ウルトラマンオーブ × ラブライブ!サンシャイン!! 作:さすらいの風来坊
その日の夜、千歌は家の屋根に登っていた。
千歌「はぁ~~...。」
大きなため息を1つ吐く。
千歌「あぁ~! 何か良いアイデア出てこないかな~! もぉ~!」
頭をかきむしりながら大声を出す。
梨子「うるさいわよ。」
夜にも関わらず隣が騒がしいため、梨子が注意する。
千歌「だってぇ...。」
梨子「気持ちはわかるけど、いつまでも悩んでる時間は無いわ。」
千歌「だよね~。」
答えは出さなければいけない。
しかし、時間は多く残されているわけではない。
千歌「梨子ちゃんはどっちが良いと思う?」
梨子「そうね...。ラブライブに出て輝きたいって...。輝いてみたいってスクールアイドルを始めたけど...。」
千歌「それができたのは学校があったから...。浦の星があったから...。」
梨子「そうね...。」
2人は輝きを見つけるためにスクールアイドルになると決意した。
さらに、千歌は普通な自分を変えるために、梨子はピアノと再び向き合うためでもあった。
それができたのは『浦の星女学院高校』という学校があったから。
そこで千歌と梨子が出会えたから。
梨子「もう1つだけ方法はあるみたい...。」
千歌「ほんと!?」
ガタガタ!!
梨子「あぁ...!」
まだ学校説明会とラブライブの両方に出られる方法があることに興奮した千歌だったが、興奮しすぎて屋根から滑ってしまう。
が、落ちる寸前でなんとか屋根に踏ん張ることができた。
千歌「ふぅ...。で、何? 何々??」
梨子「つまり、私たちは1人じゃない。9人居るってこと。」
千歌「9人?」
Aqoursは9人居る。
そこが大きなアドバンテージだ。
それを活用するらしい。
梨子「5人と4人に分けて、学校説明会とラブライブに出る。」
千歌「それなら両方に出られるけど...。」
梨子「でも、それで良いのかなって...。」
そう言いかけたとき、夜空の向こうから何かがこっちに向かってくるのが見えた。
千歌「何あれ?」
梨子「こっちに向かってきてるわね。」
その何かは赤い球体だった。
それは真っ直ぐ向かって来たが、三津浜海岸でスピードを緩め、着陸した。
着陸した赤い球体からは光が消えた。
千歌「海岸に行ってみよう!」
梨子「え? う、うん...。」
千歌「ガイさんとりっくんにも伝えてくるね!」
ーーーーーーーーーー
一方、三津浜海岸に着陸した赤い球体が光を消したあとには大空大地が居た。
大地「すっかり夜になっちゃったね。」
エックス「だが幸いなことに旅館があるぞ。」
大地「でも、夜の11時だよ。受付してくれるかな...。」
そんな会話をしていると、旅館の隣の家から少女が出てきた。
その少女はそのまま旅館へ行った。
すると、旅館の中から別の少女と少年に大人の3人が合流した。
大地「宿泊客かな?」
エックス「だが、なんかあの大人はどっかで見たような...。」
そう考えていると、4人がこちらに向かってきた。
近づくにつれ、会話が聞こえてくる。
少女1「本当に赤い光が海岸に来たんですって! 梨子ちゃんも見たよね!」
少女2「千歌ちゃんの言う通りです。この目ではっきりと...。」
少年「流れ星じゃなさそうですね。」
大人「いかにも怪しいな。ん? 誰か居るのか?」
4人が海岸に着くと、大人の男性が誰か居ることに気付く。
ちょうどその時、雲の切れ間から満月が顔を出し、月明かりが5人を照らす。
大地&大人「「あっ...!」」
お互いの姿がわかった瞬間、大地と大人の男性は声を発した。
大地「ガイさん!?」
ガイ「大地!?」
大地はガイの、ガイは大地の名前を呼んだ。
少年「ガイさんの知り合いですか?」
ガイ「あぁ。」
大地「初めまして。僕は大空大地って言います。」
少年「僕は朝倉リクです。」
大地とリクは挨拶した。
大地「ガイさん、後ろの2人は...。」
ガイ「俺の生徒だ。千歌,梨子。」
2人の少女はガイに呼ばれ、大地と対面する。
千歌「私は高海千歌です。」
梨子「桜内梨子です。よろしくお願いします。」
大地「僕は大空大地。2人ともよろしくね。」
大地は千歌,梨子とも挨拶した。
ガイ「大地、寝る場所はあるか?」
大地「まだ決めてないです...。ただ、目の前に旅館があるからそこにしようかなって。」
千歌「それなら、部屋が空いてるか聞いてきますね!」
大地「良いんですか?」
千歌「はい! あの旅館は私の家ですから!」
どうやら、大地は十千万旅館に泊まろうと考えていたが、知り合いのガイと、旅館が実家である千歌と出会えたのが功を奏した。
千歌は旅館に戻り、空き部屋を聞きにいった。
そして数分で大地の元に戻ってきた。
千歌「部屋は空いてますよ!」
大地「良かった~。ありがとうございます。」
ガイ「今日は夜も遅いし、解散だ。」
【朗報】大地は寝床を確保できた。
ーーーーーーーーーー
翌日、Aqoursは再び会議を開いていた。
そして、千歌と梨子は昨晩2人で話したことを話した。
果南「2つに分ける?」
千歌「うん。5人と4人。2手に分かれてラブライブと説明会、両方で歌う。それしかないんじゃないかな。」
ルビィ「でも...。」
善子「それでAqoursと言えるの?」
花丸「ずら...。」
善子の言う通りだ。
Aqoursは9人居るからAqoursと言える。
それを分割して本来の力を出せるのだろうか。
鞠莉「それに、5人で予選を突破できるかわからないでーす。」
鞠莉も正当な意見を述べる。
梨子「嫌なのはわかるけど、じゃあ、他に方法ある?」
9人は予備予選と学校説明会の両方に出る策をいくつも考えてきた。
しかし、もう万策は尽きたと言ってもいいほどの状況に居る。
それでも、両方出る方法に掛ける。
梨子の問いに答えられる者は居なかった。
ダイヤ「ところで、ガイさんとリクさんはどうされたんですの?」
今日はいつも居るはずの2人が居ない。
千歌「2人にはお客さんが来てるんです。」
曜「お客さん?」
梨子「ガイさんの知り合いみたいよ。」
来客とあらば仕方ない。
今日は2人の居ない練習となった。
練習が終わり、今日は解散となった。
だが、浦女の近くのみかん畑に千歌,曜,梨子が居た。
曜「本当に良かったのかな...。」
夕日に照らされながら、曜が口を開く。
梨子「良くはない...。けど、最善の策を取るしかない...。私たちに奇跡は起こせないもの...。この前のラブライブ予選の時も、学校の統廃合の時も...。だから、その中で1番良い方法で精一杯頑張る。」
そう言いながら、もたれていたガードレールを飛び越える梨子。
梨子「それが私たちなんじゃないかって思う。」
千歌「そうだね。...あっ。」
梨子の意見に賛同しかけたその時、千歌の目がとある物を捕らえた。
梨子も曜も千歌が見ている物を見るが...
曜「みかん?」
梨子「もうこんなに実ってるんだ。」
視界に入るのは1面のみかん畑。
曜「そりゃあ、内浦のみかんは美味しくて有名だもんね!」
静岡県内でも全国的にも有名なみかんだと解説すると...
千歌「みかん! みかんだよ!」
曜「千歌ちゃん?」
千歌「みっか~~~~~ん!」
この土壇場で千歌は何を思い付いたのだろうか。
ーーーーーーーーーー
Aqoursが練習をしている同時刻。
ガイ,リク,大地に加え、ジャグラーが沼津のとある海岸に来ていた。
大地「ジャグラーさん、お久しぶりです。」
JJ「またウルトラマンが来たのか。」
大地とジャグラーも久々に会った。
ガイ「エックスさんも話に混ざって大丈夫ですよ。」
エックス「すまないなガイくん。」
ガイは大地とは別の存在に話をするが...
リク「ガイさん、誰と話してるんですか?」
ガイ「大地が持ってるデバイスだよ。」
そう言うと、大地はエクスデバイザーをリクに見せる。
その画面にシルエットが浮かび...
エックス「やぁ。私はウルトラマンエックスだ。」
リク「ウルトラマン!?」
新たなウルトラマンに驚く。
エックス「君もウルトラマンだね。」
大地「それ本当なの?」
リク「はい。僕はウルトラマンジードです。」
ここに3大ウルトラマンが集まった。
ガイ「どうしてエックスさんたちがこの宇宙に?」
エックス「それは私から話そう。」
疑問は大地とエックスがラブライブの世界に来たこと。
2人もガイ,ジャグラー,リクと同じように、別の宇宙に元は居た。
そして、この宇宙に来たのは偶然だった。
『ウルティメイトゼロアーマー』(ウルティメイトイージス)の活動限界時間を調べていたら、ちょうどエネルギー切れになったとエックスは話した。
大地とエックスが来た理由はわかった。
しかし、今度はその2人がガイとリクにこんな疑問を聞く。
大地「ところで、ガイさん,ジャグラーさん,リクさんはなぜここに?」
エックス「私も気になってる。この世界にウルトラマンが2人も居たのだからな。」
ガイとリクも別の宇宙から来たことは大地もエックスもわかっている。
だからこその疑問だ。
その疑問にガイは、
・この宇宙にカイザーべリアルの力を宿した黒幕が居ること
・リクと共同してこの宇宙を守っていること
を伝えた。
これでお互いがラブライブ世界に滞在している理由がわかった。
エックス「ところでガイくん。君は昨日の女の子たちを自分の生徒と言っていたが、学校の先生をしているのかい?」
ガイ「えぇ。と言っても、部活の顧問って立場だけですが、一応...。」
大地「生徒は他にも居るんですか?」
ガイ「昨日の2人を含めた9人居ますよ。」
話題は昨日のガイの発言になる。
JJ「かなり手のかかる連中だ。」
少し皮肉を込めた一言を付け足す。
リク「またそんな事言ってる...。」
JJ「だが、あいつらの内に秘めた輝きには目が離せないと思うがな。」
大地「1度会ってみたいなぁ。」
エックス「私もだ。」
なんだかんだ言って、ジャグラーはAqoursを気に入っていた。
ガイ「それなら明日、その輝きが見られると思いますよ。」
大地「何かあるんですか?」
ガイ「それは明日のお楽しみです。」
ブーッ...ブーッ...ブーッ...
ガイ「俺のだ。千歌からか。」
そこへガイのスマホにメールが届いた。
差出人は千歌からだった。
リク「何て書いてありました?」
ガイ「明日の事で話があるらしい。ジャグラーも同席してほしいだってよ。」
JJ「へーへー。」
大地「あの...僕はどうしましょうか...?」
ここにいるメンバーの中で大地はAqoursに縁が無い。
このあとどうすたらいいか聞いてみると...
ガイ「一緒についてきてください。」
大地「いいんですか?」
ガイ「もちろんですよ。」
ということで、ガイ,リク,ジャグラー,大地はこのあと千歌と合流することになった。
ーーーーーーーーーー
ラブライブ予備予選前日の夜。
十千万旅館の広い空き部屋に千歌,曜,梨子,ガイ,ジャグラー,リク,ペガ,大地の8人が揃っていた。
ガイ「千歌の話の前に、曜とペガに紹介したい人が居るんだ。」
曜「私と...。」
ペガ「僕ですか?」
ガイ「あぁ。大地。」
2人の正面に大地が来る。
大地「初めまして。僕は大空大地って言います。よろしくね。」
曜「私は渡辺曜です。よろしくお願いします。」
ペガ「ペガッサ星人のペガです。」
3人が自己紹介をしたところで本題に入る。
ガイ「それで、明日のことってのは、学校説明会とラブライブのことか?」
千歌「はい。ラブライブのAqoursの出番は24番目で真ん中。終わって学校に戻るのが厳しいと思ったので、5人と4人で分かれることにしました。」
千歌の口から明日の説明がされる。
曜「千歌ちゃん,梨子ちゃん,ルビィちゃん,ダイヤさん,私の5人はラブライブに、花丸ちゃん,善子ちゃん,果南ちゃん,鞠莉ちゃんの4人は学校説明会に出ます。」
続けて、曜がメンバー構成を伝えた。
梨子「いろんな策を考えました。けど、これが1番の最善策なんです...。」
最後に梨子が締める。
ガイ「なるほどな。9人全員が同意してるなら、俺からは何も言うことはない。」
JJ「だとしたら、俺らも2手に分かれるか。」
ジャグラーの言う通り、ガイたちもAqoursと同じように2手に分かれないといけない。
ガイ「俺は学校説明会と言いたいとこだが、出場校には顧問が付き添いしないとダメだから、予備予選だな。」
JJ「そうなりゃ俺は必然的に学校説明会か。」
まずはガイとジャグラーがうまく分かれる。
この2人は他のメンバーより大人だ。
どちらかに1人ずつ配置して、リードする立場になる。
千歌「りっくんと大地さんはどうしますか?」
次はリクと大地の番。
リクはそれなりにAqoursのサポートをしてきたし、浦女にも出入りができる。
大地はこの世界に来たばかりで、馴染めてない部分もある。
リク「僕はジャグラーさんと同じで、学校説明会で4人をサポートするよ。」
大地「そうなると、僕はガイさんと一緒ってことですね。」
Aqoursと同じく、2手に分かれた。
学校説明会→花丸,善子,果南,鞠莉,ジャグラー,リク
ラブライブ→千歌,曜,梨子,ルビィ,ダイヤ,ガイ,大地
明日はこの布陣で臨むことになった。
ペガ「僕はどうしよう?」
リク「なら、ペガはダーク・ゾーンを使って行き来したらどうかな?」
JJ「学校と予選の様子を伝えるって感じか。」
要するに、学校説明会の様子とラブライブの様子の情報共有する役回りだ。
ペガ「僕、その役やるよ。みんなが安心して挑めるように伝えるね。」
こうして、明日の計画は決まった。
学校説明会とラブライブ。
Aqoursにとっても浦女にとっても、勝負の1日になりそうだ。
続く。
次回、ラブライブ予備予選が開幕します!
そして、大地とエックスのユナイトもありますよ~。
お楽しみに(^^)/
と言いつつも、善子のBirthday Storyを執筆してからになりますのでお待ちください(^^;)