イナズマイレブンGO-魔術師の弟子-   作:ヒラメもち

14 / 23
第14話 チームとして

 

レジスタンスジャパンとの試合から、俺たちはそれぞれ猛特訓を始めた。

ついに今日はウズベキスタン代表ストームウルフとの決勝戦。

 

「また、攻撃特化のチームなのか。」

 

相手チームの人たちはまるで戦士のような雰囲気だ。

 

「どうしたの?フェイ。」

 

「いや、気にしないで。」

 

 

それぞれポジションについていくんだけど、

実はレジスタンスジャパンから2人追加されたメンバーがいる。

 

DFの霧野とFWの白竜だ

 

 

スターティングメンバーは、

FW 剣城 瞬木 白竜

MF さくら 天馬 神童 九坂

DF 俺 森村 鉄角

GK 井吹

 

キックオフと同時に、走りこんでくる。

 

「さあ、行くぞ!シルクロード!!」

砂漠の日の入りを思わせる静かなドリブル突破で天馬が抜かれる。

 

 

さらに、パスを繋がれていく。

 

「鉄角、くるぞ!!」

 

「あ、ああ!!」

 

「遅い!!ジャッジスルー2!!」

ボール越しに腹に連撃を与えていく。

 

「ぐわああああ……」

 

「ひどい……」

 

鉄角は倒れたまま、痛みを耐えている。

 

「お前は行かせないぞーー」

 

「くそっ……」

俺がフォローに向かおうとするが、行く手を阻まれる。

 

 

「ほら!ゴールドフィーバー!!」

一度地面に埋まって、金を纏うシュートがゴールに向かっていく。

 

「俺だって進化したんだ!ワイルドダンクZ!!……なにっ!?」

極限にまで高めたバスケの技術が破られた。

 

 

 

ボールが膝をつく井吹の横をゆっくりと転がる。

 

「くそっ!次こそは、俺が止めてみせる。」

―――あんなに練習したのに

 

「はぁはぁ……いや、俺がボールを取ってみせる。」

 

「まずは1点。私が取り返して見せる!」

―――いいとこ見せるんだから

 

「みんな、巻き返していこう!!」

―――なんで止めないんだよ

 

「うちが頑張らないと!」

 

不屈の闘志で井吹や鉄角は立ち上がる。さくらや瞬木、森村は決意を新たにして、気合を入れ始める。レジスタンスジャパンとの試合を経て、ブラックルームの特訓を経て、世界レベルまで飛躍している。でも、初めより強くなった彼らだけど、初めとは違った感じのバラバラなイレブンがここにいた。特訓で強くなったことで、自信がついたことで、視野が狭くなっている。

 

0vs1という状況

 

 

 

キックオフと同時に、瞬木は独りで俊足を活かしてドリブルしていく。

白竜と剣城は舌打ちして追いかけ始める。

 

「無駄なんだよ!」

「いくぜぇ!」

 

「「ローリングカッター!!」」

お互いの足を掴んで車輪と化す、2人の連携ブロック技。

 

「うわあああ!!」

―――俺は強くなったはずなのに

 

 

「俺がやる!!うおおおおお!!」

 

「ほら!シルクロード!!」

怒髪天となった九坂は静かに躱される。

 

 

 

「何やってるんだよ!!」

 

「お前もな!!シルクロード!!」

守備範囲を大きく越えて飛び出した鉄角も静かに躱される。

 

―――ディフェンスも攻撃も、チームとして上手く嚙み合わない。

 

 

俺や天馬たちは上手くマークされ続けている。

 

「ねぇ?」

マークについている選手に話しかける。

 

「あ?」

 

「ジャマナンダケド?」

 

「ひっ!?」

 

 

 

「私が止める!グッドスメル!!」

闘争心をかき消すブロック技を使う。

 

「はっ!無駄なんだよ。ジャッジスルー2!!」

 

ボールをさくらの腹に軽く当てられる。

 

「うそ……」

―――あの技がくるっ

 

 

 

心臓の鼓動が高まっていく。

心が紅く塗りつぶされていく。

 

世界の風をかすかに感じられる程度となる。

 

―――アクセル

紅いオーラを纏い、駆ける。

 

 

ゆっくりと風が動く世界。

さくらを救い出し、やさしく地面に降ろす。

 

宙で静止しているボールを俺の足元に置くと、心臓の鼓動が元に戻っていく。

 

「なにが……起こった?」

 

「フェイ……?」

―――目が紅い?

 

 

「お前らぁ!!」

怒声で、ようやく自分以外に目を向けた。

 

「また視野が狭くなってるぞ!せっかく練習したのに、実力を発揮できていない。繋がった絆を大切にしろよ。またバラバラなイレブンになってるぞ!!」

 

思い出すのは帝国学園との試合。

意識もバラバラで、彼らがサッカーに興味がなかった頃。

 

「俺の死ぬ気の全力全開を見てろ!そして目を覚ましやがれ!!」

 

 

ボールを浮かして、再び心臓の鼓動を高める。

風がゆっくりと吹き始める。

 

紅く輝く光を生み出す。

 

「……クリムゾンスマッシュ。おらぁ!!!」

 

一発じゃ足りない。青の光。

「スマッシュ!!」

 

まだいける。緑の光。

「スマッシュ!!」

 

まだ物足りない。黄色の光。

「スマッシュ!!」

 

 

 

俺が風を感じたときには、ゴールに流星が突き刺さる。

 

「いつのまに……?」

 

 

 

膝をつき、心臓の激しい鼓動を落ちつかせる。

 

「ちょ、ちょっと!どうしたの!?」

 

さくらの手を借りながら、

俺はゆっくりと立ち上がりながら、想いを伝える。

 

「みんな、あとは任せた。」

 

控えている仲間がいたから、俺は必殺技を使えた。

 

ベンチの方向を向き、

控えている真名部や皆帆、霧野を見る。

 

 

「俺たち、大切なことを忘れていたな。」

「そうだな。」

「うち、なんか焦ってた。」

「力を、合わせて……」

「俺さえいれば勝てるなんて勘違いを」

 

「フェイ、ごめんね。そしてありがとう。」

―――大切なこと見失ってたよ

 

 

俺はさくらに支えてもらいながら、ベンチにたどり着く。

すでに霧野が立ち上がっていた。

 

「いい言葉だったな。後は任せろ。」

 

「うん。守りは頼んだよ。」

 

 

 

『さあ、一之瀬の謎の新必殺技によって1vs1という同点!!しかし代償は大きく、一度交代となってしまいました。新しくDFの霧野が入り、試合再開です!』

 

 

「なに熱くなってんだか。」

「おら、シュート決めるぞ!」

 

速攻でパスを繋いでいき、シュート体勢に入る。

 

「もう1点もらうぜ、ザルキーパーさんよ!

 

「「デュアルフィーバー!!」」

金を纏うツインシュート。

基本的に2人ずつで動くチームだし、こっちが本来のシュートなのかな。

 

 

「井吹!!フィールドを、俺たちを見ろ!!―――サッカーは11人によるハーモニーなんだ!!」

 

 

「神童……」

―――『独り』に固執する俺をお前は否定していたのか。

 

 

井吹は、心の底から叫ぶ。

 

「霧野っ!!頼む!」

 

「ああ、わかった!!ディープミストV3!!」

濃霧を通ったボールはパワーダウンされる。

 

 

「あとは、俺を信じろ!!」

 

右手に力を込めて、地面を切り裂く。

「ライジングスラッシュ!!」

爪跡の衝撃波でボールを弾き返す。

 

「「なんだとっ!?」」

 

「頼んぞ、神童!ボールを繋いでくれ!!」

 

「ふっ、ようやくわかったようだな。」

 

チームのGKがやることは1人でゴールを守るだけじゃない。何があっても挫けず、どんなことをしてもゴールを守り通すこと。フィールドには共にゴールを守ってくれる仲間がいる。神童が攻撃の司令塔なら、井吹は守備の司令塔としての役割が求められる。俺や神童だけじゃない、三国さんも井吹にそれを伝えてようとしてくれた。確かに時間はかかったけれども自分で気づいてこそ、チームの守護神となり得る。

 

世界を戦っていくのには必要な心構えだ。

 

 

「霧野も前へ行っていいぞ!  森村!鉄角!DFが減るから、気張れぇ!!」

 

「「ああ!」」「うん!」

 

一番後ろでフィールドの状況を見ながら、指示を出していく。

 

 

「もっと、先に行くぞ!!」

天馬の声がみんなに響く。

 

「「「「おう!!」」」」

―――まだまだこのチームで戦いたい。

 

チームの想いが1つになる。

出会うことのなかった俺たちが確かな絆を感じていた。

 

俺たちは世界へ絶対行ってみせる。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告