ウルトラマンオーブ × ラブライブ!サンシャイン!!   作:さすらいの風来坊

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この小説に関してネタバレになっちゃうのですが、『ファイブキング』という怪獣を登場させようと構想を練っていたのに、その怪獣の基盤となる怪獣がレイキュバスしか出てませんでした。
急ピッチで残る4体のファイヤーゴルザ,メルバ,コッヴ,ガンQを登場させねば...。

2期も折り返しに差しかかってきたので、登場怪獣もどんどん強くなっていきます。
ただ、その分助っ人もあったりするかも(笑)

今後ともお付き合いよろしくお願いします(*'ω'*)


【6ー2】Aqours WAVE/進めAqours!

淡島で3年生たちが話し合っていた同時刻。

千歌は自宅の軒下で函館にいる聖良と電話していた。

ちなみに、すぐ近くにいる梨子はしいたけにテレパシーを送っていた。

 

千歌「はい。出場グループの中では生徒数は1番少ない...。」

聖良「確かに不利ですね。圧倒的なパフォーマンスを見せて生徒数のハンデを逆転するしかない。」

千歌「ですよね...。でも、圧倒的って...。」

 

理亞「姉様、お風呂。」

 

聖良の部屋へ理亞がお風呂が空いたことを知らせに来た。

 

聖良「それはうまさだけではないと思います。むしろ、今の出演者の多くは先輩たちに引けを取らない歌とダンスのレベルにある。ですが、肩を並べたとは誰も思ってはいません。ラブライブが始まって、その人気を形作った先駆者たちの輝き。決して手の届かない光。」

千歌「手の届かない光...。」

 

ラブライブの決勝ステージに立った経験を持ち、さらには入賞を果たす実力があるからこその分析とアドバイスを送る聖良。

ただ、スクールアイドルの人気を形作った先駆者が居た時代と、AqoursやSaint Snowが活動する時代では規模が大きく変わっている。

今の時代、言うなれば『スクールアイドル戦国時代』だろう。

 

そして彼らも同じようなことを考えていた。

 

リク「Aqoursの皆、これからどうするのですかね...。」

ペガ「次の地区予選で負けたらもう...。」

ガイ「全員そう簡単に諦めるはずがない。ただ、これという決定打さえ見つかれば...。」

 

Aqoursを近くで見守ってきた彼らも、彼女たちをピンチから救う手立てが見つからないでいた。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

翌日の練習開始直後。

Aqoursの9人に、ガイ,ジャグラー,リク,ペガのフルメンバーが屋上に揃っている。

 

善子「Aqoursらしさ?」

千歌「うん...。昨日、聖良さんと話してみて思ったの。私達だけの道を歩くってどういう事だろう...。私たちの輝きってなんだろう...。それを見つける事が大切だって、ラブライブに出て分かったのに...。それが何なのか、まだ言葉になってない。まだ形になってない...。だから形にしたい...。形に...。」

 

本日の練習に本腰を入れる前に千歌がAqoursに関する考えを話していく。

だが、何をどうするかという土台の部分が安定していないため、メンバーもなんと答えたらいいかわからないでいた。

 

ダイヤ「このタイミングでこんな話が千歌さんから出るなんて、運命ですわ!」

 

静寂の中で声をあげたのはダイヤだった。

 

ペガ「運命?」

ガイ「何か考えがあるみたいだな。」

ダイヤ「もちろんですわ。果南さん、あれ話しますわね。」

果南「えっ...。でもあれは...。」

 

ダイヤからの提案に、果南は少し狼狽る。

 

JJ「松浦、話を共有するだけでもいいだろうよ。」

果南「ジャグラーさんがそう言うなら...。」

 

千歌「何? それ何の話?」

 

ジャグラーが諭すとようやく果南は折れ、千歌は話に食いつく。

 

ダイヤ「2年前、私たち3人がラブライブ決勝に進むために作ったフォーメーションがありますの。」

リク「2年前って言ったら、3年生が1年生のとき...。」

 

曜「フォーメーション?」

ルビィ「フォーリンエンジェルズ?」

花丸「ずら?」

善子「ら、ら...ら?」

梨子「しりとりじゃないから。」

 

千歌「そんなのがあったんだ! すごい! 教えて!」

 

途中でしりとりはさておき、千歌はそのフォーメーションがどんなものなのかを知りたがる。

 

果南「でも...それをやろうとして鞠莉は足を痛めた。それに、皆の負担も大きいの。今、そこまでしてやる意味があるの?」

 

しかし、果南の表情は険しい。

これまでの振り付けとは比べ物にならないくらいリスクが高いことが伝わってくる。

だが...

 

千歌「なんで? 果南ちゃん、今そこまでしなくていつするの? 最初に約束したよね? 精一杯足掻こうよ! ラブライブはすぐそこなんだよ! 今こそ足掻いて、やれることは全部やりたいんだよ!」

 

千歌は違った。

わずかな希望があればそれを掴みたいという気持ちが強いのだろう。

それに、今やらないと後悔してしまう可能性がある。

 

果南「でも! これはセンターを務める人の負担が大きいの! あの時は、私だったけど...千歌にそれが出来るの!?」

 

9人の中で突出して体力や身体能力が高い果南が危ないと言うからには、残るメンバーに負担をかけたくないのはもちろん、怪我もしてほしくないのが本音だろう。

ましてや幼い頃から妹のように可愛がってきた千歌なら、その想いはなおさらだ。

 

千歌「大丈夫。やるよ、私!」

果南「千歌...。」

 

突き放そうとしたが、それでも食らいつく千歌。

果南はその気迫に何も言えなかった。

 

ダイヤ「決まりですわね。あのノートは渡しましょう。果南さん。」

鞠莉「今のAqoursをBreak Throughするためには、必ず超えなくちゃならないWallがありまーす!」

ダイヤ「今がその時かもしれませんわね。」

果南「言っとくけど、危ないと判断したら...私はラブライブを棄権してでも千歌を止めるからね。」

 

ダイヤと鞠莉の言葉で果南はようやくノートを渡し、千歌はそれを受け取った。

渡す際には千歌の身の安全を最優先とする忠告を添えた。

 

JJ「どこまで頑固なんだか。」

ガイ「何か知ってるような口ぶりだな。」

JJ「志の途中で諦められたら後味が悪いからな。光を追い求めて光になりきれなかったやつが生まれてくるのは、俺が最後でいい。」

 

そう言い終えたジャグラーは屋上から立ち去る。

 

ペガ「あんな風に言ってるけど、ジャグラーさん優しいね。」

リク「Aqoursのことが好きだって見え見えですね。」

ガイ「まったく...アイツらしいぜ。」

 

ジャグラーが闇に紛れ立ち去った空間を見ながら各々呟いた。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

その夜。

 

ドシーン‼︎

 

千歌「いてて...。」

 

ノートに書かれたことを自室で練習する千歌だったが、失敗するたびに音が響き渡る。

 

美渡「千歌〜、うるさいよ。」

 

千歌「思ったより難しいなぁ。」

 

ヘッドホンで音楽を聞きながら読書していた美渡が注意するが聞こえていないようだ。

 

美渡「千歌〜!」

 

再度呼びかけてみるが返事はない代わりに...

 

ドタドタドタドタ...

 

千歌「どわぁぁぁぁぁ!!」

美渡「うわぁ!」

 

襖を突き抜けて千歌が美渡の部屋にぶっ飛んできた。

しかも千歌のお尻が美渡の顔面にクリーンヒット。

 

美渡「ちぃぃぃかぁぁぁ!!」

千歌「ごめ〜ん! 美渡ねぇごめん! ごめんって!」

 

これには美渡も激怒。

千歌を追いかけ回す。

 

美渡「おんどりゃ〜!」

千歌「うわぁぁぁ!」

 

ガイ「おっと。」

リク「なんだったんですかね?」

 

ちょっとした小物を千歌目がけて投げつけたりもした。

ちなみに、風呂上りのガイとリクの目の前を走っていったが、千歌はあまりの慌てっぷりに気づかなかった。

 

美渡「どーすんのよ襖!」

志満「お客様の迷惑よ〜、美渡〜。」

美渡「は〜い...。」

 

大声をあげる美渡に対し、志満は静かな笑顔で注意をする。

 

ガイ「お風呂いただきました。何かありましたか?」

 

千歌は一瞬だったが、高海家の3姉妹が揃っていたので声をかけるガイ。

 

美渡「ガイさん聞いてください! 千歌のやつ私の部屋の襖を壊したんですよ!」

 

ちょっと怒りながらさっきの出来事を話す美渡。

 

ガイ「それでしたら俺が直しますよ。」

美渡「さすがガイさん! 頼りになるわ〜。」

志満「こら美渡。ごめんなさいねガイさん。妹たちが面倒かけてしまって...。」

ガイ「いえ、いつもお世話になっていますからそのお返しですよ。」

 

十千万旅館に居候する身であるガイは些細なことでも高海一家を助けている。

ここだけの話、旅館を手伝い始めてから売上が右上がりだとか。

 

ガイ「リク、千歌の様子を見てきてくれ。美渡さんの部屋の襖直したら俺も行く。」

リク「わかりました。」

志満「千歌ちゃんのことよろしくね。」

リク「お任せください!」

 

そして、ガイと美渡は部屋に、リクは外へ向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

千歌「よっ...とととと...わあぁ!?」

 

十千万前の砂浜にやってきた千歌は、部屋で練習していたことを繰り返しているが、さきほどから転んでばかりいた。

 

鞠莉「心配?」

果南「やっぱり、こうなっちゃうんだなって...。」

鞠莉「あれ...やりたかったね。私たちで...。」

果南「それなら、なんで千歌たちにやらせるの? まるで押し付けるみたいに...。」

鞠莉「千歌っちならできるって信じてるから。今のAqoursなら、必ず成功する。果南だって信じてるでしょ?」

 

少し離れた物陰から千歌を見守っている鞠莉と果南。

2人ともいつもなら淡島の自宅にいるのだが、今日は千歌の様子を見ていた。

千歌を見守るのは2人の他にもいた。

 

ペガ「頑張ってるね千歌ちゃん。」

リク「うん。」

 

砂浜近くの階段に腰掛けているリクとペガだ。

 

リク「でも、怪我をしないか心配だよね。」

ペガ「リク...。」

リク「一応僕はマネージャーみたいな立場だからさ。無茶しないように見ておくのも僕の役目だよ。」

 

救急箱を常備しながら2人は千歌の練習を見守っていた。

 

ガイ「千歌の様子はどうだ?」

 

ここで美渡の部屋の襖を直していたガイが合流した。

 

リク「ずっと転んでって感じですね...。」

ガイ「あれは振り付けってどころか、技だな。果南の言うように簡単にできるもんじゃない。」

ペガ「あぁっ!」

 

何度も何度も練習するが、転んでばかりの千歌。

所々に擦り傷があったりもする。

 

ガイ「体を壊さなければいいが...。」

 

この時すでに地区予選大会まで1ヶ月を切っていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

千歌「行きまぁ〜〜〜す!」

 

いつき「千歌ぁ〜! 頑張って〜!」

 

Aqoursとガイとリクは浦女の体育館にいた。

体育館には他の部活の生徒が何人もいたが、みんな千歌の練習を応援していた。

その声援を受け、体育館のステージで千歌は目の前に敷かれたマット目掛けて走り出し、床を蹴り...

 

千歌「うあぁぁぁ!」

 

バランスを崩して失敗。

 

いつき「大丈夫?」

ガイ「派手に転んだな...。起きれるか?」

 

クラスメイトからも心配の声が聞こえる。

見かねたガイは転んだ千歌を立たせるため補助に入る。

 

千歌「だ、だいじょうぶ...。大丈夫...。もう1回!」

 

立ち上がったちは再び練習しようと意気込むが...

 

梨子「少し休もう? 5日もこんな調子じゃ、身体壊しちゃうよ?」

千歌「ううん。まだ大丈夫。もうちょっとで、掴めそうで。」

曜「地区大会まであと、2週間なんだよ? ここで無理して怪我したら...。」

千歌「うん。分かってる...。でも、やってみたいんだ。」

 

梨子と曜が少し休もうと提案するが、千歌はそれを受け入れなかった。

千歌をこうまでさせる要因は何なのか。

そして、果南は険しい表情でその様子を見ている。

 

千歌「私ね...1番最初にここで歌った時に思ったの。皆がいなければ何も出来なかったって。ラブライブ地区大会の時も、この前の予備予選の時も、皆が一緒だったから頑張れた。学校の皆にも、町の人にも助けてもらって、だから...1つくらい恩返ししたい。怪我しないように注意するから、もう少しやらせて!」

 

ここで胸の内にあった想いをさらけ出した千歌。

だがそれは自分がいかにもサブキャラと言っているようなものだったが、誰もおかしな点を指摘しなかった。

ただ1人を除いて。

 

ガイ「ジャグラーの言うこと、今なら理解できそうだ。」

 

独り言のように呟き終えた瞬間...

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...

 

 

 

ルビィ「ピギッ!」

善子「地震!?」

 

突然の揺れに生徒全員がうろたえる。

 

ガイ「外へ避難だ!」

 

ステージから颯爽と飛び降りて体育館内の生徒を誘導するガイ。

そして...

 

リク「僕たちも外へ行きましょう!」

 

Aqoursのメンバーを誘導するリク。

グラウンドに着くと揺れは収まり、校舎内にいた生徒や先生が集まっていた。

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...

 

 

 

すると再び大地が揺れ、山が崩れる。

そこから出現したのは、2足歩行の怪獣で胴体と尻尾が藍色をしている。

特徴的なのは、頭部や顔の外側や喉元を覆う鎧の様な皮膚。

そして胸部と背中と両足に赤色の筋が浮き出ている。

 

「グオォォォォォ!!」

 

ガイ「あれは...『超古代怪獣ゴルザ』。大地を揺るがす怪獣。しかも通常の個体じゃなく、マグマの力で強化されてる...。」

花丸「超古代...。もしかして地球にずっといた怪獣ずら?」

ガイ「勘がいいな花丸は。その通りだ。まぁ、あれは『ファイヤーゴルザ』と表現したほうがわかりやすいかな。」

 

やはり花丸はお寺の娘で文学に精通しているため、少しはこういうことに詳しい。

 

梨子「でもマグマの力って言うのは...。」

ダイヤ「富士山ですわ。富士山は火山ですから、そこのマグマを吸収していたと考えられます。」

 

ダイヤの推測は合っている。

富士山のマグマを吸収し、肉体とパワーを強化したゴルザなのだ。

 

ガイ「待てよ...。この地球にゴルザがいるってことは、まさかヤツも...。」

リク「ヤツって...ゴルザ以外の怪獣が現れるってことですか?」

 

そう話していると、上空からは全身が赤く、長い首に鋭い嘴、両腕は鎌にも見える鋏を持つ怪獣が飛来し上陸した。

 

「クワァァァァァァ!!」

 

曜「別の怪獣も来た...。」

ガイ「『超古代竜メルバ』。空を切り裂く怪獣。ゴルザと共に現れ、ティガさんと戦った怪獣だ。」

 

ファイヤーゴルザは額から『超高熱熱線』、メルバは両目から『メルバニックレイ』という怪光線を発射し、攻撃していく。

 

リク「ガイさん!」

ガイ「あぁ。やるしかないな。」

 

2人は変身するために隙を見てこの場を離れた。

 

 

 

 

 

続く。




前書きで言いましたファイヤーゴルザとメルバに早速登場してもらいましたww
ゴルザとメルバはやっぱりセットで来てもらわないとね〜(^^)

8月からはもう少しテンポ良く更新できると思うので、2期13話に近づけられよう頑張ります。

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