なんだあれは……!」
「妖怪のことについては前も言ったようによく知らん。だがあれを食らったらヤバイのはよく分かる。他にもまだ何かを隠している感じもする。赤龍帝、お前はそれでも行くのか?」
「俺は―――」
アザゼルの問いかけに俺は考える。何があってあんな風になったのか分からないが、どうせあのバカのことだ。昔の嫌な記憶でも無理矢理引っ張り出されて、自分は生きていてはいけない、死ぬべきだったんだ、とか思ったんだろ。そう考えると俺は助けに行きたい。
しかし、先ほどの攻撃を見る限り今のあいつはいつもの近衛じゃない。近衛の体に別の誰かが乗り移っている感じがする。それにあの攻撃。アザゼルの言う通り食らったら相当ヤバイ。下級悪魔の俺なんかもしかしたら掠っただけで死ぬかもしれない。
「―――フッ、ハハハ。バカらし」
『?』
自問していると自然に笑いが込み上がってきた。それにはアザゼルと部長だけでなく、この場にいた全員が疑問符を上げた。
俺は何を迷っているのか。ホントバカらしい。今の近衛が近衛じゃない?さっきの攻撃がヤバすぎる?―――それがどうした。あいつがあいつじゃないなら元に戻せばいい。攻撃がヤバイなら当たらなければいい。たったそれだけじゃないか。何を迷う必要があったのだろう。本当にバカらしい。
「アザゼル、俺はそれでもあいつの元に行くさ。ああやってみんなに心配かけているバカを一発殴ってやらないといけないからな」
「ふっ、流石はイッセーくんだ。それでこそ私の義弟だよ」
俺の答えに返したのはアザゼルではなくサーゼクスさまだった。はは、少し恥ずかしいな。
「しかし、この状況はどうしたものか。我々首脳陣は下調べ中で動けない。彼らテロリストたちも倒しても倒しても現れる」
サーゼクスさまの言う通り、ついさっきアザゼルの攻撃で残っていたテロリストたちは殺された。近衛のと合わせて校庭にいた魔術師は全滅したが、各所に魔方陣が出現しそこから何十、何百と新しい魔術師たちが現れた。なるほど。これはキリが無いな。
どうしたものかとみんなが考えていると、一際大きな振動が新校舎を襲った。更に建物が崩れる音も聞こえた。
ドォォォン!! ガラガラガラ……。
「ッ!?な、なんだ?」
「こいつは……チッ!サーゼクス、これはヤバイことになったぞ」
「あぁ、まさか我々が張った結界が壊されるとは。これが妖怪を統べるモノの力か」
サーゼクスさまとアザゼルが焦ったように話していた。お、おいまさか今のって、近衛が校舎を攻撃したのか?信じたくは無いが、今のあいつはいつもの近衛じゃないから可能性はあるか。現にみんな慌ただしく動き始めた。
「おい、赤龍帝」
「なんだ。それに俺の名前は兵藤一誠だ」
「じゃあ兵藤一誠。お前にこれを渡しておく」
そう言ってアザゼルは懐から腕輪を取りだし、俺に投げてきた。
「これは?」
「それは俺たち堕天使が独自の研究から造り上げた『神器』の力を制御するもんだ。短時間なら、そいつが代価の代わりになって禁手状態になるのも可能だ」
「こいつが……」
「だが、体力の消費までは調整出来ないから使うとしても、いざという時にしろよ。それとな、よく覚えておけよ。お前は現時点で人間に毛が生えた程度の悪魔だ。強大な神器を有していても宿主が役立たずでは意味がない。今のお前でも相手が未熟なものかなら、ドライグの力を振りまくだけで勝てるが、その力よりも上の者や能力を把握している者にとってみれば御しやすい代物だ。何せ、お前自身がその神器の弱点だからな。―――使いこなせないというのはそれだけ弱味の塊なんだよ。力を飼い慣らせなければいずれ死ぬぞ」
「……わかってるよ、それくらい」
図星を突かれて顔を背ける。それは痛いほどわかっている。俺が今まで生きてこれたのは俺の力じゃない。ドライグの力があったからだ。改めて他の人から言われると、結構傷付くもんだな。
そこで俺は腕輪が二つあることに気が付いた。
「もう一つあるがこれは?」
「それはハーブヴァンパイア用だ。助けに行くなら持っとけ」
「わかった。二つとも有りがたく使わせてもらう」
アザゼルに感謝しながら、一つを自分の腕に付けてもう一つをポケットにしまう。すると、アザゼルは今度白龍皇に話しかけた。
「ヴァーリ」
「なんだ、アザゼル」
「お前は一足早く外に行って誰一人としてこの校舎内に入れるな。さっきで状況は奴らの方に傾いたからな」
「入ってきた連中を中で向かえ撃てばいいんじゃないか?」
「俺たちはそれでもいいが、停止されてる奴もいるんだ。それに、これから和平を結ぼうってんだから、出来る限り被害は出さないでおきたい」
「了解」
アザゼルの意見にヴァーリは息を吐きながらも同意する。
カッ!ヴァーリの背中に光の翼が展開する。コカビエル襲来の時に一度だけ見たな。あれが奴の神器か。
「―――禁手化」
『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!!!!!』
音声のあと、ヴァーリの体を真っ白なオーラが覆う。光が止んだとき、奴の体は白い輝きを放つ全身鎧に包まれていた。最後にマスクがシュバッとヴァーリの顔を覆った。―――これが、禁手化か。
俺のライバル……らしい奴が容易にバランス・ブレイカーとなる。俺はまだこれになれない。なれたとしても代価を払うことになる。
ヴァーリはこちらを一瞥したあと、会議室の窓を開き、空へ飛び出していった。……結界張ってるんじゃ……あ、さっき近衛に壊されたのか。
そんなことを考えてるうちに、ヴァーリは魔術師の群れを蹂躙していた。……強い。俺でも奴がメチャクチャ強いのがすぐに理解できる。魔術師の集中砲火をまったく気にもせず宙を舞い大質量の波動弾を校庭に放っていた。
魔術師たちはなす術なく、消滅させられていくが、すぐに魔方陣が展開して次の魔術師たちが現れる。マジでキリが無いな。
「アザゼル。聞きたいことがある」
サーゼクスさまがアザゼルに訊く。
「あー、何だ?」
「堕天使が神器持ちを集めているという報告を受けているんだが、何をしようとしている?ただの研究だとしても『神滅具』の所有者も何名かいるのは、こちらとしては少しヒヤヒヤするんだ。神もいないのに神殺しでもするつもりだったのかな?」
「いや違う。備えていたのさ」
「備えていた?戦争を否定したばかりで不安を煽る物言いです」
ミカエルさんが呆れるように言う。
「言ったろ?お前らに戦争はしない。こちらからも戦争をしかけない。―――ただ、自衛の手段は必要だ。ってお前らの攻撃に備えているわけじゃねぇぞ?」
「では?」
「―――『
「……カオス、ブリゲード?」
聞き慣れない単語だが、この場にいる全員も知らないようで眉根を寄せていたり、首を傾げていた。
「組織名と背景が判明したのはつい最近だが、それ以前からもうちの副総督シェムハザが不審な行為をする集団に目をつけていたのさ。そいつらは三大勢力の危険分子を集めているそうだ。なかには禁手に至った神器持ちの人間も含まれている。『神滅具』持ちも数人確認してるぜ」
「その者たちの目的は?」
「破壊と混乱。単純だろう?この世界の平和が気に入らないのさ。―――テロリストだ。しかも最大級に性質が悪い」
じゃあ、もしかして今回のテロはそいつらが仕組んだものか?
「組織の頭は『赤い龍』と『白い龍』の他に強大で凶悪なドラゴンだよ」
『―――ッ!』
アザゼルの告白に俺以外の全員が絶句していた。しかもドライグまで。
『何の気まぐれか知らんがあいつが動いたか』
(何だドライグ、誰か知ってんのか?)
『知ってるもなにも、俺たち二天龍の他と言われれば一匹しかいない。厳密には二匹いるがな。どちらも俺たちの力を超えていると言われてる。と言うか超えてる』
(そんなドラゴンがまだ居たのかよ。世の中は広いな。それで誰なんだ?そのドラゴンは)
『それは―――』
「『無限の龍神』オーフィス―――。神が恐れたドラゴン……。この世界が出来上がった時から最強の座に君臨し続けている者」
ドライグより先にサーゼクスさまが口にしていた。しかし、その表情は険しくされている。他の人たちも顔を曇らせている。というよりも畏怖してるのか?『無限の龍神』……名前からしてヤバそうだな。
そうしてると聞き慣れない声が耳に飛び込んできた。
「そう、オーフィスが『禍の団』のトップです」
ドガァンッ!
強い衝撃音と共に会議室の扉が吹き飛んだ。
「な、何だ!?」
慌ててそっちを見ると一人の女性が立っていた。服装は奇抜で胸元が大きく開いていて、深いスリットも入ったドレスを着ている。
俺はその女性に見覚えは無かったが、サーゼクスさまを始めとしたお偉いさま方は違うようだった。
「そうか。今回の黒幕は君だったのか」
「ごきげんよう、現魔王のサーゼクス殿」
「先代レヴィアタンの血を引く者。カテレア・レヴィアタン。これはどういうことだ?」
レヴィアタン……それに先代か。考えたことがなかった訳じゃないが、まさか本当にいるとはな。しかもサーゼクスさまたちと強い因縁がありそうだこと。
俺のそんな考え通り、現れた女性―カテレアはサーゼクスさまの問いにこう答えた。
「旧魔王派の者たちは殆どが『禍の団』に協力することに決めました」
「新旧魔王サイドの確執が本格的になったわけか。悪魔も大変だな」
新旧魔王サイドね。これは確実に昔何かあったな。気になるところだが、今は一先ず置いとくか。後で部長に聞いてみよう。
「カテレア、それは言葉通り受け取っていいのだな?」
「サーゼクス、その通りです。今回のこの攻撃も我々が受け持っております」
「なっ!?お前らか!近衛をあんな風にしたのは!」
「何ですか、そこの下級悪魔は。トップが話しているときは黙っているのが礼儀ではないですか。そもそも下級悪魔ごときが私に話しかけるな」
何処かで聞いたことのあるその物言いに俺は思わず殴りかかりそうになった。しかし、すんでの所で思い止まった。
ギリッ「ふざけんじゃねぇぞ……お前らのせいで近衛とギャスパーは……!」
「落ち着きたまえイッセーくん。今君がここで暴れても彼らが元に戻る訳ではない」
「……ッ、はい」
「それでカテレア、どうしてそうなった?」
「サーゼクス、今日この会談のまさに逆の考えに至っただけです。神と先代魔王がいないのならば、この世界を変革すべきと、私たちはそう結論付けました」
神と先代魔王がいないことを知っておきながら、尚争いを望み、争いによって世界を変えようとする……どうしてだ?どうしてそうなんだ?この世には争いしかないのか、争いでしか何も決められないのか?
「オーフィスの野郎はそこまで未来を見ているのか?そうとは思えないんだがな」
「彼は力の象徴としての、力が集結するための役を担うだけです。彼の力を借り、一度世界を滅ぼし、もう一度構築します。───新世界を私たちが取り仕切るのです」
「……天使、堕天使、悪魔の反逆者が集まって自分たちだけの世界、自分たちが支配する新しい地球を欲したわけか。それのまとめ役が『ウロボロス』オーフィス」
『無限の龍神』オーフィス。そいつも争いを望んでこいつらに手を貸したのだろうか。所詮誰もが争いを……悲しい、悲しすぎる。もっと他にないのか?
「カテレアちゃん!どうしてこんな!」
セラフォルーさまの悲痛な叫びが響くが、カテレアは憎々しげな瞳で睨む。
「セラフォルー、私から『レヴィアタン』の座を奪っておいて、よくもぬけぬけと!私は正統なるレヴィアタンの血を引いていたのです!私こそが魔王に相応しかった!」
「カテレアちゃん……。わ、私は!」
「セラフォルー、安心なさい。今日、この場であなたを殺して、私が魔王レヴィアタンを名乗ります。そして、オーフィスには新世界の神となってもらいます。彼は象徴であればいいだけ。後の『システム』と法、理念は私たちが構築する。ミカエル、アザゼル、そしてルシファー───サーゼクス、あなたたちの時代は終えてもらいます」
カテレアのその言葉にサーゼクスさまもセラフォルーさまもミカエルさまも表情を陰らせていた。───はっ。
「くだらねぇ」
「……今、何て言いましたか」
「くだらねぇって言ったんだよ。世界を一度壊す?再度構築させる?あなたたちの時代は終わり?……くだらねぇ、くだらなすぎるんだよ。そんなことのためにクーデター起こしてよ」
「……我々の考えをくだらないとは、随分なことを言ってくれますね下級悪魔ごときが。殺しますよ?」
「やってみろ。お前が旧魔王の血筋だか知らねぇ。こっちにだって譲れねぇ理由があるんだよ」
『………………』
「───くっ……くっくっくっくっ」
俺の発言に全員が静まる中、この男―アザゼルだけは笑っていた。悪どい表情をしながら。
「何が可笑しいのですかアザゼル」
「何、兵藤一誠の言う通りだと思ってな。お前らの目的はあまりにも陳腐過ぎる。そもそもテロなんて今時流行らないぜ。それとレヴィアタンの末裔、お前の台詞、一番死ぬ敵役のそれだぜ?」
「アザゼル!あなたはどこまで私たちを愚弄する!」
アザゼルの一言にカテレアは激怒し、全身から魔力のオーラを迸らせる。
「サーゼクス、ミカエル、俺がやる。手を出すんじゃねぇぞ?ああ、兵藤一誠お前もだ」
「…………カテレア、降るつもりは無いのだな?」
サーゼクスさまの最後通告。それにカテレアは首を横に降った。
「ええ、サーゼクス、あなたはいい魔王でした。けれど、最高の魔王ではない。だから私たちは新しい魔王を目指します」
「そうか。残念だ」
その確認を見ると、アザゼルは窓の方へ手を向けバカみたいな光の一撃で窓脇全域を吹っ飛ばした。お、おいおい、何してんだお前は。
そう思う俺だが、当然アザゼルに引け目は無くそのまま十二の黒き翼を展開させる。
「旧魔王レヴィアタンの末裔。『終末の怪物』の一匹。相手としては悪くない。カテレア・レヴィアタン、俺といっちょハルマゲドンでもシャレこもうか?」
「望むところよ、堕ちた天使の総督!」
アザゼルとカテレアがこの場から飛び立ち、校庭の遥か上空で光と魔の攻防戦を繰り広げ始めた。どちらも凄まじいオーラの質量で次元が違う。俺なんか到底敵わない……大見得切ったくせに敵わないなんて情けねぇ。
「イッセーくん」
「……サーゼクスさま」
落ち込む俺にサーゼクスさまが声をかけた。そして一言。
「今の君にすべきことはなんだ?」
「俺の……すべきこと」
「そうだ。そうやって落ち込むことか?敵わないと嘆き立ち止まることか?───傷ついている仲間を見捨てることか?」
「───ッ!……そうだ、俺がするべきことは、やらなきゃいけないことは落ち込むことなんかじゃない。サーゼクスさま、ありがとうございます!」
「なに、礼はいらないよ。さぁ行ってきたまえ」
「はい!」
お辞儀もそこそこに俺は走り出す。向かう先は勿論一つ。待ってろよ、近衛!!
書き終えてから気づいたこと
本当に書きたかったの千文字もない気がする!
こんな私ですが今後ともよろしくお願いします