ラブライブ!Ω/UC 外伝 ラブライブ!アイランドスターズ!! 作:la55
ラブライブ!アイランドスターズ‼ 最終章 第1話(第22回)
「この高校は廃校になります」
「えっ…」
「そんな…」
「建造様…」
「建造…」
「建…」
「…」
ガシッ
「えっ!!」
頭をぶつけてルナは目が覚めた。
「なんかいやな夢であった…」
ルナは夢の中の出来事を思い返していた。
ラブライブ!アイランドスターズ!! 最終章
BSS -Back Star’s story-
前編 夢と現実と失意
「伊藤(ルナ)さん、授業中に居眠りなんてどうしたの?ラブライブ!が終わってから気が抜けたのかしら?」
先生から注意を受けるルナ。
「あんな夢、見るなんて…」
ルナは先生の注意を聞かず、ただ夢の中の出来事を繰り返し、繰り返し思い返していた。
「伊藤さん、聞いていますか?」
先生はルナに何度も注意するも、ルナ、
「あの夢は…」
と、繰り返し考え込むまま。
「伊藤さん!!」
ついに先生の怒りは頂点に…。
「えい!!」
と、先生、必殺のチョーク投げ。そのチョークはそのままルナの頭に…。
「いたっ!!」
ルナの頭にクリーンヒット。
「なんでしょうか、先生」
ルナはようやく先生のほうを向く。
「伊藤さん、今は授業中でしょ」
と、先生がルナに怒ると、まわりの生徒たちは、
ハハハ
と笑う。
だが、先生はいきなりルナの顔を見るなり、
「伊藤さん、大丈夫?なんか顔色が蒼白そうに見えてしまうけど…」
と、言い出す。ルナ、
「えっ!!」
と、鏡を取り出し、自分の顔を見る。
「…」
と黙るのみ。本当に蒼白そうに見えていた。
「伊藤さん、保健室に行ってください。すこし疲れているみたいだもの」
と、先生が言うと、ルナ、
「はい…」
と、立ち上がって保健室に移動する。
これを見ていた隣の席のレンとカレンはただ、
「…」
と、黙るのみだった。
保健室に移動するルナ。
「ラブライブ!が終わって1週間経つのか」
と、思い出していた。あのアイランドスターズと対決したラブライブ!決勝から1週間。失意の敗北のあと、アイランドスターズの九から楽しむことの大切さを説かれ、少しは気がはれていた。しかし、それ以上にルナたちバックスターを支援していた土居建造が賄賂などの容疑で逮捕されたこと、そして、これまで完璧を求められていたバックスターがあの地方の、それもとても小さな高校のアイランドスターズに負けたことでこれまでの完璧さ、そして、自分たちのプライドが崩れ去ったことの方が強かった。
「私たちのプライドって…」
完璧、パーフェクトを求められていた、いや、完璧、パーフェクトだったことこそバックスターというプライドを保ち続けていた、だが、ラブライブ!決勝で敗れたことで、そのプライドすらももろくも崩れ去った。
「私たちってこれからどうすればいいのかな…」
ルナは悩む。
「この学校があればまた、トップに返り咲くのかな…」
トップに返り咲く、ルナにとってそれが唯一の救いかもしれなかった。超一流の教師陣、超一流の施設などなど。バックスターを影から支えたもの、それがあればまたトップに返り咲くことができる、ルナはそう考えていた。
「トップに戻れば私たちのプライドも元に戻るのかな…」
ルナは今さっきの夢のことは忘れ、ただ、わずかな希望にすがっていた。
だが、その希望すらもただの蜃気楼になろうとしていた。
「起立、礼」
「お願いします」
「着席」
「それでは緊急LHL(ロングホームルーム)をはじめます」
午後、先生の一言で、緊急LHLがはじまった。
「…」
ルナは昼休み、保健室から戻ってくるなり、ただ黙ったままだった。
「えー、みなさんに大事なお知らせがあります」
先生はLHLをはじめるなり、いきなりあることを言い出す。
「えー、この高校は今月をもって廃校となります」
「えっ!!」
ルナの頭の中はいきなり真っ白になった。まさか廃校になるなんて…。顔面がまた蒼白になるなか、先生の話は続く。
「実は、私たちの高校、土居建造記念高校は土居建造様から多額の寄付金をもらって運営してきました。その建造様が逮捕され、建造様が経営していた土居建設も倒産しました。建造様、土居建設という後ろ盾を失った結果、これ以上高校を運営することはできないということになりましたので、廃校となりました」
これにはルナの隣にいるカレンが手をあげる。
「先生、私の分析ですが、ほかの企業などからスポンサーを探せばいいのではないのでしょうか」
カレンらしい意見だが、先生はさらに答えた。
「この1週間、理事会はスポンサーを探しましたが、土居建造様が賄賂を送っていたこともあって、高校のイメージが急に悪くなり、誰もスポンサーになりたがらないと聞いております」
これにはカレン、
「悪いイメージが…」
と気を落とす。
先生はカレン以外誰も質問をしないことを確認し、すぐに次に進める。
「廃校になることを受けて、あなたたちはこれから自分が転校したい高校の希望調査を行います。100%希望が叶うわけじゃないけど、できるかぎりのことはするわ。でも、急なことなので、今日提出…、というのはしないわ。明後日までにこの紙に書いて私のところに提出してください」
先生はそのことを言って生徒1人1人に転校希望調査票と書かれた紙を渡す。
だが、ルナはそれすら気づかなかった。
「まさか廃校…」
「夢だよね、夢って言ってよ!!」
ルナの心の中はその言葉で一杯だった。まさか夢が正夢になるなんて、ルナはただ心の中で失意のどん底を味わっていた。
そして、ついには…。
バタン
「伊藤さん!!」
「ルナ!!」
「ルナ!!」
先生やレン、カレンがルナの名前を叫ぶなか、ルナは倒れてしまった。
そして、翌日…。
「ルナ、おはよう」
レンの挨拶にルナ、
「おはよう…」
と、ただ挨拶するだけ。
「昨日倒れたけど、大丈夫だった」
と、レンは昨日倒れたルナを心配するも、
「…、大丈夫だよ…」
と、ただ呆然と言うルナ。
「あんまり考え込まないでよ。ルナは私たちにとって大切な仲間なんだから」
と、レンがルナに優しく言うも、ルナ、
「…」
と、ただ黙るままだった。
「大丈夫ですよ。私の分析だと、私たちバックスターはトップから陥落したとはいえ、実績があります。ほかの高校に…」
と、レンの横にいたカレンが言うと、ルナ、
「グガッ」
と、カレンに対して牙をむく。
「ルナ、どうしたの?」
と、カレンが驚くと、レン、
「ルナ、落ち着いて、どうどう」
と、ルナを落ち着かせようとする。
だが、運悪く近くを通っていた生徒たちからある言葉が聞こえてきた。
「ああ、まさか廃校になるなんてね」
「本当だね」
「今月末でみんなとおわかれだね」
「でも、別の高校にいけるんでしょ」
「私たちの高校、案外偏差値高いし、学力も高いほうだから、かなりいい高校にいけるって話よ」
「どこまでいけるのかな?」
「案外どこにでもいけるみたいだよ」
「だったら、どこの高校にいこうかな」
この会話がルナの耳に届く。すると…。
「ガルルル」
と、ルナ、いきなりその女子生徒たちめがけて襲い掛かる。
「ひー」
いきなり襲ってくるルナに女子生徒たちは逃げ始めようとする。
「ルナ、落ち着いて!!」
レンはいきなり女子生徒たちに襲い掛かろうとするルナを止めようとする。
「ガルル」
ルナはレンが止めていてもまだ女子生徒たちに襲い掛かろうとしている。
「ルナ、ごめん」
と、カレンはルナに対してチョップ。
バシッ
「ガル~」
と、ルナは可憐のチョップで落ち着く。
「ルナ、どうしたんだい?いつものルナじゃないよ」
と、レンはルナに言うと、ルナ、
「だって、あの子たち、廃校のこと、あんまり考えていないんだもの…」
と言うと、女子生徒たちは次々に、
「だって、いまさら廃校のことを気にしても…」
「おきたことはおきたことだもん」
「私たちにとっていい高校に転校すればいいだけの話だもんね」
これにはルナ、
「この高校がなくなるよ。この高校を、建造様をなくしてもいいの?」
と、女子生徒たちに質問すると、女子生徒たちは、
「この高校ってそんな価値があるの?別にこの高校がなくなっても、私たちがほかの高校に移動すればいいだけの話ですから。別にこの高校に愛着があるわけじゃないから」
「それより、建造様ってキモいんですけど…」
と、平気で答える。
この言葉にルナ、ついに、
「なんですって~」
と、女子生徒たちめがけて怒鳴り始める。
「ルナ、落ち着いて」
と、レンは再びルナの怒りをおさめようとするも、ルナ、
「ガルル」
と怒鳴り続けるだけ。
「伊藤さん、なんかへん」
「こんなキャラだっけ…」
と、女子生徒たちは凶変したルナをただ見続ける。
そして、
「この高校を…、この高校を…、愛していないなんて、なんて薄情な人たち!!」
ルナはついに女子生徒たちめがけて言うと、
「別に廃校になっていいじゃない」
「私たちがよければいいんじゃない」
と、女子生徒たちはルナの意見を反故するようなことを言うと、さらに、
「あんな伊藤さん、キモい」
「あんなの見たら近づきたくないわ」
「伊藤さんのことはほっとこう」
と、ルナの前から退散する。
「ガルル」
と、ルナはさっさと退散する女子生徒たちめがけてうなるだけ…。
「ルナ…」
レンはそんなルナを悲しく見つめていた。
そして、この日を境に、ルナとほかの女子生徒たちとの溝は日に日に深くなっていく。
「伊藤さんのことはほっとこ」
ルナのことを遠ざける女子生徒たち。
「なんて薄情な人たちなんだ!!」
と、ルナの言葉がその都度聞かれる。
「ルナ、ほっとけばいいんだよ」
と、レンが優しくルナに言うも、ルナ、
「レンも、カレンも、廃校のこと、別に考えていないんでしょ」
と、レンとカレンにつらくあたる。
だが、レンとカレンはそんなルナに対し、
「大丈夫だよ。私はいつもルナの味方だよ」
と、レンが言うと、すぐにカレンも、
「そうですよ。私もレンもいつまでもルナと一緒ですよ」
と、優しく語りかける、いつもその繰り返しだった。
そして、ついに廃校の日。
「これで廃校式を終わります」
「ついに廃校…」
ルナの心の中は真っ白だった。ついに廃校という現実を受け入れなければならない日がきたからだった。
「私、○○という高校にいくんだ」
「それだったら、私のいく高校の近くだね」
「来月からついに新しい高校いいくんだね」
ほかの女子生徒たちからは喜び、そして、これからの期待への声が聞こえてくるが、ルナからは、
「ああ、私たちの高校が…、ついに…、廃校…」
と、ただただ失意の言葉が聞こえてくるのみ…。
「私たちだけだったね、希望票に希望の高校書かなかったの」
レンが言うと、カレン、
「それについて分析すると、先生たちは苦慮しているみたいです」
と言う。そう、ほかの生徒たちは転校希望調査票をだして、そのほとんどが自分の希望する高校に転校することになった。しかし、ルナ、レン、カレンだけ白紙だった。ルナ、レン、カレンの転校先については先生たちは苦慮していた。
「福博女子大学は-」
「だめだ。K9がいる」
「なら、UTX学園は…」
「そこもだめだ。すでに締め切っている」
先生たちはいろんなところにあたるも、ルナたちの意見がはっきりしないため、話を進めることができなかった。
そんななか。
「え~、ルナさん、これ、ルナさん宛てに郵便が来ているよ」
と、ルナにある先生から郵便封筒を受け取る。
「私に郵便って…」
と、封筒に書いてある宛名を見ると、
「九龍高校、金城九…」
九からの手紙だった。
「なんだろう」
封筒を開けると、そこには…。
「手紙と…、チケット?」
九がルナ宛てに送った手紙と3枚のチケットがはいっていた。
つづく
次回 ルナと九とスクールアイドルフェスティバル