鐘の音がした。彼は目を開けたが、そこは暗かった。
少し手をあげると石のような重みがあったためどかしてみたするとそこは棺のあった場所ではなく墓場だった。
まだ自分に頼るのかと彼は少し呆れた。それでも使命を果たすのが自分だ。
仲間に見捨てられ、家族からは忌み嫌われ不死院に閉じ込められた彼にとってそれしか頭の中に残こっていなかった。
長い旅路の中あの玉ねぎ親子の子孫かも知れない男にあった。
ドラングレイグで放浪していたあの騎士の娘と思われる者にあった。
かつての友であった太陽の男の像を見た。
自分が倒した王の子孫にあった。
懐かしい出会いもあったが、新しく知ることもあった。
始まりの火が消えそうなこと、かつてロードランで最も栄えた都市はもうその面影がないこと、そして始まりの火を見つけた者のうち一人である小人の国への行き方、彼は全ての土地を巡った。深みの聖堂、あの狼騎士の遺志を受け継いだ者たちが住まうファランの城塞、かつてロードランで倒したデーモンの死体が積まれた燻りの湖、そして小人の国である輪の都、そしてそこで火継ぎの真実を知った。神族の一人と思われる者に触った時、辺りは灰の砂漠に変わった。彼は絶望した何も救えていないではないか!火継ぎをしても焼け石に水ではないか!
薄々感づいてはいたロードラン、ドラングレイグ、ロスリックと巡るごとにだんだんと荒廃していることに気づいていたが、知りたくなかった。歴史を見て自分で解釈して目を背けいていた、これでは不死人になっても役割を与えてくれたあの騎士のそれまでの努力はそれを受け継いだ自分の努力はなんだったのだ!と、そして彼はこれ以上自分のようなものが出ぬように火を終わらせた。しかし終わらなかった!
何度目覚めてもあの墓場、彼は失念していた自分が何度でも同じ世界を廻り続けられる事が火を終わらせても続くことに彼は心が折れてしまった何度巡ろうと何も変わらないから、時には火を継ぎ時に簒奪し、時には敵味方問わず鏖殺し時にただ我欲のためだけに突っ走った。しかし変わらなかった。彼は今一人、洞窟の中で自分の歩んできた道を思い出していた。こんな感じだったろうか。そう思いながら渇望した。もっとちゃんと人を救いたい。絶望のなき世界にしたい!
突如、自分の頭に声が響いた「では救って見せよ」老人のそしてとても威厳のある者を連想するような声が聞こえた、この声ともに彼は閃光に包まれた。
_________________________________________
洞窟に彼はいないあるのはパチパチと音をたてながら燃える篝火だけだった。
その後に声が聞こえた「救ってみせよ、果たしてみせよ、かつて、使命のためといいこの私を倒しみせた不死よ。それくらいで心を折られても困るのでな。」そう言いながら神族の王グゥインは周りには誰もいない篝火を見つめながらそう呟いた。
篝火に薪をくべる者はいなくなった少しして篝火は消えた。篝火の周りにあった地面は冷たい闇に包まれた。
不死人の鉄則その一
敵が一体だけの時は必ず伏兵がいる。