藤浜の絡みをどこのSAで入れるかに悩まされましたが...。まあその部分はお楽しみに...
それでは小説の方へどうぞ!
PS.書いてるだけで藤浜尊すぎて死にそう
《北関東 那須の夜明け》
埼玉側から利根川を越えれば栃木県。北西部は山々がナナメ横に連なり、福島へと抜ける人々に試練を与える。
しかし、北東部や南部はうって変わって平野が広がる。
そのため、東北地方へ抜ける東北道は、南部から山々にぶつかり、沿うようにして福島へ走っているのだ。
司令と藤波浜波の3人を乗せた車は、そんな東北道の(利根川に架かる)利根川橋を渡り群馬へと入った。
相も変わらず浜波は藤波の手を握って寝ていて、藤波はそれに気づく様子もなく熟睡している。
館林ICを越えれば栃木県、そして佐野SAは目前である。
--ここで、佐野SAについて述べておこう--
佐野SAは栃木県南部の佐野市にある。埼玉県西部から東北へ向かうとほぼ最初に寄れるSAであり、全国的にも珍しい上下を歩行者が行き来できることが特徴。このようなSAは、他にも関越道の高坂SAなどごく僅か。
また、上り線のSA内には宿泊施設もある(勿論泊まれる)。さらに、上り線の外には一般客も利用できる駐車場があり歩いて入ることもできる。
司令と藤浜が高速に入るために使った桶川加納ICからは43km,東北道の起点川口JCTからは78km。3人の高速道路往路終着点である岩手県盛岡ICまでは約450km以上もある。まだまだ旅は長い。
ちなみに、次のSAは餃子で有名な宇都宮市の上河内SAである。
--以上が佐野SAについての大まかな概要だ 話を戻そう--
館林ICを通過したあたりで、司令は運転しながらバックミラーで後部座席の藤波浜波の様子を見ていた。
もうそろそろ到着する予定の佐野SAで、二人を起こすかどうか決めかねていたのである。
バックミラーに写っているのは熟睡していて起きる気配のない二人・・・。
そこで司令は決断した。「次のSAである上河内に寄ったときに起こそう」と。
しかし「自分のトイレ休憩のために佐野には寄る。まあ、お土産は帰りの上り線に止めても上下往来できるから買えるからいいだろう。」と考えた司令はウインカーを出すと左車線に変更した。
既に看板には「佐野SA 2km」と書かれており、10分もかからないだろうと彼は考えていた
その考え通り、10分もしないうちに「P↖️」と書かれた入り口を示す看板が見えてきた。
彼は車のウインカーを左へ出しSAに入っていく。
時刻は午前3時28分
駐車場に車を止めた司令は、助手席に置いてあったクリップボードに挟んである(場所と予定到着,出発時刻が細かく書かれている)紙に、これまた掛けておいた黒ペンで『0328 佐野SA着 所要時間32分程』と書くと、「取りあえずは予定通りか」と小声で呟いた。
その後に、その中の佐野SAの予定出発時刻と、上河内の到着時刻の部分に線を引いた。
もともとは佐野で起こそうと思っていたが、熟睡していた二人を起こすのは悪いと思い、予定を変更して上河内で起こすことになったからである。
クリップボードにペンを掛け直すと、ボードを助手席に置き、寝ている二人に、起こさないようにタオルケットをかけて車から出る。
11月とはいえ栃木の夜は肌寒かった。
司令は車に鍵をかけてトイレへ向かう。何故なら、このSAに寄った最大の目的はトイレ休憩であるから。
トイレを済ませた司令は、自販機コーナーに向かい、モカ(ブラックのホット)を買った。
これは、司令が深夜の高速を運転するときに必ず買うものである。何でも眠気覚ましなんだとか。
二人にも何か買っていこうと考えたが、まだ二人とも寝ていたのと、上河内で食べさせてあげたいものがあったことを思い出して止めておいた。
買ったモカ ホットブラックを片手に、彼は車へと戻る。
相変わらず藤波浜波は寝ているようだ。
彼は、運転席へ再び乗り込むと、モカを飲み、車を発進させ本線へ車を戻した。
目指すは宇都宮の『上河内SA』である...といっても佐野からは53km、39分で着けるのだが。
司令は、後部座席で仲良く寝ている藤浜をバックミラーで見つつも、細心の注意を払い車を走らせていく。
時刻はもう4時近いのだが、晩秋とあって日の出まではまだ2時間以上もある。
空はまだ暗く、闇夜の中で遠くに薄く見える山々の連なりも、空と山の際がどこか判別がつかない。
しかし、道路の方は照明が道路脇にあり、なおかつ車のライトもあるためそこまで暗いという訳ではない。
むしろオレンジ色の照明の光は暁の東北道を幻想的な雰囲気で包んでいた。
この雰囲気を好む人々は、深夜に高速道路をドライブがてらに走ることが多く、夜道の運転は十八番であることが多い。
この司令もその一人であるからにして、深夜の運転も相当手慣れている。
そんな運転手が細心の注意を払って運転している車は、特にトラブルもなく上河内SAへと到着した。
時刻は0416
なるべくSAのトイレに近い場所に車を止めると、先程と同じように到着時刻と佐野の出発時刻を書く。
その後、司令は寝ていた藤波を起こした。
藤波は、とろんと眠気の残った声で「ん...司令...なぁに...? 藤波、呼んだ...?」と言いながら上方向に体と手を伸ばそうとした。
そこで藤波は、浜ちんが自分の手を握って幸せそうに寝ているのに気づく。
眠そうだった藤波は狼狽し、顔を真っ赤にして言葉に詰まってしまった。なんとか言葉を口から出した藤波は
「...浜ちん???? 藤波の寝てる間に何やってるの????」と、未だに気持ち良さそうに藤波の手を握って寝ている浜波に対して言ったのだが、小声でなおかつ恥ずかしすぎて途中で噛みまくっていたからか浜波には聞こえなかったようだ。
そんな光景を司令が見て穏やかに笑ってるのに対して当の本人はものすごく恥ずかしいらしく「ッッッッッッ///// 司令ッ!!!! 見ないでッ!!! 何でって....そんなのどうでもいいからぁ!!!!!////////」とキレたり(照れたり)してるなか、浜波が眠そうな顔で起きる。
顔が赤くなってる藤波を見ると、寝起きの声で「あ、ふーちゃん....。顔赤いけど...大丈夫?...調子悪いの..?」と話しかける。
藤波は何か言おうとしたが再び言葉に詰まり、恥ずかしさのあまり「...浜ちんのせいだよ...////(顔真っ赤)」と言ってしまう。
いきなりそんな事を言われた浜波の方は「え....私!?」と困惑して、藤波を見つめ始める。
それもそのはず、浜波が藤波の手を握って寝てたことを、当の本人が覚えてないからである。
藤波の方も、浜波が意識して自分の手を握って寝てたと思い込んでいたので「えっ...!?」と驚き、顔の赤みも少し落ち着いてきた(しかし依然として顔は赤い)
少し落ち着いたタイミングを見計らって、司令が「とりあえず降りようか。あそこにトイレがあるから、早く済ませてお土産買うぞ。あ、外は寒いから上着を着ていくように。」と言って自らも白色の上着を着て車を降りた。
浜波は周りが見たことない景色で怖いのか、降りるのを躊躇していた。それを見た藤波は先に降りて、真っ赤になりながらも浜波の手を自分から掴む。
藤波「浜ちん、一緒に行こっ!! ///」
藤波に手を掴んでもらった浜波は手を繋ぐように藤波の手を掴むと
「ふーちゃん...! うん、平気。...ありがっ、とう...。...ぅん、ふーちゃんもいるから…うん、安心して。私は...もう、大丈夫。」と言いながら車を降りた。
藤波「浜ちん、大丈夫。藤波は、いつも浜ちんと一緒だからね..! もう、浜ちんを悲しませたりしないから...!! ・・・さ、早く行こっ! 司令は時間だけには厳しいんだから!」
浜波「ふーちゃん...うん...!」
藤波と浜波が仲良く手を繋いでトイレへ行くのをSAの入り口近くで見ていた司令は「まるで双子だなぁ...」と思いつつ、用事を済ませるためにSAの中へ入っていった。
トイレを済ませた二人はトイレの前で司令と合流した。
司令は何やらビニール袋を手に持っていたが、二人とも特に気にはしなかった。(中に「とちおとめまん 一個160円」が3個入ってることは秘密)
司令「お待たせ。さ、お土産を買おうか! ここ以外にも買えるところはあるから買いすぎるなよ...?」
藤波「もち! 浜ちん、お土産一緒に買いに行くよね? 32駆の最初のお土産任務、行くぞっ!」
そう言うと藤波は、嬉しそうに軽くスキップしてSAの建物へ入っていった。
浜波「ふーちゃん、待って...先に行かないで...。さっ、三十二駆、はっ、浜波、お土産任務いきます…。で、出ます…!!」
浜波も藤波を追うようにSAの建物へ入っていく。
そして最後に司令が「あの二人は元気でいいねぇ~。でも迷子になりそうだししっかり見ておかないと...」と呟きながら入っていった
--SA売店内ショッピングコーナー--
藤波と浜波はSA売店内のショッピングコーナーで、長波や早霜へのお土産を選んでいた。
藤波「色々なお土産があるねぇ。...あ、あのお菓子美味しそう。お土産を選ぶのは楽しいね。ね、浜ちん!」
浜波「あ、うん...。ふーちゃんは何買うの……え、『御用邸の月』...? それ...いい、かも...?」
藤波「浜ちんも一緒に長波姉たちのために買ってこっか。」
浜波「うん、そうする。」
そこへ司令がやってくる。
司令「藤波浜波ー、お土産は決まったかい? 」
藤波と浜波は『御用邸の月(6個入り)』を一つずつ持って司令の呼び掛けに答える
藤波「あっ、司令。藤波たち、御用邸の月を買うことにした。もち、いいよね?」
浜波「あの...司令...。これ、一箱885円...。」
一箱885円と聞いて少し悩んだ司令だったが、10秒ほど考えた後、「二箱で1770円か。他ならぬ藤浜の頼みだ、買ってあげよう。」と言った。
これを聞いた二人は、顔を見合わせた後、とても嬉しそうに喜んだ。
藤浜を脇に連れて、御用邸の月(2箱)と、二人の飲み物(藤波はQooすっきり白ぶどう,浜波はなっちゃんアップル)をレジへ持っていき、提督が自腹で買った。
(この小説の中ではQoo白ぶどうは高速道路のSAかマックでのみ販売されているという設定)
二人に買ったお土産は袋に入れて持たせて、飲み物はバッグに入れさせると司令は二人とともに車へと戻った。
司令は運転席へ乗り込み、藤浜が後部座席でシートベルトを締めたのを確認すると、手に持っていた袋から「とちおとめマン」を二つ出すと、「藤波と浜波で一つずつだ。食べたい時に食べていい。」と言った。
それを見てようやく藤波が気づく。司令は私たちがトイレに行っている間にこれを買ってくれていたのだ、と。
二人は今すぐにでも食べたい気持ちを我慢して、司令にお礼を言った。
藤波「…え?これ、藤波たちに?うわ、美味しそう。本当に…いいの?そっか。じゃあ、ありがたく、貰っとくね。もち!」
浜波「司令? これを...わたしにっ…?あっ、ありがっ…と…。」
二人にとちおとめまんを渡すと、「後ろにあるタオルケットは寒くなったら使っていいからな。」と言うと自身も袋からとちおとめまんを取り出し口に加える。
その後エンジンをかけ、車を発進させた。
藤波浜波も、貰ったとちおとめまんを食べ始めた。
藤波は普通に食べて、浜波は一口含み、味を点検するかのようにゆっくりと食べていた。
このとちおとめまんは、心地の良いイチゴの甘さが特徴で、幾つも欲しくなるような美味しさのまんである。
食べてるものを自然に笑顔にする...(かもです!)
時刻は0458、もう朝の5時である。
日の出まではあと1時間弱。
北関東 那須の夜明けは刻々と近づいていた。
次のSAは51km先の「那須高原SA」。上河内からは約44分、那須塩原市にあるSAである。
しかし、下りで買えるものの大半は上りで買えてしまうため、お土産を買うのなら溶けやすいものも買える帰りがいいだろう。
この司令はそう考えていた。そのため、運転しながら後ろの二人に「次のSAではあくまでトイレ休憩だけ。ここで買えるものはほぼ全て帰りに買えるからね。着いたら、トイレ休憩だけ済ませて車に戻るよ。」と伝えた。
帰りで買えると聞いたからか、それともとちおとめまんが美味しいからか分からないが、不服そうな表情は見られず、二人とも笑顔で了承した。
真っ正面や真横に那須・日光の山々を見ながら車は北東へ進む。
矢板や西那須野、黒磯を通過し、段々と明るくなってきた0549頃(日の出の24分前)に那須高原SAへと着いた。
前述した通り、お土産は帰りでも帰るということでトイレ休憩だけ(+ある特別な用事)である。
タオルケットを足に掛けていた(藤波が遠慮している浜波にもかけてあげた。タオルケットの色も藤浜を意識した水色と藤色だったりする。)藤浜は、かけていたそれを座席の上に置くと司令と共に車を降りて、車の鍵を閉める司令を置いて先にトイレへ向かった。
司令の方は、ここである娘の到着を待っていた。
すると、後方から近づいてくる足音が一つ。
彼がゆっくりと振り返るとそこには、段々と明るくなっていく曙の空を横目に、到着を待っていた娘の姿が...
???「司令官、大変お待たせしたかも。○○、本日の観光ガイドを務めさせて頂きます。宜しくお願い致しますかも...です!」
その参へ続く・・・
司令と藤浜は那須高原を出発し、夜明けの風を受けながら遂に東北へと進出する。この先、どんな出来事が彼ら,彼女たちを待ち受けているのか。
そして、司令の待っていた娘とは誰なのか。
次回「白川の関、そして東北へ」
お楽しみに...!