初心者に説明するという状況なため、注釈が多いのはすみません。
これ以降は、もう少しすんなり進められると思いますので。
「「オープン・ザ・フラッグ!」」
掛け声と共に、2人の扱うワールドが公開される。
「レジェンドワールド。バディは【聖龍騎士 ジャンヌ・ダルク】」
「ダンジョンワールド!バディは【審判の冷王 ミセリア】だ!」
対峙した際の位置取りを見て、バディモンスターの説明での疑問点が解消される。
「バディは最大5枚ってこういうことか」
「分かってくれた?」
「おぅ、ってもまだ何となくだけど」
「最初はそれでいいのよ」
2人の今の並びはこうだ。
ㅤㅤジャンヌ・ダルク レジェンド
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ水瀬凛 LP10
ㅤㅤライトㅤㅤㅤㅤㅤセンターㅤㅤㅤㅤㅤレフト
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤバトルフィールド
ㅤㅤレフトㅤㅤㅤㅤㅤセンターㅤㅤㅤㅤㅤライト
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ響木奏 LP10
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤダンジョン
「デッキに入らないけど、ファイトで使うってのはこのためか」
「そう。そこに立っているバディとは別に、デッキの中に最大4枚同じバディモンスターが入るって意味よ」
ようやく、説明に得心がいった。
さすがはバディファイト。相棒の扱いは特別である。
「今回はティーチングだから、あなたの手札を確認しながら私の先行」
「了解だ」
「まず私のターン。ターンの最初にデッキから1枚ドローする」
凛がカードを引き、手札7枚になる。
「その後、手札の不要なカードを1枚ゲージに置いて引き直しが出来るわ」
「これを、チャージ&ドローと言うんだ」
「ふむふむ……」
ゲージにカードが置かれ、さらにドロー。
水瀬凛 手札7 ゲージ3
「チャージ&ドローが終われば、メインフェイズに入る」
メインフェイズでは、モンスターを場に出す、魔法を使うといった行動をとれる。
「モンスターを場に出す行為をコール、と呼ぶわ。【
金縁の白い鎧を纏った美青年が凛から見て右側に現れる。
【円卓の騎士パーシヴァル】
モンスター/サイズ2
レジェンドW
英雄/騎士
攻撃力5000/打撃力3/防御力3000
「バディファイトの特徴2つ目、先行から1回だけ攻撃出来る。パーシヴァルでファイターにアタック!」
「お覚悟!」
パーシヴァルが目の前に迫ると、細いハルバードのような武器で一閃!
「くっ!」
響木奏 LP10→7
「こうやって攻撃して、相手のライフを削りきれば勝ちなんだよ」
「なるほどねぇ……」
「アタックフェイズを終えると、必殺技の発動や必殺モンスターのコールが出来るファイナルフェイズに移るのだけど、今日は置いときましょう」
「あいよ。じゃあ俺のターン、ドロー!」
「それじゃあ、カードの左上にサイズ2と書かれてる右端のカードをゲージに置いてチャージ&ドローして」
「ん?でもサイズ2のモンスターはサイズの小さいモンスターより強いからサイズ2を3枚とか出した方が強くないか?」
「バディファイトではね、基本的に自分の場に出せるモンスターはサイズの合計が3までなんだ」
「あ、じゃあサイズ2がたくさんあっても同時に出せないのか」
「そういうことだね」
納得して、そのままサイズ2のモンスターをゲージに置いた。
「じゃあ早速コールを……」
「待って、あなたの場合はそこの設置と書かれたカードを場に出すのが先」
「?これか?」
言われて手札から出したカードは【裁きのミッションカード “大魔法 アポカリプス”】だ。
【裁きのミッションカード “大魔法 アポカリプス”】
魔法/サイズ_
ダンジョンW/レジェンドW
魔王/アースガルド
【使用コスト】君のデッキの上から3枚を裏向きでこのカードのソウルに入れる。
■『設置』(このカードは場に置いて使う)
■場のこのカードは相手のカードの効果で破壊されない。
■場のモンスターが破壊された時、このカードのソウル1枚をドロップゾーンに置く。
■このカードのソウルがなくなった時、カード1枚を引く。
設置カードとは、モンスターのいるフィールドとは別の場に置くカード群のことだ。
カードによっては同名カードは場に1枚しか設置できないが、設置のカード自体は、何枚でも置くことができる。
だが、奏にとっては疑問だ。
特に強くなさそうなこのカードをモンスターより優先して置く必要性が分からない。
「このカードは?」
「ミセリアをコールするために必要なのよ」
「え、そうなの?」
聞き返すと、首肯で返された。
「これが、【審判の冷王ミセリア】が初心者に向かない理由2つ目」
審判の冷王ミセリアは、普通のモンスターと違って特殊な手順を踏んで条件をクリアしなくてはコール出来ないモンスターなのである。
単にゲージコストが重い、程度の問題ではないため推奨出来ないというわけだ。
「えっと、この使用コストのソウルってのは?」
「それは、カードに裏向きか表向きかで重ねられるカードのことだよ」
「重ねると意味があるのか?」
「ソウルに入ると発揮する効果があったりするの。そのカードはカウントダウンの要素としてだけどね」
「ふむ……」
使用コストでソウルを入れて設置する。
「今度こそ、サイズ2のモンスターをセンターに出してみようか」
「うぃっす。【サンダースパルティス】をセンターにコール」
奏の場に雷を纏った魔獣が現れる。
「ちっ。面倒な……」
「水瀬くん!?これティーチングだよ!?」
あんまりな凛の発言に、店長が慌てる。
【サンダースパルティス】
モンスター/サイズ2
ダンジョンW
Dエネミー/魔獣
攻撃力8000/打撃力2/防御力9000
「なら今度は、そのサイズ1のモンスターをライトに出そうか」
「はい。【アイアンゴーレム・ナスル】をライトにコール」
今度は赤茶色のゴーレムが現れる。
【アイアンゴーレム・ナスル】
モンスター/サイズ1
ダンジョンW
Dエネミー/コンストラクト
攻撃力4000/打撃力2/防御力2000
「ではアタックフェイズに入って、ファイターにアタックだ」
「よし、サンダースパルティスでファイターにアタック!」
「くっ」
水瀬凛 LP10→8
「アイアンゴーレム・ナスルもファイターにアタック!」
水瀬凛 LP8→6
「これで、ターンエンドだ」
「おす」
凛に手番が移る。
「私のターン、ドロー。チャージ&ドロー」
手札と盤面を見て、手を決める。
「私は、【円卓の騎士ガレス】をレフトにコール」
凛はさらに手札からカードを掴む。
「ゲージ1を払い、【王剣と贋作 ロベーラ&ロベーラ・レプリカ】を装備」
凛の両手に、2振りの剣が握られる。
【円卓の騎士ガレス】
モンスター/サイズ1
レジェンドW
英雄/騎士
攻撃力3000/打撃力2/防御力1000
『移動』
【王剣と贋作 ロベーラ&ロベーラ・レプリカ】
アイテム/サイズ_
レジェンドW
英雄/武器
攻撃力3000/打撃力2
■【装備コスト】ゲージ1を払う。
■このカードが他の《英雄》と連携攻撃した時、そのターン中、このカードは『2回攻撃』を得る。
『装備変更』
「アタックフェイズ。ここでさらに、新しいルール」
「おう、次はどんなのだ?」
「バトルと連携攻撃よ」
バトルとは、そのまま戦闘。
ここで参照されるのが、攻撃力と防御力だ。
攻撃をする方が攻撃力、攻撃を受ける方が防御力を参照し、攻撃力が防御力以上であれば、攻撃は成功。相手は破壊される。
とはいえ、装備しているアイテムは戦闘では破壊されない。
戦闘は基本的に、モンスターを倒すのに発生するものだ。
「あれ?でもそっちのモンスターは全員、俺のサンダースパルティスの防御力より低いぞ?」
「そのための連携攻撃よ」
連携攻撃とは、複数のモンスターやファイターが同時攻撃する行動だ。攻撃力と打撃力が合算され、防御力の高いモンスターも倒せるようになるのだ。
攻撃対象は同じにしなくてはならないし、攻撃している以上は攻撃を終えたらそのモンスターやファイターは攻撃出来ない。攻撃回数を減らす代わりに大きな力でぶつかるのが、連携攻撃なのである。
ちなみに、先行の1回のみの攻撃では連携攻撃は出来ない。
「って、ことはサンダースパルティスは三体の連携攻撃で破壊されちまうから……俺に7ダメージってことか!?」
「そうはならないわよ」
「え、そうなの?」
「センターにモンスターがいれば、通常はファイターまで攻撃は届かないんだ」
つまり、ゲームエンドにはならないということだ。
そして、ここにこそバディファイトというゲームの基本的な戦略思考が詰まっている。
すなわち、いかにセンターを開けて攻撃をファイターに届かせるか。
そのための戦略と攻撃、読み合いと駆け引きこそ、バディファイト最大の醍醐味だと言えよう。
「なるほどな……」
「全員で連携攻撃!そしてローベラ&ローベラ・レプリカは英雄属性のカードと連携攻撃した時、『2回攻撃』を得る!」
「何っ!?」
「はぁ!」
猛攻を耐えるサンダースパルティスも、流石に3体の攻撃には力及ばず破壊された。
「そして、アポカリプスの効果でソウル1枚をドロップ」
アポカリプスからカードがドロップへ送られる。
「さらに、サンダースパルティスはライフリンク2」
響木奏 LP7→5
「な、なんだ?なんで俺のライフが!?」
何故か減った減ったライフに困惑する奏。
「ライフリンク、という能力があるわ」
「ライフリンク?」
「場から離れた時、ライフリンクに書かれた数値分ダメージを受けるというものよ」
「その代わりとして、ライフリンクが高いモンスターほど強いステータスや能力を持ってるんだよ」
「へぇ」
「ここで、ミセリアのカードをよく見なさい」
ミセリアに再びカードになってもらって、その情報を再確認する。
「どれどれ…………ライフリンク10だと!?」
「それが、ミセリアが初心者に向かない最後の理由。破壊された途端にファイターも死ぬのよ」
「ピーキーな分、代償も大きいってことだね」
「す、すみません奏さん……僕、こんな……わぷっ」
流石に、初心者の奏と自分が共に戦うというのは敗北のリスクが高すぎると思ったのだろう。
だが、申し訳なさそうに謝るミセリアの頭を、奏が乱暴に撫でる。
「気にすんなよ、ミセリア」
「ですが……」
「俺は嬉しかったぜ?お前がバディになってくれてよ」
「!」
「だから、お前とのバディは続けてく。解消なんて許さないからな?」
「は、はい!」
その微笑ましい光景に、思わず頬が緩む凛。
が、それも一瞬。
気を取り直して奏を攻撃する。
「ローベラで2回攻撃!」
「ぐっ!」
そのまま、凛の斬撃をくらってしまう。
響木奏 LP5→3
「ザ・ムーブエンド!」
「俺のターン!ドロー!」
「ここから私はあなたの手札を見ない」
「え!?」
凛の発言に驚くミセリアだが、奏の方は笑みが溢れる。
「おう!ならこいつだ!チャージ&ドロー!」
「み、水瀬くん?」
「奏さん?」
奏の勢いが増した。その理由がミセリアには分からないのか、不安そうに声をかける。
だが、そんなことはお構いなしとばかりに操作を進める。
「センターに【ドーベルマン コボルト】、レフトに【ブロンズゴーレム・ジャイシュ】をコール!」
【ブロンズゴーレム・ジャイシュ】
モンスター/サイズ0
ダンジョンW
Dエネミー/コンストラクト
攻撃力2000/打撃力2/防御力1000
【ドーベルマン コボルト】
モンスター/サイズ2
ダンジョンW
Dエネミー
攻撃力5000/打撃力3/防御力3000
「へぇ、分かってきたじゃない」
「教え方が良いからな」
「み、水瀬くん。彼はまだ……」
「そうですよ!もっと丁寧に」
「細かいところは随時教えていくけれど、大まかな流れは説明した。なら後は好きにやってみるべきよ」
「習うより慣れろってことだろ?上等だ!」
「それで大丈夫なんですか!?」
深く考えていなさそうな2人の発言を心配するミセリアに、奏は笑顔で返す。
「大丈夫だって!」
「ですが……」
「俺はバディを信じてる」
「!」
「致命的に間違えそうになったら、店長さんも止めてくれるだろ?」
「まぁねぇ」
「なら、大丈夫」
凛と向き直って、真っ直ぐに見据える。
「勝つぞ、このファイト」
「〜〜〜!はい!!」
その姿が、ミセリアには格好良く見えて。
一歩前に。
奏と、バディと並び立った。
「アタックフェイズ!」
「その瞬間、ガレスをセンターに移動!」
「移動!?」
「『移動』という能力を持ったモンスターは、各アタックフェイズ開始時に、フィールドの空いているところに移動出来る」
「なるほどな。よし、だったらジャイシュでガレスをアタック!」
機械の拳が騎士に刺さり、破壊された。
そして、アポカリプスから再びソウルが吐かれる。
これでセンターにモンスターはいない。
「ナスルでファイターにアタック!」
「くっ」
水瀬凛 LP6→4
「ドーベルマン コボルトで追撃!」
「キャスト!【
「なに!?」
ドーベルマン コボルトの攻撃が聖杯に阻まれて不発に終わる。
「『対抗』と書かれた能力は、条件が合えば好きに使える。今使った【聖杯】は相手ターンの攻撃かつ、私のセンターが空いていれば使えるカード」
「なるほどな」
「『対抗』と書かれていない場合は基本的にメインフェイズしか使えない」
「あいよ。そのキャストってのは?」
「魔法や必殺技、対抗の能力を使う時の掛け声とか合図みたいなものよ」
「了解。ターン終了」
【聖杯】
魔法/サイズ_
レジェンドW
英雄/防御
■相手のターンの攻撃中、君のセンターにモンスターがいないなら使える。
■【対抗】その攻撃を無効化する。
「私のターン、ドロー!チャージ&ドロー!」
「来るぞ、ミセリア」
「はい」
これから始まる猛攻に身構える。
「私はレフトに【円卓の騎士 ガウェイン】をコール!」
凛のレフトゾーンに体格のいい騎士を呼んだ。
【円卓の騎士 ガウェイン】
モンスター/サイズ1
レジェンドW
英雄/騎士
攻撃力4000/打撃力2/防御力1000
■このカードが他の《英雄》と連携攻撃した時、そのターン中、このカードは『貫通』を得る。
「アタックフェイズ!ローベラとガウェインでコボルトを連携攻撃!」
犬の戦士が、 ガウェインとローベラに叩っ斬られる。
そこで最後のソウルが、アポカリプスからドロップへ落ちた。
「バディファイトにはこういう能力もある。英雄属性と連携したガウェインは『貫通』を得る!」
「貫通だって!?」
ガウェインの斬撃が、そのまま奏を襲う。
響木奏 LP3→1
「ぐっ、だがアポカリプスの効果がここで発動するんだよな?」
「えぇ、1枚ドローよ」
言われるがまま、カードをドローする。
「ローベラで2回攻撃!」
「少年、その右端のカードを使うんだ!」
「あいさ〜、けど少年はやめてくださいな」
店長に言葉を返して、言われたカードを発動する!
「キャスト!【シャルサーナ加護】!」
円形の壁が、ローベラの攻撃を阻む。
【シャルサーナの加護】
魔法/サイズ_
ダンジョンW
防御
■【使用コスト】ゲージ1を払う。
■相手ターンの攻撃中に使える。
■【対抗】その攻撃を無効化し、君のライフを+1する。
響木奏 LP1→2
「これはどうする?パーシヴァルでアタック!」
「今度は左端だ!」
「うぃっす。キャスト!【カシアードの静寂】!
【カシアードの静寂】
魔法/サイズ_
ダンジョンW
防御
■君のセンターにモンスターがいないなら使える。
■【対抗】そのターン中、次に君に与えられるダメージを3減らす。
パーシヴァルの攻撃を受けるも、ダメージはない。
「ターン終了!」
「俺のターン!ドロー!チャージ&ドロー!」
「!来た!」
「店長、これって……」
確認する奏に力強く頷く店長。
場にはソウルのないアポカリプス。
既にミッションは達成している。
そして、さらなるキーカードはたった今この手に。
「待たせたな、ミセリア」
「こんなの、全然待ったうちに入りませんよ」
「行くぞ」
「はい!」
ミセリアと拳を合わせて、1枚のカードを取り出す。
「キャスト!【ミッションコンプリート“極大魔法 アポカリプス・デイ”】!!」
「今こそ、審判の時。裁きを実行します」
【ミッションコンプリート“極大魔法 アポカリプス・デイ”】
魔法/サイズ_
ダンジョンW/レジェンドW
魔王/アースガルド
■君の場にソウルのない「裁きのミッションカード “大魔法 アポカリプス”」があるなら使える。
■君の手札かデッキから「審判の冷王 ミセリア」1枚までを君のセンターにコールする。
デッキを見たら、デッキをシャッフルする。
「その効果で、デッキから【審判の冷王 ミセリア】をセンターにバディコール!!」
「ナスルはサイズオーバーでドロップに置かれるよ」
ライトのナスルが破壊され、ミセリアが奏を守るように立った。
そして、バディギフトでライフが回復する。
響木奏 LP2→3
【審判の冷王ミセリア】
モンスター/サイズ3
ダンジョンW/レジェンドW
Dエネミー/魔王/アースガルド
攻撃力20000/打撃力5/防御力20000
■このカードは「ミッションコンプリート “極大魔法 アポカリプス・デイ”」の効果以外で場に出せない。
■【対抗】【起動】君のターン中、ゲージ2を払い、君の場の魔法1枚をドロップゾーンに置いてよい。
そうしたら、このカードをスタンドする。この能力は1ターンに1回だけ使える。
『貫通』『ライフリンク10』
「さぁ、アタックフェイズだ!ミセリア、ファイターにアタック!」
「いきます!ナイアス・プレッシャー!」
「させない!【
ミセリアの圧倒的水量の攻撃を、再び聖杯に防がれる。
「まだです!」
「ったりまえだ!キャスト!フィールドのアポカリプスをドロップに置いてゲージ2を支払うことで、ミセリアをスタンド!」
「ナイアス・プレッシャー・アゲイン!!」
迫る攻撃に、打つ手がないのか腕をクロスさせる凛。
だが、そんなことでは攻撃を止めることが出来るはずもなく。
「っあああああああ!!」
水瀬凛 LP4→0
『GAME END ! WINNER 響木奏!』
システム音声が奏の勝利を告げる。
こうして、奏の初ファイトが終わった。
「バディギフトとかミセリアの能力のこと詳しく教えてなかったのに、どうして発動出来たの?」
ファイトが終わって、疑問を奏でにぶつけてみる。
最後に説明が必要になると思っていたのに、言うことなくファイトが進んだからだ。
「ああ、階段で降りてる途中で店長さんに聞いといたんだ」
「なるほどね」
奏の理解力なら、事前に受けた説明と実際のファイトを見れば行動に移せるだろうことは想像に難くない。
「まぁ、今日はお互い仮組み同士だったからな。これからも色々教えてもらいたいし、デッキが完成したらまたファイトしようぜ」
「今度は、負けないから」
「おう!」
笑顔で握手する2人。と、凛がその手をミセリアにも差し出す。
「え?」
「あなたにも、次は負けない」
「えっと……」
「してやれよ、握手」
「は、はい。こちらこそ」
ミセリアとも握手を終えて、奏たちが帰路につく。
またな!と言って、ショップを出て行った。
「水瀬くん、途中からティーチングだって忘れてたね?」
「ふん……」
図星だったようで、目を逸らして黙り込んだ。