不死人が鎮守府に着任しました!   作:きゅーちゃん

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随分、遅くなりました。大変申し訳ありません。
FGOのイベントやってたらいつのまにか前回投稿より大分過ぎてた。
イベントガチャでメルトリリスと紫式部をお迎えしました。
周りには『そろそろお前、死ぬんじゃねぇの?』と言われてます。
そのような気が本当にして気が気でない。



戦う準備は入念するべし、消えってしまった戦う理由

オスカーは困惑していた。何故遠征に行ったはずの彼女達は、怪我もなく無傷で帰ってきたのか?という事だ。この男は本来のイ、ロハ級の実力を知らないあの世界のように初めから殺意増しましの素早い突撃を繰り出してくることは殆どなく、さらに彼女達は艦娘が持っている武器つまり艤装の事だが、無強化の弓の威力などではなく一発一発が大砲のような一撃になっている。

そんなものを食らうのだから勿論イロハ級は沈む。しかし彼はそんな事を知らない数が多くともある程度の練度があれば、簡単に倒せる事を知らない。

 

そして翌日彼をさらに過保護にすることが起こる。

出撃、この言葉を聞いて気をつけることは艦娘達のレベルと装備、敵の種類に羅針盤がどっちに向くかということだと思う。

しかし、オスカーはこの事を詳しくは知らない、こちらに来て初めての実戦であり、戦うのも自分ではなく艦娘という何度も生き返ることのできない少女達である。

 

そして今回の編成は金剛、鈴谷、瑞鶴、龍驤、川内、夕立である。

不安である、ただただ純粋に不安である。

この前の遠征では何の問題もなく、帰って来れたがそれは資源の回収がメインだったからだ。

 

だが、今回の目的は敵の撃滅だ。

つまりは殺し合いだ。悪知恵や小狡い手は当たり前の殺し合いだ。

毒の塗られた武器は当たり前、遠くからの狙撃や、姿を見えなくしてからの奇襲、更には仲間を一人ずつつリンチにしたり、挙句の果てには角待ち衝撃波による落下死もあり得る。

 

 

海上で戦うため吹き飛ばされて落下死はないが、海面からの奇襲は大いにありえる。相手が毒を持っているとも限らない。

武器もそうだ火炎壺よりも威力のありそうな榴弾や、貫通能力に重きを置いた徹甲弾もある回避するのは相手の砲門の角度や向きを見れば、おおよそ見当はつくがそれを彼女達ができるのかと言ったら別である。

 

砲弾はまだいい、空母の艦載機だとかいう武器、あれは悪魔が開発したと言っても過言ではないと思う。

小さい上に素早く空を飛び遠距離から凄まじい速度で攻撃してくる。あれはダメだ。厄介すぎる。救いなのは、大楯で防げるところだろうか?

 

オスカーは考えた誰も死なずに生還できる方法を、そして思い立った。まず、物理と火に強い盾を持たそう、そして回復アイテムと耐性を上げるアイテムを支給しよう。

そしてアイテムを渡していく、夕立には双蛇のカイトシールド、鈴谷には太陽の盾、龍驤には龍紋章の盾、瑞鶴には黒騎士の盾、金剛に黒鉄の大盾を渡そうとしたが少し重そうだったので、銀騎士の盾にした。

 

そして更に赤虫の丸薬と周回で使わなくなった挙句ために溜めた女神の祝福を渡したのだ。

本当なら武器も上げたかったが馴染みある武器のほうがいいと思い渡さなかった。

 

それにしてもやりすぎである艦これ基準で言えば、全員に応急修理女神と火、簡単に言えば榴弾の爆発などを軽減させるアイテムを渡しているのだ。

過保護にもほどがある。

 

全員の顔は勿論引きつっている。当たり前だ

盾は竜の強烈なブレスや引っ掻き、マグマにも耐え得るものがある。

榴弾がそんな威力を出せるわけもないのにこれである。

しかも盾の説明とアイテムの説明をきっちりする。顔が引きつるのも仕方ないだろう。

勿論、艦娘からも意見が飛ぶ

 

「いや、そんな凄いものいらないし、今回攻略する海域も今の練度なら簡単なところでしょ?いいよー提督そんなにしなくても」

 

「そうや。心配のしすぎや。そんなんやったら、この先どないするん」

 

「提督は心配すぎぽっい〜」

 

「大丈夫だよ提督!そんなことより夜戦させて夜戦!!」

 

「そうですよー提督ぅ〜この金剛にお任せねー!」

 

「ぬぅ、だが戦いには何が起こるかわからないんだ。こちらの意見を多少は聞いてくれ」

渋々、引き下がったがそれでも女神の祝福は渡したままだった。

 

そして出撃の時

オスカー不安でいっぱいである。

もしかしたら、この後戻ってくる人員が減っていたり、もし不死人が混じっていたらひょっこり篝火から生えてくるのではないかと心配でたまらない。

 

不死人であるが故自分が死ぬ事に関しては特に気にはしていない。死んでしまっても『次は気をつけて極力死なないように行こう』と思うくらいだ。

だが、他人が死ぬことに関しては別であるしかも不死人でないのなら尚更だ。

 

死ぬ回数が多いとそれだけ死因の種類も多くなる。剣で心臓を貫かれる、毒が体に回り死ぬ、焼け死ぬ、食われて死ぬ、呪いにより石化して死ぬ、岩に押しつぶされる、死ぬ瞬間がどんな感じなのかも詳しく語れるぐらいには死んでいる。

 

だからこそ、周りの人間には死んでもらいたくない。死とはどれほど恐ろしく痛いものかを身をもって知っているからだ。

 

「提督〜言ってくるぽ〜い」

 

夕立が振り向いて元気よく手を振っているオスカーはそれに答えるように手を振り返すが今この男の顔は不安により引きつっている。こいつは本当にあの世界を何度も廻ってきたのかと思うくらいに引きつっている。

そしてこの男は今、もし艦娘がピンチに陥ったらどうすれば良いのかを考えている、水に入るのはまずい動きが遅くなり体力の消費も陸より激しい武器も制限されるし、何より鎧がつけられない。

では、船を使うのはどうだろうか?これも却下だ。

相手である深海棲艦は水中又は水上が戦いの場だわざわざ自分達の得意な攻撃範囲から出てくるのは四流がすることだ。ましてや船の下に潜られたらどうする?一方的に殴られて終わる。(はめ殺しにあう)

 

ではどうするか?

海の上に立つのが得策だろうが、それは不可能である。彼女達がつけている艤装も艦娘だけしかつけられないようだ。

 

もはや八方塞がりかと思われた時、天啓が舞い降りてきた。それは彼の記憶の中ではまだ真新しいものだ。それはジークバルトとイルシールで酒盛りした時の話だ。

 

『貴公、知っているか?水を思いっきり冷やしまくると冷たく固まるらしい。そうすると水の上なのに立つことができるそうだだが、今回やりたいのはそれじゃない。それを切り出して箱の中に入れておくと周囲が涼しくなるらしい。ついでに酒も入れておくと酒も冷えて上手くなる。貴公、何かそういうスペルを持っていないか?おお!持っているのか!

早速、試してみようじゃないか。』

【瞬間凍結】

『おお!?見ろ貴公水がみるみる内に固まっていくぞ!ここにちょうどいい大きさの箱がある切り出すなり砕くなりして入れようじゃないか!』

しばらくして・・・

『触ってみろ貴公!酒が冷えている!早速飲もうじゃないか!では、カンパーイ!』

ゴクッ

『冷た!?このイルシールの寒さよりも冷たいではないか!だが美味い!ガハハハハハ

貴公のおかげだ。祝杯をあげよう。

貴公のスペルと、我が知恵、そして我らの試みに挑戦する勇気に、太陽あれ!!ガハハハ』

 

もしかしたら海にも使えるのでは?

【瞬間凍結】

ピキピキパキツ

(凍った!海にも通用する後は立てればいいだけだ)

鎧を着て降りる見事に立つことには成功した後は歩く、走るローリングができればいいそして歩く事に成功し、走る事にも成功したローリングをしてみたが、少しヒビが入ったのであまりしないほうがいいという結果に終わった。

(ジークバルト、貴公のおかげだ。)

彼は兜の中で陽気な玉ねぎ頭の騎士に礼を述べるしかしふとある思いが頭の中をよぎりその顔は曇ってしまった。

(貴公、お前は友の為に戦い友の為に誰もいなくなったところで死んだな。貴公の戦う理由は友の為だった。なぁ、ジークバルトよ。私はどうすればいい。多分、この世界に火継ぎはない。私は今まで火継ぎのために戦ってきただが、もうその戦う理由は無くなってしまった。ジークバルト、俺は何のために、誰のために戦えばいい。どうすればいいだろうか、我が真の友よ。)

 

その後、無事に戻ってきた艦娘達に敵がどれくらいいたのかなどを聞き、使わなかったアイテムを回収し艦娘達の実力を認めるのだった。しかしこの時オスカーの顔が曇っていた事に気づく者は誰もいなかった。




花粉症のせいで集中がなかなかできない。
だけど、生姜焼きを作ってみたら大変美味しく出来上がり、鼻の穴が広がったのを感じました。

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