イナズマイレブンGO-魔術師の弟子-   作:ヒラメもち

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第6話 さくらのサッカー

井吹の必殺技の完成で、士気は高まってきている。

 

俺たちは初めと見違えるほど、

声をかけあうようになった。

 

彼らは初め見違えるほど、

サッカーと向き合い始めた。

 

 

「神童!」

 

「ナイスパス、井吹。」

 

「GKなら、当然だ。プレストターンV3……天馬!」

 

 

しかし、さくらがボールをパスカットをして、走り出す。

 

「こうなったら私も必殺技を!……あ」

 

「何度もいかせはしない! ウィリー・ウィリー!!」

創られた砂嵐でさくらは吹き飛ばされる。

 

 

「きゃあ!」

―――みんなより結果を出さなくちゃいけないのに

 

 

全力全開で、ボールを持つDFに走る。

「真フレイムダンス!」

炎の鞭でボールを掻っ攫い、さくらにパス。

 

 

 

「え?」

―――どうして

 

何度も、何度も、ボールを奪われる。

その度に、俺は取り返していく。

 

 

「一之瀬君、ありがとう。」

―――結果を出せなくて、ごめんなさい。迷惑かけて、ごめん。

 

 

 

「私たちは未来のために負けるわけにはいかないのだ!!」

「キーパー以外は前に上がっていけ!!」

 

同点のまま、時間が無くなっていくにつれて、攻撃が苛烈になってきた。国の想いのために必死な、『全員攻撃』で俺たちの体力は削られていく。

 

「しまった!?」

―――また失敗。

 

 

「メガロドンV2!!」

さっきより威力が増したサメのシュート。

 

 

「ワイルドダンク!!……くっ、」

威力を抑えきれず、宙を舞うボール。

 

「うおおおおお!!」

跳びこむように、全力全開で抱え込む。

 

 

「ナイスガッツ!」

 

「ああ!……皆帆!」

 

 

「オッケー、真名部君!」

「承りました!キャプテンお願いします!」

 

―――声をかけ合うこと、俺たちは繋がっていく。

 

 

「瞬木、走れ!!」

 

「はい!」

 

 

瞬木は、天馬のロングパスに俊足で追いつく。

 

宙を蹴り、空へ行く。

「うおおお! パルクールアタック!!」

空中からの全力シュートは、ゴールに突き刺さる。

 

 

『ゴーーーール!キャプテン松風のアシストで瞬木がシュートを決めた!!』

 

 

 

天馬がさくらに近づいていく。

さくらの両手が、キュッと握られる。

 

「ねぇ、さくらサッカーは楽しい?」

 

「キャプテン、どうしたのいきなり?」

―――怒られるんじゃないの?

 

「さくらは新体操をやってたんだよね。きっと楽しかったんでしょ?その時の気持ちを思い出してほしいんだ。苦しいサッカーなんて俺はしてほしくないから。」

 

「でも!一番にならなきゃ『楽しい』も何もあるワケないじゃない!……なのに、私全然結果出せてない。何度も何度も迷惑かけて。」

 

それが、さくらの笑顔に隠されていた痛みなんだね。

 

 

「円堂守さんって知ってる?」

 

「知っているけど。」

―――サッカーを知らない人でさえ世界で有名なGKよね。

 

「その人もさ、何度も失敗して、何度も挫折してきたんだって。でも、俺の義兄さんやチームメイトが支えてきた。そして彼も守護神としてキャプテンとして、チームを支えてきたんだ。だから、俺もさくらが失敗したって何度だって支える。今度はさくら自身の一番カッコいい技を俺に見せてよ。全力全開で、みんなでサッカーやろうよ!!」

 

「そうだね。みんなで点を取るんだよ。サッカーはチームプレイなんだ!」

 

「……うん、私も頑張ってみる。」

―――みんなでサッカーを……

 

 

 

『試合再開!このままイナズマジャパンは逃げ切ることができるのか!?』

 

「行きますよ、皆帆君。」

「うん!真名部君!」

 

「「スピニングカット!!」」

衝撃波で、突進のようなドリブルを止める。

2人の洞察力や分析力で、数回見ただけで俺の技を真似たんだね。

 

 

九坂にパスが繋がる。

 

「野咲、頼んだ!」

 

しかし、さくらは素早く4人に囲まれる。

 

 

「「「「必殺タクティクス サックアウト!」」」」

 

俺は脇目も振らず、ゴールに向かっていく。

―――先で待ってる、さくら!

 

 

「……神童さん!天高く道を示して!」

 

「あ、ああ! 神のタクトFI!!」

―――野咲はついてこれるのか?

 

波の渦のない空へ向かって、さくらは跳躍する。

 

さらに、

持ち前の柔軟さを活かして、空にが示された炎の道を鮮やかに通る。

 

 

「やったっ!!」

 

「通さない!ウィリー・ウ……」

 

―――あと1人なんだ!

 

一度立ち止まり、舞うように回転し、フープを創る。

「ビューティフルフープ!」

ボールとともに鮮やかに抜き去ると、ピンクのリボンがDFを縛る。

 

「よしっ!」

―――私だけの必殺技ができた!

 

「フェイお願い!!」

―――今度は君が魅せて

 

 

 

ループシュートによって、宙に浮くボールへ跳んで追いつく。

 

「さくらからの想い、無駄にはしない!」

 

 

空中で創った紅い光の円錐へ跳びこむように、ボールを蹴りつける。

「クリムゾンスマッシュ!!」

紅い流星がゴールに向かっていく。

 

 

「俺たちは負けられないんだ!グレートバリアリーフ!!」

澄んだ海の壁を創り出す。

流星は水の抵抗をもろともせず、ゴールネットへ突き刺さる。

 

 

 

『ゴーーール!! 野咲のアシストで、リベロの一之瀬が必殺技を決めたーーー!!そして、試合終了! 3vs1でイナズマジャパンが勝利だーーー!!』

 

 

パン!

 

ハイタッチの音と、歓声が重なる。

 

 

―――みんなで一番、みんなで輝くかー。ま、それもアリかな。

 

 

 

***

 

敗北しトボトボと帰っていった選手たちの控室にはユニフォームだけが散乱していた。

 

 

 

 

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