ラブライブ!Ω/UC 外伝 ラブライブ!アイランドスターズ!!    作:la55

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ラブライブ!アイランドスターズ‼ 第2話

第2話 民宿と高校と転校生

 

「おはようございます、高坂先生!!」

「わっ」

雪穂は驚いていた。そこには1人の大きな少女が立っていた。

「あなたは誰?」

雪穂が聞くと、その大きな少女は答えた。

「私は金城九。九ちゃんって呼んでね」

 

(OP 1番のみ)

 

「金城…、九…、ちゃん?どうしてここにいるの?」

と、雪穂が聞くと、すぐに九は答えた。

「私は高坂先生を起こしにきたの。もうすぐ朝ごはんだって」

「朝ごはん!?って、ここはどこ?」

と、雪穂は驚き続ける。これまた九、すぐに答える。

「ここはこれから高坂先生がお世話になる民宿「九龍荘」だよ。と言っても、ホテルや民宿といわれる類で、島で唯一の宿泊施設なんだけどね」

と、少し怒りながら答える。

 雪穂はすぐに窓を開ける。そこにはさとうきび畑が一面に広がっていた。民宿九龍荘はそんなさとうきび畑と集落の境に建っていた。なんでもさとうきび畑を一望できるので有名であると町のホームページに載っている。

雪穂が一面のさとうきび畑をみているまもなく、九のお母さんが、

「高坂さん、朝ごはん、できているよ~」

と、呼びにくると、雪穂、

「は、はい」

と、すぐにわれに返り、食卓に移動する。ただ、これには九、

「なんで私よりお母さんの声に反応するのかな」

と、少し怒り顔になっていた。

 

 雪穂は朝食をすませると、自分の部屋になる客室に移動した。雪穂は、民宿九龍荘の使われていない客室に住むことになっていた。その方が衣食住困らなくてすむから。九龍島は奄美に浮かぶ島の1つであり、コンビニなどがあるわけではない。おいそれと簡単に物を買いに行くことができないのである。そのため、民宿に住むことで衣食住困らないようにしたのである。

 本土から持ってきたものを片付ける雪穂。客室とはいえ、長期滞在者用の客室だったため、タンスやクローゼットは置いてあった。これから長い間ここに住む雪穂にとって1つの城を持ったような感覚だった。

 だが、その感覚も1人の侵入者によって崩されてしまった。

「先生、はいりますよ」

と、ノックせずに1人の少女が入ってきた。

「金城さん、どうしてここに」

雪穂がきまりながらに言うと、九はすぐに、

「先生、九ちゃんって呼んでって何度も言っているでしょ」

と、お願いを言う。

 すると、すぐに九は雪穂に迫ってこう言った。

「ところで、本土ってどういうところなの?」

この質問に雪穂、

「え~と、え~と」

と、言葉に窮すると、続けざまに、

「本土って鉄でできた線路を走る車があるけど、本当なの?」

と、九は雪穂に向かって次々に質問をぶつける。これには雪穂、

「え~と、え~と、え~と、え~と」

と、頭が混乱してきた。頭がくらくらする。もう倒れそうになる。いっそう倒れてしまおうか。そんなふうに雪穂が思った瞬間、

「九ちゃん、もうこれ以上先生を困らせるのはやめようよ」

と、質問攻めの九を抑えようとする少女が…。

「あれ、あれれ…」

と、雪穂はすぐに敷いていたふとんに倒れこむとそのまま、

ぐーぐー

と、寝てしまった。九の質問攻めに頭がパンクしたみたいだった。

「九ちゃんの悪い癖。少しは直しなさいよ」

と、少女の言葉に九、

「ごめんなさい、ひろ子ちゃん」

と、謝っていた。ひろ子と呼ばれる少女は、

「もう、まったく」

と、落胆していた。

 

 といった感じで雪穂は九の襲撃をくらいつつも自分の赴任する高校などについていろいろ調べていた。

 まず、九龍町についてだが、人口は1000人ほどのさとうきびと漁業、観光を主産業とする町である。九龍島を中心にいくつもの島で形成された町でもある。その中心となる島が九龍島で、人口は約500人。町の人口の半分くらいが住んでいる計算となっている。そんな町の悩み事が、若年者が少ないということだった。50年前、島には小中学校しかなく、高校に行くには町を出ないといけなかった。そういうことで、地元にも高校をというわけでできたのが町立九龍高校であった。ただ、最近は人口そのものが減少しているため、高校の生徒数も減少傾向である。と。

「ふう、こんなところか」

と、雪穂は高校の職員室で座って町史の本を読んでいた。けど、職員室としてはとても小さいものだった。あるのは机が6つくらいだった。

「まさか、こんなに小さいとはね。だから私みたいな全教科の免許を取得したが、若くて経験のない教師が呼ばれたというわけね」

この言葉はこの高校が持つ真実の1つを語っているのかもしれない。

 

 そして、4月。始業式の日を迎えた。始業式にでた雪穂は愕然した。けど、わかっていた。それでも現実をみると愕然するしかなかった。

 始業式が終わり、教室へと移動した雪穂。だが、その現実は雪穂を再び愕然とするには間違いなかった。

「私は高坂雪穂と言います。全教科を教えます。よろしくお願いします」

始業式でもしたが、再び雪穂は学生に向かって新任の挨拶をした。

 すると、生徒会長らしき生徒が席を立ち、

「それでは、みなさんの自己紹介をお願いします。まず、私から」

と言うと、生徒会長らしき学生から自己紹介を始めた。

「私は生徒会長で3年の天海星子といいます。以後お見知りおきを」

と言うと、雪穂は思い出したように、

「あっ、私の歓迎会で三線を弾いていた少女だ」

と言った。これを聞いた星子の隣にいた生徒が、

「そうだね。星子は三線だけでなく、花や琴までできる趣味が多い女だもんね」

と言うと、星子、

「それは恥ずかしいから、言うのはやめなさい」

と、恥ずかしそうに答えた。

 そして、星子の隣にいる生徒が自己紹介を始める。

「で、私が富永氷。こう見えても3年生で星子の幼馴染。親は副町長していま~す。ちなみに星子のおじいちゃんが町長していま~す」

と、フランクに答えていた。

「星子さんに氷さんね。で、あと3年は…」

と雪穂が言うと、氷の隣にいたまるで白衣を着ているような、いや、白衣を着ている生徒が手をあげ、自己紹介を始める。

「私は天王春、3年生です。こう見えても理系が得意なんだけど、みんなからはなぜかお母さんって言われてしまうの。どうしてかな?」

と、にっこりと笑いながら答える。その微笑みに雪穂、「ああ、お母さんって言われても仕方がないね」と思うほどだった。

「で、今度は1年ね」

と、雪穂が言うと、すぐに元気そうだが生徒の中で一番小さい生徒が手をあげ、自己紹介を始めた。

「私は池田小明、小明と書いてあかりって読むの。運動神経抜群。すごいでしょ」

と、突然上にジャンプしようとするも、

「小明ちゃん、ジャンプするとスカートがめくれてパンツが見えるからやめようね」

と、隣にいた生徒に注意を受けると、小明、

「大丈夫だよ。だってここは女性しかいないし、めくれてもスパッツはいているから、見えても大丈夫!!」

と、何も心配しないように答えた。

 そんな小明の隣にいる、何か不思議系の顔をしている生徒が突然自己紹介を始めた。

「私は林めい、1年生。不思議そうに見えて、実は芯の強い子、頑張る子」

と言うと、いきなり腕立て伏せを始める。すると、今度も小明の隣にいた生徒が、

「めいちゃん、やめて。パンツ見えちゃうから」

と注意する。めいは、

「大丈夫。私も下に体操服、着て…、いなかった」

と言うと、一同こけてしまう。

「で、小明ちゃんとめいちゃんを注意しようとしたのは…」

と、雪穂が言うと、その生徒が突然背をただして自己紹介を始めた。

「私は川畑たい子と申します。親は漁協で会長をしています。このたびは小明とめいが迷惑をおかして申し訳ございません」

と、謝ってしまう。これには雪穂、

「いや、大丈夫だから、顔をあげて」

と、たい子に言うと、たい子、

「本当にごめんなさい」

と、また謝っていた。

 そして、雪穂は2年生に顔を向けると、

「はいは~い。私は金城九。これでも2年生だよ。先生、どうかな」

と、九は元気よく言うと、雪穂は、

「はいはい。もうわかっているから。では、次の人」

と言うと、九、

「無視しないで」

と、怒りながら言う。

 すると、九の隣にいた生徒が九をあやめる。

「九ちゃん、どうどう。静かにしようね」

と言うと、九、

「うん、わかった」

と、突然静かになる。九が静かになったところで、その生徒が自己紹介を始めた。

「私の名前は水木ひろ子。九とは幼馴染です」

 すると、雪穂、突然、

「あれ、どこかで会わなかったけ。たしか…」

と、驚いたように言うと、ひろ子、

「そうですね。たしか一度お会いしましたね。たしか、フェリーの中で…」

と言うと、雪穂、

「そうだった。あのときは助かったよ。ありがとう」

と言うと、ひろ子も、

「いやいや。困っている人を助けるのは当たり前ですから」

と謙遜しつつ言うと、九、

「またバイトしていたでしょ。バイトはしちゃダメなんだよ」

と言うと、ひろ子、

「だって欲しかったものがあるんだからね」

と、おどけて答えていた。

 しかし、雪穂は気づいていた。九以外少し暗い顔をしていることを。それでもそれ以上に雪穂は心配していた。実はこの高校の生徒はこの8人しかいないことを。そのため、先生の数も雪穂を除くと、校長(兼教頭兼事務局長兼…)と養護教師、用務員しかいないのだ。

「これで高校としてよく成り立っているね」

と、雪穂の心の中で思っていた。だが、この心配は別の意味で高校に危機をもたらすことになる。

 8人の自己紹介がおわり、教科書の配布を始めようとしていたそのとき、突然大きな音が聞こえてきた。

「なんの音?」

と、雪穂が言って校庭に出てみると、1つの大きなヘリが降りてきた。そのヘリは校庭に降りるなり、1人の少女が降りてきた。

 そして、その少女は降りてくるなり、こう言い出した。

「この高校は来年の3月で閉校となります」

 

続く

 

ラブライブ!アイランドスターズ!! ED 「夢ってなに?」

 

(ドリーミング イン ザ スカイ)

 

夢 だれもがもっている

夢 だれもがあこがれている

すべての人が 必ず叶える

夢にはそんな 力がある

 

けれど夢って 何だろう?

夢はいろいろ あるけれど

ただ1つだけ いえる

それは(それは) はてしない

パワーが ある

 

夢を必ず(必ず)叶える(叶える)

私たちには そんな力がある

夢をリンクして 1つの大きな(大きな)

でっかい夢を つくろう

(ドリーミング イン ザ スカイ)

 

夢 だれもが知っている

夢 だれもが気がついている

すべてのものが 必ずつながる

夢にはそんな 力がある

 

けれど夢って 何だろう?

人にはいろいろ いるけれど

ただかならず いえる

それは(それは) つながれば

大きく なる!!

 

夢は大きく(大きく)はばたく(はばたく)

私たちには そんな力がある

夢を信じあい 1つにつないで(つないで)

大きなつばさ つくろう

 

夢ははてしない なぞの1つ

でもかならず 1ついえる

人しかない無尽のパワー

私たちは夢をかなえて

大きな(大きな)ものをつくろう

 

夢を必ず(必ず)叶える(叶える)

私たちには そんな力がある

夢をリンクして 1つの大きな(大きな)

でっかい夢を つくろう

 

(さらに)

 

夢は大きく(大きく)はばたく(はばたく)

私たちには そんな力がある

夢を信じあい 1つにつないで(つないで)

大きなつばさ つくろう

 

(ドリーミング イン ザ スカイ)

 

私たちの大きなつばさ 大きくはばたく

 

次回 閉校とデモとイベント

 


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