今日はあの三人の見学会は無いので学校が終わり、俺は風見野に来ている、主な用は夜飯にラーメンが食べたくなったからこちらにいた頃通っていたラーメンに向かっている。
バスだとお金が掛かるので変身して住宅やらなんやらを足場にしたりと、要は走っている。
実際こっちの方が速かったりする。
「とーちゃく…と」
風見野に着くと物陰に隠れ変身を解き、目的地であるラーメン屋を目指す。
腹の虫は鳴りっぱなしだ。まぁ食わなくても死なないんだけどね。
「あんちゃん!」
「オヤジさん」
顔見知りの八百屋のオヤジさんだった、ここでよく林檎を買わされたものだ。
もう1ヶ月も前なのか…
「あんちゃん最近見ねぇけど何してんだ?」
「隣町に引っ越してな、なんせ急だったものでな何も言えなかったって訳だ。久々に暇になったからこっちに来たんだよ」
「そうかい。元気でな」
「分かってるよ」
林檎を1つ買い八百屋を去りラーメン屋に向かう、あそこのラーメンは脂が強いので食後にはもってこいだ。
そして例のラーメン屋につき
引き戸を開ける。
「らっしゃい!おー坊主久しぶりだな」
「いつものな」
「わーてらって」
俺はカウンター席に座り厨房でラーメンを作る後ろ姿を見ながら風見野のいた頃の事を思い出していた
ここの魔女は他の街よりより一層強く、なかなか手こずっていたのだ。まぁ途中出会った狂気の様な女に付け回されていたよな…あいつが絡むと余計な事ない…
それにあいつに取られた金は計り知れん、
あ…今考えればあの時もあの時も…
「おい坊主目腐ってんぞ」
「それはデフォだ」
そう言いラーメンを出してくる店主。やっぱり美味そうだ
「そういやあの嬢ちゃん最近来ねぇな」
「欠金なんじゃね、知らんけど」
そっからラーメンを食いながら引っ越した事を話し食べ終える頃にはしっかり腹も膨れ、店主が切ってくれた先程の林檎で口直しする。
「たく、なんで俺が林檎剥いてんだよ」
「まぁいいだろ、他に客居ねぇんだから」
林檎を見るとうさぎの形に切ってあった。俺おじさんにギャップ萌とか求めてないんだけどな。
なんでこの厳つい顔でうさぎを作ろうと言う考えが生まれたのだろう。最早キュウべぇの契約時のお願い事じゃ無いと判明されないレベル。
江戸川の小学生探偵でも迷宮入り確実だろう。
その林檎を爪楊枝で刺すと同時に勢い良く店のドアが空けられた
「ハチてめぇ!」
「げ!佐倉…」
「おっちゃん悪ぃこいつ借りてく。ほい財布、私のツケも引いといて」
「あいよ」
そしてそのまま店から強制的に出され近くの脇道のようなビルとビルの間の空間で投げ捨てられる
「はぁ死ぬかと思った」
「こんなんで死ぬわけあるかよ」
そう言い放つと変身し槍を俺の首に突きつける
「で、なんで急に居なくなった?」
やっぱりそれか
「なに簡単な事だ、この街はお前一人で十分だと判断したキュウべぇの指示で隣町に行っただけの話だ。これは今に始まった事じゃないしな。」
正直に説明したら、普通に槍を離してくれた。首筋から一滴血が流れる。
「ならしょうがねぇな」
「分かってくれたな「でも!」ら…?」
「何も言わずに出ていくのは違ってねぇか?」
「!」
確かそうだ、俺は何も言わずこの街を出ていった。でも俺からしたらそれは当たり前だ今までの12の解放した街もそうしていた。共闘した他の魔法少女には何も言わずそのまま去った。それが俺のやり方だから
「アタシがどれだけ心配したか分かってんのか!」
彼女に似合わない涙を浮かべている。それほど心配してくれたのだろうか。いつ死んでも可笑しくない世界。隣で立っている仲間が次の瞬間には死んでいる事もある。いやそんなのは日常茶飯事だ。
「クソが………。あー、この話は終いにしようぜ?お前がしっかり話してくれだだけで十分だ。それより…な?」
分かってるだろと槍を構える西から射し込む太陽の影でその真紅の瞳はより一層赤く燃え上がる。
「戦闘狂が……」
「誰が戦闘狂だゴラァ!」
「はいはい」
変身し俺も構える武器は銃だ。俺が彼女を傷付けたと言うのならこの模擬戦は手を抜いたら更に傷付けるだろう、元よりこいつ相手に手加減したらやられるだけだ
「手加減したら分かってるよな、」
「俺が死ぬだけだ」
「んじゃあ行くぞ!」
「はぁはぁ」
「ゲホッ!ゲホッ!」
結果は引き分け。二人共体中青く痣が出来る程には闘っていた。最後なんて武器無しの体術勝負だった、二人同時に喉への手刀が決まると流石に辞めようと言うことになった。
今は荒くなった呼吸を整えるため座って休んでいる
「ほらよグリーフシード」
「わりぃ助かるわ」
そのまま解散になった。
最後にあいつは
「こっちが片付いたら見滝原に行くよ」
と言ってどっかに去っていってしまった。
「はぁ帰ろ…」
あっ…林檎食ってねぇ…
やっぱりあいつが絡むとろくな事がねぇ!