ラブライブ!Ω/UC 外伝 ラブライブ!アイランドスターズ!!    作:la55

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決戦編
ラブライブ!アイランドスターズ‼ 第16話


第16話 建造と決勝と電話

 

「お父様…」

多恵は絶句した。そこに映っていたのは多恵の父、建造だった。

「スクールアイドルのみなさん、そして、観客のみなさん、こんにちは。私は土居建造というものです」

建造の低音の声が会場中に響き渡る。建造は一呼吸おいて話し始める。

「このたびは九州予選に来ていただきありがとうございます。主催者としてお礼申し上げます」

「えっ、主催者!!」

星子たち、いや、会場中が驚いた。

 

(OP 1番のみ)

 

「驚いているのには仕方がない」

と、モニターの建造は言うと続けて、

「実はラブライブ!の趣旨に感動しまして、このたび、土居建設グループは全社をあげてラブライブ!を応援することを決めました」

と言う。九は、

「応援?」

と言うと、多恵、

「つまり、ラブライブ!のスポンサーになりましたということよ」

と、説明する。

 建造の話は続く。

「応援、つまり、私がスポンサーになったということは、これまで以上にスクールアイドルは日本中に、いや、世界中に広がることでしょう」

これには多恵、

「本当にそうかしら。私利私欲が見え隠れしているんじゃないの?」

と、建造に対する強いツッコミ。

 それでも建造の話は続く。

「ラブライブ!こそ日本の文化、いや、世界に誇れる文化なのです」

これにも多恵、

「うそばっかり」

とツッコむ。

 だが、建造の本性をあらわしたのはここからだった。

「ただし、このスクールアイドルの頂点に立つのはただ1つ、それは土居建造記念高校のスクールアイドル、バックスターしかおりません」

これには観客たちからブーイングが鳴り響く。それでも建造の話は続く。

「バックスターは見事前回のラブライブ!にて、圧倒的な力で優勝しました。これもみなさま、ラブライブ!を応援しているみなさまのおかげです」

これには観客は黙る。

「バックスターはこれからもみなさまの声援を糧に頑張っていきます。スクールアイドルのみなさま、こんな圧倒的なパワーを持つバックスター、倒したいでしょう」

これにはステージ上にいるスクールアイドルたちから、

「そうだ、そうだ」

と、声をあげている。

 建造、これを見ていたのか、

「それなら、今から流す映像を見てください」

と、ある映像が流れだした。

「!!」

スクールアイドルたちはスクリーンに映された映像を見て絶句した。

「なんていうパーフェクトな歌なの」

「これじゃ勝てないよう~」

と、自信を喪失していくスクールアイドルたち。

 映像が終わると、再び建造があらわれる。

「どうでしたか。これは前回のラブライブ!決勝のときの映像です」

と、解説すると、建造は再びスクールアイドルたちに言った。

「だからこそ、バックスターはあのμ‘s、A-RISE、いや、Aqoursをもこえる存在なのです」

 そして、建造はスクールアイドルたちにとどめをさそうとしていた。

「バックスターに勝てるスクールアイドルはいません。そんなスクールアイドルがいたら見てみたいものですね。ハハハ」

建造の笑い声とともに映像が終わった。

「なにが勝てるのですか。なんで笑っているのですか」

と、多恵はスクリーンに向かって怒りだす。続けて、

「どこまで私利私欲な男ですか。これが私の父だなんて恥ずかしい思いです」

と言うと、星子、

「多恵、ちょっと静かにしなさい!!」

と、多恵に注意する。これには多恵、

「はい」

としゅんとする。

「でも、多恵さんの言うことは一理あるかもしれません」

と、K9のひろ美が言うと、星子は、

「ここでは言えることも言えないでしょう。一度控え室に戻りましょう」

と言ってスクールアイドルたちを控え室へと誘導した。

 これを見ていた司会役のリポーター、

「なにがどうだかわかりませんが、これで波乱の九州予選はここで終わり!!みんな、またね~」

と、大会を終わらせた。

 

「なんだ、あの茶番は!!俺たちをなめているのか!!」

と、K9のカケルが言うと、めい、

「たしかにあれは舐めている目でした」

と、怒りながら言う。

 だが、K9のはるなは冷静だった。

「でも、あの踊りを見せられると、何も言えなくなりますわ」

そして、春も、

「たしかにはるなちゃんの言うことも一理あるかも」

と言うが、多恵は、

「それでも、あんなの許せない!!」

と、怒りながら言う。

 そんなことを言いあっているあいだ、九は、

「ああ、バックスターってあんな踊りするんだ。こりゃ決勝が楽しみだなあ」

と、どこ吹く風であった。

 

 九州予選から1週間後。ここはラブライブ!運営本部。

「あの~、ここに資料、置いていいですか?」

と言う声が資料室にこだまする。

「おお、新入り。ここに置いてくれ」

と、職員らしき人から言われると、

「はい、ここに置いておきますね」

と、若い女性は言って資料を机に置いた。

「ああ、憧れのラブライブ!の運営に携わることができるのか。いいなあ」

と、若い女性は廊下を歩きながら言うと、

「こら、新入り。少しは静かに廊下を歩きなさい!!」

と、これまた別の職員から注意を受ける。

「ごめんなさい」

と、若い女性は謝る。

「だから、若いものは…」

と、愚痴を言いつつ職員は女性のもとから立ち去った。

 その若い女性は小言を言う。

「新入り、新入りって、私は渋谷ヒカリっていう名前があるのに」

そう、この若い女性の正体、それは渋谷ヒカリ、昔、雪穂が大学生のとき、一緒にユニドルグループを結成した仲間の1人である。ヒカリは大学院に通う傍ら、今年の秋からラブライブ!の運営のノウハウを学ぶため、バイトとしてラブライブ!運営本部にて働くことになったのだ。

「だけど、今は下働きしかさせてくれないけどね」

それでもヒカリにとって嬉しいことだった。あのラブライブ!に携われる、そんな嬉しいことはなかった。ヒカリにはスクールアイドルとしての活動歴はなかった。ラブライブ!、そして、スクールアイドルというものを知ったのは大学生になってからだった。高校時代はそんなことを知らずにいた。だから、この年でようやくスクールアイドル、そして、ラブライブ!に携われることは嬉しくて仕方がなかった。

 だが、そんな嬉しさはすぐに終わりを告げようとしていた。

「…様、ここにお座りください」

と、なんか偉い人の声が聞こえてきた。

「誰かな?」

と、ヒカリはドアをちょっと開けてのぞきこむと、

「おお、くるしゅうない、くるしゅうない」

と、低音じみた声が聞こえてきた。

「あのソファーに座っている人って、もしかして…」

と、ヒカリがあることに気づく。

「あの人って、今度、ラブライブ!のスポンサーになった土居建造じゃない」

そう、ソファーに座っているのは、土居建造だった。

 建造に対し横にいる年老いた人は言った。

「このたびはご足労いただきありがとうございます」

すると、建造、

「いやいや。あなたみたいな方に出会えて、こちらとしても光栄です」

と、挨拶をかわした。

「ところで、横にいる人って誰かな?」

と、ヒカリが小声で言う。

 建造はヒカリが見ていることを知らず話をすすめる。

「ところで、例の件はどうなりましたか?」

と、横にいる人に建造が言うと、その人は、

「ほかの審査員にも根回しをしている最中です」

と答えた。これには建造、

「決勝までにはお願いしますぞ。こちらは多額の金をあなた方に差し上げているのですから。だから、私のバックスターを勝たせてくださいね」

と言った。

 この会話からヒカリはあることを思い出していた。

「たしか、建造の横にいる人って、今度のラブライブ!決勝で審査員をする人じゃないかな。それじゃ、もしかして…」

ヒカリは直感した、この現場で建造は審査員を買収しようとしているところだと。

 そんなヒカリがいることも知らずか、建造は話をすすめる。

「そう、あなたのお子さん、今度、大学受験ですね。私が一言言えば、大学なんてお茶の子さいさいですぞ、はは」

と、横にいる人に建造は言うと、その横の人も、

「私の子はどうしても希望の大学に受かりたいのですが、そこまでの学力がありません。でも、建造様の力をもってすれば、きっと叶うものです」

と答える。建造はこうして審査員たちを次々へと買収しようとしている、そうヒカリは思った。

「これは一大事だよ。はやく知らせなきゃ」

と、ヒカリはドアをこっそり閉め、建造がいる部屋から離れた。

「むむ、なんか音がしたぞ」

と、建造が言うと、その横にいる人は、

「どうしたのですか?」

と言うと、建造、

「いや、なんでもない。気にしないでくれ」

と言った。

「なんかの気のせいか」

と、建造はそう思うと、その横にいる人と話し続けていた。

 

「これは大変だ!!誰かに知らせないと…」

と、ヒカリは走り抜けると、誰もいない会議室に逃げ込んだ。

「でも、誰に話せばいいの?」

と、ヒカリは考えた。

「上司の人に言えば…。いや、だめ。絶対につぶされる。なら、スクールアイドル関係者に…。いや、私にはそんな人脈はいない。誰がいいのかな~」

と、悩むヒカリ。すると、あることを思いつく。

「そうだ。こんなときこそ雪穂さんだ!!雪穂さんならいろんな人脈を持っているからね」

と言うと、すぐに雪穂に電話をした。

「雪穂さん、はやく出てください」

と、願いつつ雪穂がでてくるのを待つ。すると、

「はい、雪穂ですが」

と、雪穂の声が聞こえてきた。

 

ツルルル

と、雪穂の携帯から着信音が聞こえてきたのは雪穂がちょうど放課後の練習に行く最中だった。

「あれっ、これってヒカリからだよね」

と、雪穂はヒカリからの電話だと気づくと、すぐに、

「たしか、ヒカリってラブライブ!運営本部にバイトに行っているよね。もしかして、何かあったんじゃないかな」

と、直感が働くとすぐに誰もいない教室に隠れ、電話をとった。

「はい、雪穂ですが…」

と言うと、すぐに、

「雪穂さんですか。私、ヒカリです」

という声が聞こえてきた。雪穂は、

「なにかあったのですか?」

と言うと、ヒカリは、

「はい、とても大事なものを見ました」

と答えた。

「なにがあったの?」

と、雪穂が言うと、

「実は建造が審査員を買収している現場を見たのです」

と、ヒカリは答えた。

「審査員を買収!!」

と、雪穂が言うと、

「はい、建造はバックスターを勝たせたいためか、審査員を買収しています」

と、ヒカリは真実を話す。

 これに対し、雪穂、

「今はそのことは心のうちにとどめておきなさい。じゃないと、ヒカリみたいな下のものはすぐに消されるから」

と言うと、ヒカリ、

「そうですね。そうします」

と答えた。

 雪穂は言った。

「私も決勝まで心のうちにとどめておきましょう」

 だが、そんなとき、

バーン

と、教室のドアを開ける音がした。

「だ、だれ?」

と、雪穂が言うと、

「私です、多恵です」

と、多恵は答えた。

「多恵、どうしたの?」

と、雪穂が言うと、多恵、

「今、だれかと話していたのでしょ」

と言うと、雪穂、

「昔の友達とだったのよ」

とうそをつく。

 けれど、雪穂のうそを多恵は見逃さなかった。

「それって、私に関係あることですか?」

と、多恵が言うと、雪穂、

「いや~、そうでもないよ」

と、さらにうそをつく。そんな雪穂に対し、多恵、

「うそをつかないでください」

と、大きな声で雪穂に迫る。

「きっと私の父のことでしょ」

と、多恵が言うと、雪穂、

「なんでそんなことわかるのかな?」

と、逆に質問した。

 多恵はすぐに答えた。

「それは、先生の声を聞いたからです」

 

 時間は少し戻る。

「多恵ちゃ~ん、雪穂先生、呼んできて~」

と、九は多恵に言うと、多恵、

「はいはい」

と、軽く返事して雪穂を呼びに行く。

「なんで、今日に限って雪穂先生、遅くなるのかな?」

と、多恵はぶつぶつ言うと、

「あれ、あれって雪穂先生だよね。なんで空き教室に入るのかな?」

と、空き教室に入っていく雪穂に気づく多恵。

「ちょっとのぞいて見よう」

と、多恵はガラス窓から雪穂をのぞく。

 すると、

「審査員を買収!!」

という雪穂の声が聞こえてきた。

「えっ!!買収!!」

と、多恵が言うと、すぐに教室のドアを開けた。

 

「やっぱり父親はいけないことをしていたのですね!!」

と、多恵が言うと、雪穂は、

「落ち着いて!!」

と言うも、多恵、

「落ち着いていられません!!」

と言った。

 はたして、多恵はどんな行動をとろうとするのだろうか。そして、九たちの運命は…。

 

次回につづく。

 

(ED 1番のみ)

 

次回 多恵と雪穂とみんな

 

 

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