ウルトラマンオーブ × ラブライブ!サンシャイン!!   作:さすらいの風来坊

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Aqours2年生メンバーの6周年記念衣装、推しの曜ちゃんBox勧誘ですが、貯めに貯めた手持ちのラブカストーンでは出せず、6000円の課金でようやくゲットしました。
ちなみに、Boxは100枚入りで、勧誘で92枚引きました。

これまで、推しである曜ちゃんのスクールユニティ,WBNW,2019年誕生日限定衣装、ことりちゃんのスクールユニティ,僕たちはひとつの光,スクフェスAC版URの限定勧誘を連続無課金で出してきたのに、その記録が途絶えました...。


【1-5】ネクストステップ/ジーッとしてても、ドーにもならない

もし...あの時。

ラブライブの予選に勝って、本大会に出場出来ていたら、未来は変わっていたのかな...。

未来は......違ってたのかな...。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

その翌日。

始業式以来の全校集会を開いて、理事長の鞠莉,生徒会長のダイヤから学校説明会の中止について話がされた。

どの生徒も、話を聞いたあとは表情を曇らせた。

 

 

 

夕日が内浦の海に沈みそうな頃、家の前の砂浜に千歌が制服姿のまま座っていた。

 

梨子「綺麗な夕日...。」

 

千歌の背後から梨子やって来て、ぽつんと呟く。

だが、千歌は何も反応しないで、黙ったまま夕日に視線を向けていた。

 

梨子「私ね...こうなったのはもちろん残念だけど、ここまで頑張って来れて良かったと思ってる。」

 

千歌に語るように話し続ける。

 

梨子「東京とは違って、こんな小さな海辺の町の私達が、ここまでよくやって来れたなって。」

千歌「それ...本気で言ってる? それ、本気で言ってるんだったら私...梨子ちゃんの事...軽蔑する。」

 

冷静というよりかはさらに冷たく、刺のある言葉を梨子に向けた。

言い終えると、下を向く。

 

梨子「がおぉー!」

 

そんな千歌をよそに、梨子はずいっと顔を寄せた。

 

梨子「ふふ♪ ピー! どかーん! 普通怪獣りこっぴーだぞー! 喰らえ! 梨子ちゃんビーム!」

 

ウルトラマンのスペシウム光線を連想させるようなポーズを取った。

 

梨子「こんなんだっけ? 普通怪獣ちかちー。」

千歌「ふふ...。」

 

梨子の突然の行動に、千歌の表情が少しだけ柔らかくなった。

 

梨子「やっと笑った...。」

千歌「...っ。」

梨子「私だってAqoursのメンバーよ。」

 

優しい表情を千歌に向けた梨子は海を眺める。

同時に、ワインレッドの長い髪が風に揺れた。

 

梨子「皆とこれから一緒に歌っていこうって...。曲もいっぱい作ろうって思ってた...。良いなんて思う訳ない。これでいいなんて...。」

千歌「梨子ちゃん...。」

 

普通怪獣りこっぴーの時とはまるで違う、弱々しい笑みを見せた。

 

梨子「どうすればいいか分からないの...。どうすれば...。」

 

梨子も現実を受け止められていなかった。 

東京から引っ越して約半年。それでも、梨子にとって浦の星は大切なものを教えてくれた場所。

学校を救いたいという気持ちは千歌にも負けない。

 

 

ガイ「ここに居たか。」

 

声をかけた人物はガイ。

 

千歌「ガイさん...。ジャグラーさん...。」

梨子「リクさんにペガちゃんも...。」

 

ガイの後ろには、ジャグラー,リク,ペガも居た。

 

ガイ「Aqoursの全員に、聞いてもらいたい話があってな。千歌、全員と電話を繋いでくれるか?」

千歌「は...はい。」

 

言われた通りにAqoursのグループ通話を起動した。

すぐに全員と繋がった。

 

ガイ「みんな聞こえてるな? これからみんなに話がある。まぁ、話すのは俺でもジャグラーでも無いけどな。」

梨子「それなら誰が...?」

リク「僕だよ。」

曜『リクさんのお話?』

 

Aqoursに話をするのはリクだった。

 

リク「ジャグラーさんから聞いてると思うけど、僕の父さんは最凶最悪のウルトラマンべリアル。僕はウルトラマンになりたくてなったわけじゃないんだ。わかりやすく言えば、造られた存在。それに、赤ん坊の時に捨てられていたんだ。」

果南『造られた...?』

ダイヤ『人造人間に近い意味ですわ。』

花丸『それに捨てられたって...。』

 

リクの出生に言葉を詰まらせるAqours。

ダイヤだけはリクの言葉を汲み取り、わかりやすく言い換えた。

 

リク「ダイヤさんの言う通りだよ。だけど僕は、自分がウルトラマンだと言われるまでその事を知らなかった。それまでは一般人よりかけ離れた力はあったけど普通に生活してたから。」

梨子「自分がウルトラマンだってこと、いつ知ったんですか?」

 

リク「僕が居た世界で怪獣が出た時に、レムっていう人工頭脳に言われたのが最初かな。その時は、Bの因子だとか、元の姿に戻れるとか、何を言ってるかわからなかった。けど、怪獣と戦った映像を見たら、自分がウルトラマンなんだって実感が湧いたんだ。」

鞠莉『待って...。』

善子『鞠莉?』

 

ここで鞠莉がリクの話に待ったをかける。

 

鞠莉『今の話、リクっちは戦いの経験がゼロじゃない...。』

リク「そう。何もかもが初めてだった。それに、僕がべリアルの息子だから、僕を非難する声もたくさんあったよ。『べリアルの息子』っていう運命にすごく悩んだんだ。」

千歌「そんな過去があったんですね...。」

 

リクは自分の苦悩した体験を話す。

ガイ,ジャグラー,ペガはあえて口出しをしない。

なぜなら、今のAqoursは道を見失っている。

学校説明会は中止、来年度の募集停止、このままでは本当に浦の星女学院が廃校という運命を辿ってしまう。

その運命に抗ってほしいために、ガイはAqoursに諦めない気持ちを持ってもらおうと、運命に抗ったリクにその想いを託したのだ。

 

リク「だけどね、僕は僕の運命に抗っていこうと決意ができた出会いがあったんだ。」

ルビィ『運命に抗うですか...?』

リク「それは、僕に『朝倉リク』って名前を付けてくれて、育ててくれた『朝倉錘さん』って人と出会ったこと。リクって名前の意味は、『この大地にしっかり足をつけて立ち、どんな困難な状態にあっても再び立ち上がる』という願いが込められていることを教えてくれた。」

千歌「(どんな困難な状態にあっても再び立ち上がる...。)」

 

千歌はその言葉に何かを感じた。

 

リク「錘さんと出会い、ペガやゼロ,たくさんの仲間が僕を支えてくれた。だから、僕はべリアルの息子という運命に抗うことができたんだ。」

千歌「運命に抗う...。」

リク「僕の話は終わり。ガイさん、これで良かったんですか?」

 

リクの話は終了。

終わっていいかをガイに問う。

 

ガイ「あぁ、上出来だ。」

JJ「マジで立派になりやがったな...。」

ペガ「かっこよかったよリク。」

 

ガイの思惑の第1段階はクリア。

ジャグラーはしばらく見ないうちに成長したリクの姿に唖然としていた。

 

ガイ「俺が伝えたいことは今のリクの話にある。一晩考えて、それがわかったら明日俺の所に来い。」

 

いかにも先生らしい台詞を言う。

その後は通話を終了し、梨子は帰宅。

千歌,ガイ,ジャグラー,リクも旅館へ帰った。

ただし、千歌だけは難しい顔をしながら部屋に戻っていった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

その夜。

千歌は自分の部屋で制服のままベッドに横たわっていた

 

美渡「千歌~! ご飯いらないのー?」

 

美渡が呼ぶも、千歌は返事をしなかった。

ベッドの上で何を考えているのか。

 

【学校説明会は...中止になるの...。】

 

理事長として、自分たち以上に学校を守ろうと尽力してきた鞠莉の悲しい表情。

 

 

【どうすればいいか...。】

 

スクールアイドルになり、ピアノが弾けなかった過去を乗り越えられた梨子の震えた声。

 

千歌「...。」

 

そして、部屋に飾られた千羽鶴に目を向ける。

浦女の全校生徒がAqoursを応援するために折ったものだ。

あの時、予選を突破できていたら、どんな未来が待っていたのか...。

浦女を守れたのか...。

今日のようなことは起きなかったのか...。

 

千歌「...。」

 

後悔の念が押し寄せてきた。

しかし...

 

【リクって名前の意味は、『この大地にしっかり足をつけて立ち、どんな困難な状態にあっても再び立ち上がる』という願いが込められていることを教えてくれた。】

 

 

【俺が伝えたいことは今のリクの話にある。一晩考えて、それがわかったら明日俺の所に来い。】

 

同時に、べリアルの息子という運命に抗い、皆のヒーローになったウルトラマンジード=朝倉リクの言葉と、今までずっとAqoursを支えてきたガイの言葉がよぎった。

すると、どこからともなく紙飛行機が1つ飛んだ。

 

 

 

その紙飛行機が何を示し、何を届けたでもない。

だが、何かを感じた千歌はベッドから飛び起きて家を出る。

 

千歌「おはよう! 行ってくる!」

美渡「千歌!?」

しいたけ「ワン!」

 

庭でしいたけの朝の手入れをしていた美渡に挨拶した千歌は走る。

何を思ったのか、しいたけも千歌の後を追うように走る。

学校までの道を全力でひたすら走る。

途中、溢れそうになる涙を必死に堪えた。

走りに走って、学校のグラウンドに駆け込み...

 

千歌「がおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

これでもかという大声で吼えた。

 

千歌「起こしてみせる! 奇跡を絶対に! それまで、泣かない! 泣くもんか...!」

 

千歌は1つの覚悟を決めた。

そしたら...

 

曜「やっぱり来た。」

千歌「曜ちゃん...。どうして...?」

 

後ろから声が聞こえて振り返ると、幼馴染の曜が立っていた。

 

曜「分かんない。でも、ほら!」

 

さらに、グラウンドの向こうには残るメンバーが居た。

 

千歌「みんな...。」

梨子「気づいたら来てた。」

 

もちろんそこには...

 

千歌「鞠莉ちゃん...。」

 

鞠莉も居る。

 

花丸「以心伝心ずら!」

ルビィ「うん!」

善子「ふふ...。聞こえたぞ、闇の囁きが。」

曜「なんかよく分かんないけどね!」

果南「そう? 私は分かるよ。きっと...。」

千歌「きっと諦めたくないんだよ。鞠莉ちゃんが頑張ってたのは分かる。でも、私も皆もまだ何もしてない。」

梨子「そうね。」

 

千歌「無駄かもしれない。けど最後まで頑張りたい! 足掻きたい! ほんの少し見えた輝きを探したい。見つけたい!」

果南「諦めが悪いからね、昔から千歌は。」

ダイヤ「それは果南さんも同じですわ。」

ルビィ「お姉ちゃんも!」

ダイヤ「えっ?」

ルビィ「そういう所が可愛いんだよぉ。」

 

何でAqoursがここに集まることができたのかなんて理由はいらない。

突然暗闇が襲いかかるその時、揺るがぬ強い意志が勝利への鍵になる。

諦めず、前を見て、限界を超える。

そして、後悔を残さないために。

 

千歌「みんなはどう?」

 

その問いに全員の意志が強くたくましいものに変化した。

 

鞠莉「ちかっち...。みんな...。」

果南「いいんじゃない? 足掻くだけ足掻きまくろうよ!」

ダイヤ「そうね。やるからには...奇跡を!」

 

ルビィ「奇跡を!」

善子「奇跡を!」

花丸「奇跡を!」

果南「奇跡を!」

梨子「奇跡を!」

鞠莉「奇跡を!」

曜「奇跡を!」

 

全員で同じ言葉を口にした。

奇跡を起こすこと。

それがAqoursの進む道になる。

 

その門出を祝福するかのように、太陽が昇り、彼女たちを、内浦の町を照らしていく。

それと同時に、近くにあった鉄棒を掴み逆上がりをする千歌。

 

曜&梨子「「千歌ちゃん!?」」

 

スカートで逆上がりをするというとても大胆な行動に、曜と梨子は両手で目を覆うが、隙間から覗いている。

 

千歌「起こそう奇跡を! 足掻こう精一杯! 全身全霊最後の最後まで! みんなで...輝こーーーーー!!」

 

その決意に、また紙飛行機が飛んでいった。

 

 

 

ガイ「それが答えなんだな?」

 

背後から9人に声をかける。

 

「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」

 

9人とも意志が据わってる目をしていた。

その目を見たガイは...

 

ガイ「俺が伝えたいことは伝わったみたいだし、俺からは何も言うことは無い。」

 

JJ「とか言いつつ、最初から用意してなかったんじゃねぇのか?」

リク「ジャグラーさん、そんなこと言ったらまたご飯抜きになっちゃいますよ。」

ペガ「2人は仲が良いのか悪いのか...。」

 

ジャグラー,リク,ペガも集結した。

彼らもAqoursの答えを聞いていた。

 

千歌「りっくん、昨日はありがとう! おかげで私たちに道が拓けたよ!」

リク「お礼を言われるようなことはしてないよ。ただ、え~っと...『Aqours』だっけ??」

千歌「うん。Aqoursだよ!」

リク「Aqoursの皆に希望が芽生えたなら、僕はそれで十分だよ。」

 

満点の笑みで、千歌はリクに感謝を伝えた。

 

ペガ「リク、Aqoursの皆におまじないの言葉を教えたらどうかな?」

ルビィ「おまじないの...?」

花丸「言葉ずら?」

善子「気になるわね。」

 

ペガがとある提案を出した。

それに1年生が反応する。

 

リク「あれを?」

ガイ「良いんじゃないか。」

JJ「同意。」

 

ダイヤ「ぜひ教えていただきたいですわ♪」

果南「私も教えてほしいな♪」

鞠莉「リクっち、私からもお願いするわ♪」

千歌「教えて教えて!」

梨子「教えてください♪」

曜「私も!」

 

ペガ「だってさリク。」

 

まさかまさかAqours全員が所望してきた。

 

リク「え~っと...僕がいつも口癖で言ってるだけなんだけど...。『ジーッとしてても、ドーにもならない』って言葉なんだ。略して『ジード』なんだけどね。」

花丸「カッコいいずら!」

ルビィ「頑張ルビィできそう♪」

善子「クックックッ...。私たちにピッタリね。流石はリトルデーモン。」

 

あの言葉をAqoursに伝授した。

気に入ってもらえたようだ。

 

千歌「よぉ~し! ジーッとしてても、ドーにもならない!! Aqours!!」

 

「「「「「「「「「サ~~~ンシャイ~~~ン!!!」」」」」」」」」

 

Aqoursの覚悟は決まった。

 

 

 

 

 

続く。




ちょっとずつ細かい修正をしていたため数日空きました。

いよいよ1週間後が5thライブになりましたね!
自分は両日参加しますので、よろしくお願いします。
ちなみに両日天気があまり良くないらしいとのことで、寒いと踏み、ガイさんジャケット持っていきます。
エンカの目印にぜひどうぞ(笑)

次回から2話『雨の音』に入りまーす。

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