ウルトラマンオーブ × ラブライブ!サンシャイン!! 作:さすらいの風来坊
聞けば聞くほど、りきゃこに惹かれていきます。
ぜひ1度は聞いていただきたいです!
善子「で、電気は?」
花丸「無いずら。」
鞠莉「Really!?」
中に上がったが電気は通っておらず、灯りはロウソクのみ。
それも、ぼや~っとした明るさだ。
果南「どどどどうする? 私は平気だけど...。」
と言いつつ、声は震えている。
ガターン!!
果南「はぐぅ!」
おそらく雷だろう。
その音にビビった果南は柱とハグする。
鞠莉「とりあえずやる事もないし、曲作り?」
とりあえず鞠莉が指揮を取る。
ルビィ「でも、また喧嘩になっちゃったりしない...?」
果南「き、曲が必要なのは確かなんだし、とにかくやれるだけやってみようよ!」
ダイヤ「そうですわね。」
ダイヤを筆頭に他のメンバーも賛同する。
だが...
ギィィィ!!
果南「はぐぅ!」
直後に床が音を鳴らし、ビビる果南はダイヤに抱き付いた。
鞠莉「意外とパーッと出来るかも!」
花丸「だといいずらね。」
ダイヤ「歌詞は進んでるんですの?」
作詞するにしても、ダイヤの言う通り歌詞をある程度考えないと先に進まない。
なお、果南はまだダイヤに抱き付いている。
花丸「善子ちゃんがちょっと書いてるの、この前見たずら。」
善子「何勝手に見てんのよ!」
このメンバーの中で以外な人物の名前が挙がった。
果南「へ~、やるじゃん!」
ルビィ「すご~い!」
鞠莉「Great!」
3人から褒められる。
善子「ふっふっ。いいだろう。だがお前たちに見つけられるかな? このヨハネ様のアークを...。」
花丸「あったずら!」
善子「こらぁー!」
褒められると調子に乗るが、ちゃんとオチもある。
天狗になる途中で花丸に歌詞ノートを見つけられてしまう。
ノートにはどんな歌詞が書かれているかというと...
ルビィ「これはぁ...。」
果南「う、うらはなれせいきし...?」
善子「りゅうせいきしだん !」
善子曰く、『裏離聖騎士団』と書いて『りゅうせいきしだん』と読むそうだ。
ダイヤ「この黒く塗りつぶされているところは何ですの?」
善子「ブラックブランク!」
ダイヤ「読めませんわ...。」
何で読めないものを書くのだ。
善子「ふん! お前にはそう見えているのだろうな! お前には!」
花丸「誰にでも読めなきゃ意味ないずら。」
ルビィ「それで作曲のほうは...?」
鞠莉「進んでるよ♪ ちかっちたちも元気な曲が良いに決まってま~す!」
ルビィ「えぇ...。」
花丸「まるは苦手ずら...。」
そんなやり取りをしている中...
ミシッ
果南「うっ...。」
床が軋る音に反応した果南が、顔をひきつらせ、ビビりながらも音がした方向に振り向く。
果南「ん?」
「キィ~♪」
果南「あなたは?」
そこに居た小さい生き物を抱える。
果南「ねぇ、みんな。」
抱いたままメンバーに話しかけると...
ルビィ「リムちゃんだ!」
ダイヤ「なぜここに?」
花丸「可愛いずら~!」
鞠莉「So cute!」
善子「か、可愛すぎる...!」
この6人でリムに面識があるのは黒澤姉妹の2人だけ。
残る4人は初対面。
しかし、リムの可愛い見た目にメロメロになっている。
「リムどこだ~?」
すると、奥からリムを探す聞き慣れた声が近づいてきた。
ルビィ「リムちゃんはここに居ます!」
ガイ「あ、やっと見つけた。急に俺の頭から離れて走っていったから、探すのに苦労したよ...。」
戦いを終えて、リムを探していたガイと合流する。
ガイの姿を見ると、果南の元からジャンプしてガイの右肩に着地した。
果南「ガイさん、その子は一体...?」
ガイ「こいつは『リムエレキング』っていう怪獣で、名前は『リム』だ。けど、人懐っこい性格で、ルビィとダイヤ、それに梨子は1度リムと遊んだことあるんだ。果南,鞠莉,花丸,善子とは初対面だったな。リム、皆に挨拶だ。」
リム「キィ~♪」(手をふりふり)
ズキューン!!
おそらく、6人のハートはリムの可愛さに射ぬかれたであろう。
ガイ「ところで、今何をしてたんだ?」
ダイヤ「善子さんのノートを見ながら作詞をしようとしていました。」
善子「ヨハネよ!」
ガイ「そうだったのか。俺も手伝うぞ。」
ダイヤ「ありがとうございます。こちらがそのページに...。」
さっき見ていたページを開けたが、ダイヤの動きが止まった。
ダイヤ「あら? このブラックブランク、動きますわ。」
首を傾げて問う。
横からルビィがダイヤの言うブラックブランクに目を向けた。
ルビィ「っ!? お姉ちゃん! それ、虫!」
ダイヤ&ルビィ「「ピギャァァァァァァァァァァ!!」」
黒澤姉妹はお互いを抱きしめながらお揃いの悲鳴をあげた。
同時に、部屋の中で灯していたロウソクの火も消えた。
花丸「ずら?」
ガイ「あらま。」
要するに1面真っ暗だ。
「「「「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」」
今度は姉妹に加え、果南,鞠莉,善子も悲鳴をあげた。
ーーーーーーーーーー
善子「私たち、どうなっちゃうの...?」
真っ暗になったが、リムが自ら電気を発生させ、その明かりを頼りに再びロウソクに火を灯すことができた。
すっかり脱力しきった善子が静かに言葉をこぼす。
他の5人も元気が無い。
花丸「全然噛み合わないずら...。」
果南「このまんまだと、曲なんてできっこないね...。」
ダイヤ「そうですわね...。」
鞠莉「So bad...。」
ルビィ「そんなに違うのかな...ルビィたち...。」
そのため、ネガティブな考えを口にしてしまう。
ガイ「なにそんなしょげてんだ?」
善子「え?」
落ち込む6人に言葉をかけるガイ。
ガイ「バラバラってことは、言い換えれば個性が成り立ってる証拠だ。それに、『十人十色』って言葉が地球にはあるだろ。みんな違ってみんな良い。無理に合わせる必要は無い。ジャグラーも言ってたぜ。お前らはバラバラでこそ真の力を発揮するってな。」
果南「それぞれの個性...。」
鞠莉「確かに、Aqoursは9人居るんだもん。個性がなきゃこんな人数にはならないわ...。」
花丸「みんな違ってみんな良い。まさにその通りずら♪」
善子「クックッ。今度こそ堕天使ヨハネの力を大いに解放できそうね。」
ルビィ「お姉ちゃん!」
ダイヤ「ルビィ!」
ガイの一喝で前向きになった6人だったが...
ダイヤ「ピギャァ!」
ルビィ「ピギィィ!」
背中合わせに座っていた2人の首筋に水滴が落ち、短い悲鳴がシンクロした。
花丸「雨漏りずら。」
善子「どうするの?」
天井を見上げると、姉妹が座っていた場所から水滴が染み出して落ちている。
果南「こっちにお皿あった。」
仏壇の近くの置いてあった皿を見つけた果南。
それを手に取り、雨漏りする場所に設置する。
鞠莉「今度はこっち! ええっと...。」
他の場所からも雨漏りを確認した。
ダイヤ「鞠莉さん。こちらにお茶碗がありましたわ。」
善子「こっちもお皿ちょうだい!」
果南「OK!」
花丸「こっちも欲しいずら。」
ルビィ「お姉ちゃん。桶、桶。」
さっきまで落ち込んでいたのが嘘のように、6人はテキパキと動き、雨漏りに対処していた。
全ての場所に茶碗やお皿,桶など置いた6人は、水滴が皿や茶碗などに落ちる音に耳を傾けていた。
水滴の落ち方は不規則だが、音の鳴り方は小さいながらもリズミカルだった。
それはやがて、1つの曲を演奏するかのように...。
ダイヤ「テンポも音色も大きさも。」
ルビィ「1つ1つ、全部違ってバラバラだけど。」
善子「1つ1つが重なって。」
鞠莉「1つ1つが調和して。」
果南「1つの曲になっていく。」
花丸「まる達もずら!」
6人は言葉を紡ぎ、そして自然と肩を組み笑いあった。
鞠莉「よーし! 今夜はここで合宿ずら~~!」
「「「「「えぇ~!」」」」」
バラバラなりにも1つとなり、今度こそ歌詞を完成させるべく、鞠莉の一言で合宿することになった。
他の5人は戸惑うも、どこか楽しそうな顔をしていた。
ガイ「ん? もしかして俺とリムもか?」
鞠莉「私たちの顧問なんだから、ガイさんも合宿よ!」
ガイ「お、おう...。」
ルビィ「久しぶりにリムちゃんと一緒だね♪」
リム「キィ~♪」
花丸「今日からよろしくずら、リムちゃん!」
リム「キィ~♪」ピョンピョン
というわけで、7人と1匹のお寺合宿がスタートしたのだった。
ーーーーーーーーーー
翌朝、旅館の屋根に上って朝日を眺めていた千歌が居た。
梨子「千歌ちゃん。」
曜「そんなとこで何してるの?」
梨子と曜が廊下の窓から顔を出して千歌に話しかける。
こんな朝に2年生が揃ってるということは、こちらも泊まりで作詞をしていたようだ。
千歌「輝いてる。」
梨子「えっ?」
千歌「なんか、見えたんだ。今、何をやりたいか...何を思っているのか。私が私に問いかけていた答えが。」
曜「千歌ちゃん...!」
どうやらこちらは作詞ができている様子だ。
リク「ふわぁ...。おはようございます...。」
ペガ「シャキッとしてよリク~。」
欠伸をして、ペガに背中を押されながら梨子と曜が居る窓辺にやってきたリク。
すると...
果南「千歌ぁ~~!」
千歌「ん? あ、みんな!」
旅館の玄関には1年生,3年生,ガイが揃っている。
ちなみに、リムはルビィに抱っこされている。
曜「曲は出来た~?」
ダイヤ「バッチリですわ!」
その問いにダイヤが自信満々に答え、他の5人は笑みを浮かべ...
「「「「「じゃーん!」」」」」
果南が1冊の歌詞ノートを掲げる。
それを見て千歌,梨子,曜にも笑みが浮かぶ。
千歌「本当!?」
梨子「さあ! じゃあ練習しなくちゃね!」
曜「2曲分あるんだから、頑張らないと!」
千歌「うん! 学校とラブライブに向けて!」
Aqoursにやる気がみなぎる。
リク「無事にできたみたいだね。」
ペガ「これで両方とも成功しそう!」
部屋の方ではリクとペガが安心した様子でAqoursを見守り...
JJ「ようやく完成したのか。」
ガイ「まぁな。今回もジャグラーに助けられた。サンキュー。」
JJ「もっと褒めていいんだぜ?」
ガイ「まったく...。」
外ではいつの間にか合流していたジャグラーがガイと共に立ち合っていた。
皆で喜びを分かちあう中、鞠莉のスマホに1件の着信が入るのだった。
続く。
【2-4】でお伝えした通り、2話のストーリーは終了で次回から3話に入ります。
さてさて、リムがAqoursメンバーの多くと友達になりました。
あとは千歌と曜の2人と友達になるだけ!
いつ友達になるかはお楽しみに!