ラブライブ!Ω/UC 外伝 ラブライブ!アイランドスターズ!! 作:la55
ステージの巨大スクリーンにはとある光景が映し出されていた。
「このたびはご足労願いましてありがとうございます」
「いやいや。あなたみたいな人に出会えて、こちらとしても光栄です」
そこに映っていたのは多恵の父でラブライブ!のスポンサーの1つである土居建造と今日の決勝の審査員だった。
「そう、あなたのお子さん、今度、大学受験ですね。私が一言言えば、大学なんてお茶の子さいさいですぞ。はは」
と、建造が言うと、審査員も、
「私の子はどうしても受かりたいのですが、そこまでの学力がありません。でも、建造様の力をもってすれば、きっと叶うものです」
と答える。
「なに、これ?」
「これって建造っていう人が審査員を買収しているところじゃないの?」
これに対し、バックスターのルナは、
「そんなのうそでしょ。建造様がこんなことをするなんてうそでしょ」
と、動揺するも、
「それはうそではありません」
と、ある女性がステージにあらわれた。
「雪穂先生!!」
九は叫ぶ。そう、ステージにあらわれたのは雪穂だった。
ラブライブ!アイランドスターズ!! 第20話
「ラブライブ!と九たちとアイランドスターズ」 前編
「土居建造はバックスターを優勝させるため、審査方法を会場とネットの投票から審査員による審査に変え、審査員を買収していたのです」
雪穂がこう言うと、ルナが雪穂に問うた。
「ちょっと待って。私たち(バックスター)は優勝する実力はあります。それなのに、なぜ、そんな汚い方法をとったのですか?」
これに雪穂は答えた。
「それはね、九たちアイランドスターズの存在があったからよ」
これには多恵、
「ちょっと待って。私たち(アイランドスターズ)にそんな力はないはずだよ。一スクールアイドルでしかないのに…」
と言うと、雪穂、
「それは勘違いしているわ。その証拠に島のお祭りで一度バックスターを退けたじゃない。そして、九州予選ではK9をおさえてトップで通過した。これだけみても、たった短期間で急成長しているじゃない。急成長しているグループには勢いがある。その勢いにのってラブライブ!に優勝するグループも多い。μ‘sやAqours、そして、私のいたオメガマックスも」
と言うと、ルナ、
「たとえ勢いがあるにしても、私たちの実力はアイランドスターズ以上だわ」
と、元気よく言うも、雪穂の横にある人物が近づく。A-RISEのツバサだった。
「たしかに、実力さとしてはバックスターが有利かもしれない。けれど、1回勝負のラブライブ!としてはその実力さ以上に勢いというのも大事かもしれない、第2回大会のμ‘sのように。私たちA-RISEも全力をだしたけど、μ’sはそれ以上の力、勢いをもって私たちA-RISEに勝ったのよ」
と、ツバサが言うと、続けて、雪穂は、
「そして、今回のラブライブ!でももっとも勢いがあったのはアイランドスターズである、そう思った土居建造はラブライブ!のスポンサーとなり、審査方法を変えてまでバックスターを優勝させたかったのよ」
と言うと、ルナ、
「そんな…。建造様は私たちの実力を認めていないの…」
と嘆くも、雪穂、
「いや、実力はあると思っているよ。けど、それ以上にアイランドスターズを脅威に感じた。だから買収に動いたのよ。もっといえば、バックスターが夏冬連覇をすれば、それだけ土居建造の会社、そして、学校の地位が向上する、それだけ価値が上がれば、それだけで利益を生む、利権を得ることもできる。土居建造はそれを狙っていた。しかし、アイランドスターズという難敵があらわれた。これからの利益、利権を守るために審査員を買収したとみることができるのよ」
と言うと、ルナ、
「そんな…」
と、地に落ちてしまう。
これを見ていた多恵、
「でも、いったいこんな映像、どこで撮ったのかしら?」
と、繰り返し流されるスクリーンの映像を見て言うと、雪穂、
「実はラブライブ!運営に私の友達がアルバイトにいっているの。その友達がこっそり撮ったのがこの映像なんだ」
と説明する。スクリーンに流された買収の現場を撮影したのは、雪穂が大学のとき、一緒にユニドルとして活動していた(渋谷)ヒカリだった。ヒカリが偶然建造が審査員を買収している現場を目撃した際、こっそりスマホで録画していたのだった。そして、その映像をヒカリが雪穂に提供し、それをA-RISEのツバサなど、雪穂が知る関係各所に送っていたのだった。
「で、この映像をもとに審査員本人に直接確認したんだ、今日、この会場でね。そしたら、簡単に認めちゃったのよ、これが」
と、雪穂が言うと、多恵、
「でも、審査員1人だけだったら審査に影響が少ないのでは?」
と聞くと、雪穂、
「実はね、ツバサさんたちにお願いしていろいろと調べていたら、すごいことがわかったのよ。建造は審査員全員を買収していた、というより、自分に有利な、バックスターが有利になるよう審査員を選んでいた上で買収していたみたいなのよ」
と言うと、多恵、
「なんという常識外なことを…」
と、絶句していた。
雪穂はこれを見ると、
「けどね、実はこれがもとで今や大変なことになっているのよね」
と、スクリーンの映像をテレビ放映に切り替えた。そこに映っていたのは…。
「今、土居建設の本社前に来ています。政治家や教育機関などに賄賂を送っていたとの容疑で土居建設の社長、土居建造が逮捕されようとしています。あっ、たった今、土居建造容疑者が逮捕されたという情報が…」
という生中継映像が流れていた。
「お父様が逮捕…」
と、多恵、再び絶句。
「これは想定外だった。ちょっと、ヒカリ、出てきなさい。そして、亜里沙もね」
と、雪穂が言うと、
「は、はい…」
と、ラブライブ!決勝でアシスタントをしていた(アルバイトの)ヒカリと、
「ちょっとやり過ぎました…」
と、これまた雪穂と一緒にスクールアイドル、オメガマックスのメンバーとして活躍していた、雪穂の大の親友で、かつ、μ‘sのメンバー、綾瀬絵里の妹の亜里沙が出てきた。
「私はここまで大きくしなさいとは言っていないでしょ。なのに、なんで、こんなにことが大きくなったの?」
と、雪穂が言うと、ヒカリ、
「だって、これは一大事だと思って、雪穂さん以外に亜里沙さんにも送ったのですよ」
と、言い訳を言うと、亜里沙、
「だって、こんなのいけないことでしょ。大捕り物になると思って。これなら時代劇みたいに、この紋所に目がはいらぬか、ってなるでしょ」
と、言い訳をする。ちなみに、亜里沙は海外の文化を紹介する仕事をしており、そのためか、いろんな報道各社にコネを持っていた。
「いつの時代の話なんだよ。でもね、これによっていろんなところに悪影響がでることがあるんだよ。たとえば…」
と、雪穂が言うと、レポーターの方を見る、すると、レポーター、
「は、はい、ここでニュースだよ。土居建設の社長、土居建造が逮捕されたことを受けてね~、土居建設とそのグループはラブライブ!のスポンサーを降りることになったよ~」
と、ニュースを読むと、
「ヒカリ、亜里沙、これ、どう始末をとるの。ラブライブ!はスポンサーさんのおかげで運営できるのよ。そのスポンサーがいなくなったらどうするの?」
と、雪穂、ヒカリと亜里沙を叱る。
さらにレポーターのニュースは続く。
「そして、審査員全員が土居建造に買収されていたことを受けて、審査員全員が辞めたってことよ~」
これには雪穂、
「買収されていたのだから、全員辞めるのは筋ってものよ」
と、かっこよく言うも、亜里沙、
「これって、しまいには土居建設がスポンサーを降りるパターンじゃないかな?」
と、ぼそっと言うも、
「ギラッ」
と、雪穂は目をぎらぎらにさせていた。これには亜里沙、
「ごめんなさ~い」
と言うも、雪穂、
「まちなさ~い」
と、亜里沙を追いかける。
だが、ここに聞き覚えがある声が響く。
「雪穂、ちょっと静かにしなさ~い!!」
「はいっ!!」
と、雪穂は突然立ち止まる。その声は続く。
「雪穂、ラブライブ!運営はどうするの!!スポンサーは降りちゃうし、審査をする審査員は全員辞めるし。それが今日起きちゃったから、今、運営は混乱しているよ」
これには雪穂、
「それ、私に言われてもわからないよ~」
と嘆く。
そんなとき、ステージの端の方にスポットライトがあたる。
「このときのための、私こと、高坂穂乃果がいるのです!!」
声とともにあらわれたのは、μ‘sのリーダーであり、雪穂の姉である穂乃果だった。
「お姉ちゃん!!」
雪穂が喜びながら言うと、穂乃果、
「雪穂はいつもつめがあまいのよ。こんなことをするなら、あとのことも考えないと」
と言うと、すぐに、
「現在、ラブライブ!運営は混乱しています。そこで、私が一時的に指示をだします。運営のみなさん、落ち着いて対処してください」
と言い、さらに、
「(A-RISEの)ツバサさん、ラブライブ!の(土居建設以外の)スポンサーさんの根回し、できましたか?」
と言うと、ツバサはすぐに、
「それならOKだよ。穂乃果さん、準備はできたかな?」
と言い、穂乃果はすぐにゲストに来ていたみやこ、こころ、ここあのビーストにも指示を出す。
「みやこちゃん、こころちゃん、ここあちゃん、ステージの準備はできている?」
と、穂乃果が言うと、みやこ、
「いつでもいいですよ」
と、とっくに歌う準備をしていた。こころ、ここあも、
「ひさしぶりにラブライブ!のステージだ!!」
「頑張るです~」
と、答えていた。
さらに、ツバサも、
「こっちも歌う準備はできたわよ」
と言うと、穂乃果、
「さぁて、観客のみなさんには、A-RISE、そして、ビーストのライブを見てもらうよ。元スクールアイドルのみんなのライブ、楽しんでくれるかな~」
と言うと、観客は、
「いいとも~」
と叫び返す。
こうして、A-RISEとビーストのライブが突然始まると、穂乃果はすぐにはやてとはるかを呼ぶ。
「はるかちゃん、申し訳ないけど、すぐにあのシステムを復旧してもらえないかな?」
と、穂乃果が言うと、はるか、
「それなら大丈夫ですよ。こんなことがあろうかと、あのシステムの準備はとっくにできています。それをラブライブ!運営のサーバーに接続しますので、あと5分待ってください」
と言う。雪穂は穂乃果に、
「お姉ちゃん、あのシステムって?」
と質問すると、穂乃果、
「審査員の審査に変わる、いつものシステムだよ」
と言うと、雪穂、
「?」
と、ハテナ顔になった。
A-RISEとビーストのライブの裏で、穂乃果たちがある準備をしているころ、ステージの裏では、
「建造様がいなくなった。私はこれからどうすればいいのですか?」
と、1人嘆く少女がいた。ルナだった。
「もう生きていけない。もうどうすることもできない」
と、嘆き続けるルナ。
そんなルナに対し、ある少女が近づいてくる。
「そんなに落ち込んでいたら、幸せ逃げるよ」
それを言ってきたのは九だった。
九の励ましに対し、ルナは、
「そんなの関係ない。私の人生はもうおしまいだ~」
と、嘆き続ける。それにも九、
「そんなことないよ。バックスターのルナちゃんの歌ってとてもよかったよ。だから、おわりだなんて言わないでよ」
と言うと、ルナ、
「私のことはほっといてよ」
と、九を拒絶する。
そんなルナに対し、同じバックスターのメンバーであるレンとカレンが付き添う。
「まだおわっていないんだから。だから、大丈夫だよ」
と、レンが言うと、カレンも、
「私の分析のところ、まだ、バックスターが有利です。諦めないでください」
と、ルナに声をかける。だが、ルナはふさぎこんだままだった。
そんなとき、
「スクールアイドルのみなさんは今すぐステージに来てください」
と、大会スタッフ、というより、穂乃果の声が鳴り響いた。
「ほら、いこうよ」
と、レンが言うと、ルナはただ、
「…」
と、黙って動こうとしない。仕方がないのか、
「カレン、ちょっと手伝って」
と、レンがカレンを呼び、強制的にルナを移動させる。
「ルナちゃん…」
と、九はルナの方を見るも、
「九、ステージに集まれって」
と、星子が九を呼びにくる。
「は~い」
と、九はそのままステージへと戻った。
ステージでは、A-RISEとビーストのライブが終わっていた。
「さぁ~て、審査員の審査に変わる審査方法を発表するよ~」
と、司会役のレポーターが元気に言う。
「新しい審査方法とは、まえと同じ、会場とネットの投票だよ~。会場のみんな~、ネットのみんな~、すぐにラブライブ!ホームページにいますぐアクセスしてね」
とレポーターが言うと、観客はいっせいにスマホやケータイを立ち上げ、ラブライブ!ホームページへとアクセスした。
「ホームページにアクセスしたら、投票画面をだしてね~。そこで、今日、とても輝いていたスクールアイドルを選んでね。1番投票数が多いスクールアイドルが優勝だよ」
と、リポーターは説明した。
「不測の事態を予想していてね、はるかちゃんにお願いして、昔のネット投票システムを復旧してもらっていたんだよ。でも、ホームページまでは直前にならないと変更できなかったから、ツバサさんやみやこちゃんたちにお願いして、少し時間稼ぎをしてもらっていたんだ。そのあいだの時間を使ってネット投票システムとラブライブ!運営のサーバーをリンクしていたんだ」
と、穂乃果は説明する。雪穂は、
「お姉ちゃん~」
と、穂乃果に抱きつく。穂乃果、
「やめて~「」
と言うも、まんざらいやではなかった。
「もうすぐ投票を締め切るよ~。投票が終わっていないみんなは今すぐ投票してね~」
と、レポーターが言うころ、ステージ袖では、
「あともう少しで優勝チームが決まるんだ~」
と、九はステージの方を見つめていた。そこには、九たちアイランドスターズ、ルナたちバックスターを含めたラブライブ!決勝に参加しているスクールアイドル全員が集まっていた。
「それでは、みなさん、ステージにおあがりください」
と、穂乃果が言うと、
「ハイッ!!」
と、ステージの上にあがっていくスクールアイドルたち。ただ、ルナだけは、
「もうステージにはあがりたくない」
と、しかめつらをするも、レンとカレンに連れられてステージにあがる。
はたして、ラブライブ!優勝をするのは九たちアイランドスターズなのか、それとも、ルナたちバックスターなのか、それとも、それ以外のスクールアイドルなのか。そして、園先に見えるものとは…。
次回、ついにクライマックス。最終回に続く。
次回 最終回 ラブライブ!と九たちとアイランドスターズ (後編)