ハイスクールD×D~九尾の少年~   作:toruyuki

50 / 53
お待たせしました!
今回もイッセー視点です
次かその次辺りでオリ主視点に戻る予定です

ではどうぞ!


第11話

  桜近衛。

 私立駒王学園に通う高校二年生。

 性格は明るく、分け隔てなく接するためクラスメイト(主に男子)から人気が高い。

 頭は良く、運動も出来て顔もまぁまぁ整っている割とナイスガイな奴。

 しかし根は変態で、ここに来たのも女子が多いからと言う理由からだ。他二人と一緒に『変態三人組』などと呼ばれクラスの女子は勿論、学園の女子から嫌われている。本人はそれを嘆き悲しんでいる面白い奴。

 そんな俺の大切な親友。

 

 

 

 

 

「イッセー、何か策はあるのかしら」

 

 校舎から一緒に出てきた部長が聞いてきた。自信満々で勢いよく出てきたから、何かしら考えがあると思ったのだろう。俺も部長の立場ならそう思うな。だがしかし。

 

「いえ、策なんて何もないですよ」

 

「え!?ないの?」

 

「はい。近衛を元に戻すには情報が少なすぎますし、ギャスパーの暴走を止める方法もわかりません」

 

「確かにそうね」

 

「でも、何とかしますよ」

 

 部長に笑顔で返す。どこからそんな根拠が湧いてくるのか自分でも不思議な程だった。食らったら即死級の技を放ってくる近衛に、現在進行形で時間を止めているギャスパー。この二人をどうやって自分は戻すのか。

 

 自問自答してると、軽く放心していた部長の笑い声で現実に引き戻された。

 

「ふふふ、そうね。その場で何とかする。どれだけ策を立てても実際はどうなるかわからない。これが一番かもしれないわね」

 

「おや、今回は随分と単調ですね部長」

 

「ええ、ボケ役がいないとツッコミ足りないかと思ってね」

 

「いやいや、折角休めると思ってるんですからやめてくださいよ」

 

「ふふふ」

 

「あはは」

 

「じゃあ本来のボケ役と可愛い『僧侶』を助けに行くわよ!」

 

「はい!」

 

 

 

「近衛!ギャスパー!」

 

 着くなり大声で叫ぶ。これで振り向くとは思わないが一応な。少しでも意識があるなら返事するかもしれないし。

 

 しかし、その希望とは逆で近衛はこちらを見ないし、ギャスパーは姿を見せることはない。さて、どうしたものか。もう一回叫んでみるか、いやいっそのこと攻撃するか?

 

 そうこう考えていると、微かに蚊の泣くような声が聞こえてきた。

 

「……せん…ぱ……い?」

 

「―――!?部長!」

 

「ええ微かだけど聞こえたわね。ギャスパー!聞こえるかしら!私よ!」

 

「ぶ……ちょう?」

 

「ギャスパー、俺もいるぞ!」

 

「イッセー先輩……部長……うっ…うっ…うう」

 

 呼びかけるたびに声は大きくなったが、最後にはまた小さくなり鼻をすする音と泣き声に変わった。突然の事態に俺と部長は面食らってすぐに反応できなかった。

 

「先輩、部長……もう嫌です。僕は……死んだほうがいいんです。お願いです、部長、先輩。僕を殺してください……。この眼のせいで、僕は誰とも仲良くなんてできないんです……。迷惑ばかりで……臆病者で……」

 

「バカなことを言わないで。私はあなたを見捨てないわよ?あなたを眷属に転生させたとき、言ったわよね?生まれ変わった以上は私のために生き、そして自分が満足できる生き方も見つけなさい―――と」

 

 いち早く立て直した部長が声をかける。てか部長ギャスパー転生させるときそんなカッコいいこと言ったんですか。

 

 しかし、部長の言葉はギャスパーに届くことはなかった。

 

「……見付けられなかっただけです。迷惑かけてまで僕は……生きる価値なんて……」

 

「あなたは私の下僕で眷属なの。私はそう簡単に見捨てない。やっとあなたを解放させることができたのに!」

 

「そうだぞギャスパー!俺と部長はお前を見捨てない!」

 

 部長とともにギャスパーに想いをぶつける。そうさ、お前は俺の大切な後輩だ。たとえ神器が使えなくても受けとめて―――。

 

「『貴様らは何もわかっていない』」

 

「「!?」」

 

 突然の第三者の声。それは重低音でどこか冷たく、体の奥から底冷えする声だった。

 

「だ、誰だ!どこにいる!」

 

「『誰かに迷惑をかける、自分のせいで周りを傷つける……この事がどれだけの苦痛なのか。貴様らは全く理解などしていない』」

 

「だからどこにいる!姿を見せろ!」

 

「ッ!イッセー!」

 

 声をあげるとともにどこかを指差す部長。その指差す先を見ると、近衛がこちらを見ていた。じゃあ今の声は近衛?いやそれは違う。あいつの声はこんなんじゃない。

 

「お前は誰だ」

 

「『我の名など今はどうでもいいだろ』」

 

「……そうか。それで?俺たちが何をわかってないって?」

 

「『だから苦痛だよ。他人に迷惑をかける苦痛、周りを傷つける苦痛。一度でも感じたことがあるか?悪魔の子らよ』」

 

 奴の言葉に考えてみる。部長も隣で腕を組んで考え始めた。…………考えてみたが思い当たらなかった。

 

「いや、ない」

 

「私もないわ」

 

「『だから何もわかっていないんだよ。わからない者の言葉などどれだけかけられようとも響かない』」

 

「…………」

 

 何も言い返せなかった。もちろん何も思わなかったわけじゃない。言いたいことがなかったわけじゃない。それなのに言葉が出なかった。“響かない”その言葉に俺は止まった。

 

 静寂が場を包む。それを破ったのはとても小さくてか弱い悲痛な声だった。

 

「僕が……僕がいなければ……近衛先輩が傷つくことはなかった。……僕が弱いから……未熟で、臆病だから……」

 

「ギャスパー……」

 

「『これでわかっただろう。貴様らは誰一人助けられない。理解できたなら我が世界を破壊するまで怯えていろ』」

 

 ピクッ

 

「……なよ」

 

「え?」

 

「ふざけんなよお前ら……。さっきから話聞いてれば死にたいだの、弱いだの、わかってないだの、助けられないだの」

 

 我慢の限界だった。ギャスパーの弱音も、奴の言ってることも。

 

「ギャスパーが感じてる苦痛を知らない?ああ、確かにそうだな。周りに迷惑かけることも、自分の力で周りを傷つけることもなかったからな。そんな俺の言葉が届かないのも当然かもな。―――だけどな、それとギャスパーのことを諦めることは違うんだよ。あと近衛な」

 

「『ふん、貴様が何と言おうと事実は事実だ』」

 

「そうかも知れない。だが事実だからと言って諦める理由にはならない。なぁギャスパー」

 

「…………」

 

「弱い、未熟ってのは別に悪いことじゃないんだよ。世界で活躍してるトップアスリートとか、テレビでよく見る有名俳優とか、お前の大好きな近衛先輩とか、みんな最初弱くて、未熟だったんだ。だからこそ努力したんだよ。何度も挫けそうになって、何度も諦めそうになって、何度も逃げ出したくなって。それでも目標のために、夢のために、自分のために頑張ったんだ」

 

「……イッセー……先輩」

 

「恥じるな。自分を卑下するな。失敗を恐れるな。失敗した分だけ成功へ近づくんだよ。お前が諦めないかぎり俺はいくらでも付き合ってやる。だから死にたいなんて言うなよ、悲しいじゃねぇか」

 

 ギャスパーに自分の思いのたけをぶつける。誰だって初めから強いわけないんだ。スタートはみんな一緒、そこから頑張れるか頑張れないかなんだ。ギャスパー、お前は頑張れる奴だって俺は信じてる。

 

 それまで静かに聞いていた部長もギャスパーに自分の想いを伝えた。

 

「ギャスパー、私にいっぱい迷惑かけてちょうだい。私は何度も何度もあなたを叱ってあげる!慰めてあげる!―――決してあなたを放さないわ!」

 

「ぶ、部長……僕は……僕は!」

 

 ギャスパーは泣き出した。しかし、その涙は決して恐れからでも悲しみからでもない―――嬉しさからくるものだ。俺と部長の言葉が、想いがギャスパーに届いたんだ。無駄なことじゃなかったんだ。ははは!

 

 気分が高まった俺はギャスパーに大声で呼び掛けた。

 

「ギャスパー!お前は本当に幸せ者だな!部長みたいな美しい人にこれだけ思ってもらってよ!だけどな、これで終わりじゃないだろ?女の子に活いれてもらった後は、自分から立ち上がらないとな!!ブーステッド・ギア!」

 

『Boost!!』

 

「部長、プロモーションの許可を!」

 

 コクッ

 

 俺の言葉に頷く部長。それを確認して『女王』に昇格する。これで俺の力は底上げされた。そして最後に。

 

「アスカロン!」

 

『Blade!』

 

 新たな音声と共に神器の甲から伸びたのは、俺の新武器アスカロン。それで右の掌を斬った。

 

「イッセー……?あなたまさか……Mの気が……!」

 

「ちょ、部長!今大事なとこなんですから変なこと言わないでください!」

 

「ご、ごめんなさい」

 

 部長の意外な一言に若干削がれるも、気を取り直してギャスパーを見つめる。眼があった。その瞳には既に恐怖は浮かんでいない。俺は左腕をギャスパーに突きだす。俺の血が付いたアスカロンはギャスパーに向かって一直線に伸びた。そしてあいつの口に血が付く。

 

「その為ならいくらでも手伝ってやる。飲めよ、最強のドラゴンを宿しているとかいう俺の血だ。それで男を見せてみろッ!」

 

 俺の言葉にギャスパーは強い眼差しで頷いた。ギャスパーが舌で口元に付いた俺の血を舐めとる。ギャスパーが俺の血を口にした瞬間、あいつから感じられるオーラが一変した。そして眼が一瞬怪しく光る。

 

 カッ!

 

 するとどうだろう。今まで無限に現れ続けていた魔法使いたちが現れなくなった。ついでに近衛を乗っ取った奴も停止した。その瞬間奴の背中からギャスパーは消えていた。

 

「え!?ギャスパー!?」

 

『何ですか、先輩』

 

 声のする方を見ると、たくさんのコウモリが飛んでいた。どれも眼が赤く光っている。

 

「もしかしてギャスパーか?」

 

『はい!ギャスパーです!』

 

 随分と強気なギャスパーがいた。普段とは比べ物にならない。これも俺の血を飲んだからか?さすがはヴァンパイアだな。

 

「お前スゲーな。コウモリになれんのかよ」

 

「これがギャスパーが本来秘めている力の一部よ。あなたの血を飲んで開花したのね」

 

「はい!イッセー先輩のおかげです!」

 

 ギャスパーが元に戻りながら礼を行ってくる。が、俺はそれを否定する。

 

「いや、俺が与えたのはただのきっかけだよ。その力はギャスパー、お前が自分の力で手に入れたんだ」

 

「僕……自身の力で……」

 

「そうだ。お前自身の力だ。だから、これからもっと自信を持てよ」

 

「…………はい!」

 

 満面の笑顔でギャスパーは笑った。やっぱり笑顔は一番だよな。俺はこれを守るためにこれからも戦う。その為には……。

 

「『美しい友情だな。いや、これも愛の一つか』」

 

 こいつを倒して近衛を取り戻す。




どうでしたでしょうか?
オリ主くんが魔法使いたちは倒したし、このイッセーくんはエロオープン!じゃないので原作通り行けず苦労しました
気に入っていただけたなら幸いです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。