アークザラッド単体二次なので3以降の要素はありません。
アルディア空港、ここで一人の男がハンターに追い詰められていた。
彼はとある人物の命令で飛行船の発着をストップさせに来たのだが、そこに炎使いの異名を持つ男が現れ、その槍の一撃によって後一歩のところで一旦は撤退。
そして停泊していた船の甲板に逃げ、追ってきた炎使いを数で叩く為にジャイアントバッドを召喚したのだが、キュアを使える女とその女が連れたキラードッグが加勢に来たので数の優位を覆されて敗北。
––––現在はみっともなく命乞いの途中だった。
「助けてくれ……」
「大人しくしてれば命だけは助けてやる、ハンターズギルドにお前を引き渡せば俺の仕事は終わりだ」
「違うんだ!! 奴等は失敗を許さない、奴等に……奴等に殺されるんだ!」
必死の形相でハンターに縋る男、彼は冷静に話を聞く炎使いに促されるままに奴等の詳細を口にしてしまう。
「奴等は恐ろしい力を持つ組織だ、俺も奴らにか––––」
何を告げようとしたのか、それが分かる前に突如銃声が鳴り響き、助けを求める彼の腹に銃弾が食い込んだ。
……本来の歴史ならば彼はこの一撃で死亡したのだが、この世界の彼は微かに意識があり、その死の淵の走馬灯で自分の前世を思い出した。
(いってぇぇぇぇ!! ちょ、ま、は? 待て待て待て、俺なんで腹撃たれてんの!? てか、あれエルクじゃね? しかも横にリーザもいるじゃんわーかわええ、じゃねぇよ!? エルクと? リーザと? パンディットと? プラスαで黒服の連中って事は横たわってる俺ってアルフレッドかよ!? ああ、そういやなんかシャンテ姉さんと過ごした記憶あるわマジで俺アルフレッドなのね……って、冷静になってる場合じゃねぇ!!)
自分はエルク達との戦闘で疲弊した所を腹部を撃ち抜かれた状態、このままでは原作と同じ末路を辿るだろう。
だが不幸中の幸いと言えるのが黒服やエルク達の意識がお互いに向いている、リーザの受け渡しをするかどうかの話をしている今がチャンス。
短距離のテレポート、警察とエルクの包囲を抜ける為に使用した魔法を使って非常口に転移する。
前世の記憶に加え、アルフレッドとしての半生の記憶がある為魔法は難なくつかえるし、 念を入れて風に吹かれて甲板から転げ落ちた様に見せかけた、後はインディゴスに居る腕の良い闇医者まで逃げるだけだ。
(クソッタレのガルアーノめ、絶対に許さねーからな!! アークやエルクよりも先にこの俺の手で八つ裂きにしてやる!!)
キメラ研究所で強化された身体に鞭を打ちながら空港を脱出した彼は、エルク達よりも先に闇夜に紛れる様にインディゴスの街へと逃げ込み、酒場に入ろうとしていたラドを捕まえて自分を治療させた。
––––コレは、本来ならば死ぬ筈だった人物に憑依した男の物語。
▽
「ほれこれで終わりだ、約束通り有り金を全部貰って行くぞ」
「……俺の事はくれぐれも」
「他言無用、か? そんな事は分かっとるよ」
インディゴスの外れにある廃墟の街の一角で治療を受けた俺は有り金全てと引き換えに一命を取り留めた、普通なら致命傷だったらしいが一応キメラボディの頑丈さに救われたってところか? 全く嬉しくないけど。
しっかし、治療費捻出するのに貯めてた金全部使ったのは痛かった、姉さんの為にヤバい仕事に手ぇ出したのに本末転倒って奴じゃん。
てかこれからどうすっかなぁ、 今は丁度日の出だからエルク達がシュウのアパートに向かってる途中か?
埃臭い廃墟のベッドから身を起こしながらそんな事を考えつつ、これからの身の振り方を考える。
あのクソッタレのガルアーノの所に逃げるのは有り得ない、再強化されればまだ良い方で、下手したら姉さんの目の前で爆殺されかねないしそれ以前に処分される。
かと言ってノコノコエルク達に合流する事も出来ない、連中はガルアーノのお気に入りだから一瞬で生きてる事がバレて姉さんに危害が及びかねない。
そもそもこの国に居るだけでヤバい、腐ってもロマリア四将軍のお膝元、生きてる痕跡を匂わすだけで居場所が特定されかねん。
……せっかく生き残ったのに姉さんに会えずじまいのままいきなり国外逃亡かぁ、つかツラが割れてるから飛行船には乗れんし必然的に密航しかねぇよな。
あぁでもその前に金稼ぎか? ある程度は稼いどかねぇと逃亡先での生活が辛いからな、後武器もか?
そもそもこの国って何処に行けるんだよ、近い国で言えば島国のスメリアか陸伝いに南下して行けるアミーグだろうけど、スメリアにはアンデルが居るしアミーグなんか殉教者の塔がバリバリ建設中だろうし、世界中全部が地獄じゃねーか。
……うん、今更だったわ。
何処行っても一律地獄なら最悪ロマリア以外全部セーフか悲しいなぁ。
ま、細々とした事は後々考えるとしてだ、取り敢えず身体も動く事だし早速資金稼ぎと武器調達でもしましょうか。
幸いここは廃墟の街のモンスターが居ない入り口周辺の空き家だ、少し奥に行きゃ盗賊とソードマンがたむろってるから駄賃稼ぎには丁度いいだろう。
前世の記憶はあるけどアルフレッドとしての記憶も混ざってっから殺しに抵抗感が無いのが有り難いようなそうでないような……。
そんな溜息を吐きながら、俺はとぼとぼとソードを握って廃墟の街の奥を目指して歩いて行くのだった。
アルフレッドの扱う技はニンジャ系からチャージを抜いて、天の裁きとスーパーノヴァを付け足した感じになります。
しかしまだ今は天の裁きとスーパーノヴァだけ。