ラブライブ!Ω/UC 外伝 ラブライブ!アイランドスターズ!!    作:la55

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BSS~Back Star’s Story~bigins 第5話

「ルナちゃん、ラブライブ!に優勝したときの感想は?」

ラブライブ!優勝の翌日、ルナたちバックスターは多くのテレビインタビューを受けていた。SNS上では不動の地位を得ていたバックスターではあるが、テレビなどではまだまだひよっ子である。が、ルナは、

「私たちは優勝するために頑張りました。その結果、優勝できたのです」

と、王者の貫禄を見せていた。もちろん、あとで、レンが、

「そして、私たちバックスターを応援してくれたファンのみなさまの声援のおかげであります」

と、ルナをフォローしていた。

 

 そんなテレビインタビューも終わり、控室に戻るルナたちを待っていたのは、

「おお、おかえり。ルナ、レン、カレン」

と、いつもの建造だった。ルナはいきなり、

「疲れましたよ。優勝してからこんなのばっかし。だって、優勝したというだけでたくさんのお祝いメールが届きましたよ。読むのもつらい。特に昔、私をいじめていたローカルアイドルのメンバーからもきてましたよ。あんなのちっとも見たくもない。だって、昔、私をいじめていたのに、今となっては手のひらを返してますからね」

と、建造に愚痴を言うと、建造、

「まあ、それだけ有名になったということだ。それよりも…」

と、話の話題を変えようとするなり、突然、

「実はこれから先、仕事をどんどん入れようと思っている。特に平日にもね」

と、建造が話す。これに反応したのがカレン。

「ちょっと待ってください。平日にも仕事を入れたら練習ができません。今の実力をあげるどころかキープすらできませんよ」

と、建造に忠告すると、建造、

「それは大丈夫だ。これまで平日の夜に練習していたのを日中に変えればいい」

と、平然と言うと、レン、

「ちょっと待ってください。勉学はどうするのですか。学生は勉学も大事ですよ」

と、心配そうに言うと、建造は、

「それは大丈夫。空いた時間に勉強すればいい。そのための特別カリキュラムはつくってある」

と答えると、レン、

「それで大丈夫なのですか?」

と、さらに心配する。

 が、建造はさらに強くこう述べた。

「いいか。おまえたちはスクールアイドルとしてはもうすでにトップクラスだ。そして、アイドルとしてもすでにトップにのぼりつめようとしている。これからは世界を目指せ!!そのためにもどんどんいろんなところに進出しろ!!そのための支援は惜しみなくしてやる」

 これにはルナ、

(私たちの世界進出のために一肌脱ごうとしている。建造様、私はついていきます)

と思い、

「そうですね、建造様。私たちは世界を目指します。そのためにもどんどん仕事をやっていきます。レン、カレン、いいね。さあ、次の仕事場に行こう!!」

と、強く言うと。レンもカレンも、

「…」

と、黙るしかなかった。

 そして、ルナたちは建造が用意した次の現場に行くために控室を出た。その直後、建造は小声でこうつぶやいていた。

「今のうちに、私のため、私の野望のために働いてくれ、私の操り人形たち…」

その後、建造は会社へと帰っていった。が、このとき、その部屋からは、

ジー

と、なにかの音が小さいながらも響いていた。

 

 そして、これ以降、ルナたちバックスターはテレビ、ラジオ、ネットTV、動画サイトでの番組など、いろんなところに進出していった。そして、その先々でルナたちは大活躍をみせていた。たとえば、とあるクイズ番組では、

「1985年、ミハイル・ゴルバチョフが提唱した改革運動の名前は?」

という問いに対し、ルナはすぐに、

「はい、ペレストロイカ」

と、正解を言う。これには司会者、

「正解!!ルナちゃん、頭いいんだね~」

と、おだてるように言うと、ルナは大いばりで、ルナたちの解答席のうしろにわざわざ張ってある土居建設のポスターの前で、

「あたりまえでしょ。私たちは天才なんですから」

と言って、会場中を沸かしていた。

 ところが、ここでちょっとした問題が発生した。実はルナたちバックスターの仕事場では必ずあるものを設置するか、それに変わることをしないといけなかった。それはルナたちのバックには必ず土居建設のポスターを貼るか、それがダメならルナたちが出演するところの前後の時間に土居建設のCMを流したり、ルナたちのグラビアページの前後のページに土居建設の広告を載せないといけないのだ。これはルナたちが1年冬のラブライブ!で8位入賞したときから起こっていたことだったが、優勝したことにより、建造の手によって露骨に増やしていたのだった。

 なら、それをしなければいいのではと考えようにも…。

「あのう、やっぱり土居建設のポスターやCMを流すの、やめにしませんか。それなしでもバックスターは出演してくれるはずですから」

と、あるテレビ局のADがディレクターに提案するも、

「そんな考えは捨てておけ。この業界に残りたいならな。ここではあまり大きな声で言えないが、バックスターが出演するということで、土居建設から多額のスポンサー料をもらるんだ。それにな、そのことをかぎつけて、あるフリーライターさんが雑誌に暴露記事を載せようとすると、土居建設だけでなく、政治家などから圧力がかかってしまい、そのフリーライターさんは業界から干されたということだ。これを知っていることがばれたら俺が干されてしまう」

と、びくびくしながら答える。それくらい土居建設からテレビ局、ラジオ局、雑誌、ネットTV、動画サイトなどなどに多額のスポンサー料が送られていた。

 だが、実は、レンとカレンはそのことをうすうすと感じていた。

「なんか土居建設のポスターが前より増えていないか?」

と、レンが言うと、カレンも、

「そうだね。私の分析だと、ポスターはラブライブ!優勝の前と比べて倍以上に増えているし、たとえなくても、私たちが出演しているところの前後でCMや広告をばんばん出しているような気がする」

と、冷静に分析していた。これを踏まえて、レンは、

「こりゃ、私たち、建造にうまいように使われていないか。私たちが土居建設の広告塔になっていないか」

と言うと、カレン、

「でも、ルナは建造に心酔している。ルナに言っても無駄じゃないか」

と、諦めの表情だった。ルナがリーダーである以上、ルナたちバックスターは土居建設の広告塔として、ルナが知らず知らずのうちに活動していた、そんな事実、レンとカレンからはルナに伝えるのは無理だった。が、ルナたちバックスターが土居建設の広告塔、という真実は、ルナたちバックスターに対して別の意味で悪い方向に進むきっかけになったのかもしれない。

 そんななか、あるSNSサイトにある書き込みがされた。

「最近、バックスターを見ない日ってないけど、そのバックスターが出演しているところだけ、なんか目立つポスターってないかな?」

これにはすぐに誰かが反応する。

「それって、土居建設じゃないかな。たしか、南の島のリゾート開発をしているという」

この言葉がもとでどんどん書き込みが続く。

「あっ、それって見たことがある。たしか、昨日のトーク番組でこれでもかとくらいみかけたよ」

「でも、この前のクイズ番組にはなかったよ」

「でも、そのクイズ番組、やたらと土居建設のCMが流れていたよ」

「そういえば、この前の雑誌、バックスターのグラビアページの前のページに土居建設の広告があったよ」

「この前の動画サイトのライブ配信にバックスターが出演していたけど、やたらと土居建設のバーナー広告が大きかった」

「それってバックスターがでると必ず土居建設がなにかの形で係わっているような」

「いや、それっていえているよ。バックスターの影に土居建設あり、といえるくらいに」

「でも、それって、バックスターは土居建設というスポンサーがいる、そのため、バックスターはその企業の広告塔をして活動しているといえるんじゃない」

 これにはすぐにいろんなところから反応がでる。

「バックスターにスポンサーがいるなんて…」

「スクールアイドルが一企業の広告塔になるなんておかしくない」

「それより以前に少し異常だと思うよ」

SNS上にこのことを書き込んでいる人たちがこう考えるのは理由があった。スクールアイドルとは「芸能プロを介さず一般高校の生徒を集めて結成された高校生アイドル」のことである。なので、スクールアイドルとはいえ、活動資金はあまりない。μ‘sはメンバー全員で小遣いをだしあって活動している。また、Aqoursも活動資金不足で地元の水族館でアルバイトをしたことがあるくらいである。それに比べて、バックスターは土居建設というスポンサーがいる、そのスポンサーのために自分たちはテレビ番組などに出演することで、その企業を宣伝している、つまり、その企業の広告塔になっている、それが教育上おかしくないか、ということである。なぜなら、バックスターはスクールアイドル、つまり、普通の女子高生なのだ。たとえそうでなくても、あまりにも土居建設の広告が多すぎるという点でも問題だった。

 この書き込みは瞬く間にSNS上に拡散された。むろん、土居建設もすぐにこのことに気づき、削除をいろんなところに要請したが、ときすでに遅く、数多くの人たちが知るところとなった。

 さらに悪いことに、ラブライブ!決勝前のライブに行ったファンからある書き込みがあった。

「そういえば、ラブライブ!優勝前からすでにライブ会場に土居建設のポスターなどがあった」

と、続々とバックスターと土居建設を結ぶ証拠がSNS上にあがってくることになり、

「バックスター=土居建設」

という結びつきが生まれ、さらに強くなった。これにより、これを問題視したバックスターのファンたちは、少しずつだが、次々とバックスターのファンをやめていくことになっていく。

 

 そして、10月、バックスターにとって悪いことが起こった。それは建造のある言葉から始まった。南の島のリゾート予定地、九龍島の土地買収の苦戦が続いていることに業を煮やした建造は、

「このままじゃ、私の夢もおじゃんになる。こうなれば仕方がない。あいつらを呼べ!!」

と、建造の最後の切り札、バックスターを呼ぶ。

「なんでしょうか、建造様」

と、ルナが言うと、建造はすぐに、

「実は行ってもらいたいところがある」

と、九龍島を指し示すと、スケジュール関連の問題はあるも、ルナはその後、

「わかりました。それでは行ってきます」

と言って、その2週間後、九龍島の秋の大祭、九龍祭りにあわせるかのように九龍島に向かった。

 

 その九龍島に向かう高速ヘリのなかで、

「この場所でなにがあるのですか?」

と、ルナは土居建設の関係者に聞くと、

「実は建造様は九龍島のリゾート開発があまり進んでいないことを心配しております。今のところ、建造様の一人娘の多恵様が頑張っておりますが、来年までに着工できるか微妙なところです。南の島のリゾート開発は建造様の夢。それを達成できないとなると建造様が苦しみます」

と言った。

 そして、関係者はさらに、

「なので、建造様は国や県の有力者たちを動かし、来年4月には九龍島そのものを土居建設のものになるように手配しております。ルナさまには島の住民に対し最終宣告をしてもらいたいのです。土地を提供するものは弁償金を保証し、抵抗するものは行政代執行を行うと」

と言うと、続けて、

「あと、多恵様には工事が遅れている責任をとってすべての役職を解任、建造様から勘当とも伝えてください」

と言うと、レン、

「それって多恵様に悪いのでは…」

と、多恵のことを心配するも、関係者から、

「これは建造様の決定です」

と強く言った。

 

「おい、これって九龍島の人たちや多恵様に悪いのでは…」

と、心配するレン。カレンも、

「私の口からは言いたくないよ」

と、ルナに意見する。

 が、ルナは違っていた。

「レン、カレン、心を鬼にしなさい。これは建造様に刃向かう者たちへの鉄槌なのです。そして、多恵には建造様を困らせた報いを受けるべきなのです」

と、ルナが言うと、レン、

「しかし…」

と言いかけるも、ルナはすぐに強く、

「いいですね。すべては建造様のため。心を鬼にして住民たちに言いなさい。特に、多恵にはね。もし失敗すると、私たちはもとの仲間はずれ、いじめられ子にもどるのよ。見捨てられるかもしれないよ、多恵のように」

と言うと、レン、カレン、ともに、

「「はい」」

と、うなずくしかなかった。

 

 そして、九龍島に降り立ったバックスター。当日は九龍祭りの真っ最中。直前には九たち九龍高校のスクールアイドル部8人による歌が披露されていた。それが終わった直後、突然始まるバックスターのゲリラライブ。圧倒的な歌の前に、九を除く九龍高校スクールアイドル部のメンバー全員が自信を失う。さらに、住民たちには最終宣告をするとともに、多恵には、

「土居多恵、おまえは建造様から見捨てられたんだぞ」

と、建造からの勘当を言い渡され、多恵はその場から去ってしまった。

 だが、ルナはのりのりで言っているのに対し、レン、カレンはのりのりで言うふりをしつつ、心の中では、

「住民のみなさん、多恵様、申し訳ございません。でも、これを言わないと裏切りとみなされてしまいそうですし」

と思っていた。事実、レン、カレンの後ろには土居建設の関係者がおり、裏切ると多恵みたいに見捨てられる恐れを感じさせるようなオーラをだしていた。

 

 が、バックスターの九龍祭りへの電撃来襲、結果的にはルナたちバックスターの負けに近いような撤退を余儀なくされたかたちとなった。多恵はそのあと、九たちに感化されて仲間となり、ルナたちがいるステージに戻っては新生九龍高校スクールアイドル「アイランドスターズ」としてルナたちの目の前で「サマーフェスタ」を歌い上げたのだった。

 実力としてはバックスターのほうが上であったが、一生懸命楽しく歌い踊る九たちの前ではその実力もかすみに見えてしまうことに…。そして、住民たちはアイランドスターズをスタンディングオベーションでむかえてしまった。

 これにはルナ、

「これじゃ、私たちが悪者に見えるじゃない」

と言うとともに、

「あなたたちの勝負、この島の運命はラブライブ!決勝でつけてあげるわ」

と、捨て台詞を言って帰ってしまった。

 が、この様子はネットで全国に中継されていた。この中継を見た人たちは、

「バックスターって、やっぱり土居建設の広告塔だったんだ」

「バックスターの実力はその程度かな。私たちなら勝てるかも」

「あんな素人集団に負けるなんて、バックスター、地に落ちたな」

と、いろいろと陰口をSNSを中心に言われるようになり、ファンを減らす要因ともなってしまった。

 

 が、ここで問題になったのが、ルナの捨て台詞、

「勝負はラブライブ!決勝でつけてあげる」

だった。これ、ルナが勝手に言ったことなのだ。なのに、これが建造の意見と見られてしまったのだ。

(どうしてくれるんだ。バックスターがラブライブ!で優勝しないと、私の野望が潰えてしまう。そして、アイランドスターズの登場。あのグループはきっと今度のラブライブ!の他風の目になってしまう。勢いがつけば、バックスターすら危ない。今のうちになにか対策を建てないと)

そう建造は考えていた。なにか方法がないか、いろいろ考える建造。

 そんなとき、

「建造様、お願いがあります」

と、ルナが建造に泣きついてきた。これには建造、

「どうしたんだ。私にできることは何でもするぞ」

と安心させるように言うと、ルナ、

「実は私たちに支援をもっとしてください」

と泣きながら言うと、建造、

「支援とは?」

と、ルナに聞く。それにはルナ、

「もっとメディアの露出を増やしてください。私たちの知名度、人気をもっとあげて、ラブライブ!で優位に立ちたいのです」

と言うと、建造、

「わかった、わかった。そうしよう」

と穏やかに言うと、ルナ、

「ありがとうございます」

と、喜びながら御礼を言った。

 が、その横にいたレンはただたんに、

「それってルナの傷ついたプライドをただ癒したいだけじゃないかな。自分たちはトップなんだからというプライドを保つためのね」

と小言で言った。実際、その通りであった。九龍島での敗北はルナにとって天才であること、そして、スクールアイドルは自分たちがトップであるというプライドに傷がはいってしまったのだ。天才である、1番であるという自信がルナの心の源だったりする。その源に傷があれば粉々に砕けるのは簡単だったりする。ルナはそれを恐れているのかもしらない。それを少しでも修復しようとしているのかもしれない。

 でもって、カレンはこのことをシビアにみていた。

「でも、このままでは私たちバックスターは負けてしまう。九龍島の敗北によって、バックスターの実力に陰りがあると見られてしまった。ラブライブ!の審査方法は会場とネットでの投票。これまでの実績や知名度で押し切るのは難しい。それなら、圧倒的な練習量で実力をあげるべき。もしくは、審査方法を変えてズルをするべきか…」

と、カレンは小言を言っていた。

 が、その小言を偶然建造は聞いてしまった。

「審査方法を変える、ズルをするか…」

実は建造、土居建設、そして、建造本人がラブライブ!の運営本部に多額の出資をしていたのだった。これは建造本人がスクールアイドルを、ラブライブ!を応援したいと昔から思っていたからだった。だが、建造はこれをもって審査方法を変えるズルを考えてしまった。

「よし、ラブライブ!のメインスポンサーになってラブライブ!を牛耳ってしまおう」

と、建造が言うと、すぐにラブライブ!にこれまでの倍以上の多額の出資金を出してラブライブ!のメインスポンサーになってしまった。

 さらに、メインスポンサーになったことを利用して、会場とネットでの投票から審査員投票に変えるように運営本部に迫ったのだ、いろんな理由をつけて。当然最初は運営本部も拒否するも、建造が金にものをいわせて迫ったため、仕方なく投票方法を変えてしまった。ただし、予選については準備が間に合わないため、決勝のみ審査方法を変えることにした。

 建造は次に審査員を買収することにした、それも全員に。審査員は運営本部が厳正に選び、決勝まで秘密にするつもりだったが、その情報が建造のところに事前に漏れてしまった。

「このメンバーなら全員買収できるな」

建造はそう言うと、審査員の買収に動いた。以前から政治家や教育関係者などに賄賂を贈るなどをしてきた建造にとって審査員の買収など朝飯前だった。

 こうして、建造はバックスターがラブライブ!にて優勝できる筋書きを完成させていた。まさか、審査員を運営本部で買収したところを雪穂の親友でラブライブ!運営本部でバイトをしていたヒカリにこっそり撮られていることを知らずに。

 

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