ラブライブ!Ω/UC 外伝 ラブライブ!アイランドスターズ!!    作:la55

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スピンオフ 第8.3~9.5話 3年生編 第1回

「星子よ、おもてをあげよ」

「はい、おじいさま」

9月下旬、天海(星子)邸、大広間。ここでは週に1回、星子のおじいさま(町長!!)と星子との定期面談が行われていた。今日はその面談の日。上座についたおじいさまに星子は正座をして、襟を正して挨拶する。

「星子よ、学校の様子はどうが」

おじいさまからのいつもの質問。これには星子、

「いつもの質問だけど、真面目に答えないと」

と、思うと、すぐに、

「今のところ、平穏です。土居建設の社長令嬢(多恵のこと)ともなにも問題なくすごしております」

と、静かに答えるも、おじいさまはすぐに、

「星子、うそをつくのではない」

と、怒鳴るように言う。これに星子、

「なにかございましたか」

と言うと、おじいさまはすぐに、

「この私の目は誤魔化せないぞ。たしか、金城九という娘が中心になってスクールアイドルとかいうものが九龍高校ではやっているそうじゃないか」

と、星子にまたも怒鳴るように言うと、星子、

「それは…」

と、言葉に窮してしまう。これを見たおじいさま、

「いいか、女性というものは大和撫子らしくおしとやかに、つつましくするものだぞ。必ず男性の一歩後ろを歩くものなのだぞ。それが、なにがスクールアイドルだ。どこぞやの遊郭みたいにスカートをひらひらさせて、男性を誘惑させている。過激な衣装を着て男たちを喜ばしている。そんなものはいらん。いいか、もう1度言っておく。女性とは淑女なれだ。おしとやかに微笑む、そして、男性の言うことは必ず聞く。これこそ日本の女性というものだぞ」

と、激しい論調で言うと、星子、

「はい…」

と、ただうなずくだけだった。

 そして、おじいさまは最後にこう締めくくった。

「いいか、どんな方法でもよい、金城九たちにスクールアイドルというちゃらんぽらんなことはすぐにやめて、もっとおしとやかになるようにしつけよ。あと、星子、これはお前に言っておく。いいか、九たちみたいにちゃらんとしたことはやらないようにな。よいか、これで、今日の面談は終わる。以上」

 これには星子、

「はい、かしこまりました」

と、ただ言うだけしかなかった。

 

 翌日の放課後、星子は図書室…、の奥にある閉架図書がしまってある部屋に来ていた。ここには島に関する郷土本、江戸時代、までとはいかなくても、明治時代から現代までの貴重な本などが納められていた。そして、ここに入れるのは、この高校の生徒会長で、同時に図書委員である星子、それに、その補佐をする副会長の氷だけだった。

「ようやくできました。これでこの学校がいつ閉校しても、この学校の歴史や思い出はずっと残るのです」

星子はこう言うと、机に置いた1冊の本を眺めていた。多恵が1学期の始業式に突然宣言した「閉校(閉町、閉島)宣言から星子はずっとこの学校、九龍高校の学校史を編さんしてきた。途中、九とひろ子の手伝いもあり、そのおかげで、来年3月までの閉校までに十分といえるくらい余裕をもって学校史を編さんし終えたのだ。

 その学校史であるが、大切な思い出なので、誰の目も触れないまま、学校の閉架図書の棚に収められることになった。みんなの大切な思い出、それがこの一冊に収められている。

「ごめんね。誰の目にも触れることなく、ここでおやすみなさい」

星子はこう言うと、学校史を閉架図書の棚のなかに収めた。が、星子はほかのところからも本、というより雑誌を次々と出した。「onon」「gonno」「fifteen」「HIS」などなど。これらは一般で言うところの芸能雑誌、ファッション雑誌に分類される雑誌であった。それもどれもこれも最新号であった。星子はこれを机の上に置くとすぐに、

「ふ~ん、これ、私にぴったりかな」

と、いろいろ想像しながら読みふけていた。さらに、スクールアイドルに関する特集のところには、

「なんかかわいいな。九たちはこんなものを目指しているんだね」

と、喜びふける星子。顔はにやけていた。

 それから1時間後、すべての雑誌を読み終えると、星子、

「新しい号ってこないかな。ああ、フェリーが到着するのが待ちどうしいなぁ」

と、なにかを楽しみにしていた。実は星子、みんなに内緒でネットでファッション雑誌などを注文し、フェリーと一緒にその雑誌を運んでもらっていたのだ。その雑誌だが、フェリーが島の港に到着すると、フェリーの女性乗組員からこっそり星子が受け取る手はずとなっている。

 だが、雑誌である以上、物はちゃんと存在する。なので、その雑誌の保管場所が必要となる。が、星子の家において置くと、いつおじいさまに見つかるかわからない。見つかると、大きな雷が星子に落ちるのは必死。では、ほかのところはと言うと、星子が秘密で買っているので、ほかの人にはばれたくない。ということで、星子の家以外もだめ、なのだが、1つだけ見つからずに隠せる場所、それが学校の閉架図書の置いてある部屋だった。この部屋に入れるのは星子と氷だけ。だが、氷はあんまりここに来たがらない、というよりも来たくない。なぜなら、氷は古い本の独特のにおいが嫌いなので、古い本のにおいが充満しているこの部屋に来たくないのだ。ちなみに、星子はこのにおいが好きである。というわけで、星子が注文した雑誌を隠すには都合がよかったのだ。

「でも、本当はこんな格好をするなんてだめなんだよね。だって、おじいさまの言いつけだから」

星子はこう言うと、ファッション雑誌を悲しそうに見つめていた。さらに続けて、

「私は小さい頃からおじいさまから言われていた。「大和撫子らしく、おしとやかになれ」って。おじいさまの言いつけは絶対。私はこれまで忠実に守ってきた。そして、これからも…」

と、星子は悲しい目をして言った。星子の家は江戸時代から続く島役人の家系であった。島を代表する家系、それをこれまで守ってきた。江戸時代、島を管理する役人を代々務め、それが明治、大正、昭和、平成になると、町長として代々引き継がれてきた。なので、この九龍町は1回も町長選挙をしたことがなかった。なぜなら、町長というのは代々天海家がなるものだと考えられてきたから。それほど星子のいる天海家は由緒ある名家なのである。なのだが、これがもとで堅物、保守的なのである。家制度の考えが色濃く残っていた。なので、男尊女卑は当たり前、女性というのは良妻賢母であるべきという考えが今だに通じていた。

「私はこんな若い女性が着るファッションが着れる日はくるのかな。九たちみたいに自分の気持ちで、ひらひらしたスカートを着て、スクールアイドルとして踊れる日なんてくるのかな」

と、星子は机にあるファッション雑誌をもう1回めくりつつ思いをのせていた。が、おじいさんの言うことは絶対、なので、いまどきの若者が着る服なんて絶対にない、そう、星子は思っていた。

 そんなとき、

キーンコーンカーンコーン

と、学校のベルが鳴る。

「あっ、もう家に帰らないと。さんしんのお稽古が始まっちゃう」

と、星子はファッション雑誌をもとの場所に戻し、図書室を出る。そんなとき、

「あっ、星子、もう帰るの?」

と、ちょうど星子の前を通り過ぎようとしていた氷に呼び止められる。

「あっ、氷。氷ももう帰るところ?」

と、星子が言うと、氷、

「いや、これから小中学校の生徒たちと遊びに行くところだよ」

と答える。氷はややインドア派の星子と違い、完全にアウトドア派。社交的であり、誰とでもフランクに話せる。それが小中学校の子どもたちでもだ。なので、よく小中学校の子どもたちとよく遊びに行く。

「星子、途中までついていくよ。今日は学校史の編さんで残っていたの?」

と、星子と氷はたわいもない会話をする。星子にとって氷は心置きなく話せる数少ない親友の1人。なのだが、そんな氷に対しても、星子はおじいさまの従順な僕なので、若者のファッション関連などについてはあまり話さず、それにふれると、

「私、あんなちゃらちゃらしたもの、いやですから」

と一蹴する。なので、氷もその話題にはあまりふれなかった。

 だが、星子と氷、2人が歩いていると、

「1,2,3,4、2,2,3,4」

と、聞き覚えがある声が聞こえてきた。これに星子、

「なんの声?」

と、その声の方向にいってみる。そこには、

「1,2,3,4、2,2,3,4」

と、九たち5人と雪穂が一緒にスクールアイドルになるための練習、というよりダンス練習をしていた。これには星子、

「ちゃらんぽらんなことはすぐやめて、もっとおしとやかになるようにしつけよ」

というおじいさまの言葉を思い出し、

「あんなの、やめさせてくる」

と言うと、氷、

「今はやめとき。ほっときましょう」

と、星子を止める。これに星子、

「なんて気にくわないことをしているのですか」

と、本心で言っているような、まるで怒っているような声で言うと、氷、

「星子…」

と、ただ星子を見つめて言った。いや、なにかを感じ取っていた。なぜなら、星子は荒々しい声で言っているのに、目にはなにか、なにか言いたそうな、いや、なにか一緒にやりたそうな感じであり、なおかつ、目から涙が流れていた。これには氷、

(なにか言いたそうだね。もしかして、星子、九たちと一緒にやりたいのかな?)

と、思えて仕方がなかった。

 

 その日の夜。

「春、ごめんなさい、夜分遅く…」

と、春は営業時間外のため、暗くなっている島唯一のスーパーに春を呼び出し、こう言った。なぜここに呼び出したのかというと、ここには公衆電話があり、それを照らすための明かりが灯っていた。ほかのところでは道を照らす明かりすらない。それだけ夜になるとあたり一面暗くなるのだ。その分、星空は明るく見え、普通の人でも6等星まで見える。町では「星空がよく見える島」としても売り出しており、その星空目当てで観光に訪れる方も多かった。それともう1つ、営業時間外なので、誰も来ない。来るにしても公衆電話を使う人だけ。なので、氷にとって内緒で春にあるには都合がよかった。

「氷、なに、内緒の話って」

と、春は氷に事情を聞く。春はどちらかというとお母さんキャラみたいなところがある。氷は誰とでもフランクに話せるのだが、そのことがあだとなり、内緒の話をすると、誰かに話すのではと心配されることが多い。むしろ、揉め事を仲介するのがしょうにあっていた。一方、春はお母さんキャラといわれるほど困っている人に対して真摯に受止め、的確なアドバイスをくれる。また、相談内容については必ず秘密を守ってくれる。なので、相談するならまず春に、というのがこの島の子どもたちの暗黙のルールになっている。

「実は、星子、なんか困っているみたいなんだ。九たちがスクールアイドルってものになるための練習をしているときに、「あんなのやめさせてくる」「なんて気に食わない「ことするの」と言ってやめさようとしたの。でも、目にはなにか九たちとやりたそうな目で涙を流していたの」

と、氷は春に今日の放課後起こったことを話す。

「ああ、なるほどね。だから、星子、図書室でこっそり見ていたのね」

と、なにかわかったように言うと、氷、

「えっ、図書室でこっそり見ていた~」

と驚く。これには春、

「実はね、星子が図書室のなかでなにかを見ているのを見たことがあるの。で、なにかなって少しのぞいてみたら、ファッション雑誌だったの」

と言うと、氷、

「星子がファッション雑誌!!あの「堅物がとりえです」の星子がファッション雑誌だなんて信じられないよ」

と、大げさに笑う。が、春は真面目に、

「いや、だからこそいまどきの若者にあこがれているのだと思うよ、氷」

と言うと、氷、

「まじ?」

と言うと、春、

「大まじです」

と答えた。春は続けて、

「星子にとっておじいさまという頑固親父、もとい、頑固おじいちゃんがいる。そのおじいちゃんはもとから「女性は男性の言うことをきくものだ」という考えの持ち主で、それでもって星子に対してその考えを強制的に守らせている。星子はおじいちゃんに従順しないといけない。けど、星子だっていまをときめく女の子だよ。少しでも若者ファッションを着てかわいい格好をして都会に出たいんじゃない。でも、それができないのが現状だよ」

と言うと、氷、

「たしかにそうかも」

と言うと、春、

「で、星子は九たちがスクールなんとかになる練習を見て、自分もひらひらなスカートを着て、今をときめくスクールなんとかっていうものになりたい、と思ってしまう。けど、おじいちゃんから「スクールなんとかをやめさせなさい」とかいわれたんでしょ。ひらひらしたスカートなんかを着て踊るなんてけしからん、みたいに。だから、星子はおじいちゃんの言うことを守るために言ったが、それに対して、目は自分の心に正直になってしまい、九たちに対するあこがれ、スクールなんとかになりたいという願望があらわれたんじゃない」

と言うと、氷、

「それは一理あるかもしれない」

と、納得の表情。だが、ここで1つ疑問が浮かび上がる。

「で、春、なんでスクールなんとかって言っているの?」

と、氷は春に質問すると、春、

「九たちがなろうとしているのってスクールなんとかってものでしょ。スクールなんとかって?」

と言うと、氷、

「スクールアイドル」

と言うと、春、

「そう、スクールアイドル」

と言い直す。が、春、重要なことを言う。

「ところで、スクールアイドルって何?」

これには氷、

「スクールアイドルって、あれよ、踊ったり歌ったりするアイドルのことでしょ」

と言うと、春、

「氷、実は知らないのでしょう、スクールアイドルのこと」

と、氷に指をさしつつ言うも、氷も、

「そういう春も知らないのでしょ」

と、痛いところをつく。これには春、

「ということは、私たち、スクールアイドルのこと、知らないね」

と、正直に言うと、氷、

「うん、そうだね」

と、正直にうなずく。

これではまずいみたいで、春、

「なら、まずスクールアイドルのことを調べてから動こうね」

と言うと、氷も、

「うん、そうだね」

と答えた。さらに春は、

「でも、星子にばれるとまずいから、星子には内緒でこっそり調べようね」

と言うと、氷、

「うん」

とうなずいていた。

「で、なんで、星子の秘密知っているの、星子がファッション雑誌を読んでいること」

別れるとき、突然氷は春に聞いて見た。すると、春、

「それは防犯カメラを見たから…、じゃなくて、偶然星子がフェリーの女性乗組員と学校で会っているとこ見ちゃったの。でもって、星子が図書室に行くからこっそりあとをつけたの。そしたら、星子、閉架図書のある部屋に入る前、待ちきれなかったのか、突然、袋からあるものを取り出したの。そのとき、「fifteen」ってタイトルが見えたの。で、星子がその雑誌を熱心に見ていたの。もちろん裏もとってあるよ。後日、フェリーの女性の乗組員に聞いてみたの。そしたら、星子がネットで注文した雑誌を星子のかわりに受け取って、それを星子に渡しているって。星子も無用心だね。だって、その乗組員、星子にファッション雑誌渡しているの、秘密にしていないみたいだったし」

これには氷、

「春、相談相手の秘密を簡単に言うのはいけないと思うけど」

と言うと、春、

「だって、星子から相談受けていないし、氷からの相談には必要な情報かなって」

と言うと、氷、

「春ってなんていう策略家なんだか」

と言うと、続けて、

「あっ、たしか、星子って閉架図書のある部屋の前で雑誌読んだのよね、そのあとは?」

と言うと、春、

「その雑誌を持って閉架図書のある部屋に入っていったけど…」

と言うと、氷、

「雑誌を持って閉架図書のある部屋にねぇ…」

と言うと、あることを思いついた。

 

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