縢れ運命!叫べ勝鬨!魔鎧戦線まどか☆ガイム   作:明暮10番

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剣と魔法!?二つの力の共同戦線!

「お、お兄さんが……頭に、お、オレンジで……あ、あわわわわ」

 

「さやかちゃん、馬鹿だからこの状況もう、理解出来ないわ……」

 

 

 二人からすればあまりにも情報過多。

 しかしボーイッシュな少女の方は、目の前で飛んで跳ねてで戦う鎧の戦士に驚くよりも、混乱から逆に冷静さを取り戻したようだ。

 

 

「兎に角、ここはお兄さんに任せて、あたしたちは出口を探さないと!」

 

 

 腰砕けの状態から何とか立ち直り、友達の手を引き脱出を図ろうとする。

 

 

「お兄さーん! あたしたち、出口を探します!」

 

「おう! 後から追い付くから行くんだ!」

 

「アニメの死亡フラグみたいな……あぁいや、余裕っぽいか」

 

 

 絋汰は縦横無尽に動いては、どんどんと綿飴頭を殲滅して行く。

 二刀流で近付く敵をバッサバッサと斬り倒し、突進攻撃も身を翻して回避している。見た目がファンシーな分、その強さはとても映えた。

 

 

「ほら、立って! 行くよ!」

 

「わわ! う、うん!」

 

 

 敵を絋汰が引きつけている隙に、二人は道を走り出した。

 

 

 残った絋汰だが、その戦闘スキルは驚異的なものだ。

 

 

「よっしゃああ!! 俺もトップギアで行くぜ!!」

 

 

 綿飴頭の一匹が絋汰の懐目掛けて突撃をする。

 それを近付かれる前に、『無双セイバー』の鍔を向け、縁金辺りにあるトリガーを引く。

 光弾が発射され、あれよあれよで直撃した綿飴頭は軌道を乱し、絋汰を逸れて深淵の薔薇園へと落ちる。

 

 

「オゥラァッ!!」

 

 

 背後に迫っていた二匹。

 即座に彼は感知し振り向き様に、刀身がオレンジを半月型に切ったような意匠の刀『大橙丸』で一匹を斬り落とす。

 

 

「シャアッ!!」

 

 

 もう一匹は片手の無双セイバーで斬る。

 真っ二つになった二匹は屑のように、霧散した。

 

 

「まだまだ行くぜぇぇぇぇ!!」

 

 

 一気に六匹が迫る。

 絋汰は無双セイバーと大橙丸の柄の底を互いにくっ付ける。

 二つの武器は一つになり、薙刀の形に変化。

 

 

「ハァァァァァァッ!!!!」

 

 

 薙刀を大きく振り回し、綿飴頭の群れ目掛けて突撃。

 先頭の一匹と接触する刹那、

 

 

 

 

「うおおおおおおおッ!!!!」

 

 

 一文字、袈裟斬り、両断、斬り上げ、スライス、カット。

 六匹の綿飴頭らを擦り抜けた後に残るは、塵芥のみ。絋汰が着地した頃には、何も残ってやしなかった。

 

 

 

 

 ここまで無双状態の絋汰。

 しかし彼とて、数の利には苦戦を強いられる。

 

 

「……って、多過ぎだろ!?」

 

 

 沸くわ沸くわの無限沸き。

 倒しても倒しても綿飴頭らは彼方より現れ、絋汰に立ち向かう。倒した奴が、一瞬で転生したかのような錯覚。

 

 

 

 

「……ゲッ」

 

 

 一気に十匹超が、彼を包囲し一斉攻撃をかます。連携は取れている。

 

 

「ぐおっ!?」

 

 

 胸部、頭部と綿飴頭は衝突してくる。柔らかそうな頭の癖に、頑鉄のような硬度だ。

 

 

 攻撃は自身の鎧がダメージを軽減しているとは言え、身体から火花を散らし、絋汰は後方へ吹き飛ばされる。

 

 

「塵も積もれば何とやらとか言うが、こりゃ参ったぜ……」

 

 

 すぐさま態勢を立て直し、薙刀モードを解除。再び二刀流に戻る。

 綿飴頭はまた集結し、絋汰へまた突撃を仕掛けようと構えていた。

 

 

「十対一とか卑怯だろ!?」

 

 

 迫り来る群れに、何とか一匹でも多く斬り落とそうと考え、両刃を立て待ち構える。

 敵はほんの三メートル、絋汰は深呼吸の後に突撃した。

 

 

 

 

 

……が、綿飴頭が攻撃を食らわす事はない。

 

 

「えっ!?」

 

 

 何処からともなく射出された、黄色のリボンが一匹一匹をグルグル巻きに拘束した。

 それにより敵は混乱状態に陥り、鳥のような悲鳴をあげながらもがいている。

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

 思わず構えを解き、棒立ちでそれらを眺める絋汰。

 

 

 

 

 

 

「ふうっ。危ない所だったわ」

 

 

 突如、上から若い女性の声が降り注ぐ。

 彼が反応するよりも先に、声の主は天から絋汰の前に舞い降りる。

 

 

 

 

 巻き毛の金髪、ベレー帽、コルセット、スカート。およそ戦闘とは無縁な、やけにファンタジーな装いの少女。

 彼女はフラッと、振り返った。穏やかそうな顔立ちの、若い少女だった。

 

 

 

 

「…………それで、どちら様でしょうか?」

 

「……いや、それは俺の台詞!? あんた、なんなんだ!?」

 

「男性の声?『魔法少女』じゃない……?」

 

「な、なに? 魔法少女ぉ?」

 

 

 拘束された綿飴頭たちが、何とか自力でリボンを引き千切ろうとしている。

 

 

「……とりあえず、話は後で!」

 

 

 絋汰は目を疑う。

 

 

 

 

 彼女の傍らに金色の光が纏わり付いたと思えば、それは明確な形になり、実体を帯びた。

 豪華な装飾のされた白い大砲が現れ、彼女はそれをプロ並みのフォームで構える。

 

 

「喰らいなさい」

 

 

 トリガーを引く。

 轟音を響かせ、銃口より放たれた特大の光線は綿飴頭全体を包み込み、消し炭にした。

 悲鳴をあげる暇もなく、後に残ったものは黒焦げの蝶の羽根。

 

 

 

 

「……すっげぇ」

 

 

 あれだけの数を一瞬で。思わず絋汰は感嘆の息を漏らす。

 

 

 少女は大砲を消失させ、身軽な状態で彼の前へ近付いた。

 

 

「……えっと……それは……オレンジ? かしら?」

 

「お、おう、そうだけど……って、そうじゃなくて! あんた、誰だ!?」

 

「お互い色々と聞きたい事はあるけど……」

 

 

 彼女はピッと、道の奥を指差す。

 

 

「とりあえず、ここを出ましょ。まだ敵はいるみたい」

 

 

 途端、絋汰は先に行った二人が心配になって来た。

 

 

「俺は葛場絋汰……実は、俺の他にもう二人いるんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼の予感は的中している。

 突然現れた綿飴頭三匹に、二人は追われている最中だ。

 

 

「ヒィィィ!? やっぱお兄さんから離れなきゃ良かったぁぁぁぁ!!」

 

「ハァ、ハァ……も、もう……ゼェ……だ、駄目……!」

 

「諦めちゃ駄目だって! こっちで道合ってるよ!……多分ッ!!」

 

「そこは断言してよぉ!」

 

 

 

 断言してもせずとも、二人は立ち止まり事となる。

 二人の足より遥かに速い綿飴頭二匹に、前方を先回りされたからだ。

 

 

「うわっ!?」

 

 

 急ターンし後ろに逃げようとするも、残りの一匹で塞がっている。

 細い紐のような腕をヒラヒラ揺らしながら、ジワリジワリ二人に迫る。あの不気味な歌を口ずさみながら。

 

 

「も、もう、駄目ぇ……!」

 

「せめて日本語で歌えよぉ……!」

 

 

 背中合わせに怯える二人。

 そんな彼女らへ慈悲をくれてやるほど、この三匹には情なんかない。

 

 綿飴頭は瞬間、二人へ一斉に飛びかかった。

 

 

 

 

 

 

……響く三発の銃声。

 なかなか来ない、三匹の攻撃。

 恐る恐る伏せた目を開けると、そこには額に穴を開け、塵になりつつある綿飴頭の姿があった。

 

 

「…………え?」

 

 

 消え去った綿飴頭の背後、静かに立つ少女の姿があった。

 ロングヘアーの黒髪を靡かせ、紫と灰色の、無駄な装飾のない冷めた服を着ている。

 二人を眺める目には感情が無く、凍えるような瞳だ。怒っているのか、呆れているのか、疲れているのか、面倒なのか。

 

 

 

 

「あ、あんた、『転校生』!?」

 

 

 彼女を視認した途端、ボーイッシュな少女は桃髪の少女を守るように前へ立ち塞がり、敵意の篭った目と表情で睨み付ける。

 

 

「どういうつもり!?『まどか』を襲ったり、助けたり!……絶対に感謝しないからねっ!」

 

 

 二人は彼女に襲われ、パーキングタワー内を逃げていたようだ。

 

 

 

「……別に襲ったつもりはないし、貴女を助けたつもりもない」

 

 

 黒髪の少女は冷たく言い放つ。抑揚のない、無機質な声。

 

 

「全てはただの成り行きなの……それより、そいつを渡して」

 

 

 手を広げる。彼女の目的は、『まどか』と呼ばれた桃髪の少女が抱く、ヌイグルミのような存在。

 無生物かと思われていたが、まどかの胸の中で微かに震えている点を見るに、生きているらしい。

 

 

「駄目だよ……! こんな、弱っているのに……!」

 

「知った事じゃないわ」

 

「これ以上、近付くなッ!!」

 

「貴女は黙ってなさい、無関係の癖に」

 

 

 一歩一歩近付く少女。

 泣き面に蜂、八方塞がり、弱り目に祟り目、轍鮒の急。怪物を駆除した少女が寧ろ、最大の敵となる。

 

 睨む一人目、怯える二人目、近付く三人目。少女たちはそれぞれの佳境に立たされていた。

 

 

 

 

 

 

「…………ッ」

 

 

 いきなり、足を止める。背後の気配に気付いたからだ。

 

 

「そこまでよ。魔法少女が『キュゥべえ』と人を襲うなんて、どういう事かしら?」

 

 

 魔法で作り出したマスケット銃を、黒髪の少女に突き付ける。先ほどの金髪の魔法少女だ。

 声の主と誰かは気付いていたようだ。無表情な顔に苛立ちを見せつつ、ゆっくりと振り返る。

 

 

 

 

 

 

「………………え?」

 

 

 そんな彼女でも、予想外の人物には唖然となる。

 橙色の派手な鎧を着た、フルアーマーの謎の人物。一瞬、等身大の人形かと思った。

 

 

「誰だか知らねぇが、乱暴は止めるんだ!」

 

「貴方が誰なのよ。コスプレ?」

 

「コスプレで言ったらそっちも大概だろ!?」

 

 

 呆れ顔の金髪の少女が、絋汰を手で制す。

 

 

 同時に、周りの景色が溶けるように変わって行った。

 極彩色の目に悪い狂気の世界は、無機質な元のパーキングタワーへと戻る。

 

 

「おお!? も、元に戻れた……のか!?」

 

「どうやら敵は退散したようね」

 

 

 冷たい風が入る。夜景が醸す青白い光を浴びながら、五人は集結。

 暗いパーキングの中、開口部から流れる光で、それぞれ半身だけが闇の中で見えていた。

 

 

 

 

「貴女の目的が何であれ、結界から出た今、争うのは不毛よ」

 

「……私は……」

 

「……分からないの? 見逃してあげるって事よ」

 

 

 顔を引攣らせた後、彼女は開口部からパーキングタワーの外へ逃げて行く。分が悪いと判断したようだ。

 敵の退散と気配の消失を確認すると、彼女は銃の実体化を解いた。

 

 

「………………あの子……」

 

「さてとっ。絋汰さん、でしたね? お互い変身を解除しましょうか」

 

「……え? あ、あぁ。そうだな」

 

 

 少女は瞳を閉じ、絋汰はバックルの錠前を外す。

 お互い一瞬だけ光に包まれた後、元の姿に戻った。

 絋汰は最初の通り、チェック柄の上着とジーパン。少女は、あの二人と同様の学校制服姿だった。

 

 

 

「お、おぉ……! 変わった……いや、戻った?」

 

「あれ、その制服……」

 

「あなた達と同じ、『見滝原中学』の生徒よ。三年生の『巴 マミ』、よろしくね」

 

 

 挨拶を済ませた後に、彼女は抱えられた白い生物の方へ駆け寄った。

 

 

「こんな酷い怪我を……」

 

 

 指先から光が漏れる。それを浴びた生物から、傷が無くなって行く。

 

 

「凄い……傷が一瞬で治った……」

 

「治癒魔法って奴か……てか、なんだそいつ?」

 

『ありがとう、マミ!』

 

「喋った!?」

 

 

 生物は少女の腕から離れ、マミの肩に飛び移る。

 狐のようで、猫のようでもある、不思議な生物だ。背中に赤い円があり、獣耳とは別に、耳朶のような長い部位がぶら下がっている。動物図鑑と言うより、ファンタジー漫画に出て来そうなビジュアルだ。

 

 

「あれ? その声は……」

 

『不思議な事があるものだね。少女たち以外に、僕の姿が見える男性がいるなんて……しかも成人済みだから、興味が尽きないよ』

 

 

 助けを呼んでいた、あの声だ。この生物の声だったのかと理解する。

 

 

『それに君が変身したあの姿。「魔法少女」と似て非なる力を感じた。一体それは、何処で手に入れたんだい?』

 

「魔法少女……じゃあ、君が使ったのは、やっぱり魔法!?」

 

『無視はいけないと思うんだ』

 

 

 絋汰の話を聞き、困惑の声をあげるボーイッシュな少女。

 

 

「え? お、お兄さんのは魔法じゃないの……え!? 魔法!? 魔法少女!? 本物!?」

 

 

「まぁまぁ」と二人と一匹を宥め、巴マミは続けた。

 

 

「一先ず、場所を変えましょ?『未来の魔法少女たち』もいるみたいだし、絋汰さんについても教えて貰わないと」

 

「……え? 未来の……?」

 

 

 ボーイッシュな少女がおずおずと反応したと同時に、白い生物が少女二人へ自己紹介と『勧誘』を行う。

 

 

 

 

『僕は「キュゥべえ」。突然ですまないけど、僕と契約して「魔法少女」になってよ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マミらから逃走した、黒髪の少女。

 パーキングタワーから離れた場所で変身を解除する。元の服装はマミらと同じ、見滝原中学校の制服だった。

 

 

「…………最悪な事態ね。マミと……それよりもキュゥべえと接触された……」

 

 

 辛酸を舐めたかのような表情で、力なくフェンスに背を預けた。

 先端部がカールした、お城を守護するようなデザインのフェンス。その向こうには見滝原の中心街が、煌びやかに輝いていた。

 

 

 

 

 首を回し、視界の端に夜景を写す。彼女にとって、眩過ぎる光。

 

 

「……次の手を考えないと。何としても……今度こそは……」

 

 

 マミたちに見せたあの、冷えた目で睨む。

 しかしその目に、寂しさと悲しさが滲んでいたとは、彼女自身も誰も知る由がない。

 

 

 自分はもう、光を浴びる事はない。光の輪の中に入れない。一生、暗澹とした孤独の闇を彷徨うんだ。

 彼女は己に課せられた呪いを、忌まわしく感じ取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 静かな夜、誰もいない街角、物思いに耽る。

 それらを裂いたのは、激しい衝突音だった。

 

 

「……ッ! 誰かいるの!?」

 

 

 瞬時に反応し、音のした方を睨む。

 ポリバケツが倒れていた。中に詰め込まれたゴミが路上に汚く散布される。

 だがそんなゴミよりも存在感を放つ人影があった。ポリバケツを倒した人物で、そのまま散らばったゴミの中に伏している。

 

 

 暫しの間、ただの酔っ払いかと思った。

 しかし、倒れるその男の服はズタズタのスーツであり、雨でも浴びたかのように濡れていた。更にはポリバケツに男のものと思われる血が付着していた為、認識は改められる。

 

 

「ぐぅ……! は、ハァ……ハァ……! あぁ……!」

 

 

 息も絶え絶えながら、自分のいる場所を確認しようと頭を上げた。

 髪は酷く乱れ、出血が酷いのか顔色が酷く青白い。

 

 少女は突然現れた重傷者を訝しげに見ながら、警戒を解かずにゆっくり近付く。彼女の存在に、全く男は気付かない。

 

 

「……貴方、大丈夫?」

 

「ハァ、ウァ……み、『光実』を……光実を……!」

 

「………………」

 

 

 別に助ける義理はない。自分も相手も知らない人物の上、彼女にとっては意味のない行為。

 しかし、満身創痍でゴミの中に這い蹲るこの男へ、強烈な信念を感じ取った。一つの事へ、自分がどうなろうとも突き進もうとする、強い覚悟と意思を。

 

 

 

 彼女は目の前の男へふと、自分を重ねてしまう。

 

 

「………………」

 

 

 男へ近付き、彼女は手の平を添えた。

 紫色の光が現れ、男を包む。荒かった彼の呼吸は段々と、安らかなものへと変わる。傷を治癒したようだ。

 

 

「な、なに……!?」

 

 

 突然の苦痛の軽減に困惑した男は、やっと少女の存在に気が付いた。

 

 

「……私が治せるのはそこまで。後は自然治癒力に委ねなさい」

 

「ハァ……うっ……き、君は……!? なにを……!?」

 

「私の事は今夜限りで忘れて。何があったかは分からないけど、命を狙われているなら静かにする事ね」

 

 

 少女は踵を返し、男から離れる。

 背後で彼は、その後ろ姿を脳裏に焼き付けていた。

 

 

 

 

「俺に……なに……を…………」

 

 

 意識が朦朧とし始め、とうとう薄れて消えてしまう。

 男がまた気絶した事を確認すると、黙ってその場を少女は立ち去って行く。

 

 

「……なにしているのかしら、私は」

 

 

 自分でも驚く事だ。見ず知らずの人間を助けるなどと。

 いや、助けたつもりではない。一先ず傷の手当てを施しただけで、後は彼自身の運に任せただけだ。寧ろ、命を弄んだのではないか。

 

 

 色々と考えはしたが、気が付くと男の姿が見えない所まで来ていた。

 街灯の下で、彼女は天を見上げる。

 

 

 

 

 眩過ぎる街の光は、星々を見えなくしてしまう。

 自分はその星だ。輝きさえ知覚されない、弱々しい星の光だ。

 

 

「…………あれは、一体なんなのかしら」

 

 

 脳裏には、マミの隣に立つ珍妙な存在が散らつく。

 あんなモノ、一度も見た事がない。魔法なのか、それともただのコスプレなのか。

 自分を救ってくれるのか、敵となるのか。

 

 

 

 

「……………………期待はしない方が良い」

 

 

 そう呟き、彼女は歩き出す。

 街灯の光から逃げ、闇の中へ。

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