「僕と契約して魔法少女もとい魔道士にならないかい」
眼の前にいる白い生き物はそういった。
数分前
「久しぶりの旅行だね、お兄ちゃん」
俺達比企谷家はゴールデンウィークと言うこともあり家族総出で旅行に行くことになった。
俺は比企谷八幡10歳だ、そして妹の小町8歳最高の妹だ。
俺たち一行は山中の温泉旅館に行く為山道を車で走っていた。
しかしワクワクウキウキの時間は、一瞬で奪われた。
よくわからない空間に迷い込んでしまい、俺達は車から謎の生物に降ろされ
母、父と謎の生物に食べられていった。周りと俺の服や頬には、両親のものと思われる血がついている。
とても鉄臭い。
そして小町も…
俺はその光景を見た瞬間、何かが俺の中で崩れていく音がした。
「ころす…」
それは10歳の変声期も来ていない少年が出せるような声ではないくらい、とても低く憎悪に満ちた声だった。
そして謎の生物を殴る。そうすると殴った部分が吹き飛ぶ。
「しね…」
謎の生物をすべて殲滅した時だった。周りのおかしな空間が消え…
「君は凄いねソウルジェム無しで魔力を扱うなんて」
白い生き物が現れた。
「僕と契約して魔法少女もとい魔道士ならないかい」
「お前も殺ればいいのか?」
と身構える
「出来れば辞めてほしいね。僕は君の味方さ」
白い生き物がそう言うと俺は血に染まった拳をおろす
「っでなんだっけ魔道士?」
「そう僕と契約すれば1つ願いを叶える変わりに魔法少女になって魔女と戦ってほしんだ。魔法少女と言っても君は例外だ、男の子は少女では無いからね。魔道士といったところかな」
「願いの範疇は?それとなって損する事は?ソウルジェムとは?」
「抜け目が無いなとても思春期も迎えてない未熟な少年とは思えない」
「っで?」
白い生き物は誤魔化せなかったか…と言う表情で話し始めた
「願いは何でもだよ。デメリットはある意味生命的活動を終えると言うこと。ソウルジェムは願いと引き換えに生まれる所有者の魂そのもの、壊れれば所有者は死ぬ。魔力を貯める場所とも言えるね。どう?分かったかな?」
「わかりやすく言うとねソウルジェムが君の本体、体は魂の無い抜け殻さ。人間を辞めることになる」
「じゃあ逆に得することは?」
「君の家族を殺した憎き魔女を倒す力が手に入る。まぁ君はソウルジェム無しで魔力を使い攻撃力を上げ雑魚使い魔を倒したようだけど…っでどうするんだい契約は」
もう願いは決まっていた。
家族を蘇らすと言おうと考えたが辞めた。過ぎてしまったこと、大丈夫…あの家族ならみんな天国に行ってくれてるはず。
それに願いを叶えると魔道士なる。魔女と戦うのだ、怪我もするだろう。怪我だらけの体また魔女にやられ死体を見た家族、小町はどう思うだろう。悲しむのは俺一人で十分だ。
と思うと家族に心配はかけたくない。そうすると残ったのは
「白いの俺に魔女共を蹂躙する力、魔女そのものの力を俺に寄越せ」
自分に魔女のちからを宿らすことで戒めとする。
「承ったよ。それと僕はキュウべぇよろしくね、えーと」
「比企谷八幡だ」
名前を言うと俺の中から灰色のソウルジェムが出てきた
これで人間を辞めたことになる。
「八幡」
「?」
「魔道士の力存分に試すといいさ」
と言いどこかに消えていった。
「魔道士」
誰もいない山道にそんな声が響いた