ラブライブ!Ω/UC 外伝 ラブライブ!アイランドスターズ!!    作:la55

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スピンオフ 第3.3~6.5話 九・ひろ子編 第4回

 九と、ひろ子はこのあと、明日の始業式でみんなに新曲を披露することを決め、家路に着く。そして、ひろ子は九と一緒に帰る最中、

「九ちゃん、実は雪穂先生からあることを聞いたんだ」

と言うと、これに九、

「なにを聞いたの?」

と聞き返すと、ひろ子はあることを伝えた。

「実は、スクールアイドルが廃校を救うのは幻想だったんだ」

これには九、

「えっ!!」

と驚く。ひろ子は続けてあることを言った。

「μ‘sは音ノ木坂の廃校を救ったのは実はラブライブ!に出場する前のことだったんだ。第1回ラブライブ!に出場するため、μ’sは頑張っていた。そして、それが音ノ木坂を盛り上げることになり、ラブライブ!出場を前に廃校しないことが決定したんだよ。でも、メンバーの病気がきっかけで第1回ラブライブ!には出場できなかったんだ」

これに対し、九、

「廃校を阻止したのに、ラブライブ!に出場できなかったなんて…」

とショックを受けるも、ひろ子は、

「でも、第2回ラブライブ!にむけてμ‘sは精一杯頑張って、精一杯楽しんだ結果、ライバルであり、第1回ラブライブ!で優勝したA-RISEを最終予選で破り、その勢いで第2回ラブライブ!で優勝を果たした」

と言うと、九は、

「やったんだね、やったんだね」

と喜ぶも、ひろ子はつらい表情で続きを言った。

「第2回ラブライブ!のμ‘sの優勝と、そのあとに行われたスクールアイドルフェスティバルの盛り上がりで、スクールアイドルは大いに盛り上がった。けど、その盛り上がりの中で、μ’sのサクセスストーリーが1人歩きし、結果、2つの悪い考えが広がった。1つはラブライブ!など有名な大会で優秀な成績を残したスクールアイドルが、下の成績のスクールアイドルを見下す、「スクールアイドル勝利至上主義」と、それに伴う「スクールアイドル特待生制度」、そして…」

これに九、

「そして…」

と言うと、ひろ子は続けて言った。

「「スクールアイドルは廃校を救う」、ラブライブ!などで活躍すれば廃校すら覆せる影響力を持っている、という幻想だった」

これには九、

「幻想…」

と言うと、ひろ子はその続きを言った。

「でも、「スクールアイドル勝利至上主義」と、「スクールアイドル特待生制度」については、雪穂先生たち、オメガマックスがラブライブ!を通じて打破したんだ。こうして、今では全国のスクールアイドルたちは心から楽しんで活動している。けれど、「スクールアイドルは廃校を救う」という幻想は残ってしまった」

これには九、

「なんで、なんで」

と言うと、ひろこはその理由と続きを言った。

「廃校を救う事例はあまりないんだよね。それがスクールアイドルに限ればもっと少ない。事例が少なければ、この幻想はまだ生き残ってしまう。もっと大きな事例があれば消えると思うんだけどね。けれど、そんな事例はあまり発生していない。幻想は生き残ったまま。これに雪穂先生のお姉さん、高坂穂乃果さんは危惧していた。もし、このまま音ノ木坂にスクールアイドルが残れば、なにかあったとき、スクールアイドルに頼ってしまう。みんなのお陰で音ノ木坂は昔以上に盛り上がっている。みんなのキズナで音ノ木坂は昔よりもよくなった。けれど、もしなにかがあってピンチになっちゃうと、またスクールアイドルに頼ってしまう。だからこそ、スクールアイドルに頼らないで、自分たちの力で、そして、キズナで乗り越えてもらおう、そう思って穂乃果さんたちは音ノ木坂にスクールアイドルを残さなかった。音ノ木坂のスクールアイドルは雪穂先生たち、オメガマックスで最後。でも、スクールアイドルがいない音ノ木坂は今でも元気にやっているよ、みんなのキズナで」

これには九、

「スクールアイドルのいない学校、それでやっていけるのか」

と感動するも、ひろ子の話は終わりではなかった。

「そんな少ない事例だけど、ないこともない。実は5年前、静岡県沼津にある小さな高校「浦の星女学院」にある9人のスクールアイドルがいたんだ。その9人は統廃合を阻止するため、一生懸命頑張っていたんだ」

と、ひろ子が言うと、九、

「誰のことかな?」

と言うと、ひろ子は続けて言った。

「最初は東京で行われたスクールアイドルの大会のファン投票があって、その投票数、「0」、つまり、だれも認めてくれなかった。けど、一生懸命頑張って、一生懸命楽しんだ。そして、最初のラブライブ!では東海予選まで進んだ。でも、結果はそこで敗退。それでも彼女たちは諦めなかった。「「0」から「1」へ、「1」から「10」へ、「10」から「100」へ、そして、「100」からその先へ」。自分たちの輝きを見つけるために、そして、学校を救うために一生懸命頑張って、一生懸命楽しんで、一生懸命もがき苦しんだ。そして、前回は果たせなかった東海予選を突破。しかし…」

と言うと、九は、

「しかし…」

と、つられて言うと、ひろ子は、

「しかし、あと一歩のところで夢は散った。あともう少しのところで統廃合は阻止できなかった」

と言うと、九、

「なんで、なんで」

と、ひろ子に追い詰めると、ひろ子はそれを無視して話を続けた。

「でも、彼女たちは諦めなかった。学校のみんなからの「ラブライブ!に優勝して、私たちの学校「浦の星女学院」の名を刻んできて」という声に答えるため、一生懸命頑張って、一生懸命楽しんで、そして、ラブライブ!で優勝した。自分たちだけの輝きを見つけてね」

と言うと、九、

「もしかして、Aqoursのこと?」

と言うと、ひろ子、

「そうだよ、Aqoursのことだよ。そしてね、九ちゃん、あの私たちが最初に受講した「サルでもわかるスクールアイドル講座」、あれをつくったのもAqoursなんだよ」

と言うと、九、

「えっ、あれってAqoursが作ったの!!」

と驚くと、ひろ子、

「あれね、Aqoursの3年生が卒業したあと、未来のスクールアイドルを目指す人たちのために何かを残したいという思いからメンバー全員が考えて作った映像らしいよ」

と言うと、九、

「未来のスクールアイドルのために…。へえ、そうなんだ。でも、なんで、映像の途中で黒魔術がでてきたり、「がんばルビィ」とか「未来ずら~」て聞こえてくるのかな?」

とひろ子に聞くと、ひろ子、

「それは…」

と、言葉に窮する。九、さらに、

「それにそれに、「ぶぶーですわ」や「シャイニー」、「ハグしよう」なんか聞こえてきたり、あと、「堕天使リリィー」とか呼ばれたりとか、さらにさらに、「全力前進ヨーソロー」といきなり言ったり、あと、みかん押しが強いというかさ…」

と言うと、ひろ子、これには、ただ、

「それはなんともいえません…」

というだけであった。

 と、ここでひろ子、軌道修正。

「でもね、彼女たちも「スクールアイドルは廃校を救う」という幻想にとりつかれながらも一生懸命頑張って、一生懸命楽しんで、自分たちだけの輝きを見つけたんだよ」

と答えた。九はこのとき、

(廃校を救う、スクールアイドルってそんな力を持っている、私はこれまでそれを信じていた。でも、Aqoursみたいに廃校を阻止できなかったこともある。本当に幻想だったんだね。でも、それ以上のものをAqoursは得たってことは…)

と思うと、ひろ子はそれを見て、締めにはいった。

「μ‘s、雪穂先生たちのオメガマックス、そして、Aqours。たとえダメなときがあっても、一生懸命頑張って、一生懸命心の底からスクールアイドルを楽しんだ結果、3組ともラブライブ!に優勝した。そして、μ’sは伝説となり、オメガマックスはスクールアイドルの楽しさを世界中に広げ、Aqoursはラブライブ!の歴史に自分たちの高校の名を刻み、自分たちだけの輝きを見つけた。そう思うと、スクールアイドルって楽しむことがすべてと思えるんだ」

ひろ子はこれを言うと、九の顔を見た。

「スクールアイドルを楽しむ、かぁ…」

九はそう言って、ひろ子を見つめ、自分の考えを言った。

「私、間違っていたよ。スクールアイドルは学校を救うためにあるんじゃないんだね。自分たちが楽しむことがとても大切なんだね。私、ひろ子ちゃんと一緒に練習して気づいた。2人で練習していくうちにとてもきつく感じるのに、どんどん楽しくなっていくことに、さらに、ひろ子ちゃんとともにスクールアイドル講座を受講し終えたとき、新曲の踊りをすべて考えたとき、その踊りをすべてマスターしたとき、このときの達成感はとても気持ちよくってすがすがしかった。私、ひろ子ちゃんとともっと楽しみたい。いろんなことを練習して、いろんなことをやり遂げていきたい。ねっ、ひろ子ちゃん、私と一緒にもっとスクールアイドルを楽しもう」

これにはひろ子、

「うん。私も九ちゃんと一緒に楽しみたい。もっと、もっと、スクールアイドルを九ちゃんと一緒に楽しみたい」

と言うと、九、

「そうだね。でもね、私にはまだ叶えたい野望があるの」

と言うと、ひろ子、

「なに?」

と訪ねる。九は少しためて、自分の野望を言う。

「私、みんなと、学校中のみんなと、スクールアイドル、やりたい!!星子ちゃんも、たい子ちゃんも、生徒全員でスクールアイドル、一緒にやりたい!!もちろん、土居ちゃん、いや、多恵ちゃんも一緒にね」

と言うと、ひろ子、

「それって凄いアイデアだね」

と言うと、九、

「だから、あしたの発表会では多恵ちゃんも誘おうと思うの」

と言うと、ひろ子も、

「そうだね。断られるかもしれないけど、あたって砕けろ、だね」

と答える。これには九、

「砕けたくないよ~」

と苦笑い。これにはひろ子も加わり、

ハハハハ

と笑って帰っていった。

 

 こうして、2学期の始業式のあと、九とひろ子は無理やり多恵を含めて3人で「オータムウインド」を披露し、大成功をおさめた。その中で、雪穂は自分の力がなくてもあれだけやれる、九、ひろ子、多恵の凄さ、執念の凄さに驚いていた。

 そんななか、

「雪穂先生、どうでしたか」「私たちの曲、どうですか?」

と、九から突然今日のことを聞かれると、雪穂、

「簡単なダンスだけど、とてもよかったよ」

と、九を褒める。それに九、

「それはよかった。で、先生」

と、尊厳のまなざしで雪穂を見つめ、

「お願いがあります。私たち、スクールアイドル部の顧問になってください」

と、頭を下げてお願いした。

 それに雪穂は再びあることを聞いた。

「スクールアイドルになぜなりたいの?」

これには九、すぐに、

「これまでは高校などを救いたいという気持ちでした。けれど、今はそれ以上にみんなと一緒にスクールアイドルを楽しみたい。みんなと歌って踊って、それで、みんなと一緒にスクールアイドルであることを楽しみたいと思っております」

と答え、その横にいたひろ子からも、

「私も九ちゃんと一緒にスクールアイドルとして楽しみたいと思っております」

と、はっきりと答えた。

 このとき、雪穂は一瞬フラッシュバックが起きた。

「私も練習、参加していいですか?」

「あなたのお名前は?」

「みやこ、京城みやこです!!」

雪穂が高3の春、きつい練習で新入生が誰もいなくなり、亜里沙と2人だけで練習しようとしたとき、突然あらわれた入部希望者、京城みやこ、そのみやこと九とひろ子、3人をなぜか重ね合わせるように思えてしまう、そんな感じだった。

「みやこ…」

今の九とひろ子ははいりたてのみやこと同じたまご。でも、みやこが雪穂たち、オメガマックスの精神的支柱になったように、九、そして、ひろ子もこれから生まれてくるスクールアイドルの大きな柱になるのかもしれない、そう雪穂は思ってしまった。

 そして、雪穂はある重大な決断を下す。

「わかったわ。金城(九)さん、水木(ひろ子)さん、私が一流のスクールアイドルに育ててあげる」

「ヤッター!!」

と、喜ぶ九とひろ子。それに雪穂、

「あと、この言葉を忘れないでね。それこそスクールアイドルとして大事な心構えだからね」

と、肝心なところはくぎをさしていた。

 その後、多恵には逃げられたものの、雪穂をスクールアイドル部の顧問として迎えいれることに成功した九とひろ子。そして、早速始業式の日から雪穂の特訓が始まった。

「ほら、もう少し顔を笑ってね」

と、雪穂が言うと、九とひろ子、

「「はいっ」」

と答える。2人にとっていきなり新曲の踊りという基本を吹っ飛ばしていきなり実践をしていたので、これではいけないと、ということで、雪穂はまず基本から教えることにした。

 ただ、基本というのはとても大切なことなのだが、基本ばかりしていると面白くなかったりする。それでも、九とひろ子は音をあげることなく、もくもくとこなしていた。

 そして、練習後、

「九、ひろ子、よくがんばったね。でも、基本だけしていて楽しくないかな?」

と、雪穂が九とひろ子に聞くと、ひろ子、

「ぜんぜんですよ。むしろ楽しいですよ」

と答えると九、

「私もです。だって、これから先、もっと凄いことを教えてくれるんですよね。もっと新しいことをしていくのですよね。私にとって、それは楽しむことがどんどん増えていくことだと考えてしまうのですよ。私、これから先、スクールアイドルをどんどん楽しもうと思います。どんなことがあっても忘れない、スクールアイドルっていうのは楽しんだもの勝ちってね。それに、これをどんどんみんなに伝えていこうと思います。私はもうくじけません。絶対に楽しもうという気持ちを貫いていきます」

と語ると、雪穂、

「その調子で頑張れ!!」

と、九を励ます。これに九、

「はいっ!!」

と答えた。

 このとき、雪穂は思った。九はこれからいろんな困難があろうとも、けしてくじけることはないだろう、だって、九は、これから先、九龍高校のスクールアイドルの精神的支柱に成長していくことができるから。そして、けして諦めない不屈の心でみんなを引っ張っていけるのだ、と。

 

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