ラブライブ!Ω/UC 外伝 ラブライブ!アイランドスターズ!! 作:la55
「まもなく九龍島に到着します」
フェリーの到着アナウンスが聞こえてくると、バックスターのルナ、レン、カレンは車両甲板へと移動した。
「私は別に来たくはないのですが…」
ルナが文句を言うも、レン、
「少しは気分転換したらどうかな。今回の旅も金城(九)さんの計らいで来れたのですから」
と、ルナをなだめようとする。
そして、カレンもレンの行動に加わろうとしている。
「私の分析によると、この旅は気分転換するうえでも最高です」
と、カレンがルナに語りかけるも、
「ハ~」
と、ルナはため息ばかり。
そんなやりとりの最中、
「九龍島に到着です」
と、接岸のアナウンスが聞こえてくる。開く扉、車両甲板に光が差し込む。すると、ある少女の姿がだんだん見えてくる。
そして…。
「ルナちゃん、待っていたよ。私、九だよ」
BSS -Back Star’s story-
中編 ルナと九とスクールアイドルフェスティバル
「金城さん、お迎えありがとうございます」
九の姿を見るなり、レンはすぐに九のところにいき、あいさつする。
「レンちゃん、会いたかったよ。久しぶりだね」
と、九がレンに近づくと、すぐに、
「九ちゃん、少しは落ち着いたらどう」
と、九の横にいたひろ子が九を止める。
「私の分析…、というより、金城さんが落ち着きがないのはわかります」
と、カレンが納得するように言うと、
「田中(カレン)さん、九はいつもこんなものだから分析しなくてもいいよ」
と、九の後にいた多恵が言うと、カレン、
「分析以前の問題ですね」
と、妙に納得していた。
だが、九、ひろ子、多恵とレン、カレンのやり取りを見ているルナ、おもわず、
「レンもカレンも金城さんたちと仲良くすればいいですわ。私は勝手にします…」
といじけてしまう。これにはレン、
「別に仲良くしていたわけじゃないよ。挨拶ぐらいしていないと…」
と弁解するも、ルナ、
「私にとってこの旅はレン、カレンについてきただけ。私はこれから先、(土居)建造様という柱を失い、帰るべき高校もなくなった。私はここで朽ち果てればいいのです」
と、まるでこの世の最後をにおわすような言葉を放つ。
これにはレン、
「ルナ、この世の終わりのようなことは言わない」
と注意するも、ルナ、
「私はただ尽き果てるまでです…」
と、ただこの言葉を繰り返し言うのみだった。そして、ルナの表情は暗く、いや、暗すぎるくらいいじけていた。これにはカレン、
「本当にごめんなさい。ルナはいつも明るいのよ」
と、九たちに弁解すると、多恵、
「それは仕方がないよ。だって、心の支柱だった父(土居建造)は逮捕され、愛した高校が廃校になったのだから」
と、ルナに同情するも、とうのルナはただ、
「…」
と、暗い表情で黙っているままだった。
「このままじゃルナちゃん楽しくないかも。九龍島の素晴らしいところ、見せてあげる!!」
島の唯一の民宿、九龍荘に向かうバスのなか、九はいきなり思いつきで言うと、ひろ子、
「ちょっと。荷物をまだおかずに観光だなんて失礼だよ、九ちゃん」
と、九に諭すも、九、
「だって、このままじゃルナちゃん、楽しめないもん」
と、だだをこねる。これにはひろ子、
「鈴木(レン)さんに田中(カレン)さん、民宿に荷物を置いてからにしたほうがいいでしょ」
と同意を求めるも、レン、
「私はルナの機嫌を早く直したいかな。だから、金城(九)さんの意見に賛成かな」
と言うと、カレンも、
「私もそう思います。ルナがこのままじゃ旅する気分になりませんから」
と、たんたんに答える。
これを聞いた九、
「鈴木さんに田中さんが賛成したことだし、いまから素晴らしい場所巡りだ~」
と、勝手に素晴らしい場所巡りというより名所案内に行くことを決めた。
「九…」
と、ひろ子は言うも、多恵、
「九は一度決めたことはなにがあってもまげないからね。諦めるしかないよ」
と、ひろ子に対して言うも、ひろ子、
「そうだね…」
と、妙に納得していた。
ただ、そんなことでもルナは、
「…」
と、しかめっ面のまま黙っていた。
「まずは九龍サンセットビーチ!!」
九はまず白い砂浜が広がるビーチを案内した。
「ここは夕日がとても綺麗なところだよ」
と、ひろ子が言うと、
「どれくらい綺麗なのかな?」
と、レンが興味をもちはじめる。すると、多恵はすぐに、
「これくらい綺麗、というより、すべてが赤く染まるから、とても綺麗」
と、自分が持っているタブレットで写真を見せる。これにはカレン、
「本当にコントラストが綺麗!!これは本当に美しい」
と褒める。
だが、ルナは写真も見ずに、
「ただのビーチ、面白くない」
と、毒舌をはいてしまう。これにはひろ子、
「…」
と、黙るしかなかった。
「次は九龍遊歩道だよ。ここからはまわりの島がよく見えるんだよ」
と、九。ここはまわりの島がよく見えるほど風光明媚な遊歩道。
「晴れていれば沖縄本島まで見通せることができるんだ」
と、ひろ子、はるか彼方にある沖縄本島まで見えることを自慢するおt、
「沖縄かぁ、私、一度行ってみたい…」
と、レンが喜びながら言うも、
「私たちは仕事で沖縄に行ったことがあるでしょ。いまさらうれしくないよ、そんなもの」
と、ルナ、また毒舌をはく。これには多恵、カレンともに、
「…」
と、黙るしかなかった。
「なら、ここならどう。九龍駅!!」
九はついに汽車の動輪と駅標札がある九龍駅に着いた。
「ここは私たちアイランドスターズの思い出の地。ここで私たち8人と多恵ちゃんが一緒にスクールアイドルになろうと約束した地!!」
と、九が説明すると、多恵、
「違うでしょ。私が9人目のメンバーとしてアイランドスターズとして入った地でしょ」
と、間違いを指摘すると、レン、
「どちらにしても、ここが金城さんや土居(多恵)さんの思い出の地なんだね」
と言う。これにはひろ子、
「そうともいえるね」
と言うと、カレン、
「こりゃ水木(ひろ子)さんの方が正しいかも…」
と納得する。
だが、ここでもルナはただ、
「ただの汽車の動輪と駅の標札があるだけじゃない。そのどこが思い出なの?」
と、またまた毒舌を吐いてしまう。これには九、
「違うよ。ここははるか空につながる夢のレールの出発地点。ここから私たちははるか彼方にあるゴール目指して出発したんだよ」
と、反論するも、ルナ、
「そんなのただの幻想だよ。私には関係ない」
と、さらに塞ぎこむ。
これにはレン、
「もうこれ以上塞ぎこまないで」
と、ルナに注意するも、ルナ、
「…」
と、黙るだけ。カレンも、
「これじゃ旅行の雰囲気が台無しだよ」
と、叫び始める。
そんなとき…。
「それならばー」
と、九はいきなり言い出す。
「九、どうしたの?」
と、多恵が九に聞くと、九、
「いいこと思いついた!!」
と言うと、すぐに、
「ルナちゃん、私たちと一緒に参加しませんか?」
と言うと、多恵、ひろ子、レン、カレンは共に、
「?」
と、ハテナ顔だった。むろん、ルナも、
「?」
となってしまった。
翌日…。
「で、誰にも相談せずに決めたと…」
と、雪穂はただ九の突然の行動力に驚いていた。
「まさか、突然の参加だなんて。準備もろくにしていないのに…」
と、星子はただ呆れていた。
「あの~、話がみえないのですが…」
と、ひろ子は雪穂と星子の顔を見る。
すると、雪穂や星子にかわり、多恵が説明する。
「九が勝手に(今度3月末に行われる)スクールアイドルフェスティバル、通称スクフェスに勝手にエントリーしちゃったのよ」
これには九、
「そのほうがルナちゃんが元気になると思ったんだもん」
と、言い訳を言うと、多恵、
「本当に大丈夫なの?準備は今からだよ。月末まで時間がない、新曲も作らないといけない。ないないづくし。それに、東京まで行かないといけないのよ。スクフェスは秋葉原で行われるのよ。わかっている」
と、九に怒るも、九、
「それでもルナちゃんを元気にしたいんだもん」
とだだをこねる。これにはひろ子、
「今回は多恵ちゃんに一理あると思うよ」
と言うも、九は「やりたい」の一言のみ。
そんななか、
「今からでも間に合いますよ」
という声が…。
「鈴木(レン)さん…」
と、星子が言う。そう、ちょうど、ルナ、レン、カレンが九たちの前を通り過ぎようとしていたのだった。
レンはすぐに説明する。
「実は東京に行かなくてもスクフェスには参加できます。自分たちでネットに中継できるようにすれば、どこにいても参加できるのです」
そして、カレンからも一言。
「たしか、雪穂先生が高3のときにしたスクフェス、ネットで日本中の会場を結んでやりましたよね」
これには雪穂、
「たしかにそうだったような…」
と、誤魔化している顔になる。
そして、レンは言った。
「私は金城(九)さんの意見に賛成です。私もスクフェスに参加したい。カレンとルナ、そして、アイランドスターズのみなさんと一緒にスクフェスに参加したいです」
雪穂はカレンのほうを向くと、カレンも力強くうなずいていた。雪穂はさらに星子やひろ子、多恵の方を見ると、星子、
「バックスターの2人がそこまで言うならいいのでは」
と言うと、ひろ子も多恵もうなずいていた。
雪穂はついに決めた。
「それなら、九たちアイランドスターズ、ルナたちバックスター2組で、この島からスクフェスに参加することにしましょう」
これには九、
「やった~!!」
と喜んでいた。
一方、そのころ、ルナは…、
「…」
と、ただ民宿の部屋に引きこもりになっていた。
こうして、スクフェスに参加することを決めたアイランドスターズとバックスター。はたしてどうなるのだろうか。
つづく
次回 アイランドスターズとバックスターと1つの答え